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住む場所の決め方!引っ越し先の場所や家選びのポイント!おすすめ紹介

住む場所の決め方!引っ越し先の場所や家選びのポイント!おすすめ紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

住む場所は、私たちの生活に大きな影響を与えます。たとえば、駅チカで交通アクセスが良い場所は、通勤通学が楽になり毎朝のストレスを低減します。一方で、治安が悪い場所では、近隣住民とのトラブルで頭を悩ませることになるかもしれません。このように、住む場所は人生を大きく左右するため、どこに住むかは重要な選択です。

 

しかし、住む場所を選ぶ基準は多岐にわたるため、「何を基準に選べば良いのかわからない」と迷ってしまう方もいるでしょう。そこでこの記事では、住む場所を決めるための決め方や、情報集のやり方、どうしても決められない時の対処法などについて解説します。

 

住む場所を決めるには?住む条件の決め方!

住む場所を決めるには?
住む場所を決めるためには、まず自分のライフスタイルを理解することが重要です。たとえば、何人で暮らすか、仕事は出勤か在宅か、利便性の良い都心派か緑豊かな場所を好む地方派かなど、何を重視するかで住む場所の見通しを立てることができます。ここでは、住む場所を決めるために欠かせない条件の決め方について解説します。

 

ライフスタイル(年齢・住む人数・子育てファミリーなど)

はじめに紹介するのは、「ライフスタイル」に合わせた選び方です。一言にライフスタイルといっても、年齢、家族構成、仕事、趣味などさまざまです。例として、家族構成の観点で間取りを考えてみましょう。一人暮らしであれば、1Kや1LDKの間取りが人気です。新婚夫婦やカップルであれば1LDKや2DK以上が望ましいです。子育てファミリーは3LDK以上あれば、将来的に子ども部屋をつくることができるでしょう。

 

このように、ライフスタイルによって選ぶべき間取りは異なります。他にも年齢、仕事、趣味などによって選ぶ基準は異なるため、まずはご自身のライフスタイルについて考えてみてください。

 

交通アクセス(通勤・通学など)

住む場所を選ぶ上で、交通アクセスは非常に重要な要素です。通勤・通学はもちろんのこと、休日のショッピングや家族で遠出する際にも交通アクセスが良いに越したことはないでしょう。

 

国土交通省「住居地域に関する意識調査」の概要についてでは、「住み替える際はどのような事項を重視するか」という問いに対して「利便性の良さ」が一番多い結果となりました。これを見ると、住まいに利便性を求める方は非常に多く、交通アクセスを重視した住まいを選ぶことの重要さが伺えます。

 

立地条件

立地条件の良さも住まい選ぶでは外せない条件の一つです。立地条件は、駅が近いということだけではなく、「周辺環境が充実しているか」ということも関係します。たとえば、徒歩圏内にスーパー、コンビニ、ドラッグストアがある場所は立地条件が良いと言えるでしょう。

 

さらに、小さな子どもがいるご家庭では、小児科や保育園、幼稚園、公園が近いこともポイントです。一方で、家族の中に高齢者がいる場合は、商業施設や病院、バス停が近くにあると安心でしょう。このように、住む人によって求める立地条件は異なるため、優先順位を付けながら家族で話し合ってみることをおすすめします。

 

治安

治安を調べるためには、警視庁が発表している犯罪件数や口コミを参考にしましょう。

 

警視庁:事件事故発生マップ

 

特に住んだことがない街へ引っ越しする場合は、念入りに調べておくことが重要です。また可能であれば、時間帯や曜日を変えて実際に物件の周辺をチェックしてください。たとえば、防犯カメラは設置されているか、街頭の明るさ、近くに交番があるか、昼と夜の駅前の様子などを確認しておくと安心です。

 

自然災害

近年、各地で自然災害による被害が報告されています。自分と家族を守るためにも地震、台風、豪雨、洪水、土砂災害など、事前に災害リスクを確認しておきましょう。災害情報は、自治体や国土交通省が提供しているハザードマップで調べることができます。

 

国土交通省:ハザードマップポータルサイト

 

事前にどの程度危険性があるのか把握し、日頃から災害時の避難経路や避難場所について話し合っておくことが大切です。それによって、災害時でも落ち着いて行動することができるでしょう。

 

将来的にも住む場所

一度住む場所を決めたら、数年、もしくは数十年そこで暮らす方もいます。そのため、将来的なことを考慮して住む場所を決めることも大切です。数十年先の未来を想像するのは難しいかもしれませんが、数年先の未来ならイメージしやすいのではないでしょうか。

 

たとえば、新婚夫婦(車なし)が、駅まで徒歩25分の物件を選んだとします。二人のときは、「駅までは、自転車や徒歩で通えるから大丈夫」と思うかもしれません。しかし、将来的に妊娠したり、子どもを連れて出かけたりする場合、徒歩25分の道のりはなかなかの重労働です。このように、少し先の未来や数年後の未来を想像しながら、住む場所を決めることをおすすめします。

 

家賃

賃貸物件に住む場合、毎月家賃を支払わなくてはなりません。そのため、安定して家賃を支払い続けるような家賃設定を行うことが大切です。一般的に、家賃は給料の3分の1程度が望ましいとされています。つまり、給料の手取りが25万円前後の場合は7~8万円、30万円前後の場合は10万円が相場となります。

 

このように、家賃の上限額を決めておくと物件選びがスムーズになります。日々貯金することも視野に入れて無理のない家賃設定を行いましょう。

 

住む場所を決め方!情報収集のやり方

住む場所の決め方
では、物件選びを始めるときは何を参考に情報集住すれば良いのでしょうか。今回は、以下の3つの方法をご紹介します。

 

  • インターネットで検索する
  • 不動産会社に相談
  • 直接現地に行く

 

項目ごとに解説します。

 

インターネットで検索する

賃貸物件に関する情報は、インターネットで気軽に調べることができます。たとえば、インターネットの検索ツールで「〇〇市(住みたい場所) 2LDK 賃貸」などで検索すれば、多くの情報を得ることができます。他にも、地域の情報や住みやすさ、周辺にあるお店の口コミなどを調べることもできます。さらに、Googleマップでは周辺地域を実際の写真で見ることができるため、忙しい方は下見を兼ねて調べてみると良いでしょう。

 

不動産会社に相談

物件を決めるとき、インターネットの情報や図面だけで決めてしまう方もいますが、できれば内見することをおすすめします。内見するときは、不動産会社立ち会いのもと見学するのが一般的。したがって、インターネットで気になる物件を見つけたら、まずは取り扱いをしている不動産会社へ相談しましょう。

 

不動産会社では、専門的な知識を持つプロに相談することができるため、希望条件から最適な物件を提案してくれます。また、物件周辺の美味しいお店や周辺環境、治安など、インターネットでは得られない生の声を聞くことができる点もメリットでしょう。

 

直接現地に行く

気になるエリアが見つかったら、何度か現地を見に行きましょう。1回でそのエリアを知ることは難しいため、できれば時間帯、曜日などを変えて訪れるとより詳細な情報を得ることができます。街の様子や生活の利便性、交通量などを確認して、希望する条件と照らし合わせて考えてみましょう。

 

住む場所をどうしても決められない場合は?

住む場所をどうしても決められない場合は?
ここまで住む場所の決め方について解説してきましたが、「迷って決められない」という方もいるかもしれません。どうしても決められないときは、以下の方法を試してみてください。

 

  • 親戚や友人に相談する
  • 何社か不動産会社に相談する

 

詳しく見ていきましょう。

 

親戚や友人に相談する

どうしても決められない場合は、実際に引っ越し経験がある親戚や友人に相談してみるのがおすすめです。このとき、自分と状況が近い人に相談すると、自身の経験を元に有効なアドバイスがもらえる可能性があります。

 

たとえば、社会人1年目で親元を離れて一人暮らしを始める場合は、会社の先輩や地元の先輩、友人に相談してみましょう。信用できる不動産会社を紹介してくれたり、紹介割引でお得に引っ越しできたり、思わぬメリットがあるかもしれません。また、会社の福利厚生や優遇制度を教えてもらえたというケースもあります。

 

何社か不動産会社に相談する

不動産会社の対応はさまざまであるため、中には不親切な担当者にあたってしまうこともあります。そんなときは、不動産会社を変えてみるのも有効な手段です。なかには、「不動産会に申し訳ない」と思う方もいるかもしれません。しかし、不動産会社を比較検討している方は意外と多いものです。したがって、ご自身が満足できる住まいを見つけるためにも、複数社の不動産会社に相談して信頼できる担当者を見つけましょう。

 

まとめ

今回は、住む場所の決め方について解説しました。「住む場所」と言っても、一時的に住むのか、長期的に住むのか、終の棲家を探しているのかなど、一人一人の状況や背景は異なります。ただし、どの状況でも大切なのは「安心安全に暮らせること」。そのためには、事前の情報収集が必要不可欠です。自分で情報収集できる方は、インターネットや不動産ポータルサイトを用いて条件にあった物件を見つけましょう。一方、自分で情報収集するのが難しい方は、不動産会社に相談するのがおすすめ

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正式な住所の調べ方!番地や地番などの違いを分かりやすく解説

正式な住所の調べ方!番地や地番などの違いを分かりやすく解説
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

正式な住所は、登記手続きや契約書類などさまざまな場面で必要になります。「相続した土地の住所がわからない」という困りごともあるのではないでしょうか。

本記事では正式な住所の調べ方について解説します。用語の違いも分かりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

正式な住所表記とは?「地番」と「住所」がある

正式な住所表記とは?
正式な住所には、2つの書き方があります。一見似ているようですが、それぞれの書き方は基本的な概念が異なるため、TPOによって区別しなければなりません。

 

ざっくり説明すると、不動産取引では「地番」、郵便送付や住民登録などは「住所」が用いられます。ただ、2つの書き方のどちらを採用すべきか、判断が難しいことも少なくありません。

 

ここからは2つの書き方それぞれの概念をわかりやすく解説します。基本的な概念を理解することで、それぞれの書き方をどのような場面で使うのが適切か臨機応変に判断できるようになるでしょう。

 

「地番」とは?

地番は法務局が登記制度の運用をするために作った番号です。そのため、不動産を登記するときなどに、聞かれることが多いです。

 

登記簿上では土地を一筆という単位で数えるのですが、地番は一筆ごとにナンバリングされます。一筆の土地を二つに分筆した場合は、それぞれの土地に付されます。たとえば一丁目5番地の土地を分筆した場合、一丁目5-1番地と一丁目5-2番地という二つに区分されるイメージです。

 

あくまで登記制度の運用に基づき作られたもので、地理的な位置情報を示すものではありません。そのため、1-3番地の横が1-20番地など数字に連続性がない場合もあります。

 

地番がナンバリングされるのは、土地が登記され、法務局で登記情報が登録されるタイミングです。したがって全ての土地に付されているわけではありません。未登記の土地や国有地のなかには、無番地と呼ばれる土地もあります。

 

歴史を紐解くと、1871年の明治時代まで遡ります。米で納めていた年貢からお金で納める税金に変更する税制改正「地租改正」によって、地番が誕生しました。当時全国で一斉に土地の測量が実施され、政府が土地ごとに番号を振ったのが運用のはじまりです。

 

「住所」とは?

自治体が定める家屋の所在地です。家屋が建つ土地だけが持っているもので、何もない更地には住所はありません。

 

郵便や宅配の配送、行政手続きなど多岐にわたる用途で利用され、家屋の場所を特定する役割があります。地番よりも一般の人に馴染み深い書き方で、私たちの日常生活には欠かせません。

 

家屋の位置関係に沿って番号が規則正しくナンバリングされています。書き順は、最初に町名、次に街区符号、最後に住居番号です。町名は〇〇一丁目、街区符号は番、住居番号は号という用語で記載します。

 

〇〇一丁目  +  〇番  +  〇号
町名        街区符号   住居番号

 

町名は皇居に近い順や、街の中心部に近い順で決まる方法などがあります。街区符号の付け方は河川や鉄道などで街区の境界を設けたうえで、隣接する街区が一続きになるように順序よく数字が付けられます。この割り振り方は、道に沿って蛇行しながら番号が付けられる方式が一般的です。さらに一つの街区の周りの道路を、決められた距離(5〜10メートル程度)で分割し、時計回りに数字を振ります。家屋の入口に対応する数字が、その家屋の住居番号になる仕組みです。このような仕組みによって規則的な体系が作られています。

 

決定するタイミングは、その土地に家屋が建つときになります。土地を購入して家屋を新築する場合は、竣工の1カ月ほど前には決定するようなスケジュールです。自治体に新築届を出し、2〜3週間くらいで自治体から決定通知が来ます。

 

そもそも住所は、いつ頃から使われるようになったのでしょうか。スタートしたのは1962年(昭和37年)で、地番よりも後の登場になります。その当時、明治時代から用いられていた地番は、土地の分筆などで複雑化していました。こうした複雑さから、郵便物の配送で混乱が生じることも。そこで住居表示制度を取り入れ、家屋の所在をわかりやすくしたのです。

 

この制度は、住宅が密集する都市部を中心に普及していきました。一方で地方ではそこまで地番が複雑化しておらず、そのまま採用し続けるところもありました。このような経緯があり、現在も混在しているのが実情です。

 

正式な住所表記!「地番」「番地」「番」の違いとは?

正式な住所表記!「地番」「番地」「番」の違いとは?
公式な場面で住所を記入する際は、その書き方のルールを守ることも重要になります。普段住所を書く際は数字をハイフンで区切る人が大半だと思いますが、ハイフンは省略記号であるため、公式な場面で使うのはあまり好ましくないです。公式な場面では、数字の間にハイフンではなく決められた用語を入れます。ただ、用語の使い方を知らないと、どれを使うべきか迷ってしまいますよね。

 

それぞれ以下の用語を使います。

 

使う用語
地番 〇〇一丁目  +  〇番地
町名        地番
住所 〇〇一丁目  +  〇番  +  〇号
町名        街区符号   住居番号

 

似たような響きの用語が出てきて、非常に紛らわしいですね。整理すると、番地は地番に、番は住所を書くときに用いられるものです。ここからは用語の見分け方と、それぞれの関係性について詳しく解説します。

 

「地番」と「住所」の違いとは?

区別するポイントをまとめると、以下のとおりです。

 

地番 住所
1.誰が決めるのか 法務局 自治体
2.何のために作られたか 登記を管理するため 家屋の位置を特定するため
3.何を示しているか 土地の所在 家屋の所在
3.いつ使うか 不動産売買、相続
登記手続き
建築・開発計画
税務申告
境界確認など
郵便配送
宅配サービス
行政サービス
身分証明など

 

一番対照的な特徴は、地番を割り振るのは法務局、住所を割り振るのは自治体という点です。

 

何のために作られたかという目的も相違します。地番は土地の登記を管理する目的、住所は家屋の位置を特定する目的で作られた番号です。

 

示す対象も異なり、地番は土地、住所は家屋の所在を示してます。ちなみに登記上で家屋を管理する番号は家屋番号といい、地番とは別物です。住所については、家屋がない限りナンバリングされず、地番が採用されます。

 

使う場面も対照的で、地番は不動産取引や登記、住所は郵便配送や宅配サービスで使われます。たとえば不動産の所有権を確認したり、土地の境界を特定したりするときは地番が役立ちます。一方で郵便物の配送など、日常生活でよく使われるのは住所です。

 

「地番」と「番地」の違いとは?

番地は、地番を書くときに使う用語です。具体的には、〇〇一丁目1番地のように、町名の後ろに配置されます。

 

「地番」と「番」の違いとは?

とても似た響きですが、別物です。区別するポイントは、どちらの表示に使われる用語かという点です。先ほど説明したとおり、住所を書く際に町名の次に続くのが番です。

 

正式な住所「地番」の調べ方

正式な住所「地番」の調べ方
正式な住所として地番を知りたい場合の調べ方は、以下のとおりです。

 

  • 法務局へ問い合わせる
  • 「地番検索サービス」を使って調べる
  • 固定資産税の納税通知書を確認する
  • 「登記済証」か「登記識別情報通知書」を確認する
  • ブルーマップを使って調べる
  • 「公図」を閲覧して調べる

 

法務局へ問い合わせる

アナログではありますが確実な調べ方は、法務局に問い合わせることです。法務局は土地の登記情報を管理しているため、聞けば教えてもらえる可能性があります。

 

管轄の法務局に電話して、問い合わせてみましょう。聞き方としては「地番の照会をお願いできますか?」と言えば良いです。ただ一部の法務局では照会に応じてくれないところもあります。

 

「地番検索サービス」を使って調べる

法務局が提供する「地番検索サービス」を使えば、インターネットで手軽に調べられます。こちらのサービスは、登記情報などを調べられる「登記情報提供サービス」の機能の一つです。

 

オンラインで手間をかけずに調べられるのがメリットです。ただ最初に「登記情報提供サービス」の利用申し込みが必要になります。検索だけであれば無料ですが、登記簿の閲覧は有料になる点にも注意しなければなりません。

 

また、サービス提供エリアは順次拡大中であるものの、対象外のエリアも存在します。調べたいエリアが対象内かどうかを確認してから利用しましょう。

 

固定資産税の課税明細書を確認する

自分が所有している土地であれば、固定資産税の課税明細書と照らし合わせて確認することも可能です。固定資産税の課税明細書とは、不動産所有者に対して毎年送られている書類で、固定資産税の納税通知書に添付されています。

 

課税明細書の左上に「土地の所在」「家屋の所在」という欄に記載されているのが、所有している土地の地番です。

 

課税明細書を紛失してしまった場合は、自治体で発行してもらえる固定資産税台帳(名寄帳)で確認する方法もあります。固定資産税台帳(名寄帳)は個人が所有している土地・家屋をまとめた一覧表です。土地・家屋の所在地の欄に地番が記載されています。

 

ただし固定資産税台帳(名寄帳)の取得は有料です。自治体によって取得費用は異なりますが、だいたい1通300円程度かかります。

 

「登記済証」か「登記識別情報通知書」を確認する

同じく土地の所有者に限定されますが、登記済証または登記識別情報通知書を参照することで確認することもできます。いずれも登記が完了した証明書の役割を果たし、不動産の所有者だけが持っている書類です。

 

2004年の不動産登記法改正に伴い、2005年3月以降は登記済証から登記識別情報通知に変わりました。したがって不動産の取得時期が2005年3月より前であれば登記済証、2005年3月以降であれば登記識別情報通知が手元にあるはずです。

 

登記済証の場合は、「不動産の表示」という欄に地番が記載されています。登記識別情報通知書の場合は冒頭に記載のある「不動産」という欄を確認してください。

 

ただし登記済証または登記識別情報通知書に記載されている情報が正しいとは限りません。発行後に自治体の合併や土地区画整理事業によって情報が変化している場合もあるからです。

 

ブルーマップを使って調べる

ブルーマップを閲覧して、調査することもできます。住宅地図の上に青字で印刷されていることが「ブルーマップ」という名前の由来になっています。

 

ブルーマップは一冊3万円前後と高額なため、閲覧できる場所に出向いて調べるのが現実的です。ブルーマップを閲覧できる場所は、以下のとおりです。

 

  • 国立国会図書館東京本館
  • 法務局
  • 公立図書館
  • 市区町村役場

 

国立国会図書館東京本館では全国のブルーマップを閲覧可能です。国立国会図書館のサイトではブルーマップ目録を掲載しているため、該当地域があるか事前に確認してから調べに行きましょう。

 

法務局には、管轄地域のブルーマップが設置されています。一方で公立図書館や市区町村役場は、置いてあるところと置いていないところがあり、施設ごとに差がある状態です。

 

また、ブルーマップを使う方法には注意点があります。それは、記載されていない地域やブルーマップ自体が発行されていない地域が存在することです。ブルーマップで確認できない場合は、他の方法を使って調べなければなりません。

 

「公図」を閲覧して調べる

最後に紹介するのは、公図(公図)を閲覧する方法です。作成された明治時代の呼び名を継承して、「字図(あざず)」と呼ばれることも多いです。公図は地図のような図面で、土地の位置や形状が示されており、各土地にナンバリングがされています。

 

取得方法は、法務局から取り寄せる方法とインターネットの登記情報提供サービスからダウンロードする方法などがあります。法務局の窓口で申請すれば、全国の公図を取得することが可能です。登記情報提供サービスは手軽な方法ですが、先述のとおり利用申し込みが必要になります。

 

正式な「住所(住居表記)」の調べ方

正式な「住所(住居表記)」の調べ方
普段住んでいる場所の住所は覚えていても、相続した土地は正式な住所がわからない場合もありますよね。そのような場合に正式な住所を調べる方法は、以下のとおりです。

 

  • マイナンバーカードを使って調べる
  • 家に届く郵便物で調べる
  • 市区町村役場で住民票の写しを取得する
  • 法務局へ問い合わせる
  • 地番から住所を調べる

 

それぞれの方法を詳しく解説します。

 

マイナンバーカードを使って調べる

一番手っ取り早い方法は、マイナンバーカードを確認する方法です。

 

マイナンバーカードに記載されている住所は、住民票に登録されている住所と一致するため正式な住所といえます。マイナンバーカードの表面に記載されている住所欄を確認しましょう。〇〇一丁目〇番〇号というように記載されており、略式のハイフンではない正式な表記までわかります。

 

途中で住所変更している場合は、マイナンバーカードの裏面に記載された住所が最新の住所です。スマホやパソコンでマイナポータルにログインし、「わたしの情報」で最新の登録状況を確認することも可能です。

 

また、マイナンバーカードをまだ発行していない方は、個人番号通知書でも住所を調べられます。しかし住所変更手続きをしていない場合、記載されている住所は古い情報になるためご注意ください。

 

家に届く郵便物で調べる

家に届く郵便物を確認する方法もあります。とくに自治体からの郵便物は、住民票の住所宛てに発送されているため、正式な住所を確認するのに最適です。

 

たとえば税金に関する郵便物は、毎年送られてきます。住民税や年金、国民健康保険に関するお知らせなどが手元にないか確認してみましょう。

 

ただ税金などの支払い義務がない方は、自治体からの郵便物がない可能性もあります。その場合は他の方法で確認するしかありません。

 

市区町村役場で住民票の写しを取得する

住民票の写しにも正式な住所が載っています。市区町村役場の窓口で申請することで取得可能です。

 

マイナンバーカード所持者はコンビニエンスストアでも取得可能ですが、住所だけ調べたいのであればマイナンバーカードの住所欄を確認したほうが早いです。

 

住所の欄に記載されているのが、住民票に登録されている住所になります。〇〇一丁目〇番〇号というように、正式な表記で記載されています。

 

住民票の写しを取得する際は、手数料が必要です。手数料の金額は自治体によって異なりますが、だいたい300円前後で設定されています。

 

法務局へ問い合わせる

マイナンバーカードや市区町村役場からの郵便物が手元にない場合は、法務局に問い合わせてみるのも手です。

 

法務局では不動産の登記情報を管理するにあたり、所有者の住所も管理しているためです。ただ法務局でわかるのはあくまで登記上の住所であり、住民票の住所とは異なる場合もある点にご注意ください。

 

調べ方としては、管轄の法務局に電話をかけて地番照会を依頼します。自分が認識している住所を伝えれば、正式な住所を教えてもらえます。

 

地番から住所を調べる

地番だけがわかっている場合は、そこから住所を調べることもできます。

 

具体的に住所を確認する手段は、以下の2通りです。

 

  • ゼンリンのブルーマップから調べる
  • 地番参考図から調べる

 

ブルーマップは住宅地図と公図を重ね合わせているため、地番が記載されている場所から住所を調べることも可能です。管轄の法務局や図書館にあるブルーマップで確認してみましょう。

 

もう一つの方法は、地番参考図から調べる方法です。この図面は固定資産税を課税する目的で、自治体が作成している資料になります。インターネットで地番参考図を公開している自治体もあるので、手軽に調べられるのが魅力です。地図で位置関係を調べて、そこから住所を導き出します。

 

正式な住所「地番」が分かるメリット

正式な住所「地番」が分かるメリット
正式な地番が分かると、以下のようなメリットがあります。

 

  • 土地の価格が分かる
  • 登記情報が分かる
  • 建築条件が分かる

 

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

 

土地の価格が分かる

地番が分かっていれば、土地の価格相場を調査する際にその精度が高まります。土地を売却したい場合や購入したい場合に、いくらで売れそうか、買えそうか考えるのに役立つでしょう。

 

たとえば、国土交通省の検索サイト「不動産情報ライブラリ」では、地価公示を調べることが可能です。地価公示には「所在および地番」という欄があり、そこに記載されている内容から近隣の土地の価格相場を調べられます。

 

実勢価格は地価公示の1.1〜1.2倍程度なので、どのくらいで取引がされているかも推察できるでしょう。

 

登記情報が分かる

地番を使って、登記情報を取得できます。登記情報に記載されているのは、以下のような情報です。

 

  • 土地の面積
  • 現在の所有者
  • 過去の所有者
  • 所有権以外の権利(抵当権など)

 

登記情報は土地を購入・売却・相続するときに役立ちます。たとえば購入したい土地がある場合に、現在の所有者が誰なのか調べることが可能です。登記情報はすべての人に開示されているので、所有者でなくても取得・閲覧できます。

 

不動産を売却する場合には、すぐに売れるか確認する材料にもなります。基本的にローンが残っている不動産は、そのままでは売れません。登記情報で抵当権の有無を確認すれば、ローンが残っていないかチェックできます。

 

登記情報は、隣地との境界を確定する際の参考資料になることも。登記情報と一緒に地積測量図が備え付けられていれば、土地面積の算定根拠なども明らかになります。

 

建築条件が分かる

土地を活用する際は、都市計画法や建築基準法のルールに従わなければなりません。なかには土地を取得しても、法規制によって家を建てられない場合もあります。建物を建てられたとしても、工事規制を受けたり、用途が限定されたりすることも少なくありません。

 

そのようなリスクを回避するために、事前にその土地がどんな法規制を受けるのか調べておくと安心です。地番は法規制を調べる際にも役立ちます。

 

家を建てる際の法規制の一例を挙げると、以下のとおりです。

 

  • 容積率
  • 建ぺい率
  • 用地地域
  • 斜線制限
  • 高度地区

 

法規制の詳細は、市区町村役場の窓口で調べることが可能です。その際にどの土地か特定するために地番を伝えます。

 

事前に法規制を把握していれば、設計段階での調整が円滑に進み、余計な手間を省けます。また、必要な許認可の手続きも確認できるため、工事の進行もスムーズです。

 

まとめ

日本には2種類の正式な住所がありますが、それぞれ用途などが異なります。地番は土地の登記を管理するための番号で、法務局が定めます。一方で、家屋の場所を特定する役割があり、定めているのは自治体です。

 

地番の調べ方は法務局に問い合わせる方法が確実ですが、所有している土地であれば登記済証など手元にある書類で調べることもできます。住所はマイナンバーカードや自治体からの郵便物で調べる方法が一番早いです。

 

正式な地番がわかると、土地の価格や登記情報、建築条件を調査できるため、不動産取引に役立ちます。土地を購入・売却予定の方や、親族から土地を相続した方は、2種類の正式な住所の違いをしっかり理解し、臨機応変に情報を取得してください。

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農地売却は農協で相談可能?売りたいけど意外と難しい売却方法を紹介

農地売却は農協で相談可能?売りたいけど意外と難しい売却方法を紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

農地売却を検討している場合は、農協に相談することが可能です。農地のまま売却する場合は買主候補が農業従事者に限定されるため、農協のアドバイスが大いに役立つでしょう。

 

本記事では農協に相談するメリット・デメリットと具体的な手順、売れない場合の対策について解説します。

 

農地売却について農協で相談するメリットについて

農協で相談するメリット
農協とは農業協同組合の略で、JA(ジェイエー)というニックネームでも知られています。農業の発展を目的として、農業資材の農産物の販売支援や金融・保険サービスなど多岐にわたる事業を展開している組織です。

 

農協は農地に関するさまざまな情報を持っているため、売却について相談すると以下のようなメリットが期待できます。

 

  • 農地を購入したい人を探してくれる
  • 売却価格を査定してくれる
  • トラブルなど色々サポートしてくれる

 

農地を購入したい人を探してくれる

農協は買主を探すサポートをしてくれます。地域の農家や関連事業者など農協独自の情報ネットワークを活用できるため、幅広いターゲットの中から効率よく購入希望者を探せるでしょう。

 

また農協は農地の活用状況や土地の需要を把握しており、売却に適したタイミングや戦略についてのアドバイスをもらえることも多いです。

 

売却価格を査定してくれる

農協は農地の売却価格を査定してくれます。過去の実績が豊富であるため、適正な価格で査定してくれる可能性が高いです。

 

農地に詳しくない不動産仲介業者に依頼すると、立地条件や周辺環境など通常の住宅地と同じような基準で査定され、売却価格が低くなる恐れがあります。

 

農地の場合は、その地域の農産物の種類や土壌の質なども価格を決める重要な要素であるため、特有の事情を理解している農協に相談するほうが安心です。

 

売却価格の相場を知ることで、不利な条件提示を避けて交渉を有利に進めることも可能です。

 

トラブルなど色々サポートしてくれる

農地売却では、農業委員会への許可取得の手続きが発生し、通常よりも多くの手続きが必要です。農協に相談することで手続きをスムーズに進め、トラブルを未然に防ぐことができます。

 

たとえば買主が農業を継続できるかどうかの審査など、売却後の活用方法も見据えたきめ細かいサポートをしてくれます。税金対策や土地活用方法についてもアドバイスを受けられるため、初めて農地売却をする方は心強いでしょう。

 

農地売却について農協で相談するデメリットについて

農協で相談するデメリット
農協に相談すると、買主探しや価格査定など売却に関するさまざまなサポートを受けられます。ただし相談は有料になる点に注意しましょう。

 

相談は有料

農協に売却をサポートをしてもらった場合、不動産会社に仲介を依頼するときと同様に、仲介手数料がかかります。

 

仲介手数料の金額は、宅地建物取引業法で定められた上限額を参考に設定されることが多いです。宅地建物取引業法では、仲介手数料の上限額が以下のとおり規定されています。

 

不動産売買価格 仲介手数料の上限額
200万円以下 売買価格×5%+消費税
200万円超400万円以下 (売買価格×4%+2万円)+消費税
400万円超 (売買価格×3%+6万円)+消費税

 

ただし、上記の上限額によらず農協が自由に設定することもできます。ややこしいのですが、宅地建物取引業法は宅地に適用される法律であり、農地は規定の対象外となるためです。

 

思わぬ負担を避けるためには、農協に相談するときに仲介手数料の金額を聞いておきましょう。その際、仲介手数料の支払い時期についても確認しておくと良いです。通常は売買契約締結後と引き渡し時の2回に分割して支払います。

 

農地売却は農協で相談する方法や手順

農協で相談する方法や手順
農協に売却をサポートしてもらう方法は、以下の2種類です。

 

  • 農地のまま売却する
  • 農地を宅地に転用して売却する

 

農地のまま売却する場合と宅地に転用して売却する場合では、手続きの流れが異なります。

 

農地のまま売却する場合の流れ

相談から引き渡しまで以下の流れで進めます。

 

  • 農協に相談する
  • 買主を探してもらう
  • 買主と売買契約を結ぶ
  • 農業委員会に農地法第3条許可を申請する
  • 所有権移転請求権の仮登記をする
  • 農業委員会から農地法第3条許可が下りる
  • 農地引渡し・代金決済・所有権移転の本登記をおこなう

 

まずは農協に相談し、買主を探してもらうことから始めましょう。買主候補となるのは農業を営む個人や法人です。買主が見つかって条件がまとまり次第、売買契約を結びます。

 

売買契約締結後は、農業委員会に農地法第3条許可を申請します。農地法第3条許可がなければ売却後の所有権移転登記ができません。

 

たとえば以下のような場合は、許可を得られない可能性があるため注意が必要です。

 

  • 買主が耕作に供すべき農地の全てを効率的に耕作すると認められない場合
  • 農業生産法人以外の法人が権利取得する場合

 

つまり農業委員会は「買主が購入した後も、農業が引き継がれるかどうか」という視点で、許可を下ろすかどうかを判断しているのです。

 

許可を申請してから許可が下りるまでの期間は、だいたい1カ月かかります。その間に第三者に所有権移転登記をされないよう、所有権移転請求権の仮登記をおこなっておくと安心です。

 

許可が下りれば買主に引き渡し、売買代金の精算と所有権移転の本登記をおこない、取引完了となります。

 

農地を宅地に転用して売却する場合の流れ

相談から引き渡しまで以下の流れで進めます。

 

  • 農業委員会に宅地への転用可否を確認する
  • 農協に相談する
  • 買主を探してもらう
  • 買主と売買契約を結ぶ
  • 農業委員会に農地転用の申請をする
  • 所有権移転請求権の仮登記をする
  • 農業員会から農地転用の許可が下りる
  • 地目変更登記をおこなう
  • 農地引渡し・代金決済・所有権移転の本登記をおこなう

 

宅地に転用すると農業従事者以外にも売却できるため、買主候補の幅が広がります。ただし宅地へ転用する場合は、農業委員会や都道府県知事から許可が下りることが必須条件です。

 

最初から宅地への転用が認められてない場合もあるため、早めの段階で農業委員会に宅地転用の可否を確認しておきましょう。

 

買主が見つかり売買契約を結んだら、次は転用の申請をします。転用の手続きは届出と許可の2種類があり、市街化区域では「転用の届出」、市街化調整区域では「転用の許可」が必要です。

 

届出の場合は農業委員会が審査し、2週間程度で受理通知書が発行されます。一方で許可の場合は都道府県知事によって慎重に審査されるため、2ヶ月程度と長期にわたることが多いです。

 

許可が下りたら、地目変更登記を忘れずにおこないましょう。不動産登記法により、変更があった日から1カ月以内に地目変更登記を申請することが定められています。

 

最後に引き渡しと代金決済、所有権移転の本登記をおこなう点は、農地のまま売却する場合と同じです。

 

農地売買は住宅売却よりも難しい

農地売買は住宅売却よりも難しい
農協に相談することは可能ですが、必ず買主が見つかるとは限りません。実際は住宅の売却よりもハードルが高いのが事実です。

 

農地売却が住宅売却より難しいといわれるのは、以下の理由があります。

 

  • 農地を購入するのは農家
  • 農家の高齢化
  • 農地売却は農業委員会の許可が必要
  • 農地以外に転用できないことがある

 

農地を購入するのは農家

農地をそのまま売却する場合、買主候補は農業従事者のみに限定されます。日本の農業を維持するために、農業に従事していない人や農業を続ける意思がない人に売ることはできないのです。

 

また農業従事者は減少傾向が続いており、買主候補の人数が非常に少なくなっている現状があります。2023年の基幹的農業従事者の人数は約116万人と、2000年の240万人と比較して半分以下にまで落ち込んでいる状況です。

 

上記のように買主候補が限られ、さらにその人数が減り続けているという点が、農地売却を難しくしている理由の一つです。

 

農家の高齢化

近年では農家の高齢化が進み、農業の後継者不足や若年層の農地離れが深刻です。
農林水産省の「農林業センサス」によれば、2020年の基幹的農業従事者のうち、65歳以上の階層は全体の71%を占めています。一方で49歳以下の若年層の割合はわずか11%と非常に少ない割合です。

 

このまま農家の高齢化が続けば、農業の担い手は減っていきます。農地を買いたいというニーズが縮小すると、農地売却はますます難しくなるでしょう。

 

農地売却は農業委員会の許可が必要

農地売却は手続き面でもハードルがあります。農地の売却をおこなう場合は農業委員会に申請して許可を得なければならず、通常の売却よりも時間と手間が増えるからです。

 

さらに正式な手続きを経て申請しても、買主に農業継続の意思がないと判断されれば許可が下りないこともあります。農業委員会の審査は売買契約後になるため、契約時点で不確実性が残る点に不安を感じる買主もいるでしょう。

 

申請してから許可が下りるまでに1カ月程度時間がかかることもネックです。引き渡しまでにタイムロスが発生するため、「すぐに購入したい」という買主のニーズを逃してしまう可能性があります。

 

農地以外に転用できないことがある

農地を宅地に転用すれば活用方法が広がるため、買主候補を増やすことが可能です。しかし転用許可は農業委員会や都道府県知事による審査に委ねられており、農地売却同様に不確実性をはらんでいます。

 

審査結果によっては宅地への転用が認められず、売却活動が停滞するリスクもあります。特に市街化調整区域にある農地は、審査が厳しくなるため簡単には許可が下りません。

 

審査期間も市街化調整区域の場合は2ヶ月と長い時間がかかります。短期間で取引を完了させたい買主のニーズを満たすことは難しく、どうしても流動性は低くなるでしょう。

 

農地が売れない場合の対策

農地が売れない時の対策
農地が売れない場合は、以下の対策によって売りやすくなる可能性があります。

 

  • 農地を転用をする
  • 貸し出す
  • 不動産会社に依頼
  • 市民貸農園
  • 太陽光発電を設置

 

農地を転用をする

農地以外の用途に転用すれば、より多くの買主候補が見つかる可能性があります。たとえば宅地に転用することで、農業以外のニーズを持つ層にもアプローチすることが可能です。

 

特に市街化区域は都市化が進んでいる地域と位置づけられているため、住宅用地としての需要が期待できるでしょう。

 

農地転用には申請が必要になりますが、市街化区域であれば農業委員会の届出だけで済み、手続きが比較的簡単です。

 

貸し出す

農地が売れない場合は、貸し出すのも手です。農地を有効活用して、安定した収入を得ることができます。

 

農協では農地の借り手を探したい方向けに、農地利用集積円滑化事業を展開しています。農地利用集積円滑化事業とは、農協が農地所有者を代理して農地の貸付をおこなう仕組みです。

 

このほかにも行政やNPOなどが提供しているマッチングサービスを利用してみるのもおすすめです。農地を貸し出す場合は、借り手との間で賃貸契約を結びます。賃貸契約には貸し出す条件や契約期間、管理体制などを明記することが重要です。

 

ただし農地を貸し出す場合も、農業委員会に申請して許可を受ける必要があります。許可を受けないでおこなった賃貸は無効となるため、注意しましょう。

 

不動産会社に依頼

3つ目の対策は、不動産会社に売却を依頼することです。

 

農協に相談しても買主が見つからないのであれば、不動産会社にあたってみるのも手です。

 

不動産会社を選ぶ際は、周辺地域や都市計画法・農地法に詳しいかどうかで選びましょう。農地売却に精通した不動産会社に依頼することで、取引成功の可能性が高まります。

 

不動産会社独自のネットワークを持っており、農業以外の利用目的を持つ開発業者にもアプローチが可能です。農業だけにとらわれない営業活動ができるでしょう。

 

売買契約や引き渡しの手続きなどもサポートしてくれるため、安心感もあります。ただし不動産会社に売却を依頼すると、仲介手数料が発生する点に留意しなければなりません。

 

市民貸農園

市民貸農園とは市民が気軽に農業体験できる仕組みで、農地の新たな利用方法として注目されています。

 

農業従事者は高齢化や人口減少が進んでいますが、利用対象を農業未経験の市民に広げることで活用幅が広がります。地域コミュニティの活性化に加え、農業の魅力を若年層に伝える場にもなるでしょう。

 

農地所有者は土地を有効活用しながら、定期的な収入を得られる点もメリットです。また農地にほとんど手を加えずに始められるため、将来的に売却や転用がしやすいメリットもあります。

 

一方で市民貸農園を成功させるためには、運営体制の整備やイベントの開催など、きめこまやかな維持管理が求められます。また市民貸農園を開業する際は、農業員会などへの届け出が必要となる点に注意が必要です。

 

太陽光発電を設置

太陽光発電を設置して、再生可能エネルギーの生産拠点として活用する方法もあります。

 

農業を継続しながら太陽光発電をしたい場合は、営農型太陽光発電がおすすめです。営農型太陽光発電とは、農地に簡易的な支柱を立てて、その上部にパネルを設置し太陽光を電気に変換する事業です。

 

営農型太陽光発電を設置する場合は、農地転用許可は必要ありません。代わりに一時的な転用許可を得ることが条件になっています。

 

営農型太陽光発電設備を設置するための農地の一時転用許可件数は年々増加しており、2022年度までの累計件数は5,351件です。

 

農地売却の税金について

農地売却の税金
農地を売却して利益が出た場合は、譲渡所得に対して所得税と住民税がかかります。

 

譲渡所得の計算式は、以下のとおりです。
譲渡所得=(売却価格ー取得費ー売却にかかる費用)

 

所得税と住民税の税率は所有期間が5年以下か5年超かどうかで異なります。それぞれの税率は以下のとおりです。

 

所得税税率 住民税税率
保有期間5年以下 30% 9%
保有期間5年超 15% 5%

 

なお、2037年までは復興特別所得税として、毎年の基準所得税額の2.1%が上乗せされます。

 

譲渡所得には、いくつかの控除特例があります。一定の条件を満たす場合は税金の負担を減らせるため、該当する特例がないか確認しましょう。

 

まとめ

農協に農地売却を相談すると、買主探しや売却価格の査定などさまざまなサポートをしてくれます。ただし農協を介して売却する場合は、仲介手数料がかかる点に注意しましょう。

 

農地は購入希望者が少なく、一般的に売却が難しいです。まずは農協に相談してみて、売却活動が上手くいかない場合は、本記事で紹介した対策を参考にしてみてください。

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空き家物件にネズミが出たら終わり?追い出す方法や自然にいなくなる対策

空き家物件にネズミが出たら終わり?追い出す方法や自然にいなくなる対策
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

空き家は、害獣や害虫にとって格好の棲み家であるため、「知らないうちに、ネズミが棲み着いていた!」なんてことも珍しくありません。自然にいなくなってくれれば良いのですが、ネズミは非常に繁殖力が強く、わずか数ヶ月で大量に増える可能性があります。家を傷つけるだけでなく、健康被害や悪臭、火災の原因になることもあるため、小さいからと侮ってはいけません。

 

今回は、空き家にネズミが出て困っている方の立場に立って、ネズミを駆除する方法や、空き家にネズミがいるか確かめる方法、ネズミを侵入させない方法などについて解説します。この記事を参考にして、ネズミ問題や空き家問題を解決させましょう。

 

空き家物件にネズミが出たら注意!その理由とは?

ネズミが出たら注意
先にお伝えしたように、空き家にネズミが出たら早急に対処する必要があります。その理由は以下の4つです。

 

  • 家の中が傷つく
  • 不衛生な環境になる
  • 火災の原因になる
  • 周辺住民からクレームがくる

それでは、具体的な内容を確認していきましょう。

 

家の中が傷つく

ネズミといえば「前歯」が印象的ですが、ネズミの前歯は一生伸び続けます。さらに、成長速度が早いため、硬いものをかじって前歯の長さを調整する習性があります。そのため、家の柱や家具、壁などの硬いものはネズミにかじられて傷がついてしまう可能性が高いです。家の柱がかじられてしまうと、見た目の問題だけでなく、家の耐震性や耐久性が低下し、倒壊するリスクが高くなります。

 

また、ネズミが棲み着いて柱がぼろぼろになった家は、資産価値が下がる傾向にあります。資産価値が下がれば、売却できない、解体費用がかかるなどのデメリットが生じるため、ネズミを放置することはおすすめできません。

 

不衛生な環境になる

ネズミは不衛生な場所を徘徊するため、体内にさまざまな病原菌を保有しています。例えば、サルモネラ菌やパラチフス菌、E型肝炎もネズミが媒介する病気の一種です。これらの病原菌の中には、ネズミの糞や尿などから空気感染するものもあります。万が一、小さな子どもや高齢者が感染すれば、重症化する恐れもあり大変危険です。

 

さらに、家中に糞や尿を撒き散らかされたり、死骸があったりすれば、室内の異臭の原因にもなるでしょう。特に夏場は腐敗が早く進むため、強い悪臭が発生しやすくなります。このように、ネズミがいると不衛生な環境になりやすく、メリットはありません。見つけたら早急な対策が必要です。

 

火災の原因になる

ネズミは電気配線もかじります。ネズミにかじられた電気配線は内部の導線がむき出しの状態となり、そこにホコリやゴミが付着することで引火する可能性があります。実際にネズミが原因で漏電し、火災が起きた事例もあるため注意が必要です。

 

なお、ネズミが原因で火災が起きた場合、「ネズミが発生するまで空き家を放置していた」とみなされ、過失に問われる可能性があります。過失による火災となれば、被害にあった近隣住民から損害賠償を請求される可能性があるため、空き家の状態は定期的にチェックすることが大切です。

 

周辺住民からクレームがくる

放置された空き家から異臭がしたり、家の周りをネズミがうろちょろしていたりしたら、多くの人は不安を感じるでしょう。動物の中にはネズミを餌にしている害獣もいます。

 

例えば、たぬき、きつね、イタチ、ヘビなどが挙げられます。ネズミが棲み着いていれば、これらの動物を引き寄せ、さらなる健康被害を引き起こす可能性も否定できません。そのため、不安を感じた周辺住民からのクレームや、行政から指導を受けることもあるでしょう。

 

ネズミが出た空き家物件は終わり?

「ネズミが出た物件は終わり」と言われることがあります。これは、ネズミの繁殖力の強さが理由です。また、不衛生な環境から病気になる可能性があることや、火災が引き起こされるリスクがあることも「ネズミが出たら終わり」と言われる理由の一つでしょう。結論からお伝えすると、放置せずに適切な対応をすれば被害を食い止めることができます。

 

空き家でネズミを発見したら、ショックを受ける方も多いかもしれません。そこで悲観して「もう、だめだ」と放置してしまえば、ネズミの被害はどんどん大きくなります。大切なのは、ネズミを見つけたらすぐに適切な対策を講ずること。ネズミが駆除できれば、それ以上の被害を食い止めることができます。また、被害の大きさによっては、補修で元通りになるケースも多いため、資産価値を下げずに売却することも十分可能でしょう。

 

ネズミが出る家の特徴は?

ネズミが出る家の特徴
ネズミが出やすい家には、以下のような特徴があります。

 

  • エサとなる食品が豊富
  • 巣を作る材料がある
  • ネズミの天敵がいない
  • 侵入経路がある

それぞれ具体的な内容について解説します。

 

エサとなる食品が豊富

ネズミは、人間が食べるものは何でも食べます。特に好んで食べるのは、米や小麦、種子、チーズ、肉、魚などです。また、ペットフードやお供え物を放置していると、それらをエサとしている場合があります。加えて、ネズミの嗅覚は犬と同様、もしくは犬以上です。そのため、ネズミのエサとなる食品が残っている空き家は、ニオイにネズミが引き寄せられ格好の棲み家となる可能性が高いです。

 

なお、ネズミは1日に自分の体重の3分の1の量の食べ物を食べると言われ、食べ物がないと2日~3日で餓死してしまいます。したがって、なるべく空き家に食べ物を放置しないことが、ネズミの侵入を防ぐ対策へとつながるでしょう。

 

巣を作る材料がある

家に住み着くネズミは、主にクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミです。ネズミの種類によって巣を作る場所が異なるため、それぞれの特徴を知っておきましょう。

ネズミの種類 体長 特徴 巣を作る場所
ドブネズミ 22cm~26cm ・泳ぎが得意
・湿った場所を好む
・寒さに強い
床下、水回り、家電の裏
クマネズミ 17cm~26cm ・高い場所を好む
・暗く乾燥した場所を好む
・警戒心が強く賢い
天井裏、屋根裏、押入れ、天袋、収納スペース
ハツカネズミ 6cm~9cm ・植物性の食べ物を好む
・体が小さい
物置や倉庫、家具家電の隙間、外壁と内壁の隙間

ネズミは、その辺にあるもの上手く使用して巣を作ります。特に、紙類や段ボールなど保温性の高いものが狙われやすく、ビニールや雑巾、断熱材、植物なども使われます。これらの材料が残されている空き家は、ネズミが出やすいと考えられるため注意が必要です。

 

なお、ネズミの巣を見つけたら急いで撤去しましょう。この際、病原菌や寄生虫がついている可能性があるため、必ずマスクと手袋を着用して作業をしてください。作業後は、巣のあった場所を消毒薬で消毒し、撤去に使用した道具も洗っておきましょう。

 

ネズミの天敵がいない

ネズミの天敵は、猫、フクロウ、カラス、ヘビ、イタチなどが挙げられます。これらの動物は、ネズミを捕食するため、知らぬ間にネズミが逃げ出し、問題を解決してくれる可能性があります。また、猛禽類のニオイや鳴き声はネズミにとってストレスになると言われており、ネズミによる食害対策としてフクロウの育成を行っている農園もあります。

 

侵入経路がある

ネズミは小さな穴や隙間から侵入しますが、穴が自分の体より小さくても強靭な前歯で穴を大きくして家の中へ侵入します。また、床下の通気口や排水口などのわずかな隙間でも侵入してくるため、「これくらい大丈夫だろう」という油断は禁物です。

 

空き家物件のネズミを駆除する方法

ネズミを駆除する方法
実際に空き家でネズミを発見した場合、どのように駆除すれば良いのでしょうか。ここでは、以下3つの駆除方法をお伝えします。

 

  • ネズミ駆除用の罠を設置する
  • ネズミ駆除用の餌を設置する
  • 専門の駆除業者へ依頼する(費用など)

それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、ご自身に合った方法を試してみましょう。

 

ネズミ駆除用の罠を設置する

最初に紹介するのは、ネズミ駆除用の罠を設置する方法です。ニオイでおびき寄せる罠や、強力な粘着シートで捕まえる罠、カゴ式の罠などさまざまな種類があります。これらはホームセンターやドラッグストアで比較的安価に購入することができます。そのため、ネズミを見つけたその日のうちに罠を設置できるという手軽さがメリットです。

 

一方で、捕獲したネズミは生きている可能性があるため、捕まえたあとの処理方法を考えておく必要があります。一般的には、水を入れたバケツに入れて溺死させたあと、ビニール袋に入れて生ゴミとして廃棄します。後処理については苦手な方も多いため、「生きたネズミを見たくない」「後始末はできない」という方は、他の方法を検討した方が良いでしょう。

 

ネズミ駆除用の毒餌を設置する

次に紹介するのは、ネズミ駆除用の毒餌を設置する方法です。駆除用の毒餌は、一度の摂取で死に至らせる効果があるため、罠よりも捕獲後の後処理が楽なのはメリットです。しかし、毒餌を食べたネズミはどこで死ぬのかわかりません。また、毒餌を食べなければ効果がない点はデメリットと言えるでしょう。ネズミは非常に賢い動物であるため、一度かかった罠には2度と掛からないと言われています。

 

そのため、他のネズミが毒餌を食べて死ぬのを見たら、仕掛けに掛からなくなる可能性が高いです。さらに、ネズミがどこで死ぬかわからないという点にも注意が必要です。ネズミの死骸が放置されていると虫が湧いてきたり、死骸の腐敗が進んで悪臭がしたり、二次被害につながる可能性があります。そのため、腐敗の進みやすい夏場の使用は避けたほうが無難でしょう。

 

専門の駆除業者へ依頼する(費用など)

最後は、ネズミ専門の駆除業者へ依頼する方法です。これまで紹介した2つは、全てのネズミを駆除できるものではありません。また、ネズミの侵入経路を塞がなければ、時間とともにまたネズミが発生するでしょう。

 

そのため、ネズミ専門の駆除業者へ依頼をして、ネズミが二度と空き家へ入りこまないよう侵入経路を塞いでもらいましょう。ただし、ネズミ駆除業者へ依頼すると、自分で駆除するよりも費用がかかります。下表は、ネズミ駆除にかかる費用の一覧です。

価格帯 内容
~5万円 ネズミの死骸処理、部分的な作業
5万円~10万円 ネズミの生息調査、簡易駆除、消毒など
10万円~20万円 本格的な駆除、消毒、再発防止処理など
20万円~30万円 ネズミの被害が大きい場合、家の面積が大きい場合
30万円以上 被害部分の補修や本格的な再発防止処理など

駆除料金は、家の坪数にもよって変動します。侵入経路を塞ぐような本格的な駆除を依頼する場合は20万円程度の費用がかかることを想定しておきましょう。

 

空き家物件にネズミがいるか?確かめる方法

空き家物件にネズミがいるか?確かめる方法
空き家にネズミがいるか確かめるためには、以下の方法がおすすめです。

 

  • 家の中に汚れやキズがあるかチェック
  • フンが落ちてないかチェック
  • 食料品などかじられた跡がないかチェック
  • 家の中に隙間があるかチェック
  • 天井裏で音がしないかチェック

 

上記は「ラットサイン」と呼ばれ、実際にネズミ駆除業者もこのラットサインを手がかりにネズミの侵入経路や巣を探します。それぞれのポイントについて解説しますので、空き家にネズミがいるかどうか確かめてみてください。

 

家の中に汚れやキズがあるかチェック

ネズミの体には、汚れが付着しています。ネズミは家中を移動するときに、壁や柱に体を添わせながら移動することから、壁や柱、床などに汚れが付着することがあります。また、ネズミは同じ道を通る習性があるため、最初はあまり目立たなかった汚れが、だんだんと黒っぽい汚れになっていたら要注意。

 

ネズミが棲み着いている可能性が高いでしょう。したがって、空き家を訪れるときは、床や壁を隅々までチェックしてキズや汚れがないか確認してください。

 

フンが落ちてないかチェック

ネズミのフンは、長さ5mm~10mmほどの大きさで黒っぽい色をしています。フンを見ると、ネズミの種類を見分けることができるため、駆除業者へ依頼する場合は写真を撮っておくことをおすすめします。ネズミのフンが見つかった場合は、高確率でネズミが棲み着いていると考えられます。

 

また、ネズミは移動しながら排泄するため、フンが大量に見つかった場所は頻繁に通っていることを意味しています。そのため、フンの位置を参考に駆除用の罠を仕掛けるのも良いでしょう。

 

なお、ネズミのフンには雑菌や病原菌が含まれているため、直接触れるのは危険です。必ずゴミ手袋とマスクを着用し、ティッシュやトイレットペーパーで掃除してからアルコールで除菌してください。このとき、掃除機の使用は厳禁です。掃除機で吸うと、掃除機内部が汚れ雑菌が繁殖したり、病原菌が飛散したりする可能性があるためです。

 

また、ネズミの尿は強烈なニオイを放ちます。ネズミはマーキングする習性があり、あちこちに尿を撒き散らすため、周辺をしっかり掃除してニオイを除去しましょう。

 

食料品などかじられた跡がないかチェック

ネズミは雑食であるため、基本的に何でも食べます。ビニール袋に入っていても鋭い歯で袋を破ってしまい、中身を食べ荒らします。そのため、空き家に放置したままの食料品に穴が空いていたり、残っていた食材が不自然に荒らされたりしている場合は要注意。ネズミが棲み着いている可能性が高いと考えられます。

 

家の中に隙間があるかチェック

ネズミは、家の中にある隙間や小さな穴から侵入します。約1cmの隙間があれば侵入できると言われているため、老朽化が進んだ空き家は注意が必要です。空き家をチェックする際は、以下の場所に隙間や破損がないか注意深く確認しましょう。

 

  • エアコンの配管
  • 排水口
  • 換気扇
  • 網戸
  • 窓や扉
  • 壁のひび割れ
  • 戸袋
  • 風呂場
  • 洗面所
  • トイレ

隙間が見つかった場合は、侵入を防ぐための対策が必要です。隙間が大きい場合はステンレスタワシを詰める、防虫金網を取り付ける方法があります。一方、隙間が小さい場合は、専用のパテなどを使用して隙間を塞ぎましょう。

 

天井裏で音がしないかチェック

天井裏でガサガサ音がしたり、何かが走るような音が聞こえたりする場合は、害獣が棲み着いている可能性が高いです。天井裏以外にも、床下や壁から聞こえてくることもあります。ネズミの場合は、「キーキー」「チーチー」といった鳴き声が聞こえますが、ネズミは体が小さいためあまり大きな足音はしません。

 

したがって、聞き慣れない鳴き声や大きな足音が聞こえる場合は、アライグマやハクビシンなどが棲み着いている可能性があります。いずれの場合でも、害虫が棲み着いている可能性は非常に高いため、害獣駆除業者へ依頼するなどの対策が必要です。

 

空き家物件にネズミを侵入させない方法

ネズミを侵入させない方法
ネズミの被害を抑えるためには、空き家にネズミを侵入させないことが重要です。ここでは、以下4つの対策を解説します。

 

  • 家の中を片づける
  • 隙間などの侵入口をふさぐ
  • ネズミ対策グッズを設置する
  • 管理を依頼する

それでは、順番に見ていきましょう。

 

家の中を片づける

空き家を物置のように使用している方も多いでしょう。しかし、家の中にたくさんの物を置いておくと、湿気がたまりやすくなります。ネズミは、薄暗く湿気の多い場所を好むため、ネズミにとって絶好の棲み家となってしまう可能性があります。

 

また、ネズミだけでなくゴキブリやその他の害虫・害獣を引き寄せる原因になりかねません。したがって、空き家は整理整頓を心がけ、不要な物を溜め込まないことが大切です。

 

ただし、長年放置した空き家は物が多く、片づけをするのも大変でしょう。不用品の処分は、業者へ依頼することも可能ですが、費用がかかる点がデメリットとなります。専門業者へ依頼した場合、費用相場は以下の通りです。

間取り 費用相場 作業時間
1LDK 5万円~20万円 2~6時間程度
2LDK 8万円~25万円 2~6時間程度
3LDK 10万円~30万円 3~8時間程度
4LDK以上 15万円~ 4時間~10時間程度

費用は家の広さや荷物の量によって大きく左右されるため、上記はあくまでも一例として参考にしてください。

 

隙間など侵入口をふさぐ

ネズミが室内に侵入しないようにするためには、侵入口となる隙間を塞ぐことが効果的です。例えば、エアコンの配管部や浴室、トイレ、キッチンなどの排水口は隙間ができやすいため、小さな隙間は専用のパテで埋めると良いでしょう。侵入口が大きい場合は、金網や防鼠ブラシなどを使用して隙間を埋める方法がおすすめです。柔らかい素材は、ネズミにかじられて穴が空いてしまう可能性があるため、ゴムやスポンジ素材は避けましょう。

 

ネズミ対策グッズを設置する

ネズミの侵入防止には忌避剤を使用するのもおすすめです。忌避剤とは、害虫や害獣が嫌がるニオイや味がする薬剤のこと。殺虫剤とは異なり、害虫・害獣を寄せ付けないことを目的としています。忌避剤には、固形、粒状、スプレーなど様々なタイプがあるため、使用する場所に適したものを選ぶことが大切です。

 

ただし、忌避剤の持続期間は限定的であるため、こまめに散布しなくてはなりません。また、ネズミは非常に賢い動物であるため、同じものを使用し続けていると効果が薄れてくる可能性があります。忌避剤の効果が薄くなったと感じたら、他の薬剤に変えるなど工夫しましょう。

 

管理を依頼する

空き家を放置していると、ネズミが発生しやすくなります。定期的に空き家を掃除したり、換気したり、必要に応じたメンテナンスを行うことでネズミの発生は抑えることができます。しかし、空き家所有者の中には、「遠方に住んでいて空き家の管理ができない」という方も多いでしょう。

 

このような場合は、不動産会社に空き家の管理を依頼するという方法がおすすめです。不動産会社に管理を依頼すると毎月管理費が発生しますが、契約内容によっては、空き家の清掃や換気、庭の手入れなどを請け負ってくれるでしょう。

 

空き家物件を有効活用する方法

空き家物件を有効活用する方法
ここまでは、空き家に侵入したネズミを駆除する方法や、侵入を防ぐ方法をお伝えしました。しかし、空き家のネズミ駆除は一時的なものに過ぎず、空き家を放置し続ければ劣化によって、またネズミが侵入する可能性があります。そのため、空き家の管理ができない場合は、空き家を有効活用するために以下の方法を検討してみましょう。

 

  • 賃貸として貸し出す
  • 解体する
  • 売却する

それぞれのメリット・デメリットを紹介するので、空き家を有効活用する方法として参考にしてください。

 

賃貸として貸し出す

不要な空き家を所有し続けていると、毎年税金や維持費がかかります。しかし、賃貸として貸し出せば家賃収入を得ることができます。得た収入は維持費に充当したり、生活費に充てたりするこができるでしょう。また、家は人が住んでもらうことで劣化が進みにくくなります。賃貸として貸し出すことで、メンテナンスの手間が省け、家を長持ちさせることができるのはメリットと言えるでしょう。

 

一方で、賃貸と貸し出す場合は、初期投資が必要になります。特にネズミが棲み着いている場合は、専門業者へ依頼して、ネズミ駆除や再発防止対策が必須です。加えて水回りのリフォームや内装リフォームを行う場合は、100万円以上のリフォーム費用がかかることも想定しておかなければなりません。また賃貸の場合は、立地が非常に重要です。

 

リフォームしても、立地が悪く借り手が見つからなければ赤字になってしまう可能性もあるため、慎重な判断が必要です。賃貸経営に慣れていない方や一般の方がいきなり空き家を賃貸として貸し出すのは高リスクでしょう。

 

解体する

空き家の管理ができない場合は、解体して更地にするのも一つの選択肢です。解体してしまえば、ネズミに頭を悩まされることもなくなるでしょう。解体後は駐車場にしたり、土地として売却したり、さまざまな活用方法があります。

 

ただし、解体費用は100万円~200万円程度かかります。賃貸に貸し出すときと同様に、立地条件が悪く売却できなれければ解体費用が赤字となってしまうこともあるでしょう。また、家が立っている土地は、住宅用地の特例という固定資産税の軽減税率が適用されています。更地にしてしまうとこの特例は受けられなくなるため、固定資産税が最大6倍になってしまう可能性があります。空き家の解体を検討する際は、まず不動産会社へ相談し、周辺地域の不動産売買事例や相場を参考に慎重な判断が必要です。

 

売却する

なるべくお金をかけずに空き家を処分したいという方は、空き家のまま売却する方法がおすすめです。売却すれば、ネズミの心配や固定資産税の支払い、管理の手間から解放されます。また、売却できればまとまった資金が手に入るため、生活が豊かになるでしょう。

 

ただし、ネズミが棲み着いた家は売却しにくい傾向にあります。空き家の状態によっては、相場よりも販売価格が大幅に下がったり、買取を断られたりする可能性もあり得るでしょう。なお、不動産売買には「仲介」と「買取」の2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。

 

  • 「仲介」・・・不動産会社へ依頼して買主を見つけてもらう方法
  • 「買取」・・・不動産会社へ直接買い取りをしてもらう方法

立地が良い物件は、高値で売却できる可能性があります。そのため、仲介で売却を進めると良いでしょう。仲介でなかなか買い手がつかない場合は、買取に変更することも可能です。一方で、立地が悪く空き家の状態があまり良くない物件は、不動産会社へ査定依頼をして買取を検討するのがおすすめです。査定額に納得できれば、すぐに空き家を売却することができます。まとまった資金が必要な方にも最適でしょう。

 

まとめ

今回は、空き家物件にネズミが出たら終わりなのか?について解説しました。空き家にネズミが出たらショックを受ける方も多いでしょう。しかし、ネズミが出たら終わりと諦める必要はありません。ネズミを見つけたら放置せずに、対処することで被害を食い止めることができます。

 

まずは、家の中をよく見回して、家具や柱が傷ついていないか、フンが落ちていないか、食品や電気配線がかじられていないかチェックしてみましょう。ネズミがいることがわかったら、自分にあった方法を見つけて駆除します。自分でできない方は、ネズミ駆除の専門業者へ依頼するのがおすすめです。費用はかかりますが、より確実にネズミを駆除することができるでしょう。

 

また、侵入経路はしっかりと塞ぎ、再発を防止することが大切です。放置空き家は日本中で増え続け、社会問題となっています。空き家の管理は手間もお金もかかるため、更地にして売却するのも一つの選択肢です。この機会に、空き家の活用方法や処分について考えてみましょう。

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家がボロボロでお金がない!老朽化でも賢くリフォームする方法

家がボロボロでお金がない!老朽化でも賢くリフォームする方法
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

「家がボロボロだけどリフォームするお金がない」とお悩みではありませんか。老朽化した家は修繕が必要な箇所が多く、まとまった資金が必要になります。

 

本記事では家がボロボロで悩んでいる方に向けて、費用を抑えて賢くリフォームする方法を解説します。資金を調達する方法も紹介しているので、お金がなくてリフォームを諦めていた方は必見です。

 

家がボロボロ(老朽化)の場合!直す費用(修繕費用)

修繕費用
家の修繕費用は、家の規模や築年数に応じて変わります。

 

一般的に築年数が古く老朽化した家ほど、修繕費用は高くつきやすいです。時間の経過により構造や設備が劣化している場合が多く、全面的な改修が求められるからです。

 

ここからは戸建てとマンションに分けて、築40年と仮定した場合の修繕費用を解説します。

 

【築40年】戸建てをリフォームするときの費用

戸建てを全面改修する場合、修繕費用は1,000万円以上かかることが多いです。

 

戸建てのリフォームはあまり制約がなく、比較的自由におこなうことが可能です。一方で工事範囲が広がり、修繕費用が高くなる傾向があります。

 

戸建ての全面改修にかかる費用相場は、以下のとおりです。

 

延床面積30坪:1,500万円~2,500万円
延床面積40坪:2,000万円~3,000万円
延床面積50坪:2,500万円~3,500万円

 

外壁や外構の全面改修も含めると、さらに500万円〜1,000万円程度上乗せされる場合もあります。また築30年以上の木造住宅においては、上記に加えて耐震補強工事が必要になるケースも多いです。

 

【築40年】マンションをリフォームするときの費用

マンションの場合は、戸建てに比べて修繕費用を抑えられます。マンションは共用部の工事や配管の位置変更などに制約があり、工事範囲が限られるためです。

 

マンションの全面改修にかかる費用を間取り別にまとめると、以下のとおりです。

 

1LDK(延床面積20坪):800万円~1,200万円
2LDK(延床面積25坪):1,000万円~1,500万円
3LDK(延床面積30坪):1,200万円~1,800万円
4LDK(延床面積40坪):1,600万円~2,400万円

 

築40年のマンションでは、工事中に配管の劣化などが見つかる場合があります。見積もり時に想定していなかった修繕が発生し、途中で費用が追加になることも珍しくありません。

 

家がボロボロでお金がない!資金を調達する方法

手もとにまとまったお金がなくても、リフォーム資金を調達する方法はあります。資金を調達する方法は、以下のとおりです。

 

  • 火災保険を申請
  • 補助金を申請
  • 銀行から借入
  • カードローンを利用
  • 親族から借りる

それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

 

火災保険を申請

一部のケースでは、火災保険の保険金でリフォーム資金を確保できます。火災保険は火災や自然災害など予測不可能な事故による損害を補償する制度です。

 

火災保険は火災だけでなく、さまざまな災害や事故による損害を補償してくれます。補償内容の例を挙げると、以下のとおりです。

 

補償項目 具体例
火災 家電製品の故障から発生した火災での住宅損害
落雷 落雷によるパソコンや家電の故障
破裂・爆発 ガス漏れによるキッチン設備の損害
風災・雹災・雪災 台風による屋根や外壁の損傷
水災 洪水による床下浸水や家具の損害
盗難 窓ガラスが破られ盗難された家財の補償
物体の落下・飛来・衝突 野球ボールが飛んできて窓ガラスが割れる
騒擾・暴力行為 集団行動による壁や外構設備の破壊
水濡れ 配管の破裂による床や壁の水濡れ損害

 

単なる老朽化は補償対象外ですが、自然災害による損害と認められれば、保険金が下ります。

 

せっかく火災保険に入っているのに、老朽化だけが原因と思い込み、申請しないのはもったいないことです。

 

まずは加入している火災保険の契約内容に目を通し、どのような災害が補償してもらえるのか確認しましょう。もし該当する項目があれば、保険会社に相談してみることをおすすめします。

 

補助金を申請

補助金を利用して、家を修繕する方法もあります。国や自治体が空家再生や移住促進などを目的とした補助金制度を設けている場合があるからです。

 

古い家の修繕に利用できる補助金制度は、以下のようなものがあります。

 

補助金制度 内容
耐震リフォーム補助金 地震対策として、耐震性を向上させるリフォームに対する補助金。耐力壁の増設や屋根の軽量化などが対象。
断熱・省エネリフォーム補助金 エネルギー効率を向上させるために省エネリフォームを支援する補助金。断熱材や高性能窓を使用したリフォームなどが対象。
バリアフリーリフォーム補助金 高齢者や障害者向けに段差解消や手すり設置などのバリアフリー改修を支援する制度。
子育てグリーン住宅支援事業 子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、省エネ改修やエコ設備の設置を支援する補助金。

 

国や自治体のウェブサイトや、補助金ポータルサイトを調べれば、上記以外の補助金が見つかる可能性もあります。

 

リフォームを具体的に検討している場合は、リフォーム会社にどんな補助金があるか相談してみるのもおすすめです。補助金の案内に加え、申請手続きまで代行してくれる会社もあります。

 

銀行から借入

リフォームローンを利用して、銀行から資金を借りる方法もあります。リフォームローンとは、住宅の改修や修繕、増改築などに必要な資金を借りるためのローンです。

 

少額から借入可能な商品や、中古住宅の購入費用とリフォーム費用をまとめて借入できる商品など、さまざまなタイプがあります。

 

住宅ローンに比べると金利は高く、借入期間は1年〜15年と短いです。また審査期間が数日と短く、比較的簡単に借入できるのが特徴です。

 

ただし借りられる金額が少なく、借入限度額が500万円程度の金融機関もあります。大掛かりなリフォームをおこなう場合、リフォームローンだけでは資金をまかなえない可能性があるでしょう。

 

カードローンを利用

迅速に資金を調達したい場合は、カードローンを利用する方法もあります。消費者金融は最短15分、金融機関は最短翌日には審査が完了するため、すぐに資金を入手することが可能です。

 

しかしカードローンは金利が高めに設定されているため、注意が必要です。結果的に返済総額が借入額を大きく上回る場合もあります。

 

金利や手数料など、契約内容をしっかり確認してから利用するようにしましょう。

 

親族から借りる

親族に頼んで資金を借りるのも一つの手です。

 

銀行借入やカードローンに比べて、低金利もしくは無利息で借りられます。返済スケジュールの調整もしやすく、柔軟に対応してもらえる可能性も高いでしょう。

 

一方で注意点もあります。条件が曖昧なまま口約束だけで借りてしまうと、親族間のトラブルに発展することもあります。

 

さらに注意が必要なのが贈与税です。まとまった資金を借りた場合、税務署から贈与とみなされ贈与税がかかるケースがあります。借入金であれば贈与にはなりませんが、「出世払い」のような借り方だと贈与として扱われることが多いです。

 

上記のようなリスクを避けるために、親族から資金を借りる際は金銭消費貸借契約書を作成しましょう。契約書に記載すべき内容は、以下のとおりです。

  • 債務者・債権者の氏名・住所・連絡先
  • 借入金額
  • 貸付日
  • 返済期限日(分割返済の場合は返済スケジュールも記載)
  • 利息
  • 返済方法
  • 遅延損害金
  • 返済不能時の対応
  • 契約締結日
  • 債務者・債権者の署名・捺印

 

不用品を売却(メルカリなど利用)

不用品を売却して現金化することもできます。売却先はメルカリなどのフリマアプリやリサイクルショップなどです。最近では出張買取サービスやネット買取サービスも充実してきているため、手軽に売却できるようになりました。

 

この方法のメリットは、売れれば即現金化できることです。また不用品を処分することで、家中の整理整頓もできます。物が少ないすっきりした空間のほうが、リフォームの計画も練りやすいでしょう。

 

ただし思うように売れないこともあります。需要が少ないアイテムは、安い価格でしか売れません。結局期待した額にはならず、リフォームするのに十分な資金を確保できない可能性があります。

 

またフリマアプリは出品から発送までに手間がかかるのが難点です。高値で売却するためには写真や説明文で魅力的に見せるテクニックも必要とされます。

 

このように不用品の売却には時間と労力がかかるため、コツコツと少しずつ資金を稼ぎたい方におすすめです。急ぎでリフォーム資金を確保したい方には、あまり向いていません。

 

質屋から借入

最後に紹介するのは、リフォーム資金を質屋から借りる方法です。質屋は貴金属、ブランド品、時計など価値ある品物を担保にしてお金を借りられるサービスです。

 

手続きがシンプルで、すぐに資金を入手できるというメリットがあります。

 

まず質屋での借入は銀行借入やカードローンとは違い、信用情報の確認が必要ありません。担保となる品物を預けるだけで、お金を借りられます。途中で返済不能になっても品物を手放すだけで済み、借金は残らない仕組みです。

 

一方で質屋の借入は、金利が高い点がデメリットです。一般的に質屋の質料は月5〜10%程度で設定されています。年換算すると60%〜120%にもなり、非常に高額です。借りた資金を短期間で返せる場合には便利ですが、長期的な借入には向きません。

 

家がボロボロ(老朽化)でお金がない!少しでもリフォーム費用を抑える方法

リフォーム費用を抑える方法
家がボロボロでお金がない場合、限られた資金を有効活用しなければなりません。リフォーム費用を抑える具体的な方法を以下のとおりまとめました。

 

  • 自分でリフォーム(DIY)
  • リフォーム場所の優先順位を決める
  • 複数のリフォーム業者から見積もりして比較する
  • リフォーム業者に分割払いできるか確認してみる

 

ここからは、それぞれの方法について詳しく解説します。

 

自分でリフォーム(DIY)

自分でリフォーム作業をするDIYは、費用を抑えるために有効な選択肢です。

 

業者に依頼する場合に比べ、人件費や施工管理費がかかりません。必要な資材や工具を購入する費用だけで済むため、大幅なコストカットが可能です。

 

自分の好みに合わせて、自由にカスタマイズできるのもDIYの醍醐味です。納得いくまで試行錯誤しながら、細かい調整を加えることもできるでしょう。

 

ただし有資格者にしかできないリフォーム工事もあります。たとえば電気配線工事やガス工事などです。

 

無資格のまま工事をおこなうと、感電や発火、ガス爆発、一酸化炭素中毒といった重大な事故につながりかねません。これらの工事を検討している場合は、プロに依頼する必要があります。

 

またDIY作業には時間がかかります。もし失敗すると再工事が必要になり、追加費用を負担しなければなりません。

 

十分な情報収集と下準備をおこない、計画的に作業を進めることが肝心です。

 

リフォーム場所の優先順位を決める

資金が限られている場合、リフォーム場所の優先順位を決めておくことも大切です。

 

まずは建物の耐久性や安全性に関わる部分から優先的にリフォームしたほうが良いでしょう。建物にとって致命的なダメージを防ぎ、長期的なコスト削減につながります。

 

次に優先すべきは、空間の機能性や快適性を高めるリフォーム工事です。特にリビング、キッチン、浴室など家族全員の使用頻度が高い場所に対して優先的に資金投入することが成功の秘訣になります。

 

家族全員で話し合い、現状の問題点を全て洗い出してから比較すると、正確な順位付けができるでしょう。

 

1.最も優先すべきリフォーム…建物の耐久性・安全性に関わる部分

  • 外壁・屋根
  • 水回り配管
  • 電気設備
  • 耐震性能
  • 断熱性能など

 

2.次に優先すべきリフォーム…建物の機能性・快適性に関わる部分

  • リビング
  • キッチン
  • 浴室など

 

インテリアデザインを変えるリフォームは華やかで魅力的に見えますが、資金が少ない場合は後回しにしたほうが良いです。優先すべきリフォームの費用が抑えられ、資金の余裕ができた場合に検討します。

 

複数のリフォーム業者から見積もりして比較する

リフォーム費用を抑えるためには、複数のリフォーム業者の見積もりを比較することも欠かせません。

 

複数社から相見積もりをとれば、適正な価格帯や必要な工事項目がわかるためです。1社だけだと不当に高い価格を提示されるリスクがあります。

 

相見積もりでわかることは、価格だけではありません。保証内容やアフターサービスなども記載されているため、長期的に満足度の高い業者を選ぶことができます。また見積もりを出してもらうまでの過程で、担当者の人柄や提案力などを評価することも可能です。

 

信頼できるリフォーム業者を選ぶためには、知人の紹介やインターネットなどで候補を絞り込みます。リストアップしたら、候補のリフォーム業者に現地調査を依頼して、見積もりを作成してもらいます。最低でも2~3社の見積書を比較するのがおすすめです。

 

複数社に見積もりを依頼するときは、必ず事前に相見積もりであることを伝えましょう。またリフォームの条件や予算は同じ内容を伝えます。他社の見積もりを見せたり、見積もり内容を何度も変更したりするのはマナー違反です。

 

相見積もりを見て契約する業者を選んだら、それ以外の業者には断りの連絡を入れます。断る理由を添えて、早めに連絡するようにしましょう。

 

リフォーム業者に分割払いできるか確認してみる

一度にまとまった資金を用意できない場合、分割払いができれば1回あたりの支払いの負担を減らせます。一部のリフォーム業者では分割払いに対応しているため、契約前に確認しましょう。

 

一般的には2〜3回に分けて支払うことが多いです。具体的には小規模工事は契約時と工事完了時の2回、大規模工事は契約時、工事中間時、工事完了時の3回といったイメージになります。

 

分割払いを選択する場合は、支払い条件を決めて契約書に明記することが重要になります。トラブルを防ぐために、口頭だけの取り決めは避けましょう。

 

家がボロボロ!そのまま放置するとどうなる?

放置するとどうなる?
ボロボロな家を修繕せずに放置することはおすすめしません。以下のようなリスクがあるためです。

 

  • 家での通常の生活ができなくなる
  • 倒壊
  • 資産価値が下がる

 

それぞれのリスクを詳しく解説します。

 

家での通常の生活ができなくなる

メンテナンスを怠った家は、どんどん劣化していきます。劣化が進んだ建物は安全性が低下するため、通常の生活を送ることすら難しくなるでしょう。

 

たとえば建物の深刻な劣化原因として、雨漏りやシロアリ被害などが挙げられます。これらの問題は発見次第早めに対処しないと、建物の主要構造部が傷んでしまいます。

 

他にも壁や床の断熱性能が劣化すると、快適な温度管理ができません。水回りや電気設備の劣化により、漏電や感電といったリスクも高まります。老朽化が原因で振動や結露が発生して、家具や家電の損傷につながる可能性もあるでしょう。

 

家がボロボロだと、精神衛生上も良くありません。劣悪な住環境は心理的なダメージが大きく、無意識のうちにストレスを感じることもあるからです。

 

傷んだ壁や壊れた設備を目にすると、居心地の悪さを感じやすくなります。また「修理しなくては」というプレッシャーを感じ、気持ちが落ち着きません。

 

このように家の老朽化は、建物の安全性や住む人の精神状態にも悪影響をおよぼします。こまめにメンテナンスをおこない、快適な生活を送れる環境を整えましょう。

 

倒壊

家の老朽化を放置すると、地震や台風などで倒壊してしまう危険性も増します。経年劣化によって柱や梁などが腐食し、建物を支えきれなくなるためです。

 

また旧耐震基準で建てられた家は、耐震性が大きく不足している可能性もあります。1981年5月31日以前の建物は特に注意が必要です。

 

建物が倒壊すると、自分たちだけでなく、周辺の住民にも被害が及びます。建物の倒壊にいたらなくても、瓦や外壁などが落下して通行人にケガをさせてしまう可能性も考えられるでしょう。

 

不動産所有者には所有物を適切に管理する義務があります。もし倒壊によって損害が発生すれば被害者から損害賠償を請求され、損害賠償額は数千万円から数億円にのぼります。定期的な点検や修繕をおこない、建物を安全に管理していくことが重要です。

 

資産価値が下がる

築年数が古い家は、資産価値が下がるのも事実です。

 

不動産は築年数が経過すると資産価値が減少する傾向があります。国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、戸建て住宅は築20年で価値がほぼゼロになるとされています。

 

また見た目がボロボロであることや、断熱性能や耐震性能が低いことは、買い手の購買意欲を下げる要因です。老朽化した家を買いたいという人は非常に少なく、相場よりも安い価格でしか売却できないでしょう。

 

売却時に損耗・故障している箇所を指摘され、修繕費用相当額の値引きを求められることも少なくありません。このように長期間放置された家は、売却時に不利な条件を提示されるリスクが高まります。

 

家がボロボロでお金がないとき!売却する方法もある

家がボロボロでお金がないとき!売却する方法もある
家がボロボロで修繕費用も用意できないときは、売却を検討しましょう。老朽化した家を売却する方法は以下の2つです。

 

  • 仲介業者経由で売却する
  • 専門買取業者に売却する

 

それぞれの方法について詳しく解説します。

 

仲介業者経由で売却する

駅近や人気エリアに立地する家を持っている場合は、仲介業者に仲介を依頼してみましょう。仲介とは仲介業者に買主を探してもらい、契約・引き渡しまでの手続きをサポートしてもらう方法です。

 

仲介業者は不動産取引のプロなので、効果的な営業活動によって高値売却を目指すことが可能です。また好立地の家は希少価値が高いため、たとえボロボロであっても一定の需要が見込めます。

 

一方で立地が良くないボロボロの家は、なかなか買い手がつきません。仲介業者にとっても需要のない物件は利益が少なく、手間がかかります。そのため、仲介を依頼して断られてしまう可能性があるでしょう。

 

専門買取業者に売却する

駅から遠いなど立地条件が良くない場合は、専門買取業者に直接売却したほうがスムーズです。専門買取業者であれば、ボロボロの家でも積極的に買取ってもらえる可能性があります。

 

専門買取業者は買取後にリフォームして再販するノウハウを持っており、古い家でも価値を見出すことが可能です。一部の業者は家財が残っている状態でも買取ってくれるところもあり、不用品を処分する手間も省けます。

 

また専門買取業者に直接売却する場合は、仲介手数料がかかりません。売主の契約不適合責任が免除されることも多く、売却後のトラブルが発生しにくい点も大きなメリットです。

 

ボロボロの家を専門買取業者に売却する流れ

専門買取業者に売却する流れ
専門買取業者に売却する場合は、以下の流れで手続きを進めます。

 

  • 相場を調べる
  • 必要書類を集める
  • 査定を依頼する
  • 買取業者を選定する
  • 売買契約を結ぶ
  • 決済・引き渡し

 

それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

 

相場を調べる

ボロボロの家は売却価格が安くなりやすいとはいえ、周辺相場をつかんでおくことは大切です。

 

買取業者に相談する前に、近隣で売り出されている土地や古家の価格を自分で調べてみましょう。周辺相場は不動産ポータルサイトやレインズマーケットインフォメーションなどで調べることが可能です。

 

必要書類を集める

専門買取業者への売却は短期間で進むため、事前に必要書類を準備しておくことをおすすめします。

 

戸建てを売却する場合の主な必要書類は以下のとおりです。

 

  • 登記済証または登記識別情報
  • 購入時の売買契約書
  • 家の間取り図
  • 確認済証
  • 検査済証
  • 耐震診断報告書
  • アスベスト使用調査報告書
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 固定資産評価証明書
  • 土地測量図・境界確認書
  • 抵当権抹消書類
  • 本人確認書類など

 

あらかじめ手元に用意しておくと、慌てずに対応できます。必要に応じて、専門買取業者から上記以外の書類の提示を求められることもあります。

 

査定を依頼する

専門買取業者の候補をリストアップして、査定を依頼します。査定には机上査定と訪問査定の2種類があります。

 

机上査定は物件情報だけで査定してもらう簡易的な方法です。複数社に査定を依頼する場合、まずは机上査定を依頼しましょう。

 

買取業者を選定する

最低でも2〜3社の見積書を比較して、買取を依頼する業者を選び、訪問査定を依頼します。

 

訪問査定は現地調査を経て査定を出す方法で、机上査定よりも正確な査定価格がわかります。訪問査定の結果や担当者の対応が問題なければ、正式に買取を依頼しましょう。

 

売買契約を結ぶ

次に売買契約を締結します。売買契約書には買取価格や引渡し日など重要な項目が明記されているため、事前にしっかり確認しましょう。

 

決済・引き渡し

売買契約締結後に、決済・引渡しがおこなわれます。決済・引き渡しとは売却代金を受け取り、物件の所有権を移転することです。専門業者による買取では、7日〜1ヶ月程度で決済・引き渡しが完了することが多く、非常にスピーディーです。

 

まとめ

ボロボロの家をリフォームする費用は1,000万円以上かかることも多く、大きな出費になります。

 

できるだけ費用を抑えるためには、自分でDIYしたり優先順位を決めたりする方法が有効です。また火災保険や補助金を使って資金を調達できないか確認することも大切になります。

 

もし必要な資金を確保できない場合は、売却するのも手です。売却先は仲介業者経由での売却や専門買取業者への直接売却といった選択肢があります。家の劣化状態や家計の状況を考慮して、最適な方法を選択してください。

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違法建築で通報された場合どうなる?ペナルティや対処法など紹介

違法建築で通報された場合どうなる?ペナルティや対処法など紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

「違法建築で通報された」という話は珍しくありません。知らず知らずのうちに違法建築を所有し、通報されて初めてその事実を知ったというケースも多く見られます。

 

違法建築であることが発覚すると、どうなってしまうのか不安ですよね。本記事では違法建築とは何か解説したうえで、通報された場合のペナルティや注意点を紹介します。

 

そもそも違法建築とは?

違法建築
違法建築とは違反建築物ともいい、建築基準法など現行の法律に違反して建てられた建物です。以下の項目に該当する場合、違法建築とみなされます。

 

  • 無許可で建てられている
  • 建ぺい率・容積率の違反
  • 斜線規制に違反
  • 無許可で増築
  • 無許可で用途変更
  • 申請とは違う建物
  • 安全基準が満たされていない
  • 防火規制の違反

 

無許可で建てられている

建築基準法上必要な許可を受けていない建物は、違法建築になります。建物を建てる際には、建築主事による必要な検査を受け、その証明を取得することが建築基準法で義務付けられているためです。

 

すべての工事で実施しなければならない検査は建築確認と完了検査で、それぞれの概要は以下のとおりです。

タイミング 証明
建築確認 工事に着手する前 確認済証
完了検査 工事を完了したとき 検査済証

 

なお中間検査という検査も存在しますが、3階以上のRC造(鉄筋コンクリート造)の共同住宅など、大規模な建築物が対象です。

 

これらの検査は、建物利用者や近隣住民の生命や健康、財産を守ることを大きな目的にしています。つまり検査を受けずに建築された建物は、安全性を証明することができません。

 

まずは確認済証と検査済証が手元にあるか確認しましょう。万が一紛失してしまった場合は、役所の建築指導課窓口で台帳記載事項証明書を発行してもらうことが可能です。そもそも検査自体を受けておらず、証明書もない場合は違法建築とみなされます。

 

建ぺい率・容積率の違反

建ぺい率と容積率の上限を超えている場合も、違法建築扱いになります。建ぺい率と容積率とは、敷地面積に対する建物の面積を制限する建築基準法上の規定です。

 

住民の生活環境や安全、地域の調和を守ることを目的として、エリアごとに上限が設定されています。それぞれの計算式は、以下のとおりです。

計算式
建ぺい率 建物面積÷敷地面積×100
容積率 延床面積÷敷地面積×100

 

上限オーバーの建物があると、採光や通風が損なわれたり人口が過密になったりして、都市環境の悪化につながります。

 

特に注意しなければならないのは、増築によって建ぺい率・容積率をオーバーしてしまうケースです。たとえば建ぺい率や容積率に含まれないと思って無許可でカーポートを増築してしまい、違法建築になってしまう例も少なくありません。

 

斜線規制に違反

斜線規制に違反しているという理由で、違法建築だと通報されるケースもあります。斜線規制とは建築基準法規定の一種で、建物の高さを制限するものです。

 

道路境界線または隣地境界線からの距離に応じて、建築物の各部分の高さが制限されます。建物の圧迫感を和らげ、採光や通風を確保することが目的です。

 

斜線制限は、隣地斜線制限、北側斜線制限、道路斜線制限の3種類に分類されます。地域ごとに適用される斜線制限が異なるため、市のホームページなどで確認しましょう。

 

無許可で増築

無許可で増築をおこない、違法建築になってしまうケースもあります。増築や大規模リフォームをおこなう場合も、立地や構造、工事内容に応じて確認申請が必要なケースがあるからです。

 

以下のケースでは確認申請が必要になります。

 

  • 防火地域外・準防火地域外で10㎡を超える増築をおこなう場合
  • 防火地域・準防火地域で増築をおこなう場合
  • 木造3階建て以上・鉄骨2階建て以上で大規模リフォームをおこなう場合

 

10㎡がどのくらいの広さかというと、だいたい駐車場1台分のスペースです。意外と小規模な増築でも、確認申請が必要であることがわかります。最近はDIYリフォームも主流になってきているため、無許可での増築は身近な問題です。

 

無許可で用途変更

既存の建物を用途変更する場合も、許可が必要になるケースがあります。具体的には、変更後の用途が特殊建築物で、かつ変更後の面積が200㎡を超える場合に確認申請が必要です。

 

200㎡はシングルスのテニスコート1面とほぼ同じ大きさになります。大規模な住宅を店舗として使用する場合は、確認申請が必要です。

 

また建築基準法は、建物の用途に応じて適用される規定が変わります。必ず変更後の用途で適法な状態にしておかなければなりません。

 

申請とは違う建物

建物の構造や仕様が確認申請で提出した図面と異なる場合も、建築基準法違反です。このような事象が起きる原因としては、工事中の勝手な計画変更や施行ミスなどが挙げられます。

 

本来であれば工事中に計画変更が発生した場合は、計画変更確認申請を提出しなければなりません。また施行者と設計者の連携が不十分であると、情報が正しく伝達せず申請とは違う建物が建ってしまう可能性があります。

 

よくあるケースを挙げると、以下のとおりです。

 

  • 窓を減らしてしまい採光不良になった
  • 安価な材料に変更し建物性能が低下した
  • 敷地内に収まるはずの庇が隣地境界を超えていた

 

安全基準が満たされていない

建築基準法には、地震や火災などの災害に対する安全性や環境衛生に関する安全基準があります。安全基準の例は以下のとおりで、すべての建築物に適用されます。

基準の内容
建築物の安全性の基準 地震、台風、積雪等に対する基準
火災時の安全性の基準 火災による延焼、倒壊の防止、避難施設の設置等に関する基準
環境衛生に関する基準 居室の採光、換気、給排水設備、衛生設備等に関する基準

 

東京都のホームページでは建築物を安全に建てるためのチェックリストが公開されています。

 

【設計・工事監理の依頼】

  • 設計は建築物に応じた資格を持つ建築士に依頼しましたか?
  • 工事監理は建築物に応じた資格を持つ建築士に依頼しましたか?

【図書の作成・確認申請】

  • 設計図書の内容の説明はありましたか?
  • 設計の委託を受けた旨の書面を建築士事務所から受け取りましたか?
  • 建築確認の申請は行いましたか?
  • 確認済証の交付は受けましたか?

【工事監理】

  • 工事監理の委託を受けた旨の書面を建築士事務所から受け取りましたか?
  • 工事監理報告書の提出はありましたか?
  • 関係図書の提出はありましたか?

【検査】

  • 中間検査が必要かどうか確かめましたか?
  • 中間検査の申請は行いましたか?
  • 中間検査合格証の交付を受けましたか?
  • 完了検査の申請は行いましたか?
  • 検査済証の交付を受けましたか?

出典:東京都都市整備局「建築物を安全に建てるために:チェックリスト(建築基準法)」(https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku_kaihatsu/kenchiku_gyosei/gyosei/kijun/kn_k01/tetudu_7

 

建物を建てる際はこのチェックリストを確認しましょう。実施していないことがあれば、安全に建物を建てられていない可能性があります。

 

防火規制の違反

防火規制とは、火災の被害を防ぐことを目的とした建築物の規制です。建物の設計や使用する材料、設備について、さまざまなルールが定められています。

 

たとえば火災を防ぐために、防火地域や準防火地域などのエリアが指定されています。駅前や幹線道路沿い、建物密集地などで指定されていることが多いです。これらの地域で家を建てる場合は、家の構造や材料に一定の制限が課されます。

 

また防火地域と準防火地域では10㎡以内の小規模な増築であっても、建築確認が必要です。防火規制に従わない場合は火災の危険を排除できないため、違法建築とみなされる可能性があります。

 

違法建築で通報された場合どうなる?

違法建築で通報された場合どうなる?
自宅が現行の法律に従っていない場合、違法建築として通報されるリスクがあります。

 

近隣住民の情報提供により発覚するケースは少なくありません。役所の担当者がパトロールをおこない、違法建築がないか調べている自治体も多いです。

 

では実際に違法建築で通報されると、どうなるのでしょうか。

 

法的措置や費用など発生する

建築基準法9条1項では違反建築物に対する措置が定められています。それによると違法建築だと判断された場合、役所から違反している状態を改善するよう命じられる可能性があります。命令の内容としては、以下の内容です。

 

  • 工事の中止
  • 解体
  • 移転
  • 改築
  • 修繕
  • 模様替え
  • 使用禁止
  • 使用制限

 

工事中止以外の命令については、一定の猶予期間が設けられます。

 

役所からの命令に対して対応が遅れるほど罰則が重くなり、是正費用も高くつくため注意しましょう。決して先送りにせず迅速で適切な対応を行うことが、ダメージを最小限に抑えるポイントです。

 

違法建築物で通報された場合の流れ

違法建築物で通報された場合の流れ

違法建築で通報された場合、役所による措置が段階的に進められます。

 

  • 役所からの指導
  • 緊急対応が必要な工事中の違法建築には工事停止命令
  • さらに行政指導を無視すると行政処分
  • 最終的に行政代執行

 

役所からの指導

通報などにより違法建築の疑いがある建築物が発見されると、まずは役所からの事実確認がおこなわれます。具体的には役所に出向いて話を聞かれたり、現場調査がおこなわれたりします。

 

最初に役所から通知書が送られてくるため、まずはその内容を確認しましょう。通知書には以下の内容が記載されています。

 

  • 役所が違法建築に対して命じようとする措置
  • 役所が違法建築に対して命じようとする理由
  • 意見書の提出先
  • 提出期限

 

通知書を受け取った3日以内であれば、意見書を提出するかわりに、役所で直接意見を聞いてもらう「公開による意見の聴取」を求めることも可能です。自分に有利な証拠を提出することもできるため、もしも合理的な言い分がある場合はこの機会に伝えましょう。

 

なお緊急の必要がある場合、役所はこれらの一連の手続きを踏まずに、仮に使用禁止または使用制限の命令をすることもできます。

 

事実確認によって違反していることが明らかになった場合には、役所による行政指導がおこなわれます。違反の内容や程度に応じて、是正するよう助言、指導、勧告を受けるかたちです。

 

是正費用については、建築主自身が負担しなければなりません。行政指導に従わない場合はさらに拘束力の強い行政処分がおこなわれます。

 

緊急対応が必要な工事中の違法建築には工事停止命令

工事中の違法建築に対しては、建築基準法9条10項に基づき工事停止命令が出される可能性があります。

 

建築基準法9条10項条文

特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反することが明らかな建築、修繕又は模様替の工事中の建築物については、緊急の必要があつて第二項から第六項までに定める手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該建築物の建築主又は当該工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる。この場合において、これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対して、当該工事に係る作業の停止を命ずることができる。

出典:e-GOV法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/

 

役所は以下のような違法建築に対して工事停止命令を出すことが可能です。

 

  • 違反していることが明らかであること
  • 建築、修繕、模様替えの工事中であること
  • 緊急性が高く通知書の送付や意見聴取の手続きをとる時間がないこと

 

施工の停止は、建築主や請負人、現場管理者に対して命ぜられます。もしだれも現場にいないときは作業員に対して命じることも可能です。また役所は電気、ガス、水道事業者に対して供給停止の協力を求めることもできるため、工事は強制的にストップすることになります。

 

さらに行政指導を無視すると行政処分

行政指導を無視した場合は、行政処分が下される流れです。行政指導は任意の協力を前提としていますが、行政処分には法的拘束力があります。従わない場合は罰則が科されるため、注意しましょう。

 

行政処分の具体的な内容としては、工事停止や建物の解体、使用禁止などです。行政指導の段階では違反部分の是正だけで済んでいたものが、行政処分となると建物全体に影響が広がってしまいます。

 

罰則内容は建築基準法98条に定められており、3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。また建築士や建設事業者も刑事罰や営業停止、免許の取り消しなど重い処分が下される場合があります。

 

最終的に行政代執行

行政処分にも従わない場合、建築基準法9条12項に基づき、行政代執行がおこなわれます。

 

建築基準法9条12項条文

特定行政庁は、第一項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、みずから義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。

出典:e-GOV法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/

 

行政代執行とは、行政機関が所有者に代わってその義務を履行することです。違法建築の場合は、所有者に代わって役所が建物を解体することを指します。

 

また行政代執行をおこなうには、以下の要件を満たしていることが必要です。

 

  • 他人が代わりにできる行為であること
  • 義務者が命令を受けたのに履行しなかったこと
  • 他の手段によってその履行を確保することが困難であること
  • 不履行を放置することが著しく公益に反すると認められること

 

行政代執行がおこなわれる前に、「履行期限を過ぎると代執行がおこなわれる」旨の勧告があります。期限までに履行しなければ代執行がおこなわれ、建物の解体費用などかかった費用は全額所有者に請求される仕組みです。

 

解体業者を自ら選定することもできないため、費用が高額になる可能性もあるでしょう。支払えない場合は資産の差し押さえとなり、所有者は経済的に大きなダメージを負うことになります。

 

行政代執行は最悪の事態であるため、違法状態を指摘された段階で早めに対応することが肝心です。

 

違法建築の注意点

違法建築の注意点
違法建築を所有している場合、以下の点に注意しなければなりません。

 

  • 売却できない
  • 法的措置のリスク
  • 安全性の不安
  • 周辺住宅の不安
  • 膨大な費用
  • 融資が通らない

 

それぞれの注意点について、詳しく解説します。

 

売却しづらい

違法建築であっても、買い手がいれば売却することは可能です。しかし通常の建物と比べて売却が難しくなります。買いたいという人は非常に限られており、そもそもニーズがないからです。

 

もし売却する場合は、必ず売主は買主にその事実を告知しなければなりません。売主には契約不適合責任があり、引き渡した実物と契約内容が異なる場合、買主から損害賠償や契約解除などを求められる可能性があります。違法建築だと隠して売却することは契約不適合にあたるため、しっかりと買主に事実を伝えてください。

 

また違法建築は売却価格が安くなる点にも注意しましょう。建て替えや増築をおこなう際に制限を受け、使い勝手が悪くなるためです。たとえば容積率をオーバーしている建物でリフォームをおこなう場合、現状よりも面積を減らす必要が出てきます。

 

このようにハードルが高い違法建築の売却ですが、専門の買取業者であれば買い取ってもらえる場合があります。専門の買取業者はリフォームなどをおこない再販することを前提としているため、積極的に買い取れるのです。

 

法的措置のリスク

違法建築を所有している限り、役所から是正を求められる可能性がつきまといます。もし行政指導や行政処分を受けると、違反している部分は是正しなければなりません。

 

違反している部分の内容や範囲にもよりますが、是正には費用がかかります。大規模な是正工事や解体工事が必要になれば、多額の出費は免れません。

 

安全性の不安

違法建築に住み続けるのは、安全性への不安が残ります。建物や構造、設備の欠陥により、通常では起きないような事故が発生するリスクが高まるからです。

 

たとえば地震で倒壊したり、火事で火の周りが早まったりする可能性が考えられます。

 

過去には歌舞伎町にある雑居ビルで火災があり、44名が命を落としました。このビルでは建築基準法と消防法の違反事項があり、利用者が安全に避難できる状態にありませんでした。

 

このように建物の安全性に問題があると、最悪の場合人が死傷してしまうケースも少なくありません。建物の安全管理は所有者の責任であるため、適切な対応が求められます。

 

周辺住宅の不安

近くに違法建築があると、周辺住民も不安に感じます。地震での倒壊や火災の延焼によって、周辺の住宅にも被害を受ける可能性があるからです。

 

また周辺住民の不安は、建物の安全性だけにとどまりません。容積オーバーの建物に対して「採光や通風が阻害されている」など、環境衛生に関する不安もあるでしょう。

 

もし違法建築によって周辺住宅に不利益が発生した場合は、損害賠償を請求されるケースもあります。法律に違反した状態の建物に関しては、保険金の支払い対象外となる場合もあるため注意が必要です。

 

膨大な費用

役所からの法的措置があり違反状態を改善するためには、膨大な費用がかかります。是正工事費用に加え、改善が遅れる場合や手続きが不十分な場合は罰金が科されることもあります。

 

是正命令に従わない場合は最大300万円の罰金を科されることもあります。この金額は多くの人々にとって、いきなり支払える金額ではありません。

 

そのため違法建築を所有している場合は、将来的な是正費用の支払いも念頭に置いておくことが大切です。もし支払いが難しい場合は、売却することで余計な出費を回避できます。

 

融資が通らない

融資が通りにくい点にも注意しなければなりません。コンプライアンスの観点から、違法建築を融資対象から外す金融機関が多いためです。

 

違法建築でも融資してくれる金融機関は一部存在しますが、通常よりも審査が厳しくなるうえに、評価額も低くなります。もし融資を受けられたとしても、希望額よりも少なくなってしまう可能性が高いです。

 

まとめ

違法建築とは、建築基準法など現行の法律に違反して建てられた建物を指します。違法状態になってしまう原因はさまざまですが、容積オーバーや無許可での増築など身近で起こりそうな事例もあります。

 

違法建築で通報されると、役所から連絡があり行政指導を受けなければなりません。無視すると行政処分や行政代執行などさらに重いペナルティを課されます。対処法としては行政指導の段階でただちに是正することが肝心です。

 

もし違法建築に住み続けるのが難しいと感じているのであれば、早めに売却を検討しましょう。さまざまな制約があるため買い手は限られますが、専門の買取業者であれば積極的に買い取ってくれる可能性があります。

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事故物件を調べる方法!大島てるサイトなど調べ方や購入後の対処法を紹介


 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

「事故物件」というワードを聞くと、不気味さや不安感を覚える方も多いのではないでしょうか。住まい選びでは事故物件を購入しないために、十分な情報収集をおこないたいですよね。そのためには事故物件とは何かを正しく理解し、事故物件を見抜く方法を知っておくことが大切です。

 

本記事では事故物件かどうかサイト検索で調べる方法や、万が一事故物件を購入した場合の対処法を解説します。

 

これからマイホームを購入しようとしている方や、事故物件を買ってしまった方は必見です。

 

そもそも事故物件とは?

事故物件とは
事故物件とは、一般的に他殺や自殺など不自然なかたちで人が亡くなった物件を指します。

 

不動産会社が事故物件を売却や仲介する場合には、心理的瑕疵物件として買主に告知する義務があります。心理的瑕疵とは、不動産取引にあたって買主に心理的抵抗や嫌悪感を抱かせる恐れがあることがらです。

 

人の死が発生した物件すべてが事故物件になるわけではありません。国土交通省は「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」において、人の死に関する告知の一般的な基準を示しています。

 

このガイドラインによれば、「人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重大な影響をおよぼすと考えられる場合」に告知しなければならないとされています。

 

告知が必要なケースとそうでないケースの例を示すと、以下のとおりです。

 

告知が必要なケース

  • 殺人(他殺)、自殺など
  • 特殊清掃等がおこなれた自然死

 

告知しなくても良いケース

  • 自然死(老衰、持病による病死など)
  • 日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)

 

したがって過去に他殺、自殺が発生したり、特殊清掃などがおこなわれたりした物件については、原則として不動産会社からその事実を知らされるはずです。しかし売主が事実を隠蔽している場合、不動産会社が事故物件と認識しておらず告知されない可能性もあります。

 

事故物件を購入しないためには、不動産会社からの情報だけに頼らず、自分で調べる力を身に着けることが重要です。

 

事故物件なのか?サイト検索を使って調べる方法!

サイト検索で調べる方法
インターネットを使えば、事故物件に関する情報を手軽に収集できます。事故物件の情報は、以下のサイトで調べることが可能です。

 

  • 大島てる
  • JKK東京
  • レインズ
  • 成仏不動産
  • UR賃貸住宅

 

それぞれのサイトの特徴を解説します。

 

大島てる

大島てるは、日本で最も有名な事故物件の情報サイトです。ユーザーが投稿した最新の情報を見ることができます。

 

検索方法はサイト内の検索バーに住所を入力するだけです。事故物件は地図上に炎のアイコンで表示され、クリックすると詳細情報が見られます。

 

注意点としては、ユーザー投稿型であるため情報の正確性が担保されていないということです。こちらのサイトに記載されている情報だけで判断せず、他の情報を照らし合わせることが必要になります。

 

JKK東京

JKK東京は東京都住宅供給公社が運営するサイトです。都内の公営住宅における事故物件情報を提供しています。

 

JKK東京で確認できるのは公営住宅の事故物件情報に限定されます。一般の賃貸・売買物件の情報は含まれません。

 

トップページから「住宅をお探しの方」→「賃貸住宅情報」→「その他」→「特定物件・事前告知事項物件を探す」ページから事故物件情報を確認可能です。

 

このサイトでは「孤独死で発見が遅れた住戸」「自殺等があった住戸」を特定物件と呼び、事故内容や発見までの日数などが詳しく記載されています。

 

レインズ

レインズは不動産会社専用のデータベースで、物件に関する情報が網羅されているのが特徴です。不動産会社はデータベースに記載されている過去の取引履歴や告知事項を見て、事故物件であるかどうかを調査できます。

 

とても便利なデータベースですが、残念ながら一般ユーザーは直接検索できません。レインズで調べたい場合は、不動産会社に相談してみましょう。

 

「気になっている物件があるのですが、過去の売買履歴や心理的瑕疵(事故物件)の有無をレインズを使って調べてもらうことは可能でしょうか?」と伝えるとスムーズです。

 

成仏不動産

成仏不動産は事故物件専門の売買サイトです。事故物件の告知内容について、以下のとおり5段階評価で分類している点が特徴になります。

 

  • ★1 発見まで72時間未満の孤独死・病死物件
  • ★2 発見まで72時間以上の孤独死物件
  • ★3 火事や事故で人が亡くなった物件
  • ★4 自殺物件
  • ★5 殺人物件

 

トップページの「販売物件情報一覧」ページから、物件種別・地域・告知内容で絞り込み表示できます。物件の詳細ページを見ると、告知内容や時期などさらに詳しく知ることも可能です。

 

注意点としては、成仏不動産で掲載されている情報は売買物件に限られるため、賃貸物件の検索には向きません。

 

UR賃貸住宅

UR都市機構が運営するサイトで、事故物件の情報を公開しています。掲載されている物件はUR賃貸のみであるため、売買物件や一般の民間賃貸物件の情報は含まれない点に注意しましょう。

 

トップページ下部にある「特別募集住宅一覧」ページから、事故物件の情報を確認できます。ただしインターネット上で見られる情報は限定されており、具体的な告知内容や該当物件の部屋番号などはわかりません。詳細な情報を知りたい場合は、直接URの店舗に問い合わせる必要があります。

 

事故物件なのか?調べる方法!

事故物件なのか?調べる方法
サイト検索だけでは十分な情報が得られない場合もあるでしょう。その場合は他の方法を組み合わせて調べると事故物件かどうか、より確実に調査できます。

 

サイト検索以外で事故物件を見抜く方法は、以下のとおりです。

 

  • 物件情報に「告知事項あり」と記載されている
  • 直接「不動産会社」に問い合わせてみる
  • 物件の値段が安い
  • 内見時に違和感がある(臭いや修繕跡など)
  • 物件周辺の住民に直接聞いてみる

 

物件情報に「告知事項あり」と記載されている

不動産会社から物件情報をもらったら、特記事項の欄を確認しましょう。「告知事項あり」と記載されている場合、その物件は何らかの特別な事情を抱えている可能性があります。

 

ただし「告知事項あり」=事故物件とは限りません。告知事項は、以下の4種類に分類されます。

 

告知事項の種類と特徴

種類 定義
心理的瑕疵 物件の過去の出来事が原因で、心理的な抵抗感を生じる瑕疵 他殺、自殺など
物理的瑕疵 建物や土地そのものに欠陥がある瑕疵 雨漏り・シロアリ被害・土壌汚染など
環境的瑕疵 物件の周辺環境が原因で、住み心地に影響を与える瑕疵 近隣に工場・高速道路など騒音源がある、異臭や振動があるなど
法律的瑕疵 法律や条例によって、物件の利用や建築に制限がある瑕疵 建ぺい率・容積率の制限、接道義務違反など

 

事故物件に該当するのは、心理的瑕疵がある物件です。「告知事項あり」という記載を見つけたら、まずは不動産会社に詳細を確認することが重要になります。結果として心理的瑕疵ではなかったとしても、告知事項の内容によっては購入の判断に大きな影響をおよぼす可能性があります。

 

直接「不動産会社」に問い合わせてみる

事故物件かどうかを正確に判断したい場合は、不動産会社に問い合わせるのが最も有効な方法です。サイト上の情報ではわからなくても、不動産会社と直接対話することで明らかになることがあります。

 

先述のとおり、不動産会社が事故物件を紹介する場合は心理的瑕疵に該当する事案を告知しなければなりません。不動産会社に依頼する際は、最初に「事故物件には住みたくない」という意向をはっきり伝え、遠慮せず相談してみましょう。

 

不動産会社は一般の人が知らない情報も調べることが可能です。たとえばレインズのデータベースを見れば、過去の取引履歴や告知事項などの情報から事故物件かどうか調べることができます。

 

レインズで過去の取引履歴を見ると、相場よりも異常に安く売却された経歴がないかを把握することが可能です。また告知事項については心理的瑕疵に限らず、物理的瑕疵や環境的瑕疵などを調べてもらうことで後悔のない判断ができるでしょう。

 

ただし告知事項がなかったからといって油断はできません。過去に何らかの問題があったとしても、売主が事実を隠している場合があります。つまり不動産会社もその情報を把握しきれていない可能性もあるのです。そのため告知事項がなくても、気になることがあれば納得いくまで聞くことが重要です。

 

調査の対応は不動産会社によって異なるため、複数の会社に問い合わせて比較検討するのも有効な方法です。曖昧な回答を繰り返す不動産会社には注意しましょう。信頼できる不動産会社に相談することで、正確な情報を得ることができます。

 

物件の値段が安い

物件の値段が周辺相場と比べて異常に安くないかどうかも、事故物件を見抜くポイントです。事故物件は買い手がつきにくく、価格を下げて販売されるケースが多いからです。

 

もちろん事故物件以外の理由で安くなっていることもあります。たとえば「築年数が古い」「立地が悪い」「売主が売却を急いでいる」といった理由です。

 

重要なのは、周辺相場と比べた際にどの程度価格差があるのか確かめることです。ケースバイケースですが、事故物件は10~50%程度価格を下げて売却される傾向があります。

 

近隣の類似物件をピックアップして比較すると、どの程度安いのか判断できます。類似物件の相場は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報や成約価格情報で調べることが可能です。駅からの距離や面積、間取り、建築年などで絞り込み検索すれば、類似物件の相場をすぐにつかめるでしょう。

 

不動産取引数が少ないエリアの場合、「不動産情報ライブラリ」だけでは十分な情報が集められないこともあります。その場合は不動産ポータルサイトで調べる方法も有効です。

 

とはいえ価格差だけで事故物件と断定するのは時期尚早です。価格差を調べたうえで、不動産会社に価格が安い理由を直接聞いてみましょう。不動産会社が売主から得た情報をもとに、価格設定の背景を詳しく教えてくれる可能性があります。

 

値段が安いというのは魅力的ですが、その裏に事故物件が隠れている場合があります。安さだけに惑わされず、慎重に調査を進めることが大切です。

 

内見時に違和感がある(臭いや修繕跡など)

内見は物件の状態を自分の目で確かめられる貴重な機会であり、事故物件かどうかを見極めるために重要なステップになります。

 

事故物件では遺体の腐敗による臭いや血液・体液の汚れが通常のハウスクリーニングでは落としきれないことがあります。そのため内見時は部屋の臭いや修繕跡に注意を払い、違和感を見逃さないことが肝心です。

 

たとえば生ごみが腐ったような臭いや異常に強い消毒臭がする場合、過去に何かあった可能性があります。また壁の一部や特定の部屋だけがリフォームされているなど、不自然な修繕跡がある場合も要注意です。不自然な修繕跡がある場合、その箇所に心理的瑕疵が隠されている可能性があります。

 

不動産会社に聞けば、過去の修繕履歴を教えてくれます。内見で気になる点があれば遠慮なく質問しましょう。

 

物件周辺の住民に直接聞いてみる

近隣住民から話を聞いて、事故物件かどうかの手がかりを得るのも良い方法です。ネットや不動産会社が提供する情報からはわからない、リアルな情報を得られることがあります。

 

特に長年住んでいる住民や近所付き合いが広い住民は、過去の出来事を知っている可能性が高いです。たとえば「以前事件があった」「あの部屋は入れ替わりが激しい」といった話が聞けるかもしれません。

 

ただ「突然知らない人に聞くのはハードルが高い」と感じる方も多いのではないでしょうか。その場合は、近所のお店の人などに「このあたりは住みやすいですか?」といった雑談の流れで聞き出してみましょう。マンションの場合は、管理人に話を聞いてみるのも手です。

 

万が一「事故物件」を購入しても安心な理由

万が一「事故物件」を購入しても安心な理由
慎重に選んだはずなのに事故物件を購入してしまった場合は、とてもショックですよね。もし住み続けるのが難しいと感じた場合、事故物件を手放す選択肢は2つあります。

 

  • 契約解除
  • 売却

 

ここからは、それぞれの選択肢について詳しく解説します。

 

契約解除

事故物件であると知らずに購入してしまった場合は、契約を解除してもらうよう求めることができます。不動産会社が事故物件の告知をしなかったことは告知義務違反にあたり、買主には契約を解除する権利があるためです。

 

事故物件だと知ったら、できるだけ早く不動産会社にその事実を伝えましょう。中には不動産会社も事故物件だと知らなかった場合もあります。事実確認がとれれば、不動産会社が知らなかったとしても、契約解除に応じてもらえる可能性があります。

 

契約解除に応じてもらえない場合は、裁判で争うことも選択肢の一つです。しかし裁判は時間と費用がかかるのが懸念点で、時間は1年以上、費用は100万円以上かかることもあります。スムーズに物件を手放したい場合は、思い切って売却を検討するのも一つの方法です。

 

売却

事故物件を売却することは可能です。ただし、以下の2点に注意しましょう。

 

  • 告知義務を果たす
  • 相場より安くなることを理解する

 

先述のとおり、事故物件には心理的瑕疵の告知義務があります。売主の立場として過去にあった事案を正しく伝えなければなりません。告知義務を怠ると、後々トラブルに発展する可能性が高いです。

 

また事故物件は、相場より10〜50%下げなければ売れにくい傾向があります。心理的瑕疵の影響で通常の物件よりも購入希望者が限られるためです。まずは相場を調べて、比較しながら価格を決めましょう。

 

事故物件を誰に売る?

事故物件の売却では、誰に売るかが非常に重要なポイントです。売却先の候補を挙げると、以下のとおりになります。

 

  • 不動産会社に仲介に入ってもらい第三者に売却
  • 不動産会社に直接売却
  • 事故物件専門の買取会社に売却

 

ここからは、それぞれの売却先のメリット・デメリットを解説します。

 

不動産会社に仲介に入ってもらい第三者に売却

不動産会社に仲介に入ってもらい第三者に売却する方法は、幅広い買い手の中から選べるのがメリットです。しかし心理的瑕疵を気にする買い手は多いため、売却には時間がかかることを覚悟しましょう。買い手を早く見つけるためには、ハウスクリーニングやお祓いなどをおこない、マイナスイメージを少しでも改善することが大切です。

 

不動産会社に直接売却

不動産会社に直接売却する方法は、すぐに売却できるメリットがあります。一方で仲介で第三者に売却する方法よりも売却価格が下がる点には注意しましょう。不動産会社は事故物件を買い取った後にリフォームをかけて再販するため、その分費用が安くなるのです。事故物件の買取に消極的な不動産会社も少なくありません。

 

事故物件専門の買取会社に売却

事故物件専門の買取会社に売却する方法は、事故物件でも積極的に買い取ってくれる点がメリットです。ただ事故物件専門の買取会社はまだまだ数が少なく、選択肢が限られます。複数社に査定を依頼してみて、信頼できる会社を選びましょう。

 

ちなみに不動産会社や買取会社に売却する方法では、売主の契約不適合責任が免除されるのが通例となっています。契約不適合責任とは引き渡された目的物が契約内容と適合していない場合に売主が負う責任です。

 

契約不適合が発覚した場合、買主から損害賠償や契約の解除を求められるリスクがあります。そのため「トラブルに巻き込まれたくない」「完全に手離れしたい」という方は、不動産会社や買取会社に売却するのがおすすめです。

 

ただし不動産会社や買取会社に売却する場合でも、事故物件であることを隠すのはNGです。事情を正直に伝え、そのうえで契約不適合責任を免除にできるかどうか相談してみてください。

 

まとめ

事故物件とは他殺や自殺など不自然な死があった物件です。不動産会社は事故物件を売却・仲介する場合、心理的瑕疵物件として買い手に事実を告知する義務を負います。しかし不動産会社自身も事故物件だと認識していなかった場合、告知されない場合もあります。

 

そのような場合は、サイト検索や不動産会社へ直接問い合わせる方法で事故物件かどうか調べることが可能です。1つの方法だけで決めつけず、複数の方法を組み合わせて調べると、より正確な判断ができます。

 

もしも購入した物件が事故物件であると発覚した場合は、契約解除や売却といった選択肢があります。まずは不動産会社に契約解除を求め、応じてもらえない場合は売却を検討する流れで進めると良いでしょう。

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事故物件やめたほうがいい?訳あり物件はやばい?不動産知識を紹介


 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

事故物件という言葉を聞いたことはありますか?安くていい物件を見つけたと思ったのに「事故物件だった・・・」という経験がある方もいるかもしれません。事故物件と聞くと多くの方は、不安や恐怖心、抵抗感を感じるでしょう。しかし、事故物件はデメリットばかりではありません。人によっては事故物件のデメリットよりも、メリットが勝るケースもあるのです。

 

したがって、「事故物件=住まないほうがいい」という概念は一度捨てて、この記事を最後まで読んでみてください。この記事を読めば、事故物件とは何なのか、事故物件のメリット・デメリット、さらに事故物件のリスクなどがわかります。事故物件に関する正しい情報を身に着けることで、自分の状況や価値観に基づいた正確な判断ができるようになるでしょう。

 

事故物件とは?

事故物件とは
「事故物件」とは、一般的に事件や事故が起こった物件のことを指します。具体的には、自殺や他殺、自然死、火災などの死亡事故が挙げられます。命が失われた場所というのは、多くの人にとって心理的・精神的なダメージが大きく、「怖い」「不気味」「おばけが出そう」など、不安や恐怖を感じる方も多い傾向です。しかし、事故物件はマイナスイメージだけではありません。

 

下図は、国土交通省「消費者からみた心理的瑕疵問題とこれからの課題」の調査結果です。
心理的瑕疵問題
出典:国土交通省「消費者からみた心理的瑕疵問題とこれからの課題
これを見ると、事故物件に対するイメージは「家賃が安い」という回答が75.3%で最多となりました。次いで、「怖い・不気味」が71%、「心霊現象がありそう」が43.3%という結果になりました。

 

また、この他の項目で、「賃貸物件を探している消費者は、見つけた物件が「事故物件」だった場合、該当の部屋の病死・自然死については、他の死因に比べて条件次第では契約を検討する傾向にある」という調査結果が出ています。したがって、事故物件と言っても、消費者それぞれが持つ価値観や事故内容などによって、影響力には幅があるということがわかります。

 

不動産として事故物件を購入するメリット

事故物件を購入するメリット
先にお伝えしたように、事故物件はデメリットばかりではありません。そこでここからは、事故物件を購入するメリットを3つ紹介します。

 

  • 物件の価格や安い
  • 投資目的
  • 物件の多くがリフォームされている

 

ご自身の状況や目的と照らし合わせながら、チェックしてみましょう。

 

物件の価格や安い

一般的に、事故物件は市場価値が低下する傾向にあるため、類似物件よりも価格を安くする必要があります。これは予算に制約がある購入希望者にとって大きなメリットとなるでしょう。どのくらい安くなるかは死因によっても異なりますが、一般的には以下が目安となります。

 

事故物件の内容 値引き相場
自然死 10~20%
自殺 20~30%
他殺 40~50%

 

自然死であれば、値引き相場はそれほど高くはありません。一方で、他殺となると値引き幅は非常に大きくなるでしょう。また、事件の大きさや社会的影響力によって、これより値引き幅が大きくなる可能性もあります。加えて、将来的に売却する際の困難さを見越して、初めから大幅に安く設定されるケースもあります。

 

ただし、事故物件に対する価値観や受け取り方は人によって異なりますので、上記はあくまでも参考程度に留めておきましょう。

 

投資目的

類似物件と比較して割安な事故物件は、投資用として魅力があります。特に、都内の利便性が良い物件は需要が高いため、賃貸として貸し出すことも可能でしょう。人気エリアが割安で借りられるため、事故物件でも入居率が高くなり、高い利回りが期待できます。

 

ただし、人口が少なく、需要の少ない地域では借主を探すのが難しくなる可能性が高いです。したがって、投資用として購入する際は慎重に検討することをおすすめします。

 

物件の多くがリフォームされている

事故物件の多くはリフォームされ、事故や事件の痕跡は消されています。そのため、内装は新しく、快適な住環境が整っているケースが多いです。また、最新設備を導入したり、おしゃれな内装にしたり、リフォームを充実させて物件全体の質を向上させていることも少なくありません。

 

さらに、リフォーム時に耐震補強や断熱性向上といった、建物性能を高める工事を行う場合もあります。このような大規模リフォームは、居住者の快適性や安全性を高めるだけでなく、将来的な資産価値にも良い影響をもたらすでしょう。

 

事故物件やめたほうがいい?デメリットについて

デメリット
ここまで事故物件のメリットについて解説しましたが、一方でデメリットも少なくありません。では、具体的に事故物件にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。ここでは、事故物件で考えられる以下7つのデメリットについて解説します。

 

  • 精神的ストレス
  • 事故後の痕跡
  • 事故物件サイトに公開されている(大島てる等)
  • 契約更新時に家賃が上がることがある
  • 売れない可能性がある
  • 近隣住民からの噂
  • 運気が下がる可能性がある

 

それでは、順番に見ていきましょう。

 

精神的ストレス

事故物件は、過去に自殺や他殺、火災などの事故が起こった場所であるため、そこで生活することに精神的なストレスや不安を感じる方も少なくありません。どんなに「自分は大丈夫」と思っていても、これは単なる迷信や非合理的な恐怖ではなく、人間が感じる自然な感情であり反応です。また、霊感や心霊現象を信じる方にとっては、事故物件での生活はより精神的なストレスを感じるでしょう。

 

もちろん、売却時や賃貸時にはきれいな状態へと復元されているため、見た目で違和感を覚えることはほとんどありません。しかし、どんなに特殊清掃をしても、「この部屋で人が亡くなった」という事実は消えません。入居前から「事故物件」ということが引っかかっていたり、少なからず不安に感じていたりする場合は、入居後に恐怖心が増してしまう可能性があるため注意が必要です。

 

事故後の痕跡

多くの物件は事故後にリフォームを実施しますが、中には特殊清掃を施しても痕跡が完全に除去されないこともあります。特に、木材は液体を吸収しやすい性質であるため、染み込んだ液体を完全に除去できないケースもあるのです。また、コンクリート造でも性質上、ニオイの元となる物質が浸透してしまうことがあり、壁紙や床材を張り替えても経過とともに現れる可能性があります。

 

人間の嗅覚は非常に敏感で、わずかなニオイでも不快感を覚えることがあります。ましてや事故物件となれば、事件・事故の記憶を想起させるため敏感になってしまう方も多いでしょう。したがって、事故の痕跡は見た目だけでなく、ニオイの観点でも注意が必要です。

 

事故物件サイトに公開されている(大島てる等)

近年、インターネット上には事故物件に関する情報を集約するサイト(大島てる等)が多数存在しています。これらは無料で閲覧可能で、住所付きで公開されています。
参考:大島てる 大島てる物件公示サイト

 

事故物件という事実を居住者が口外しないようにしていても、インターネットを調べれば事故物件だとすぐにわかってしまいます。また、社会的影響力の大きい事件・事故では、事件現場としてメディアが撮影しに来たり、口コミなどによって意図せず居住者の個人情報が特定されたりする可能性もあります。

 

これによって、不必要な注目を集め、偏見の目で見られる可能性も否定できません。実際に、過去に殺人事件が起きた現場では、高校生が「肝試し感覚」で現場に侵入し逮捕された事件も起きています。

 

また、来訪する友人や知人の中には、不安や戸惑いを感じ、人間関係や社会的交流に影響を与えてしまう可能性もあります。さらに、将来的に売却する際、インターネット上の情報が障害となり適正価格での売却が困難になるケースもあるでしょう。

 

契約更新時に家賃が上がることがある

事故物件は、時間の経過とともに事件・事故の印象が薄れ、市場としての評価は次第に回復していきます。なお、告知義務があるのは、賃貸の場合は「死」の発覚から3年間、売買の場合は「時効なし」です。そのため、賃貸では事故から数年が経過し、さらに、その間に居住者がいた場合は、物件の価値が上昇すると考えることが一般的です。

 

したがって、初回契約時は通常よりも低い家賃が設定されていますが、初回の低家賃が継続されるとは限りません。居住者が問題なく生活できていると判断され、事件から数年経過すれば、家賃が値上がりする可能性も高いでしょう。

 

家賃の値上がりは少しずつ行われるケースもありますが、3年を経過した月から20%程度の上昇を求められるケースもあります。例えば、初期家賃が10万円だった場合は、12万円まで値上がりするイメージです。極端な例では、事故物件としての割引がなくなり、周辺相場と変わらない家賃を要求される可能性もあるでしょう。

 

売れない可能性がある

事故物件は、買主が限定されることが最大の懸念点と言えます。不動産市場に出すと相場より価格が安いため一定数興味を持つ人はいるでしょう。しかし、告知事項の内容を聞いて購入をためらう方が多く、売却がスムーズに進まないのが実情です。

 

通常の不動産売却は、売却までに3カ月~6カ月程度が目安とされていますが、事故物件の場合は長期化する可能性が高いでしょう。不動産が思うように売却できないことは、売主にとって精神的・経済的なダメージは大きくなります。

 

なお、不動産には、「仲介」と「買取」という2つの売却方法があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

 

仲介 不動産会社に物件の売却を依頼する
高値売却が目指せる
成功報酬として不動産会社に仲介手数料を支払う
買取 不動産会社が直接買い取りする
査定額がつけば即日売却可能
仲介で売却するより売却価格は安くなる

 

好立地、築浅、人気エリアなど事故物件であれば、しばらく仲介で売却を進めるのも有効な手段です。しかし、駅から遠い、築年数が古いなど、需要が見込めない物件は、買取を検討するのもおすすめです。事故物件の買取を専門としている業者もあるため、そういった業者に相談するのも有効な選択肢の一つでしょう。

 

近隣住民からの噂

事故物件に住んでいると、近隣住民から根拠のない噂を立てられ居心地が悪くなる可能性があります。また、なるべく事件のことを考えないようにしていても、近隣住民から事件の詳細を聞かされて不眠症になってしまったケースもあります。

 

社会的影響力のある事件や風評被害が起こる事件では、近隣住民からの心無い言葉や噂に振り回される可能性は否定できません。さらに、事件があった物件以外の部屋も空室が続けば家賃を下げることがあります。

 

低価格の賃貸物件となれば、無職や生活保護を受けている方など、複雑な背景を持つ方も増えることが予想されます。これに伴い、住民のマナーが悪い、トラブルが起こるなどの可能性も考えられるでしょう。

 

運気が下がる可能性がある

過去に不吉なことが起きた場所には、当時の悲しみや苦しみといった負の感情が残りやすいと言われています。負のエネルギーが留まっていると、無意識にネガティブな気分になりやすく、運気が下がる可能性があります。

 

また、事故物件は入居率が悪くなるため、定期的な清掃やメンテナンスが行き届いていない物件も少なくありません。これが、住人の健康や人間関係、運気に悪影響を与えている可能性もあるでしょう。

 

実際に、事故物件に住んでから原因不明の体調不良になったり、家庭内の問題が起きたりするケースもあります。ただし、これは心理的な影響であり、物理的なものではありません。全ての人が同じ様に影響が出るものではなく、個人差が大きいものであるため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。

 

事故物件やめたほうがいい?「販売」「賃貸」場合のリスク

販売」「賃貸」場合のリスク
ここまで、事故物件を「借りる」「購入する」方向けのメリット・デメリットを解説しました。この章では、事故物件のオーナー目線で、事故物件を「販売」「賃貸」する場合のリスクについて考えていきましょう。考えられるリスクは以下の通りです。

 

  • 販売価格や家賃の相場が低い
  • 避けられやすい
  • リフォームが必要な場合もある
  • お祓いが必要になる
  • 告知義務がある
  • 契約不適合責任を問われる可能性がある

 

それでは順番に見ていきましょう。

 

販売価格や家賃の相場が低い

所有している物件で事件・事故が起きた場合、物件の市場価値が下がるため、所有者にとっては大きな問題となります。事故物件の値下げに関しては、法律で明確に定義されているものではありません。しかし、多くの人は事故物件に対して心理的・精神的な嫌悪感を抱きます。また、「事故物件=家賃が安い」というイメージが世の中に知れ渡っているため、所有者は自主的に販売価格を下げているのが実情です。

 

一般的に、事故物件は類似物件に比べて20~50%程度販売価格が低くなる傾向です。この低下率は、事件・事故の内容、時間経過、物件の立地などが影響します。例えば、自然死のように比較的心理的負担が少なく軽微な事故の場合は家賃相場より10%程度の低下で済むケースが多いです。ただし、殺人事件のような重大な事件の場合は大幅な低下を余儀なくされるでしょう。

 

避けられやすい

事故物件を避ける方は多く、長期的に空き家になったり、売却できない期間が長くなったりするリスクは高いでしょう。特に不動産売買では、購入希望者の多くが「長く居住する」という目的を持って物件を探しています。中には、そこで一生暮らしていく方もいるでしょう。賃貸なら引っ越すことができますが、住宅購入後は引っ越しも難しくなくなるため物件選びはより慎重になります。

 

さらに、将来の「転売」や「賃貸」を考慮すると、事故物件は資産価値が低く、今後の価格上昇もあまり期待できません。そのため、投資用の観点からもリスクが高く、投資家から避けられやすい傾向にあります。

 

このように事故物件が避けられる理由は多岐にわたり、単なる心理的要因だけでなく、社会的、経済的な側面でも困難になる可能性があります。これらの要因によって、事故物件の売却取引が長期化したり、運用率が低くなったりするリスクがあるでしょう。

 

リフォームが必要な場合もある

事故物件を売却・賃貸する場合は、リフォームが必要です。場合によっては、大掛かりなリフォームが必要になるケースもあります。例えば、室内全体に血痕が飛び散っている場合は、壁や床のクロスの張り替えが必要になるでしょう。リフォームの内容によって費用は異なりますが、内装リフォームの目安は下表の通りです。

 

リフォーム内容 費用相場
クロスの張り替え 1,000~2,000円程度/㎡
フローリングの張り替え 3,000~4,000円程度/㎡
畳の交換 8,000~12,000円程度/畳
トイレリフォーム 20~30万円程度
浴室リフォーム 50~100万円程度

 

事故物件をリフォームする目的は、見た目を整えるためだけではありません。買主の心理的瑕疵を軽減し、物件の価値を回復させるために行う重要な作業です。特に、特殊清掃が必要となる事件・事故の場合は、特殊清掃の専門業者へ依頼して徹底的な清掃、修繕が求められます。特殊清掃では、室内の異臭、痕跡、供養、遺品整理まで対応している業者もありますので、状況に応じて検討しましょう。なお、下表は、特殊清掃にかかる費用の大まかな目安です。

 

間取り 費用相場
ワンルーム 3~10万円程度
1K~1LDK 10~30万円程度
2K~2LDK 15~50万円程度
3K~3LDK 30~80万円程度

 

特殊清掃は、状況によって作業内容が変わるため、依頼する前には複数社から見積もりをとって比較検討するのがおすすめです。また、リフォーム業者によっては、事故物件のリフォームを引き受けない業者もいます。したがって、特殊清掃後にリフォーム依頼をする場合は、必ずリフォーム業者に事故物件であることを告知する必要があります。

 

お祓いが必要になる

事故物件は、お祓いが必要になるケースが多いため、費用や手間がかかるのもリスクと言えるでしょう。お祓いにかかる費用相場は、3~10万円と幅があり、死因や範囲によっても異なります。例えば、自然死であれば3万円程度、自殺は5万円、他殺であれば8万円以上の費用がかかります。当然、この費用は所有者負担となります。

 

なお、お祓いは必ずやらなくてはいけないというわけではありません。あくまで任意ですが、お祓いを行うことによって売主に対しての信頼感にもつながります。また、買主や借主の心情を考慮すると行っていた方が賢明でしょう。

 

告知義務がある

不動産取引では、「瑕疵(かし)」という概念が民法上重要な位置を占めており、以下の4つの瑕疵には告知義務があります。

 

種類 瑕疵の内容
心理的瑕疵 自殺や殺人事件
孤独死
火災
忌まわしい事件・事故
環境的瑕疵 騒音・異臭
周辺環境が悪い(反社会勢力の拠点があるなど)
道路の交通量が多い
物理的瑕疵 土壌汚染
地盤沈下
雨漏り
シロアリ
ひび割れ
法的瑕疵 建築基準法違反
防災設備の不備
接道義務
土地利用制限

 

事故物件は、心理的瑕疵に該当するため、売主は買主に対して告知する責任があります。なお、告知義務は、事件発生から2~3年間は告知しなくてはなりません。この期間を過ぎた場合でも、買主から直接聞かれた場合は、事件・事故の内容について正直に答えなければなりません。

 

万が一、告知義務を守らずに不動産を売却したり、賃貸に出したりした場合、損害賠償請求や契約取消になる可能性があります。告知することで物件の価値が低下する可能性は否定できませんが、法的トラブルを避け、公正な取引をするためにも告知することは非常に重要です。

 

また、事故物件は「1回誰かが住めば告知義務がなくなる」と言われることがありますが、これは単純に「はい」と言えるものではありません。一般的に事故から2~3年間経過し、かつその間に入居者がいた場合は、告知義務が軽減される傾向にあります。

 

ただし、心理的瑕疵がなくなるわけではありません。したがって、告知義務が消えても入居者には事前に告知した方が良いでしょう。なお、告知義務については、国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」に基づいて判断されます。

 

契約不適合責任を問われる可能性がある

先にお伝えしたように、事故物件には告知義務があります。そのため、事故物件の売主は必ず購入希望者には説明をしなくてはなりません。万が一、事故物件であることを知りながら告知しなかった場合は、「契約不適合責任」を問われる可能性があります。

 

契約不適合責任とは、売買契約書に記載されていない瑕疵が発見された場合に、売主が負う責任のことです。事故物件の場合は、心理的瑕疵が該当します。契約の判断を大きく左右する瑕疵については告知義務が発生するため、契約前に口頭で説明し、重要事項説明書に記載する必要があります。

 

「言わなければバレない」という安易な考えは、後々大きなトラブルになる可能性があるため注意が必要です。事故物件を告知すると売れづらくなるのは事実ですが、告知義務違反に該当すると契約不適合責任を問われるということを覚えておきましょう。

 

まとめ

今回は、事故物件の内容やメリット・デメリット、「売却」や「賃貸」に出す際のリスクなどについて解説しました。事故物件はどうしてもデメリットが目立ちますが、相場より安価でリフォーム済みの物件が購入できるなどのメリットもあります。ただし、居住者の精神的・心理的ダメージが大きい、事故物件サイトに公開されてしまう、将来的に売却しにくい、リフォーム費用がかかるなどのデメリットやリスクがあるのも事実です。

 

また、事故物件には告知義務があり、違反すると損害賠償請求されたり、契約取消になったりする可能性があります。したがって、いくら不利な状況でも告知義務を怠ってはいけません。

 

事故物件の購入や賃貸を検討する際は、経済的な面だけでなく、様々なリスクを踏まえた上で、ご自身やご家族の価値観、長期的に生活するイメージなどを考慮して慎重に判断することをおすすめします。

 

なお、事故物件は必ずしも売却できないわけではありません。人気エリアにある物件なら投資用としての価値もあるため、市場価格で売却できるケースもあります。さらに、不動産買取なら時間をかけずに売却することができます。事故物件専用としている買取業者もありますので、売却で困った際は相談してみると良いでしょう。

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実家を建て替えたいけどお金がない!費用や相場・補助金など紹介

実家を建て替えたいけどお金がない!費用や相場・補助金など紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

実家を相続したり、両親との同居が決まったりすると、実家の建て替えを検討する方もいるでしょう。しかし、実家を建て替えるためには数百万円から数千万円の費用がかかります。そのため、「実家を建て替えたいけどお金がない」と悩んでいる方が多いのも実情です。

 

では、実際に実家を建て替えるには、どのくらい費用がかかるのでしょうか。今回は、実家の建て替えにかかる費用の相場や建て替えるお金がない時の対処法、家を建て替えた後に後悔しがちなポイントについて解説します。お金がないと諦めている方でも、本文を読めば何か対処法が見つかるかもしれません。ぜひ最後までお読みいただき、今後の参考にしてください。

 

実家の建て替える場合の費用(相場)はどれぐらい?

実家の建て替える場合の費用(相場)はどれぐらい?
下図は、国土交通省が発表した「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」の結果です。
令和5年度 住宅市場動向調査報告書
参照:国土交通省:令和5年度 住宅市場動向調査報告書

 

図を見ると、建て替えにかかる費用平均は5,745万円となっています。また、新築注文住宅を建築した人の費用平均は5,811万円となっています。土地を購入する分、新築世帯が多少上回っているものの、どちらも5,000万円を優に超える金額であることは間違いありません。これらの結果から、建て替えには十分な資金が必要であることがわかります。次の項目では、建て替え費用が不足している場合の対処法を紹介します。

 

家を建て替えるお金ないとき!対処法を紹介

家を建て替えるお金がないときは、以下の方法を検討しましょう。

 

  • 親族から資金を集める
  • ローンを利用する
  • 補助金・助成金を利用する
  • リフォームする
  • ローコスト住宅
  • 建て替えせずに活用する
  • 売却する

 

項目ごとに詳しく解説していきます。

 

親族から資金を集める

実家の建て替えや親と同居する場合は、親族から資金提供してもらうことも視野に入れて検討しましょう。ただし、これらは「贈与」にあたるため、通常であれば贈与税がかかります。しかし、住宅取得資金の贈与については一定条件を満たす場合、一定の限度額までは非課税とされています。

 

したがって、両親や祖父母から資金援助を受ける場合は、住宅取得資金贈与の非課税制度が受けられるため、資金調達だけでなく節税対策にもなります。なお、贈与は父母、祖父母からの贈与に限られているため、兄弟姉妹、子どもからの贈与は対象外になるため注意が必要です。

 

住宅取得資金贈与について、国税庁は以下のように記載しています。

 

住宅取得資金贈与は、父母、祖父母などの直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たすときは下表の金額について、贈与税が非課税となります。

贈与期間 省エネ住宅等 左記以外の住宅
令和6年1月1日~令和8年12月31日まで 1,000万円 500万円

引用:国税庁 住宅取得資金の贈与を受けた場合
特例を受けるための詳細は、国税庁のウェブサイトからご確認ください。

 

住宅ローンを利用する

国土交通省が発表した「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅(建て替え)取得世帯の住宅ローン有無は48.7%となっており、約半数は住宅ローンを利用して建て替えを行っているということがわかります。
国土交通省令和5年度 住宅市場動向調査報告書
参照:国土交通省令和5年度 住宅市場動向調査報告書

 

近年は、低金利ということもあり借入がしやすくなっており、40歳以上でも比較的住宅ローンが組みやすい傾向です。そのため「まとまった資金がない」と悩んでいる方は、一度住宅ローンの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

また、現居の住宅ローン残債が残っている場合でも、残債と建て替え費用を1本化できる「建て替えローン」という選択肢もあります。ただし、住宅ローンを利用する場合は、年齢、職業、貯蓄などを踏まえた上で、入念な資金計画を立てることが重要です。

 

補助金・助成金を利用する

国や自治体が実施している補助金・助成金を利用すれば、自己資金を軽減しながらお得に建て替えすることができます。具体的には、以下のような補助金・助成金があります。

  • 子育てエコホーム支援事業
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 解体費用助成金
  • ブロック塀の解体撤去に対する補助金
  • 老朽危険家屋解体工事補助金
  • 木造住宅の耐震建て替え補助金

それぞれの概要について見ていきましょう。

 

子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業は、新築やリフォーム時に対象の省エネ工事を行うことで利用できる補助金です。名称に「子育て」とあるため誤解されやすいですが、リフォームは全世帯が対象となっています。ただし、補助対象工事には以下のような条件があります。

 

必須工事 開口部の断熱改修
躯体部分の断熱改修
エコ住宅設備の導入
任意のリフォーム 子育てしやすい環境へ変更するためのリフォーム
住宅の防災性を向上させるためのリフォーム
バリアフリーリフォーム
空気清浄・換気機能がついたエアコンの導入
リフォーム瑕疵保険の加入

 

必須工事を3つ全て実施で上限60万円/戸、必須リフォームを2つ以上実施で上限40万円/戸の補助金を受け取ることができます。詳しくは、子育てエコホーム支援事業をご確認ください。

 

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅の性能向上や適切なメンテナンスを支援する事業です。既存の戸建て住宅、賃貸を含む共同住宅が対象で、事務所や店舗などは対象外となります。主に以下のような工事が補助対象です。

 

  • 住宅性能向上リフォーム(建物の劣化対策、耐震性の向上、断熱サッシ、高効率給湯器への交換など)
  • 三世代同居リフォーム(キッチン・浴室・トイレ・玄関の増設工事が対象で、2つ以上の実施が必要)
  • 子育てしやすい環境整備のためのリフォーム(住宅内事故防止措置、不審者の侵入防止対策、災害への備えなど)
  • 防災性の向上(玄関ドアの交換、サッシの交換、蓄電池の設置など)

 

上記に該当する工事をする場合、補助限度額は80万円/1戸、認定長期優良型住宅で160万円/1戸です。三世代同居リフォームは、子育て・若者世帯または中古リフォームの場合は、上限がそれぞれ130万円/戸、210万円/戸まで引き上げられます。詳しくは、長期優良住宅化リフォーム推進事業をご確認ください。

 

解体費用助成金

解体費用助成金は、自治体から給付される補助金です。条件を満たすことで解体費用の1/5から1/2程度の補助金が受け取れます。ただし、自治体によって補助金の内容が異なります。利用を検討している方は、お住いの地域のウェブサイトから解体費用助成金について調べてみましょう。

 

ブロック塀の解体撤去に対する補助金

ブロック塀の解体撤去の補助金制度では、「倒壊の危険性があるブロック塀を撤去し、地域の安全を守ること」を目的としています。支給額は自治体によって異なりますが、一般的な相場は撤去費用の1/4~1/2かつ上限額は5~15万円です。実家の建て替えで解体工事が必要だとお考えの方は、管轄する自治体の建築指導課窓口に相談しましょう。

 

老朽危険家屋解体工事補助金

老朽危険家屋解体工事補助金とは、老朽化によって倒壊の危険性がある家屋の解体を促進するための補助金制度です。近年日本では、高齢化や人口減少による空き家の増加が社会問題となっています。老朽化した空き家を放置すると、地域の景観が損なわれる、倒壊などによる危険性、火災、通行人への被害など様々な悪影響が考えられます。

 

そこで、こうした補助金を実施し老朽化した家屋の解体を促すことで、自治体全体のメリットにもつながります。老朽危険家屋解体工事補助金の上限は100万円ですが、自治体によって補助額は異なります。一般的に解体工事費用の何割、または自治体によって上限額が決まっているため管轄の自治体制度を確認しましょう。

 

木造住宅の耐震建て替え補助金

木造住宅の耐震建て替え補助金は、木造住宅の耐震性を向上し、地震に強い安全安心な家づくりを推進するための事業です。補助制度は自治体によって大きく異なりますが、主に耐震診断補助、耐震改修設計補助、耐震改修工事補助、木造住宅耐震建て替え事業などがあります。

 

例えば、木造住宅耐震建て替え事業では、耐震診断を実施後、耐震の建て替えの必要があると判断された方で耐震建て替えを行う場合、既存住宅の解体及び建て替えに要した費用の4/5以内(上限100万円)の補助を受けることができます。補助限度額や対象条件等は自治体によって大きく異なるため、気になる方が管轄の自治体で確認しましょう。

 

リフォームする

建て替え時は、建物を壊す解体工事をする必要があるため、解体費用がかかります。しかし、住宅の一部をリフォームするのであれば、建て替えより費用を抑えることができます。例えば、汚れや経年劣化が目立ちやすいキッチン、トイレ、浴室などの水まわりは、リフォームするだけで見た目も使い勝手も大きく向上します。

 

リフォーム費用は、キッチン70~100万円、トイレ20~50万円、浴室50~150万円が相場です。なお、リフォームは1カ所だけ行うよりも、数カ所まとめてリフォームする方が費用は安くなる傾向です。なるべく費用を抑えながら住心地をアップさせたい方は、リフォーム会社に相談してみると良いでしょう。

 

ローコスト住宅

一般的な住宅より建築コストを抑えた家を「ローコスト住宅」と呼びます。1,000万円台から建築できる商品もあり、坪単価で言うと30~50万円くらいがローコスト住宅の相場です。ローコスト住宅は、建築資材や設備を大量に仕入れることでコストダウンを図っているため、一般的な注文住宅に比べて費用を大きく抑えることができます。

 

すなわち、経済的な不安を減らしながら建て替えしたいという方に最適な方法です。ただし、どの部分をコストカットしているのか不明瞭な会社も存在するため、建築会社選びは慎重に行いましょう。

 

建て替えせずに活用する

家を相続したけれど活用方法に困っている方や実家が空き家になっている方は、建て替えせずに賃貸として貸し出すという選択肢もあります。貸し出しできれば家賃収入を得られるため、住宅ローンの返済に充てたり、貯蓄したりすることができます。ただし、実家が老朽化している場合や立地条件が悪い場合は、借主が見つからない可能性が高いです。

 

借主が見つからなければ、空き家の維持費を払い続けることになるため、むしろコストがかかる可能性もあります。賃貸経営は想像以上に難しく、他にも入居者トラブルや家賃滞納、住宅設備のメンテナンスなども想定しておかなければなりません。賃貸として貸し出すのは難易度の高い方法とも言えるため、「家賃収入が得られる」というだけで判断するのは避けましょう。

 

売却する

「相続した実家の活用方法に悩んでいる」「建て替え費用が工面できない」という方は、売却することも検討しましょう。実家を売却すればまとまった資金が手に入るため、新居購入費用に充てたり、賃貸物件へ入居したりすることができます。なお、不動産売却には「仲介」と「買取」という2つの売却方法があり、違いは以下の通りです。

 

  • 仲介:不動産仲介業者が買主を探す
  • 買取:買取業者に直接買い取ってもらう

 

仲介は、不動産仲介業者が買主を見つけて売却する方法です。買い取りに比べて高値で売却できるというメリットがありますが、売却できるまでに時間がかかるというデメリットがあります。また、買主が見つかったら成功報酬として不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。

 

一方、買取は、不動産会社に直接買い取りをしてもらう売却方法です。査定額に納得できれば、最短1日で売却することも可能。また、老朽化した空き家でも査定額が付けば、必ず買い取りしてもらうことができます。売却に時間がかからず、即現金化できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

 

ただし、仲介に比べて買取価格は安くなる傾向です。したがって、高値売却を希望する方は仲介、時間をかけずに売却したい方は買取が向いているでしょう。

 

家を建て替えた後に後悔してしまうこと

家を建て替えた後に後悔してしまうこと
家を建て替えたあとに後悔しないよう、経験者の意見を参考に、建て替え後に起こる失敗や後悔をあらかじめ把握しておくことが大切です。ここでは、家の建て替えで後悔しがちな以下の3つのケースについて解説します。

 

  • 予想よりも費用がかかった
  • リフォームだけでよかった
  • 工務店選びで失敗した

 

それぞれの解決策についてもお伝えしますので、今後の参考にしてください。

 

予想よりも費用がかかった

家を建て替えるということは、一定期間仮住まいが必要ということです。建て替えにかかる期間は6カ月~約1年が一つの目安ですが、天候や工事の進み具合によっては完成が遅れることも少なくありません。

 

仮住まい中に部屋を借りる場合、初期費用として敷金・礼金、前家賃、仲介手数料、火災保険、鍵交換費用などがかかります。例として、家賃10万円の部屋を借りた場合の初期費用のシミュレーションを見ていきましょう。

 

内訳 費用相場
敷金 0~20万円
礼金 0~20万円
前家賃 10万円
仲介手数料 0~11万円
火災保険料 2万円
鍵交換費用 1万円
総額 13~64万円

 

上記の場合では、最大64万円の初期費用がかかることがわかりました。これに加えて、引越し費用がかかることも忘れてはいけません。引越し費用は、時期や荷物量、距離などによって変動しますが、3人以上の家族の引っ越しの場合7~15万円程度が目安となります。

 

このように、建て替え工事期間中の仮住まいは想像している以上に費用がかかります。工期が伸びればその分想定外の出費が増えるため「こんなはずじゃなかった」と後悔する方が多いのも実情です。建て替え期間が伸びてトラブルになったというケースもあるため、工期が遅延した場合の対応について施工会社としっかり話し合っておくことをおすすめします。

 

リフォームだけでよかった

建て替えを検討している人の中には、実はリフォームだけでも十分という方もいます。そのため、以下に該当する場合はリフォームを検討してみましょう。

 

  • 築年数が30年未満
  • なるべくコストを抑えたい
  • 愛着のある実家を壊すことに抵抗がある
  • 工期はなるべく短い方が良い
  • 長く住み続ける予定がない/受け継ぐ予定がない

 

建て替えをする一番のメリットは、住宅性能や快適性がアップすることです。築年数50年を経過する住宅のほとんどは、旧建築基準に基づいて建築されているため、耐震性が現在の基準を満たしていません。リフォームで耐震工事することも可能ですが、耐震性が著しく低い場合は建て替えを検討しましょう。

 

一方、築年数30年未満であれば、リフォームだけで十分というケースもあります。リフォームが部分的であれば引越する必要もないため諸経費がかかりません。また、リフォームなら工事費用も大幅に抑えることができるため、受け継ぐほど長期的に住む予定がなければ建て替えをするメリットは少ないと考えられます。

 

また、リフォームであれば愛着のある実家を残すこともできます。暮らしに何を望むのか、今後実家とどのように付き合っていくのか、まずは家族でしっかり話し合ってみましょう。

 

工務店選びで失敗した

実際に建て替えを行った人の中には、「工務店に依頼したが下請けに丸投げで、要望が全く反映されていなかった」と思い通りの建て替えが出来ずに後悔しているケースがあります。
建て替えは、言い換えれば「家族の命を守る家づくり」。

 

高い費用と労力をかけて行うのであれば、満足できる建て替えをしたいものです。しかし、工務店は全国に17万社以上あると言われているため、工務店選びで迷ってしまう方もいるでしょう。そんなときは、以下のポイントを参考にしてください。

 

  • 施工エリア
  • 経営状況
  • 工務店の特徴
  • 自社施工であるか
  • 設計力
  • 技術力
  • 担当者の対応力

 

自分たちにあった工務店を見つけて満足度の高い建て替えを目指しましょう。順番に解説します。

 

施工エリア

全国展開するハウスメーカーとは異なり、工務店は地域密着型の場合が多いです。そのため、対応エリアが限られていることがあります。気になる工務店が見つかったら、まずは施工エリアを確認してみましょう。

 

経営状況

工務店を選ぶときは、経営状況を確認しておくことが大切です。実際に、建築中に工務店が倒産してしまったという事例もあります。工務店が倒産してしまうと、工事がストップしたり、アフターメンテナンス等が受けられなかったりする可能性があるため注意が必要です。
 

工務店の経営状況は、ホームページ上を確認してみるのがおすすめです。年間の施工棟数や最新施工実績、口コミなどから工務店の安定性をチェックしましょう。

 

工務店の特徴

工務店は、それぞれ得意分野が異なります。例えば、デザイン性を重視している、住宅性能を重視している、コストパフォーマンに優れているなど、工務店ごとに特徴があります。気になる工務店があればホームページをチェックして特徴をよく理解しておきましょう。また、建て替えで「何を重視するのか」家族で話し合っておくと、工務店選びがよりスムーズになります。

 

自社施工であるか

工務店を決めるときは自社施工であるか確認しましょう。自社施工とは、自社大工や自社の職人が直接工事をすることです。工務店の中には、契約後の施工業者を全て下請け業者へ依頼するところがあります。下請け業者に任せると、コミュニケーションが円滑に進まず、施主の要望が通らない、不具合の対応に時間がかかる、希望する日程で施工できないなどのデメリットがあります。小さな不満が積み重なると、いずれ不信感に繋がる恐れもあるため、できるだけ自社施工の工務店を選ぶことをおすすめします。

 

設計力・提案力

家の建て替えは、設計力の高さや提案力も重要になります。特に、土地が特殊な形だったり、建築基準法で制限が設けられていたりする地域では専門的な知識も必要です。施主の希望に寄り添いながらどこまで叶えてくれるか、実現できない要望に対しての説明や代替案を提案してくれるかなどを確認しておきましょう。

 

技術力

技術力を見極めるのはなかなか難しいですが、工務店を決める前に完成見学会や施工現場見学会などに参加するのがおすすめです。なお、モデルハウスはクオリティの高い素材や設備、住宅性能を導入しているため、あまり現実的ではありません。そのため、実際に工務店で建てた人のリアルな家を見学することで、技術力や雰囲気がよりイメージしやすくなるでしょう。

 

担当者の対応力

家づくりの道のりは長く、建てて終わりではありません。中には、「担当者の人柄で工務店を決める」という人もいるくらい担当者との相性は重要です。
請負契約や設計の打ち合わせ、入居後のアフターメンテナンス、リフォーム相談など、担当者とは何度も打ち合わせを行い、今後の人生においても長い付き合いになります。だからこそ、気軽に相談ができるか、レスポンスは良いか、知識はあるか、親身になって対応してくれそうか、などに注目して慎重に工務店を選ぶことが大切なのです。

 

まとめ

今回は、実家を建て替えたいけどお金がない場合の対処法などについて解説しました。
建て替えにかかる費用平均は5,745万円であり、十分な資金が必要ということがわかりました。しかし、建て替えをしている人の約半数は住宅ローンを利用していて、近年は40歳以上の方でも住宅ローンの借り入れがしやすくなっています。また、現居の住宅ローンが残っていても建て替えローンを利用すれば、現居の住宅ローンと建て替え費用を1本化することも可能です。ただし、住宅ローンの利用は家計の経済状況を慎重に判断し、返済が家計を圧迫しすぎないよう注意が必要です。

 

建て替え費用で困っている方は、親族から援助を受ける、補助金・助成金を活用する、賃貸として貸す、売却するなどの方法もあります。また、建て替えが必要と思っていても、実はリフォームで十分な場合もあります。建て替え後に後悔することがないよう、まずは家族で話し合いを行い、生活の中で不便を感じることを書き出してみましょう。そうすると、日々の悩みが可視化され、自分たちに必要な工事が明確になるかもしれません。

 

工務店とは今後の人生で長い付き合いになります。満足度の高い建て替えを行うためには、気軽に相談できて、信頼できる担当者や工務店を選ぶことが成功の秘訣とも言えるでしょう。

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いらない土地あげます!無償譲渡のメリットやデメリット・不動産売買など紹介

いらない土地あげます!無償譲渡のメリットやデメリット・不動産売買など紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

日本は超高齢化社会に突入しているため、相続したものの活用できない土地や、空家の増加が日本各地で社会問題となっています。活用していない土地を持ち続けていると、税金の支払いや管理の手間が大きな負担となります。そのため、人によっては土地を所有していることがデメリットとなるでしょう。土地所有者の中には、「誰かに無償で引き取ってほしい」と思っている方が多いのも実情です。こうした不要な土地の活用方法に悩んでいる方にとって「無償譲渡」は一つの解決策と言えます。

 

そこで今回の記事では、いらない土地を無償譲渡する方法や無償譲渡するメリット・デメリット、税金の種類などについて解説します。この記事を読めば、いらない土地の対処方法や注意点がわかります。ぜひ最後までお読みいただき、今後の参考にしてください。

 

いらない土地あげます!と言いたい!タダでもあげた方が得な理由

タダでもあげた方が得な理由
活用しない土地を持ち続けていても、管理の手間が増える、経済的な負担が増えるなど、あまりメリットは多くありません。したがって、所有者が「いらない」と感じている不要な土地であれば、誰かに譲ってしまうのが得策です。ここでは、無償譲渡した方が良い土地の特徴を3つお伝えします。

 

  • 活用していない土地
  • 立地条件が悪い土地
  • 管理を放置している空き家等

 

上記の土地は無償譲渡が適していますが、貰い手も限られるため注意が必要です。では、それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

活用していない土地

所有者が今後も活用しない土地であれば、無償譲渡を検討しましょう。前述したように、活用していない土地は、所有しているだけで管理の手間や経済的な負担がかかります。今は良くても、高齢になると土地や空家を管理するのも一苦労でしょう。経済的な負担も大きいため、生活を圧迫する可能性も考えられます。

 

一方、所有者にとっては「活用していない土地」でも、住宅地として活用できるような土地であれば需要があるかもしれません。これまでに不動産会社や専門家に相談したことがなければ、一度相談してみることをおすすめします。

 

立地条件が悪い土地

立地条件が悪い土地も、無償譲渡の対象になりやすいと言えます。例えば、地方の山林、アクセスが悪く車がないと生活できない土地、限界集落にある土地などが挙げられます。これらの土地は、管理をする手間や現地までの交通費と時間がかかります。居住地としても適さないため、無償譲渡を検討するのも一つの有効な手段です。

 

しかし、近年のキャンプブームによって山林を開拓してキャンプ場したり、自給自足生活を動画配信したりする人や企業も増えています。そのような趣味や仕事を持つ一部の人からすれば「魅力的な土地」とも言えるため、一概に売却できないとも言い切れません。

 

管理を放置している空家等

空家を放置していると、倒壊、外壁落下、害虫被害、景観の悪化、悪臭、不法投棄など様々なリスクがあります。相続した実家の管理できずに放置している所有者は多く、これが近年の空家増加の一つの要因と考えられます。万が一、放置空き家から火災が起きれば、近隣トラブルの原因になるだけでなく、被害者への謝罪や出費、社会的信用ダメージを負うなどの可能性も考えられます。

 

このように、空き家を長期間に放置することは大変危険であるため、無償譲渡する、空き家バンクへ登録する、売却するなど何らかの対策が必要でしょう。いらない土地の処分や無償譲渡する方法については、次の項目で詳しく解説します。

 

いらない土地を譲渡(無償譲渡)する方法

いらない土地を譲渡(無償譲渡)する方法
ここでは、いらない土地を無償譲渡する具体的な方法を確認していきましょう。無償譲渡するためには、以下の6つの方法があります。

 

  • 相続放棄
  • 国に返還
  • 空き家バンクを活用
  • 売買サイトを活用
  • 買取業者(不動産業者)に売却
  • 隣家の所有者に引き取ってもらう

 

それぞれ詳しく解説していきますので、ご自身の状況と照らし合わせながら最適な方法を見つけてください。

 

相続放棄

親が亡くなり実家を相続するケースも少なくありません。しかし、財産は必ず引き継がなくていけないわけではなく、相続放棄という選択肢もあります。相続放棄すれば、いらない土地を所有することを避けられます。ただし、相続放棄は全ての財産を放棄しなくてはなりません。「土地だけ放棄」ということはできませんので、慎重な判断が必要です。

 

また、相続人が複数いる場合は、1人が相続放棄すると残された相続人の相続持分が増えます。プラスの財産であれば揉めるケースは少ないですが、負債が多い場合に相続放棄するとトラブルに発展する可能性が高いです。複数相続人がいる場合は他の相続人への影響が出るため、なるべく相続人同士で事前に話し合っておくことをおすすめします。

 

国に返還

いらない土地を国に返還することを「相続土地国庫帰属制度」といいます。この制度を利用すれば、相続や遺贈によって取得した土地を国が引き取ってくれる可能性があります。ただし、国は全ての土地を引き取ってくれるわけではありません。以下に該当する場合は、引き取ってもらえない可能性が高いため注意しましょう。

 

申請をすることができないケース

 

  • 建物がある土地
  • 担保権や使用収益権が設定されている土地
  • 他人の利用が予定されている土地
  • 土壌汚染されている土地
  • 境界が明らかでない土地・所有権の在否や範囲について争いがある土地

 

上記のどれかに1つにでも当てはまると、申請することはできません。詳しくは、法務省「相続土地国庫帰属制度」の概要をご確認ください。
出典:法務省 相続土地国庫帰属制度の概要

 

承認を受けることができないケース(不承認事由)

 

  • 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地
  • 土地の管理・処分を阻害する有害物が地上にある土地
  • 土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地
  • 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地
  • その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地

 

上記のどれかに1つにでも当てはまると、承認を受けることはできません。詳しくは、法務省「相続土地国庫帰属制度」の概要をご確認ください。
出典:法務省 相続土地国庫帰属制度の概要

 

空き家バンクを活用

先述した通り、空家が建っている土地は、「相続土地国庫帰属制度」を利用することができません。そのため、空き家バンクへ登録するのがおすすめです。空き家バンクは、自治体が運営するマッチングサイトで、空家を売りたい・貸したい人が登録を行います。空き家バンクを通じて住みたい人が見つかれば、空家を貸すか売却することができます。

 

ただし、全ての自治体で空き家バンクを運営しているわけではありません。空き家バンクの利用を検討している方は、空家を管轄する市区町村の窓口で事前に確認しておきましょう。また、空家を売買する場合は、民間の不動産会社が介入するため、不動産会社へ支払う手数料が発生します。

 

豆知識:「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」

空き家の不動産取引は、業務の負担に応じて収益性が低いことが以前から問題視されていました。そのため「空家を売却をしたいけど不動産会社に相手にしてもらえない」「契約がスムーズに進まない」といったトラブルも少なくありません。

 

また、空き家は不動産市場で流通しづらく、これが空家増加の一つの要因とも考えられています。この背景を受けて、国土交通省は不動産市場で流通しづらい空き家・空き地の流通を促すべく、2024年7月1日「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」を実施。

 

具体的には、売買の仲介(媒介)取引において、物件価格800万円以下を対象に売主・買主双方から最大33万円(税込)の報酬が受け取れるようになりました。今回の制度拡充によって、これまで空家取引を敬遠していた不動産業者の参入が増え、空き家の不動産市場への流通量増加が期待されています。

 

売買サイトを活用

空き家バンクの他にも、土地や空家を売買できるサイトがあります。ここでは、低価格で不動産売買ができるサイトを紹介します。

 

サイト名 特徴
家いちば
家いちば
土地売買実績が豊富
売主と買主が直接コミュニケーションを取れる
信頼関係を築いて安心して取引を行いたい方に最適
みんなの0円物件
みんなの0円物件
無償で物件取引ができる
売主は譲渡後の責任を負わないという契約が可能
空き家のURI・KAI
空き家のURI・KAI
どんな物件でも掲載できる
専用のトークルームで売主と買主が匿名で商談できる
マッチング後は宅建士と司法書士がお引渡しまでをサポート
空き家ゲートウェイ
空き家ゲートウェイ
掲載料・仲介手数料が無料
売主が購入希望者を決められる
全国の物件情報が掲載可能
空き家バイバイ
空き家バイバイ
専門スタッフのサポートで個人間取引が気軽にできる
完全成果報酬型なので安心

 

それぞれの特徴から、あなたに最適なサイトがあるか確認してみましょう。

 

買取業者(不動産業者)に売却

ここまで様々な方法をお伝えしましたが、「なるべく労力をかけず、すぐに土地や空家を手放したい」という方は、買取業者へ売却するのがおすすめです。買取業者に依頼すれば、無償ではなく売却金が得られる可能性があります。先にお伝えした「売買サイト」も有効な取引ですが、買主が見つかるまでに時間がかかる場合があります。買取業者なら、最短1日で売却できます。

 

さらに、買取業者は不動産のプロであるため、売却後に何かあった場合でも売主が責任を問われることはありません。これを、「契約不適合責任の免責」といいます。個人間の取引の場合、売却した土地や空家に売買契約書に記載のない不具合が見つかれば、売主は契約不適合責任に問われ、自費で対応しなくてはなりません。場合によっては、大きな出費となることもあるでしょう。したがって、買取業者へ依頼することで契約不適合責任が免責されることは、売主にとって大きなメリットになると言えます。

 

隣家の所有者に引き取ってもらう

いらない土地を引き取ってもらうのは、そう簡単ではありません。とくに地方の山間部などは需要が少なく、引き取り手を探すのはなかなか大変でしょう。そんなときは、隣家の方へ相談してみるのもおすすめです。隣家であれば、駐車場として利用したり、家を増築したり、土地を譲り受けるメリットがあります。

 

まずは隣家の人の意向を伺いつつ、「タダで引き取ってもらえませんか」と伝えてみましょう。意外と喜んで引き取ってくれるかもしれません。ただし、この方法は隣家の方と良好な関係が築けていないと難しいです。これまで隣家と関わりなく過ごしてきたという方は、他の方法を検討してみましょう。

 

いらない土地や家をもらうメリット

いらない土地や家をもらうメリット
所有者にとっては「いらない土地」ですが、土地をもらう側にはメリットがあります。では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。いらない土地をもらうメリットには、次のようなことが挙げられます

 

  • 無料で取得できる
  • 補助金が出る
  • 収益化できる

 

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

 

無料で取得できる

一般的に、土地を購入するためには数百万~数千万円の費用が必要です。それが無償で取得できるというのは、非常に大きなメリットといえます。地方へ移住を検討している方は、空き家や土地が無償で手に入れば移住のハードルは大きく下がります。また、土地や空家を購入するための自己資金は、リフォームや建築費用に充てることできるため、予算を抑えながら理想の住まいが実現しやすくなるでしょう。

 

補助金が出る

自治体によっては、空き家のリフォーム補助金や解体費用の補助金を受け取れる可能性があります。例えば、千葉県茂原市では、空き家バンクを利用して空き家を購入した場合、空き家のリフォーム費用最大50万円を上限として助成しています。ただし、補助金を受けるためには要件があります。詳しくは以下の茂原市ウェブサイトをご確認ください
参考:茂原市ウェブサイト「空き家バンクを利用した売買を行われる方にリフォーム補助金を交付します。(令和6年度分)」

 

また、神奈川県横須賀市では、横須賀市内にある空き家で補助対象要件を満たす場合は、空き家の解体費用上限35万円まで助成しています。詳しくは以下の横須賀市ウェブサイトをご確認ください。
参考:横須賀市ウェブサイト「空き家に対する解体助成金制度」

 

このように、東京や神奈川などの首都圏でも、解体費用の助成や空き家活用を促進している自治体も少なくありません。補助金制度をうまく活用することで、自己資金を節約することができます。気に入った土地が見つかったら、その地域の自治体が実施している補助金制度について調べてみましょう。

 

収益化できる

無償で取得した土地や空き家を活用して、民泊やゲストハウスを経営すれば収益化することも可能です。近年はコロナ禍明けのインバウンドで、外国からの観光客が増加しています。利便性が良い、周辺に有名な観光スポットがある、趣のある古民家などは集客が望めるかもしれません。

 

しかし、民泊の黒字化経営を続けるためには、経験や知識、才能が必要不可欠です。そのため、空き家が無償で手に入ったからといって、未経験者が安易に民泊経営をはじめるのは注意が必要です。

 

いらない土地や家をもらうデメリット

いらない土地や家をもらうデメリット
前項では、いらない土地や家をもらうメリットを紹介しました。しかし、「タダでもらえる」という理由だけで安易に土地や家を所有すると、思わぬ落とし穴があるかもしれません。土地や家を無償でもらうには、以下のようなデメリットもあります。

 

  • 手続きが面倒
  • 税金などの費用が発生
  • 建物が建てられない土地もある

 

具体的な内容について解説します。土地や空き家の無償譲渡を検討している方は、デメリットについてもしっかり把握しておきましょう。

 

手続きが面倒

一般的な不動産取引では、売主と買主を不動産会社が仲介します。そのため、仲介手数料が発生しますが、契約書の作成や登記手続きは不動産業者が行います。契約完了まで、宅建士や司法書士など専門家のサポートを受けることもできるため、安心して不動産取引が行えるでしょう。

 

しかし、無償譲渡で土地や空き家を譲り受ける場合は、個人間取引が一般的です。契約書の作成や登記手続きを自分たちで行わなければならないため、仕事や家事の合間に時間を取るのはなかなか大変でしょう。手続きが苦手な方にとっては、大きなストレスになることも考えられます。無償譲渡を受ける際は、これらの苦労や手間を考慮しても、無償譲渡を受けるメリットがあるのか慎重に検討することが大切です。

 

税金などの費用が発生

本文中でもお伝えしていますが、土地や空き家を所有していると、固定資産税や都市計画税などの税金が発生します。さらに、無償譲渡の場合は、以下の税金が発生する可能性があるため注意が必要です。

 

  • 贈与税
  • 不動産取得税
  • 登録免許税

 

後悔の少ない選択をするためにも、税金についてしっかり理解しておきましょう。では、それぞれどのような税金なのか解説します。

 

贈与税

贈与税とは、個人間の贈与に対して課せられる税金です。無償譲渡は法律では「贈与」にあたるため、受け取った側に贈与税が発生する可能性があります。具体的には、1年間に無償譲渡された財産の合計が110万円以上の場合に贈与税が発生します。なお、贈与税の税率と控除額は以下の通りです。

 

課税額 税率 控除額
200万円 10%
300万円 15% 10万円
400万円 20% 25万円
600万円 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円

 

例えば、本来600万円の価値がある土地を著しく安い価格で譲り受けた場合、「みなし贈与」として贈与税がかかる可能性が高いです。この場合、贈与税は以下のようになります。

 

600万円×30%-65万円=115万円

 

「タタで土地がもらえた」と思っていたのに、あとから数十万円の税金の支払いがわかると「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうかもしれません。したがって、無償譲渡を受けると贈与税が発生する可能性があることを覚えておきましょう。

 

不動産取得税

不動産取得税とは、土地や空き家(戸建て)などの不動産を取得した全ての人に課せられる地方税で、土地と建物それぞれに課税されます。なお、毎年課せられる固定資産税とは異なり、取得した際に1度だけ課税される税金です。無償譲渡で土地や空き家を譲り受けた場合でも、不動産取得税は発生するため覚えておきましょう。不動産取得税は、以下の計算式で求められます。

 

税額=固定資産税評価額×4%

 

不動産を取得してから約6ヶ月~1年半くらいの間に都税事務所から納税通知書が届きます。納税通知書に記載されている納期限までに必ず納付しましょう。一方で、取得した不動産価格が以下の免税点に該当する場合は、不動産取得税は課税されません。

 

土地 10万円以下
家屋 新築、増築、改築 23万円以下
その他(売買等) 12万円以下

 

不動産を取得しても、価格が低ければ免税対象となるケースもあります。ただし、免税された土地と隣接する土地を1年以内に取得すると、1つの土地として改めて価格評価をします。価格が免税点を超えると、課税対象となるため注意しましょう。また、取得した建物と一構になる建物を1年以内に取得した場合も同様です。

 

登録免許税

空き家を譲り受けた場合は、不動産の所有者を移転する「所有権移転登記」という手続きが必要になります。所有権移転登記は管轄の法務局で申請を行いますが、申請時に登録免許税という税金がかかります。なお、登録免許税は以下の計算式で求められます。

 

税額=固定資産税評価額(課税標準額)×2%

 

先にお伝えした不動産取得税と同様に、登録免許税も「固定資産評価額」を元に算出されます。固定資産税評価額は、固定資産評価証明書を市区町村の窓口で取得することで確認できます。ただし、所有者または、所有者と同居の親族以外の方が固定資産評価証明書を取得する場合は委任状が必要です。無償譲渡を受ける前に、「どれくらいの税金がかかるのか把握したい」という方は、固定資産税評価額を確認しておくとよいでしょう。

 

建物が建てられない土地もある

土地は、不動産登記法で決められた23種類の「地目」で分類されています。その中でも住宅が建築できるのは、宅地、山林、原野、農地、雑種地のみです。無償譲渡された土地が、上記に該当しない場合は建物が建築できない可能性があります。

 

また、「今空き家が建っているから、建て替えできる」という判断は要注意。無償譲渡される土地の中には、再建築不可物件といって建物の建て替えができない土地も多くあるのです。再建築不可物件は、建築基準法で定められた接道義務を満たしていないため、建物を建て替えることができません。せっかく新居を建築する予定で譲り受けた土地でも、建物を建てられなければ「いらない土地」になってしまいます。したがって、土地に建物を建築する予定の方は、「地目」と「再建築不可物件ではないか」必ず確認しましょう。

 

まとめ

今回は、いらない土地を譲渡する方法や、無償譲渡のメリット・デメリットなどについてお伝えしました。本文中でもお伝えしましたが、いらない土地を所有していると、管理の手間や経済的な負担は避けられません。したがって、活用していない、立地条件が悪い、管理を放置している空家等は、無償譲渡を前向きに検討しましょう。ただし、全ての土地を無償譲渡できるわけではありません。無償譲渡できる土地には条件があるため、あらかじめ自治体窓口か専門家に相談しましょう。

 

また、所有者にとっては「いらない土地」でも、その土地を欲しいと思う人がいるかもしれません。土地が無償でもらえることは、土地を必要としている人にとっては大きなメリットです。さらに、自治体によってはリフォーム助成金や空家の解体費用の補助金が受け取れる可能性もあります。ただし、無償譲渡を受ける側は、手続きの手間がかかる、税金などの費用が発生する、建物を建築できない場合があるなどのデメリットがあることも忘れてはいけません。

 

なるべく手間をかけずに手放したいという方は、買取業者へ依頼するのも有効な選択肢です。「いらない」と思っていた土地や空き家が売却できれば、まとまった現金が手に入る可能性もあります。今回紹介した「いらない土地を譲渡する方法」を参考にしながら、ぜひご自身に最適な方法を見つけてください。

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やってはいけない実家の相続!住む住まないのメリットやデメリットを紹介

やってはいけない実家の相続!住む住まないのメリットやデメリットを紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

実家を相続したものの、「やってはいけないことってあるの?」「何から始めれば良いのかわからない」と悩む人も少なくありません。相続は人生で何度も経験するものではないため、無理もないでしょう。しかし、間違った相続を行うとトラブルに発展するリスク高くなるため注意が必要です。

 

この記事では、実家の相続でやってはいけないことや実家の活用方法、相続した実家に住むときの注意点など、相続に関することを詳しく解説します。実家の相続を巡る問題は、早めに解決することが重要です。やってはいけないことは何なのか、問題点がどこにあるのか、ひとつずつ確認して今後の対処法を考えておきましょう。

 

やってはいけない!実家の相続での注意点を紹介

やってはいけない!実家の相続での注意点を紹介
実家の相続でやってはいけないことは、以下の5つです。

 

  • 共有名義にする
  • 相続登記をしない
  • 活用方法を決めない「とりあえず相続」
  • 無計画に解体する
  • 相続した後すぐに実家を売却する

 

では、なぜ「やってはいけない」のか、それぞれ項目ごとに解説していきます。

 

共有名義にする

共有名義とは、1つの不動産を複数人が共同で所有することをいいます。例えば、兄弟で土地を2分割して、共有名義にした場合を例として考えてみましょう。相続するときは、兄が管理することで意見はまとまっていました。

 

しかし、家の老朽化によって管理に手間がかかるようになります。さらに、固定資産税などの維持費もかかるため、兄は「売却したい」と考えはじめます。しかし、弟が「思い出の詰まった家を売却したくない」と言って、兄弟の意見が分かれれば家を売却することはできません。

 

このように、共有名義は「共有者全員の同意」がないと売却したり、貸し出ししたりすることはできません。相続した実家の活用方法について、共有者同士の意見が合わず揉め事に発展するのはよくある相続トラブルです。したがって、安易な判断は避け単独名義にするのか、共有名義にするのかよく話し合うことが重要です。

 

相続登記をしない

令和6年4月より、相続登記が義務化されました。これは、所有者が亡くなったあとに相続登記されない「所有者不明土地」が全国で増加していることが一つの要因です。相続によって不動産を取得した相続人は、相続を知った日から3年以内に相続登記の申請をする必要があります。

 

もし、正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の適用対象となります。したがって、不動産を相続したら早めに登記申請を行いましょう。詳しくは、東京法務局の下記Webサイトをご確認ください。
東京法務局 相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)~なくそう所有者不明土地!~

 

活用方法を決めない「とりあえず相続」

相続は、予期せぬタイミングで問題に直面することもあります。また、相続に備えて実家の活用方法を話し合っている人が少ないというのも実情です。しかし、活用方法を考えておかなければ、「とりあえず相続」してそのまま空き家になってしまうケースも少なくありません。

 

空き家を所有すると、メンテナンスが必要なだけでなく、固定資産税などの税金がかかります。さらに、空き家を放置すれば、倒壊、外壁落下、害虫被害、悪臭など様々なリスクが考えられます。そのため、実家を相続する場合は、活用方法を具体的に決めておくことが非常に重要です。

 

無計画に解体する

前述したように、老朽化した空き家を放置すると様々なリスクがあります。それらのリスクを懸念して、「解体して更地にしよう」と考える方もいるかもしれません。しかし、無計画に空き家を解体するのは要注意。なぜなら、住宅用地には固定資産税の軽減措置が適用されているからです。

 

固定資産税の軽減措置では、住宅用地であれば課税標準を3分の1に減額する他、200㎡以下の部分に対する課税標準は6分の1に減額することとされています。すなわち、実家を壊して更地にしてしまうと毎年支払う固定資産税が6倍に上がってしまう可能性があるのです。また、解体するには高額な費用がかかります。下表では、30坪の家を解体するには、どれくらいの費用がかかるのか構造別にまとめました。

 

構造 坪単価 30坪の家
木造 3~5万円/坪 90~150万円
鉄筋造 5~7万円/坪 150~210万円
鉄筋コンクリート造 6~8万円/坪 180~240万円

 

空き家を放置するのも危険ですが、無計画に解体するのもリスクが伴います。したがって解体する前に、不動産会社や専門家に相談することをおすすめします。

 

相続した後すぐに実家を売却する

「相続税」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。被相続人(亡くなった人)から不動産や現金などの財産を相続する場合、相続税という税金を納めなくてはいけません。しかし、相続税が高額だと相続した不動産を売却しなければ相続税が支払えないというケースもあるでしょう。

 

そのため、一定の要件を満たす宅地はついては、相続する土地の評価額を最大8割減額することができます。これを、「小規模宅地等の特例」といいます。この小規模宅地等の特例を受けるために、「相続税の申告期限(被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から数えて10ヶ月以内)まで、その家に住み保有し続けること」という要件があります。

 

したがって、10ヶ月未満で実家を売却してしまうと、小規模宅地等の特例が適用できなくなる可能性があります。相続税の減税割合によっては、10ヶ月を経過してから売却した方が良いケースもあるため注意しましょう。

 

相続した実家の活用方法

相続した実家の活用方法
相続した実家には、以下のような活用方法があります。

 

  • 自分で実家に住む
  • 賃貸住宅として貸す
  • 土地として貸す

 

順番に見ていきましょう。

 

自分で実家に住む

実家に住むのは、最も手間がかからない活用方法です。これまで賃貸で生活していた人は、実家に住むことで家賃を払う必要がなくなります。また、自分で住めば、固定資産税の軽減措置を引き続き受けられることもメリットと言えるでしょう。

 

ただし、実家以外に財産がなく相続人が複数いるときは、公平な遺産分割が難しくなります。相続人同士で折り合いがつかなければ、他の相続人に代償金を支払う必要もあるでしょう。

 

賃貸として貸す

実家を貸家にするのもおすすめです。老朽化や汚れが目立つ場所は、リフォームや修繕しておくと借主が見つかりやすくなります。また、実家を事業用として貸し出すのも良いでしょう。近年は、古民家を利用したカフェや宿泊施設、福祉施設などが増えています。

 

事業用として貸し出しすれば、建物の修繕や改修工事は事業者が行ってくれるケースが多いです。空き家のまま放置しておくよりも、賃貸収入が得られる、家の劣化が進みにくいなど、メリットも多いでしょう。

 

ただし、事業者が撤去したあとは、次の借手が見つかりにくくなるというデメリットがあります。遠方に住んでいて自分で住めない、空き家の活用方法がわからないという方は、貸し出すことも検討してみましょう。

土地として貸す

広い土地や利便性の良い場所にある実家は、解体して土地として貸す方法もあります。特に、商業施設や学校、会社、アパートやマンションが建ち並ぶ地域では、駐車場としての需要が高いです。そのため、有効活用できそうな地域であれば、更地にして貸し出すことを検討してみましょう。

 

ただし、需要の低い地域では、無計画に解体すると税金が高くなる、借手が見つからないなどの可能性があります。解体する際は、専門家の意見を参考にして需要がある地域なのか見極めることが重要です。

 

相続した実家に住むときの注意点

相続した実家に住むときの注意点
相続した実家に住むのはメリットが多い一方で、以下の点には注意が必要です。

 

  • 維持費がかかる
  • 誰が住むかでトラブルになる

 

具体的な内容について解説します。

 

維持費がかかる

相続した実家が老朽化していたり、築年数が経過していたりする場合はリフォームや修繕が必要になる場合があります。家の状態によっては、すぐに住むことができないこともあるでしょう。

 

また、住宅を所有するには維持費がかかります。固定資産税、都市計画税に加えて、設備のメンテナンス費用なども考えておかなければなりません。

 

誰が住むかでトラブルになる

共有名義の場合、誰が実家に住むかで揉める可能性があります。特に、利便性の良い家は、住みたいと考える人も多いため、あらかじめ誰が住むのかを決めておくことをおすすめします。

 

実家を相続するなら!対策方法を紹介

実家を相続するなら!対策方法を紹介
相続者同士で折り合いがつかなければ、思い出の詰まった実家を空き家のまま放置したり、持て余してしまったりする可能性が考えられます。実家を持て余さないためには、以下の対策を意識してみてください。

 

  • 親の生前に間に話し合っておく
  • 相続放棄も検討する

 

それぞれの具体的な内容について確認していきましょう。

 

親の生前に間に話し合っておく

親の生前に相続について話し合うことは「縁起が悪い」と感じる方もいるかもしれません。しかし、多くの親は、自分たちの残した財産で兄弟や家族の仲が悪くなることを望んでいないでしょう。

 

親の死後、実家を管理・使用するのは残された家族です。そのため、生前に「親の意向」と「子どもの意向」をしっかり反映させながら、お互いが納得できる答えを検討しておくことが大切です。

 

相続放棄も検討する

親の残した財産は、必ずしも相続しないといけないわけではありません。管理できない、維持費が払えないなど、引き継ぐことにデメリットが多いと感じれば、相続放棄するのも一つの選択肢です。

 

しかし、相続放棄すれば、実家だけでなく全ての財産を放棄することになります。プラスになる財産が多ければ相続する価値は十分にあるため、相続放棄するかどうかは慎重に判断しましょう。

 

実家を相続した後に手放したいと思ったら

実家を相続した後に手放したいと思ったら
実家を相続したものの、「手放したい」と思うこともあるでしょう。そんなときは、以下の方法を検討してください。

 

  • 売却する
  • 空き家バンクを活用する
  • 寄付する

 

項目ごとに解説します。

 

売却する

活用しない空き家は、古家付きのまま売却することができます。古家付きのまま売却できれば解体費用もかからないため、立地条件やエリアによっては高値で売却できる可能性もあります。

 

ただし、すぐに売却できるとは限りません。一般的に不動産の売却期間は、3~6ヶ月が一つの目安です。中には、1年以上売れないというケースもあるため、すぐに現金化したい人やスケジュールに余裕のない人は注意が必要です。

 

空き家バンクを活用

空き家バンクは、空き家を貸したい人と売りたい人が登録し、空き家に住みたい人を探すためのマッチングサービスです。近年日本で問題になっている空き家の増加を少しでも減らすための取り組みであり、各地で多くの空き家が登録されています。

 

各自治体の空き家担当部署が窓口で、空き家を貸したい・売りたい人、空き家を借りたい・買いたい人をつなぎます。なお、空き家バンクへの登録は無料で行えますが、不動産取引となると不動産会社の仲介が必要になります。不動産会社へ仲介を依頼すれば仲介手数料が発生しますので、この点には注意が必要です。

 

寄付する

実家を手放す方法には、国や自治体に寄付するという選択肢もあります。ただし、無条件で寄付を受付しているわけではありません。国や自治体が求める条件と合致すれば、無料で引き取ってもらえる可能性があります。まずは、実家を管轄している自治体窓口で相談してみましょう。

 

まとめ

今回は、実家を相続するときにやってはいけないことを中心にお伝えしました。相続は人生で何度も経験することではないため、実家の活用方法に悩む人は多いものです。しかし、相続するか相続放棄をするか考えられる猶予期間は3ヶ月しかありません。この3ヶ月を短いと感じるか、長いと感じるかは、事前に対処方や活用方法を考えているかで大きく異なるでしょう。後悔の少ない選択をするためにも、日頃から実家の活用方法を家族や相続人同士で話し合っておくことが重要です。

 

また、相続するか悩んだときは、「今後住む予定があるか」「実家の活用方法が決まっているか」を考えてみてください。今、賃貸物件に住んでいて将来的に実家に住みたいと考えていれば、相続する必要があると言えるでしょう。一方、遠方に住んでいて既に自分の家を持っている、今後誰も住む予定がない、などであれば相続放棄するのも一つの手段です。この記事を一つのきっかけとして、相続について考えてみましょう。

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部屋にゴキブリがいるか確かめる方法!侵入防止や駆除など対策方法を紹介

部屋にゴキブリがいるか確かめる方法!侵入防止や駆除など対策方法を紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

暗闇でガサガサ、ゴソゴソと動く黒い物体に、背筋がゾクッとした経験がある方も多いのではないでしょうか。今回は苦手な人も多いであろう「ゴキブリ」をテーマに、ゴキブリがいるか確かめる方法や、侵入防止対策、駆除方法などを解説します。

 

ゴキブリは1度見つけると、「100匹はいる」と言われるほど生命力の強い生き物です。見失ったゴキブリを放置するとどんどん繁殖してしまうため、早めに退治することが大切です。この記事を参考にして、ゴキブリとは無縁な穏やかな日々を手に入れましょう。

 

部屋にゴキブリがいるか確かめる方法

部屋にゴキブリがいるか確かめる方法
できれば部屋の中で遭遇したくないゴキブリ。気持ちが悪いだけでなく、ゴキブリのいる環境は不衛生で、病気を引き起こす原因にもなりかねません。また、見失ったゴキブリを放置しておくと、想像を超える繁殖力で増殖します。したがって、まずは部屋の中にゴキブリがいるのか確かめてみましょう。家の中にゴキブリがいるか確かめるためには、以下の方法が効果的です。

 

  • ゴキブリが隠れている場所(隙間)を確認する
  • ゴキブリ専用のワナを仕掛ける
  • ゴキブリのフンや卵を探す
  • ゴキブリセンサーを使う

 

では、それぞれの具体的な方法について確認していきましょう。

 

ゴキブリの隠れていそうな場所(隙間)を確認する

ゴキブリがいるか確認する最も基本的な方法は「視認」です。ゴキブリは狭くて暗い場所を好むため、家具・家電の隙間、エアコンの中、クローゼット、観葉植物に潜んでいる可能性が高いです。

 

また、湿度が高い水まわりや、食べ物が置いてあるキッチンは彼らにとってパラダイス。夜行性であるゴキブリは、夜間や早朝になると活発になるため、キッチンやバスルーム、水まわりを中心にチェックしましょう。

 

ゴキブリを探すときは、部屋の照明を消して静かに様子を伺うのが重要なポイント。大きな音を立てると、ゴキブリが危険を察知して身を隠し、動かなくなってしまいます。ゴキブリ探索中には、予期せぬタイミングで彼らと遭遇する可能性があります。大きな声でゴキブリに逃げられないよう、心の準備と殺虫剤を忘れずに準備しておきましょう。

 

ゴキブリ専用のワナを仕掛ける

ゴキブリを確実におびき出すためには、専用のワナを仕掛けるのが効果的です。ゴキブリ用の粘着シートには、強力な誘引剤でゴキブリをおびき寄せるという特徴があります。ワナを仕掛けるときは、ゴキブリが潜んでいそうな場所に設置することが重要です。

 

たとえば、洗濯機まわり、家具の隙間、クローゼットの中などがおすすめ。なお、専用のワナで、家の中にいる全てのゴキブリを退治できるわけではありません。しかし、家の中にゴキブリがいるのかを確かめることで、今後の対策を考えるときに役立つでしょう。ゴキブリ専用のワナは、スーパー、ホームセンター、インターネット通販などで気軽に購入できます。ぜひ一度試してみてください。

 

ゴキブリのフンや卵を探す

ゴキブリの視認に加えて、ゴキブリのフンや卵も手掛かりとなります。なかなか姿が見えなくても、フンが見つかればゴキブリがいると結論できます。ゴキブリのフンは、1~4ミリほどの小さな点状のもので、キッチンの引き出しや家具・家電の裏などで見られることが多いです。

 

また、ゴキブリの卵も見逃してはいけません。ゴキブリは、たくさんの卵が入った「卵鞘(らんしょう)」を産み付けます。卵鞘は、たわら型で黒や茶色っぽい色をしているのが特徴です。こちらも、家具・家電の裏や隙間などに隠されていますので探してみましょう。

 

ゴキブリの卵鞘を発見した場合、既にゴキブリが繁殖している可能性があります。また、卵鞘をそのままにしておくと、ゴキブリが大量に発生してしまうため、熱湯をかけたり、ビニール袋に入れてから潰したりして駆除しましょう。トイレに流したり、掃除機で吸い込んだりすると、排水管や掃除機内でふ化する可能性があるため大変危険です。

 

ゴキブリセンサーを使う

ゴキブリ専用の超音波駆除器を「ゴキブリセンサー」と言います。ゴキブリの動きを検知すると、人やペットには聞こえない超音波を発しゴキブリを駆除します。ゴキブリセンサーには高感度のセンサーが内蔵されているため、見えにくい場所に潜んでいるゴキブリにも有効です。

 

家電量販店やインターネット通販で購入することができるので、「家の中のゴキブリがなかなか見つけられない」と悩んでいる方は購入を検討してみましょう。

 

部屋にゴキブリがいる!侵入経路はどこから?

部屋にゴキブリがいる!侵入経路はどこから?
ゴキブリの侵入経路は多岐にわたり、ありとあらゆる場所から家の中へ侵入してきます。主な侵入経路は、排水周り、エアコンのホース、窓、郵便受けなどですが、外から持ち込まれた家具や家電、ダンボール、買い物袋に紛れ込んで侵入してくることもあります。

 

ゴキブリが家に侵入すると、衛生面や健康面、精神面などさまざまなリスクがあるため、侵入を未然に防ぐことが非常に重要です。

 

ゴキブリがいる家の特徴

ゴキブリがいる家の特徴
ゴキブリは、不衛生な場所を好むというイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、一見キレイに見える家でもゴキブリは侵入し繁殖します。ゴキブリがいる家には以下のような特徴があります。

 

  • 食べ物の管理が不十分
  • 水まわりの管理が不十分
  • 物が多い(隠れる場所が多い)
  • 築年数が古い
  • 観葉植物がある
  • 環境的な要因

 

ここからは、ゴキブリに狙われやすい家の特徴とその対策について解説します。

 

食べ物の管理が不十分

食べ物の管理が不十分だと、ゴキブリが繁殖しやすくなります。例えば、食べ残しをそのままにしたり、お菓子のゴミが散らかっていたりすると、これらは全てゴキブリのエサとなります。また、汚れた食器を何日間も置きっぱなしにするのも要注意です。

 

対策としては、食べ残しは冷蔵庫にしまう、ゴミ箱をなるべく蓋付きのものを使用する、ゴミはこまめに捨てることがポイントです。また、ペットフードもゴキブリのエサとなりやすいため、食事が終わったらすぐに片付けるようにしましょう。

 

水まわりの管理が不十分

ゴキブリは水気のある場所、湿気の多い場所が大好き。そのため、キッチン、トイレ、浴室などの水まわりの管理が不十分だとゴキブリが発生しやすくなります。特に、キッチンで見落としがちなのが、スポンジや布巾です。

 

これらに残った「水垢」「石鹸カス」「皮脂」などをエサとしてカビや菌が発生すると、ニオイにつられてゴキブリがやってきます。そのため、使用後はしっかりと水を切って乾燥させ、湿気を防ぐことが大切です。

 

さらに、浴室やトイレ周りの排水管も要注意。浴槽に水を貯めっぱなしにしていたり、汚れたままの排水管を放置してたいたりすると、強いニオイが発生しゴキブリを呼び寄せる原因になります。入浴後は浴槽の水を抜いて浴室を乾燥させる、排水管は専用の薬剤を使用して、ニオイ、ヌメリ、雑菌などを繁殖させないようにする、など徹底した管理が重要です。

 

物が多い(隠れる場所が多い)

物が多い家は、隠れる場所が増えるためゴキブリが繁殖しやすくなります。また、ゴミが溜まりやすい場所や整理整頓が行き届いていない部屋も隠れ家となりやすいです。特に収納スペースはものが密集し、暗く人気がないため、ゴキブリに非常に好まれます。

 

そのため、定期的に掃除や換気を行い、ゴミや不用品は溜め込めないように気をつけましょう。また、カーテンやブランドの裏、照明器具の中もゴキブリの隠れ場所となるため、定期的にチェックすることをおすすめします。

 

なお、ゴキブリは壁のひび割れや壁の隙間に身を潜めていることがあります。外部からの侵入を防ぐためにも、家の中でひび割れや隙間を見つけたらリフォームしたり、DIYで隙間を塞いだりすることも検討しましょう。

 

築年数が古い

築年数の古い物件は、ゴキブリが侵入しやすくなります。それは、経年劣化によって建物にひび割れ、木痩せ、腐敗が起こり、家の中に隙間ができてしまうからです。ゴキブリが発生する要因は、築年数が古いことだけが原因ではありません。

 

しかし、新築と築年数20年の物件を比較すると、築年数が古い物件の方がゴキブリの発生率は高くなります。中には築年数が古くてもゴキブリが出ないケースもあります。築年数が経過してもゴキブリが出ないようにするためには、定期的に家のメンテナンスやリフォームを行うことが重要です。

 

観葉植物がある

暗くてジメジメした場所を好むゴキブリにとって、観葉植物や植木鉢など、常に湿度の高い土の中は絶好の居場所です。さらに、ゴキブリは観葉植物自体をエサとして食べたり、観葉植物の土の中に卵鞘を産み付けたりします。

 

観葉植物は外から持ち込まれるため、知らないうちに家の中にゴキブリを入れてしまっている可能性が高く注意が必要です。大切な観葉植物をゴキブリから守るためには、駆除剤をまく、卵鞘に熱湯をかける、土を入れ替えるという方法があります。また、ゴキブリはハーブの香りが苦手であるため、ミントやハッカ類の観葉植物を飾るのも効果的です。

 

環境的な要因

ゴキブリに最適な湿度は75~100%、温度は25~30度と言われています。特に、温度が25度を超えた辺りから繁殖活動が盛んになるため、春から夏にかけては要注意。家の中で注意すべき場所は、浴室や洗濯機周り、キッチンなどの水まわりです。これらは、常に湿度が高くゴキブリにとっては最適な環境であるため、適度に換気を行い湿気が溜まらないよう注意しましょう。

 

また、意外と思われる方もいるかもしれませんが、オール電化の家は暖かい場所が多くなるため、ゴキブリが発生しやすくなります。ゴキブリは電化製品や電気の暖かさを好むため、配電線の中に潜り込んでいることもあるでしょう。実際に、ゴキブリが漏電や故障の原因になっているケースも多いため、熱が溜まりそうな場所には駆除剤を設置し、定期的に掃除することが重要です。

 

ゴキブリ予防!侵入経路を塞ぐ方法

ゴキブリ予防!侵入経路を塞ぐ方法
ゴキブリと無縁な生活を送るためには、ゴキブリの侵入経路を徹底的に塞ぐことが重要です。今回紹介するゴキブリの侵入経路は以下の5つです。

 

  • 水回り
  • エアコン
  • 網戸やドア
  • 壁の穴
  • 郵便受け

 

侵入経路ごとに対策を解説しますので、できる対策から始めてみましょう。

 

水回りの対策

キッチンや洗面台の床や壁には、排水管を通すための穴が開いています。ゴキブリは、この穴の隙間から侵入してくるケースが多いため、パテで隙間を埋めることが重要です。排水管用のパテは、ホームセンターやインターネット通販で購入することができます。

 

1キロあたり500円程度で購入することができるので、調べてみてください。パテで隙間を埋めたらしばらくは安心ですが、1年前後でパテが剥がれてくることもあります。定期的なチェックは忘れずに行いましょう。

 

エアコンまわりの対策

外部と内部をつなぐエアコンの配管まわりは、ゴキブリの侵入経路となりやすいため注意が必要です。エアコンを設置する際、室外機と室内機をつなぐホースを通すために壁に穴を開けます。この穴をスリーブ穴と言いますが、スリーブ穴の隙間からゴキブリが侵入してくる可能性が高いです。

 

また、室外機のホースはジメジメしているため、ゴキブリが住み着きやすくこのホースから室内へ侵入してくる可能性も考えられます。

 

エアコンまわりからの侵入を防ぐためには、室内のスリーブ穴をパテで埋める、エアコン専用のフィルターをつける、定期的にエアコンのクリーニングを依頼するなどの方法が効果的です。なお、エアコンクリーニングやエアコンの新設置時に防虫キャップのオプションが用意されている専門業者もあるので調べてみましょう。

 

網戸やドアの対策

ゴキブリの体は薄くとても柔らかいため、1ミリの隙間があれば通り抜けることができると言われています。そのため、網戸のわずかな隙間やドアの隙間からも侵入してきます。当然、窓やドアを開けっ放しにしていれば簡単に侵入されてしまうでしょう。したがって、窓やドアは必要以上に開閉しないことが大切です。

 

さらに、換気をする際も網戸がしっかり閉まっているか確認しましょう。意外と知られていませんが、網戸には向きがあります。多くの場合、右側に寄せて使うように設計されているため、左側に寄せるとサッシとの間に隙間ができてしまいます。右側に寄せても隙間がある場合は、ホームセンターで購入できる隙間テープを使用して隙間を塞ぎましょう。

 

壁の穴対策

分電盤が取り付けられている壁周辺は、ゴキブリの侵入経路となります。分電盤の裏側の壁には、複数の電気配線を通すために大きな穴が開いています。ゴキブリはこの穴の隙間から室内へ侵入してくるので、隙間をパテで埋めてしまいましょう。

 

また、経年劣化によって壁に隙間ができたり、穴が開いていたりすると、ゴキブリの侵入経路となるため、放置するのは避けましょう。壁の穴は、ホームセンターで購入できるリペアプレートを使えば簡単に塞ぐことができます。リペアプレートでも補修できない大きな穴や、広範囲に広がる隙間は、自分で補修するのは難しいため業者へ依頼しましょう。

 

郵便受けの対策

玄関ドアと郵便受けが一体化している物件は、郵便受けからゴキブリが侵入してくるため注意が必要です。郵便受けを使用していないのであれば、郵便受けを塞いでしまうのも一つの手段です。郵便受けと玄関ドアが分離されていれば、直接的な侵入経路となることはありません。

 

しかし、郵便物を溜め込んでいると、紙類が大好きなゴキブリを引き寄せてしまう可能性があります。溜まった郵便物は、ゴキブリが潜んでいないか確認してから家の中へ持ち込みましょう。

 

ゴキブリ退治!殺虫剤など対処法を紹介

ゴキブリ退治!殺虫剤など対処法を紹介
ゴキブリを退治する上でやってはいけないことがあります。それは、「叩いて潰す」ことです。ゴキブリを叩くと、ゴキブリに付着している菌が家の中に散らばるだけでなく、叩いた衝撃で卵鞘が飛び散って、他の場所で孵化する可能性があるからです。

 

したがって、ゴキブリを見つけても衛生面と心理的な安全面を考慮して、叩いて潰すことは避けましょう。ゴキブリを見つけたときは、以下の方法で退治するのがおすすめです。

 

  • プッシュ式ゴキブリ駆除剤で退治
  • 燻煙式(くんえんしき)駆除剤で退治
  • ゴキブリ駆除業者へ依頼

 

項目ごとに詳しく解説します。

 

プッシュ式ゴキブリ駆除剤で退治

プッシュ式ゴキブリ駆除剤とは、ゴキブリが潜んでいそうな隙間にワンプッシュするだけで、ミクロの霧が隙間の奥まで広がりゴキブリ退治ができるという優れものです。事前準備や後片付けが不要で、床や壁が汚れる心配もありません。

 

また、部屋の広さに応じた回数をプッシュすると、駆除効果が1ヶ月間持続する製品もあります。ゴキブリに直接噴射するタイプのものではないため、虫が苦手な人も使いやすいでしょう。ただし、商品によって使用上の注意が異なるため、よく読んでから使用することが大切です。

 

燻煙式(くんえんしき)駆除剤で退治

「バルサン」や「アースレッド」などが代表的な燻煙式駆除剤は、煙状になった薬剤が部屋の隅々まで行き渡るため、潜んでいるゴキブリやその他害虫に効果抜群です。ただし、燻煙式駆除剤を使用するときは、以下のような注意点があります。

 

  • 火災報知器やガス警報器にカバーをする
  • 家具家電や食器類にカバーをする
  • 押し入れなどゴキブリがいそうな場所は開けておく

 

この他にも、製品によって注意事項が異なるため、必ず確認してから使用しましょう。なお、燻煙式駆除剤を使用するときは、数時間室内に入ることは出来ません。したがって、使用するタイミングは慎重に判断しましょう。賃貸の場合、物件によって使用できないこともあります。使用する場合は、必ず管理会社や不動産会社に確認してから使用してください。

 

ゴキブリ駆除業者へ依頼

「自分で対処できない」「大量に発生している」「ゴキブリを絶対見たくない」などの場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。専門業者に依頼するメリットは、次の通りです。

 

  • 自分で駆除する手間が省ける
  • ゴキブリを見なくて済む
  • 潜んでいるゴキブリだけでなく巣ごと排除できる
  • 外部からの侵入防止
  • 家まわりの調査など徹底的にゴキブリ駆除できる

 

専門業者に依頼することで高い殺虫力と、その後の予防効果が期待できます。なお、ゴキブリ駆除にかかる時間は1~3時間程度です。費用は家の広さにもよりますが、1~5万円が相場でしょう。長期的な見ると市販グッズを使用して自分で退治するよりも、コストパフォーマンスが良いと言えます。プロに駆除してもらった安心感も加わるため、安心して生活できるのも大きなメリットでしょう。

 

ゴキブリが出にくい家の特徴

ゴキブリが出にくい家の特徴
ゴキブリがいる家の特徴についてはお伝えしましたが、一方で、ゴキブリが出にくい家にはどのような特徴があるのでしょうか。最後の章では、ゴキブリが出にくい家の特徴について紹介します。

 

  • マンションの中~高層階(3階より上)
  • 木造以外の建物
  • 比較新しい物件
  • 近くにスーパーなど店舗ながない
  • 風通しと日当たりが良い

 

上記を参考にして、ゴキブリと無縁の暮らしを手に入れましょう。

 

マンションの中~高層階(3階より上)

ゴキブリは空を飛べますが、自分がいる場所より高く飛び上がることはできません。したがって、マンションやアパートの3階以上の部屋にベランダから侵入してくるケースは少ないと言えます。しかし、先にお伝えしたように、ゴキブリの侵入経路はベランダだけでありません。

 

排水管やエアコン、壁の穴、場合によっては観葉植物に潜んでいる可能性もあります。また、中にはエレベーターに乗って侵入してくるツワモノもいるため、高層階だからといって油断は禁物です。

 

木造以外の建物

木造の建物は、構造上どうしても壁などに隙間ができやすく、狭くて暗い場所を好むゴキブリが寄ってきやすいです。一方で、鉄筋コンクリート造の建物は、気密性が高く隙間が少ないため、ゴキブリが侵入しにくいという特徴があります。

 

比較新しい物件

新築・築浅など、比較的新しい物件は、過去の入居者の影響も少なく、経年劣化などによる建物の隙間や湿気も少ないためゴキブリは発生しにくいでしょう。ただし、築浅でも数年経過している場合、エアコンの室外機や備え付けの家具などに潜んでいる可能性があります。心配であれば、入居前に燻煙式ゴキブリ駆除剤などを用いて対策しましょう。

 

近くにスーパーなど店舗がない

飲食店やコンビニは、ゴキブリが発生しやすい場所です。マンションの1階に飲食店やコンビニがある物件は、排水管を通じて室内に侵入してきやすいため注意が必要です。また、公園にもゴキブリが生息しているため、隣接している物件は避けたほうがよいでしょう。近くにスーパー、コンビニ、公園が隣接していない物件は、これらの被害を受けにくいためゴキブリが出にくいと言えます。

 

風通しと日当たりが良い

風通しが良く日当たりが良い家は、ゴキブリが出にくいと言えます。さらに、風通しと日当たりが良いとホコリやカビ、ダニが発生しにくくなるため、アレルギー対策にもなります。ただし、換気中に網戸の隙間から侵入されては意味がありませんので、網戸がしっかり閉まっていることを確認してから換気しましょう。

 

まとめ

ゴキブリのいる家には、食べ物や水まわりの管理が不十分、物が多く整理整頓が出来ていないなど一定の共通点があります。しかし、これらに当てはまらなくても発生する可能性は十分にあります。まずは、ゴキブリが家にいるのか確認することからはじめてみましょう。確認方法は、夜間の視認、フンや卵鞘を探す、専用のワナを仕掛ける、ゴキブリセンサーを設置するなどの方法があります。

 

万が一ゴキブリを見失った場合、そのまま放置するのは大変危険です。ゴキブリは、ウイルスや病原菌を撒き散らす可能性があり、喘息やアレルギー症状を引き起こす原因にもなります。さらに、ケーブルをかじって漏電や故障の原因になるなど、被害が大きくなる可能性も考えられます。したがって、ゴキブリを見つけたら、隠れやすい場所をしっかりと探し、徹底的に駆除しましょう。

 

ゴキブリは主に外部からの隙間や内部の隙間を通じて侵入してくるため、侵入経路をしっかりと塞ぐことで侵入のリスクを減らすことができます。さらに、定期的な清掃や室温・湿度管理、食品やゴミの管理を実践することでより効果的な予防が可能となります。この記事を参考にしてゴキブリの侵入を防ぎ、清潔で快適な暮らしを実現しましょう。

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実家の近くで一人暮らしは無駄でもったいない?メリットやデメリットを紹介

実家の近くで一人暮らしは無駄でもったいない?メリットやデメリットを紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

就職や進学をきっかけに、一人暮らしを考える方も多いものです。また、自立のために一人暮らしをはじめる方もいるでしょう。一人暮らしをはじめるとき、多くの人は「住む場所」について考えます。会社の近く、学校の近く、中には実家の近くに家を借りる方もいます。

 

しかし、「実家の近くで一人暮らしするのはもったいない?」「後悔する?」と悩んでいる方もいるでしょう。そこで今回の記事では、実家の近くで一人暮らしをするメリット・デメリットなどを紹介します。一人暮らしを検討している方は、ぜひ参考してください。

 

実家の近くで一人暮らしすると後悔する?デメリットとは?

実家の近くで一人暮らしすると後悔する?デメリットとは?
実家の近くで一人暮らしをする場合、以下のようなデメリットが考えられます。

 

  • うまく自立できない
  • 親が訪ねてくる
  • 経済的な自己負担が大きい

 

では、順番に見ていきましょう。

 

うまく自立できない

初めて一人暮らしをする場合、経済的な不安や安全面から「実家の近くに部屋を借りたい」と思う方もいるでしょう。しかし、一人暮らしをする目的が「自立」である場合、実家が近いとうまく自立できない可能性があります。

 

例えば、ごはんを作るのが面倒で毎晩実家でごはんを食べる、洗濯物が溜まったら実家で洗濯してもらうなど、実家が近いとつい親を頼ってしまいます。そのため、うまく自立できない、または自立まで時間がかかる可能性があります。

 

親が訪ねてくる

実家が近いと、親が頻繁に訪ねてくることがあります。連絡してから訪ねてくる場合は良いですが、何の連絡もなくいきなり訪ねてくる可能性も高いです。友人や恋人と一緒にいるときは、気まずい思いをすることもあるでしょう。

 

また、親の干渉から離れたくて一人暮らしを始めた方は、頻繁に訪ねてくる親にストレスを感じてしまうことも。そのため、来るときは必ず連絡を入れる、合いかぎは渡さないなどルールを決めておくことをおすすめします。

 

経済的な自己負担が大きい(無駄でもったいない)

実家で生活していれば、大半の人は親が家賃や光熱費を支払ってくれます。しかし、一人暮らしは家賃、光熱費、食費、通信費など、全て自分で支払わなくてはなりません。実家に住むより高いコストがかかるため、経済的な自己負担が大きくなることは避けられないでしょう。

 

特に家賃の高いエリアで生活する場合は、自己負担がより大きくなります。そのため、人によっては実家の近くで一人暮らしするのはもったいないと感じるでしょう。

実家の近くで一人暮らしするメリット

実家の近くで一人暮らしするメリット
では次に、実家の近くで一人暮らしをするメリットを見ていきましょう。

 

  • すぐに実家に家に帰れる
  • 家族が助けてくれる
  • 1人の時間を満喫できる
  • 恋人や友人を家に呼べる
  • 引っ越し費用が安い
  • 自立する練習になる

 

項目ごとに詳しく解説します。

 

すぐに実家に家に帰れる

すぐに実家に帰れるというのは、経済的にも精神的にも大きなメリットです。例えば、家族に何かあったときでもすぐに駆けつけることができます。また、嫌なことがあったとき、家族の顔を見たり、話を聞いてもらったりするだけで元気になれることがあります。顔を合わせていれば、ちょっとした変化にも気が付くことができるため健康管理や体調管理にも役立つでしょう。

 

家族が助けてくれる

ケガをしたときや病気になったとき、一人で生活していると不便なことが多々あります。しかし、近くに家族が住んでいれば、助けを求めることができます。例えば、風邪で寝込んでいるときに食料を調達してもらったり、病院に連れて行ってもらったりできるでしょう。すぐに駆けつけやすい距離にいることで、家族も自分自身も安心して生活できるのはメリットといえます。

 

1人時間を満喫できる

一人暮らしは1人時間を満喫できるため、暮らしの自由度が高まります。また、食事、入浴、就寝時間など、家族に気を使うことなく自分のタイミングで動けるのもメリットです。ただし、一人暮らしを始めれば、生活の中で起こることは全て自己責任になります。食生活や起床時間、金銭管理、体調管理など、自己管理が必要になるため注意しましょう。

 

恋人や友人を家に呼べる

実家に恋人や友人を呼ぶのは抵抗があるという方も多いでしょう。また、実家に自分の部屋があっても、遅い時間になれば親から注意されることもあります。その点、一人暮らしならいつでも気軽に恋人や友人を招待することができます。ただし、深夜に大声で騒いでいたり、大きな足音を立てていたりすると、近隣からクレームが入る可能性があるため注意しましょう。

 

引っ越し費用が安い

引っ越し費用は、距離、時期、荷物の量などによって変動します。そのため、引っ越し先が実家から近ければ、引っ越し費用を抑えることができます。また、家族や友人に引っ越しを手伝ってもらえば、業者へ依頼する手間が省けます。引っ越しにかかる初期費用を安く抑えたい方は、自分で引っ越すことを検討しましょう。

 

自立する練習になる

一人暮らしは、料理、掃除、お金の管理など、生活全般に関わることを自分で行わなければなりません。初めて一人暮らしをする方は、最初はうまくいかずに悩んだり、親を頼ったりすることもあるでしょう。しかし、次第に自分でできるようになり、金銭感覚が養われていきます。

 

また、生活していく中で自分にあった節約方法が見つかり、貯金ができるようになることもあるでしょう。これは実家暮らしでは味わえない達成感であり、あらためて親のありがたみがわかる瞬間です。

 

実家の近くで一人暮らしが向いている人

実家の近くで一人暮らしが向いている人
実家の近くで一人暮らしをするには、向いている人と向いていない人がいます。ここでは、「向いている人」の特徴について紹介します。

 

  • 将来的に自立したいと考えている人
  • 家族に干渉されたくない人
  • ある程度の収入がある人

 

ご自身の状況と照らし合わせながら確認していきましょう。

 

将来的に自立したいと考えている人

将来的に「自立したい」と明確な目標を持っている人は、実家の近くで一人暮らしをしても自立しやすいでしょう。一人暮らしは実際に経験してみると、イメージしていたより大変と感じることがあります。

 

そのため、一人暮らしをするときに、「なぜ、一人暮らしをするのか」という明確な目標がないと結局実家に戻ってしまうケースが多いです。また、自立するにあたってしっかり計画を立てられる人も一人暮らしに向いているでしょう。

 

家族に干渉されたくない人

家族に気を使わず生活したい、恋人や友人と自由に遊びたい、1人時間が好きという人は、一人暮らしに向いています。一方で、家族といる時間が好き、1人時間が苦手、人がいる環境の方が安心するという方は、寂しさから実家に戻ってしまう可能性が高いでしょう。

 

しかし、今はそう感じていても、次第に、自立したい、1人になりたいと思うときが来るかもしれません。そのため、一人暮らしを諦める必要はなく、自分がそう思えるタイミングを待ちましょう。

 

ある程度の収入がある人

一人暮らしは家賃、光熱費、食費、交際費など何かとお金がかかります。そのため、毎月ある程度の収入が必要です。そもそも、賃貸物件は入居前に審査があるため、安定した収入がなければ審査に通りません。

 

なお、一般的に家賃は収入の3割が目安と言われています。総務省が行っている2023年度の家計調査によると、一人暮らしの1カ月の消費支出平均は180,878円でした。これをもとに、一人暮らしの主な生活費の内訳を見ていきましょう。

 

費用項目 金額
食費 40,000円
家賃 55,000円
水道光熱費 12,000円
生活用品 5,000円
衣服費 6,000円
保健医療 7,000円
通信・交通費 20,000円
娯楽費 20,000円
合計 165,000円

 

上記の例では、毎月17万円前後の収入が必要ということになります。さらに、毎月貯金することを考えると、日々の節約やこれ以上の収入が必要になるでしょう。しかし、家賃や水道光熱費は地域差があるため、必ずしも上記のような予算が必要というわけではありません。あくまでも一例として参考にしてください。

 

実家の近くで一人暮らしが向いていない人

実家の近くで一人暮らしが向いていない人
最後は、実家の近くで一人暮らしが「向いていない人」を紹介します。

 

  • 収入が不安定な人
  • 自己管理ができない人
  • 家事が苦手な人
  • 家族と仲が良い人

 

それでは、順番に見ていきましょう。

 

収入が不安定な人

先ほどお伝えしたように、一人暮らしは何かとお金がかかります。収入が不安定な人は、毎月余裕のない生活を送ることになる可能性が高く注意が必要です。また、生活に余裕がないと食事や交際面でも我慢が必要となり、ストレスの原因にもなります。中には家賃が支払えず借金を抱えてしまう人もいるため、収入面で不安のある方は慎重に検討しましょう。

 

自己管理ができない人

一人暮らしでは、自分の生活を律する自己管理が必要になります。夜ふかしが習慣化すれば朝起きられず遅刻が増えたり、食事がおろそかになれば体調不良の原因になったりします。

 

また、一人暮らしは急な出費に備えて貯金することも大切です。安定した収入があっても浪費が激しく貯金ができなければ、いざというときの支払いが難しくなります。したがって、貯金が苦手な人は、まずは目標金額を決めて貯金することからはじめてみましょう。

家事が苦手な人

一人暮らしを始めたら、これまで家族がしてくれていた掃除、洗濯、料理といった家事を自ら行わなくてはいけません。実家暮らしが長く、あまり家事をしてこなかった人は、最初のうちは慣れない作業に戸惑うでしょう。苦手意識を持つと、次第に家事が面倒になりストレスとなる可能性あります。いずれ「一人暮らしをしたい」と考えているのであれば、実家にいるうちに積極的に家事を学んでおきましょう。

 

家族と仲が良い人

家族仲が良かったり、実家でペットを飼っていたり、常に賑やかな環境で過ごしてきた人にとって、一人暮らしは寂しさを感じるかもしれません。特に、夜や休日は静寂した空間に慣れるまで時間がかかるでしょう。

 

実家の近くの一人暮らしがもったいないと感じにくい人

実家の近くの一人暮らしがもったいないと感じにくい人
ここまで、実家の近くの一人暮らしのメリット・デメリットや、向いている人と向いていない人について解説しました。最後に、実家の近くで一人暮らしをしても「もったいないと感じにくい人」の特徴を紹介します。

 

  • 自立したい人
  • 月の手取りが20万以上の人
  • 親に頼りたくない人
  • 親からの干渉にうんざりしている人
  • 社会性を身に着けたい人

 

将来的に自立を考えている人や、社会性を身に着けたい人は、実家の近くで一人暮らしを始めても後悔しにくいでしょう。なぜなら、一人暮らしをすれば、お金の管理方法や節約方法、家事のスキルが身につくからです。

 

また、経済的な自立だけでなく、精神的な自立も目指せるでしょう。何か問題が起きたときの対応能力や自分の力で乗り切れる精神力が養われるため、一人暮らしの経験は無駄にはなりません。

 

まとめ

実家の近くで一人暮らしをするには、すぐに実家に帰れる、1人時間を満喫できる、自立の練習になるなど多くのメリットがあります。その一方で、うまく自立できない、経済的な負担が大きいなど、デメリットがあるのも事実です。しかし、実際に一人暮らしをしてみないとわからないこともたくさんあります。人それぞれ状況が違えば、感じることも違います。

 

そのため、今回の記事で紹介したことは、あくまでも参考程度に考え、自分自身でしっかり考えて行動することが大切です。一人暮らしを始めたのにも関わらず、ほとんど実家にいるような状態になっても、それも一つの人生経験と捉えることもできます。自立の一歩を踏み出したい方は、両親に感謝しながら、まずは自分にできることから始めてみてはいかがでしょうか。

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マンションの鍵を交換する費用はいくら?紛失したときの相場・オートロックなど

マンションの鍵を交換する費用はいくら?紛失したときの相場・オートロックなど
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

マンションを購入する際、「鍵交換って必要?」「いくらかかるの?」など鍵交換について気になっている方も多いでしょう。また、マンションの鍵が古くなってきたり、紛失したりした際にも鍵交換は必要です。そこで今回の記事では、鍵交換する前に確認すべきことや鍵交換にかかる費用、さらに鍵交換をする際の注意点などについて解説します。

 

マンション購入を検討している方は、ぜひ最後までご覧いただき今後の参考にしてください。

 

マンションの鍵交換をするときは事前確認が必要!

マンションの鍵交換をするときは事前確認が必要!
マンションは、一戸建て住宅とは異なりすべて自分のものというわけではありません。そのため、たとえ分譲マンションであっても、鍵を交換するときは管理会社の許可が必要です。また、オートロックマンションの場合は鍵交換できない可能性があります。

 

ここでは、「管理会社の許可が必要な理由」と「オートロックは鍵交換できない可能性がある」について解説します。

 

管理会社の許可が必要な理由

マンションには、専用部分と共有部分があります。簡単に言うと、室内は専用部分、それ以外は共用部分です。したがって、エレベーターやエントランス、廊下などは共用部分に該当します。共用部分は、個人の所有物ではなくマンションの居住者が共有して使用するものであるため、個人が勝手に手を加えることはできません。

 

では、玄関ドアはどうでしょうか。玄関ドアの場合、「専用部分だから勝手に鍵を変えても良い」と考える方もいるかもしれません。参考までに、国土交通省のマンション管理規約標準モデルでは、専用部分の範囲を以下のように明記しています。

 

  • 天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする
  • 玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする
  • 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする

 

つまり、玄関ドア(外側)は共有部分ということになります。上記はあくまでも標準モデルの内容であるため、マンション規約によって異なる場合があります。そのため、マンションの鍵交換を行う場合は、必ずマンション規約を確認したり、管理会社に相談したりする必要があるのです。

 

オートロックは鍵交換できない可能性がある

防犯性を高めるために、エントランスにオートロックキーを導入するマンションが増えています。また、最新設備の充実したマンションでは、ゴミステーション、宅配ボックス、キッズルームなども共通の鍵で開錠することができます。しかし、部屋の鍵を交換してしまうと、エントランスや共用部分の鍵が開けられなくなってしまいます。

 

そうなると、鍵を数本持ち歩く必要が出てきます。また中には、部屋の鍵交換自体ができないマンションもあります。そのため、エントランスにオートロックを導入しているマンションでは、必ず管理会社への確認・相談が必要です。

 

マンションの鍵を交換する費用(相場)はいくら?

マンションの鍵を交換する費用(相場)はいくら?
マンションの鍵交換は、どれくらいの費用がかかるものなのでしょうか。ここでは、鍵交換費用の内訳や鍵の種類ごとにかかる交換費用の目安を紹介します。

 

鍵交換費用の内訳

鍵交換費用に含まれるのは、主に作業代と部品代です。作業代には、鍵の取り外しや新しい鍵の設置にかかる費用が含まれており、作業の複雑さによって費用が異なります。

 

部品代は、交換用の新しい鍵の価格のことで、鍵の種類や性能によって金額は大きく異なります。また、依頼する場所や業者、時間によっては、出張費や深夜早朝料金が発生することがあるため注意が必要です。

 

種類別にかかる鍵交換費用の目安

鍵交換は鍵の種類によって費用が異なります。具体的な費用を下表にまとめました。

 

鍵の種類 費用
ピンシリンダー 15,000~20,000円
ディスクシリンダー 15,000~20,000円
ロータリーディスクシリンダー 20,000~30,000円
ディンプルシリンダー 30,000~55,000円

 

防犯性が高く、複製しにくい鍵ほど値段は高くります。例えば、ディンプルキーや電子錠タイプは、一般的な鍵よりも部品代が高くなる傾向です。ただし、上記はあくまでも参考であるため、実際に鍵交換を行うときは、複数社に見積もりをとって信頼できる鍵屋へ依頼しましょう。なお、鍵の種類や特徴については、「鍵の種類と特徴」で詳しく解説します。

 

自分で鍵交換した方が安い?

自分で交換した方が安い?
鍵交換するときに、業者から見積もりが想像以上に高額だったという経験がある方もいるかもしれせん。また、鍵交換費用を抑えるために、自分で鍵交換をする人もいます。この考え自体は間違ってはいませんが、防犯性の高い鍵やオートロックキーは専門的な知識が必要であるため、専門業者へ依頼する方が安心です。

 

素人が手を出してドアや錠前に傷をつけてしまえば、余計な修理費用がかかってしまうこともあります。また、1日で作業が終わらなければ、その期間中は家の鍵が閉められなくなり大変危険です。そのため、鍵交換をする際は業者へ依頼することをおすすめします。

 

鍵交換業者の選び方

鍵交換業者の選び方
インターネットで「鍵交換」と検索すると、鍵業者が山ほど見つかります。これだけ業者が多いと、「どこに依頼したらいいのかわからない」と悩んでしまう方もいるでしょう。鍵交換業者の中には、高額な費用を請求してくる悪徳業者も存在するため注意が必要です。ここからは、鍵交換業者を選ぶ際の5つのポイントをお伝えします。

 

  • 口コミの評判を見る
  • アフターフォローや保証があるか
  • スタッフの態度・対応、技術力
  • 見積書に詳細が記載されているか確認する
  • キャンセル料金の有無

 

順番に見ていきましょう。

 

口コミの評判を見る

業者の評判を知るためには、口コミを調べるのが有効です。業者のホームペーシでは、実際に利用された方の体験談が寄せられています。しかし、多くの場合良い口コミしか載せていません。また、不自然に高評価が多すぎるときは注意が必要です。

 

できるだけ多くの情報を集めて比較するには、インターネットで「業者名 口コミ」と入力してみましょう。全国展開している業者であれば、口コミサイトでリアルな評判を見ることができます。

 

アフターフォローや保証があるか

鍵交換や修理は、基本的に資格が必要ありません。そのため、業者によって技術力や知識量にバラツキがあり、修理後しばらくしてから鍵が開けられなくなったなどトラブルが起こる可能性があります。その場でスタッフの技術力を判断するのは難しいため、アフターフォローや保証サービスのある業者へ依頼するのがおすすめです。

 

スタッフの態度・対応、技術力

鍵交換の作業は早ければ10~15分の短時間で終了します。そのため、「すぐに終わるならどんな業者でもいい」と考える方もいるかもしれません。しかし、悪徳業者は作業終了後に「防犯性の高い鍵に交換した」「取り付けが複雑で追加作業が必要だった」などと言い、見積もりとはまったく違う高額な金額を請求してくる可能性があります。

 

そのため、見積もりの時点で、態度が悪い、鍵交換の詳しい説明がない、言葉遣いが悪いなどの違和感があれば、他の業者へ依頼することも検討しましょう。

 

見積書に詳細が記載されているか確認する

鍵交換をする前には、必ず見積書を確認してください。このとき、具体的な鍵交換費用や作業の詳細を記載にしている業者は信頼度が高いと言えます。また、鍵交換以外の項目で「何に費用がかかるのか」を事前に確認しておくと安心です。中には、コインパーキングを利用したと言って駐車料金を請求されるケースもあります。

 

マンションに、来客者用の駐車場が無ければ、駐車料金を負担してくれるかどうか確認しておくと後のトラブルを防ぐことができます。

 

キャンセル料金の有無

鍵交換の予約をしていても、緊急時でキャンセルを余儀なくされることもあります。当日キャンセルは、料金を100%負担しなければならない業者もあるため、あらかじめキャンセル料の有無を確認しておくことをおすすめします。

 

鍵の種類と特徴

鍵の種類と特徴
鍵交換自体は業者依頼するべきですが、鍵の種類によって防犯性や機能性は大きく異なります。ここでは、以下の鍵について解説します。

 

  • ピンシリンダー
  • ディスクシリンダー
  • ロータリーディスクシリンダー
  • ディンプルシリンダー

 

後悔の少ない選択をするためにも、鍵の種類やそれぞれの特徴を理解して最適なものを選びましょう。

 

ピンシリンダー

ピンシリンダーは、片方だけにギザギザがあるのが特徴です。鍵交換にかかる費用は15,000~20,000円程度であり、比較的安価で交換できるのがメリットと言えるでしょう。ただし、構造が単純であるため防犯性が低く注意が必要です。特に古いピンシリンダーは、ピッキング対策が講じられていないため、あまりおすすめできません。

 

ディスクシリンダー

ディスクシリンダーは、両サイドにギザギザがついているタイプの鍵です。価格が安価で大量生産が可能であったため、高度経済成長期時代(1955~1972年頃)に団地などで多く使用されていました。しかし、ピンシリンダー同様、構造が単純でピッキングが容易であることから窃盗被害が多発しました。

 

現在でも使用されている住宅はありますが、これから鍵交換をする場合は、安全性の高い鍵へ交換することをおすすめします。

 

ロータリーディスクシリンダー

ロータリーディスクシリンダーは、先にお伝えしたディスクシリンダーの後続モデルです。両サイドにギザギザがある見た目は変わりませんが、ディスクシリンダーより防犯性が高くなっています。

 

また、鍵交換費用は15,000~20,000円程度でピンシリンダーと変わりません。ロータリーディスクシリンダーは、防犯性と鍵交換のコストバランスが良く、合鍵の複製も可能であるため人気があります。

 

ディンプルシリンダー

ディンプルシリンダーは、中央に溝があり、その左右にデコボコとしたくぼみがあります。ここ20年以内に建てられた住宅の多くで採用され、「ディンプルキー」とも呼ばれています。また、防犯性の高さから住宅だけではなく、自転車や金庫など、幅広く使用されているのも特徴です。

 

鍵交換をする目的が「玄関の防犯性を高めたい」という方にはうってつけの鍵ですが、防犯性の高さから他の鍵より費用は高くなります。業者へ依頼した場合は25,000~35,000円が相場となるため、予算に合わせて選びましょう。

 

マンションの鍵を交換するときの注意点

マンションの鍵を交換するときの注意点
鍵を交換する際は、以下の点に注意しましょう。

 

  • 信頼できる鍵業者へ依頼する
  • 古い鍵の取り扱いに注意する
  • 管理会社へ連絡する

 

順番に見ていきましょう。

 

信頼できる鍵業者へ依頼する

不適切な業者へ依頼すると、ドアが破損したり、鍵が正常に機能しなかったり、トラブルが悪化してしまう可能性があります。また、高額な費用を請求されることもあるため注意が必要です。業者を選ぶときは、複数社から見積もりをとって比較検討しましょう。

 

このとき、見積もりが高すぎる業者は避けるべきですが、安すぎる業者も要注意。知識や経験が少ない、作業がおざなり、見積書にない項目が請求されるなどの可能性あります。金額だけで判断せず、総合的に見て信頼できる業者へ依頼しましょう。

 

古い鍵の取り扱いに注意する

一般的に、鍵は不燃ごみに捨てることができます。ただし、安易な鍵の処分には注意が必要です。特にオートロックマンションでは、古い鍵を利用してエントランスに不正侵入したり、悪用されたりするリスクがあります。

 

鍵を安全に処分するには、鍵を削る、折るなどの加工も有効ですが、処分を加えても不安が残る場合もあるでしょう。そんなときは、鍵業者へ処分を依頼するのも一つの手です。無料で処分を引き受けてくれる業者もあるため、鍵交換を依頼する際に確認してみましょう。

 

管理会社へ連絡する

先にお伝えしているように、鍵交換をする場合は管理会社への連絡が必要です。管理会社へ連絡することで、鍵交換に関するアドバイスや具体的な手順、必要書類、注意事項などの指示を受けることができます。管理会社の指示に従って作業を進めれば、より円滑に鍵交換が可能となるでしょう。

 

また、管理会社へ連絡しておくことで他の住民への配慮やマンション全体を視野に入れた対応も可能となります。

 

まとめ

今回の記事では、マンションの鍵交換費用や鍵の種類、業者の選び方、鍵交換する際の注意点などについて解説しました。鍵交換は頻繁に行うものではありませんが、引っ越しや紛失してしまったときには鍵交換が必要です。

 

しかし、分譲マンションでも賃貸マンションでも、基本的に鍵を勝手に変えることはできません。マンションによっては鍵交換のルールや業者が指定されているケースもあります。そのため、鍵交換が必要になったら、まずは管理会社や管理組合に連絡しましょう。

 

なお、鍵交換の作業時間は1時間前後、費用相場は10,000~40,000円程度です。防犯性の高さや種類、業者によって費用は異なるため、予算に合わせて適切なものを選びましょう。

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マンション上の階の騒音をやめさせる方法とは?うるさいときの対処法

マンション上の階の騒音をやめさせる方法とは?うるさいときの対処法
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

せっかくマンションを購入したのに、上の階からの音がうるさいと困ってしまいますよね。そのままの状態が続くとストレスや睡眠不足の原因になるため、早めに対処したいものです。

 

この記事では上の階の騒音をやめさせる方法について解説しています。騒音に悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。

 

マンション上の階の騒音!音がうるさい原因

マンション上の階の騒音!音がうるさい原因
上階の音がうるさいときは、以下のような原因が考えられます。

 

  • 足音
  • 生活音
  • テレビや音楽の音
  • 動物の鳴き声(犬など)
  • 楽器の音
  • トレーニングの音
  • マンション設備の音

 

音が伝わる方法は固体伝搬音と空気伝搬音の2種類があります。固体伝搬音は壁や床に衝撃が加わったときに振動として伝わる仕組みです。一方で空気伝搬音は、空気が振動して伝わります。

 

固体伝搬音 空気伝搬音
足音
生活音(ドアを閉める音)
生活音(椅子を引く音)
トレーニングの音
テレビや音楽の音
楽器の音
動物の鳴き声

 

空気伝搬音は比較的対策しやすいですが、固体伝搬音は壁、床、天井に伝わるため対策が難しいです。

 

足音

人が歩いたり走ったりする音は、マンションで発生する騒音の代表例です。足が床に着地することで衝撃が伝わり、音がします。床衝撃音といわれ、固体伝播音のひとつです。

 

上の階の住民も自覚なく音を響かせていることが多く、他人に指摘されてから気づくケースがほとんどです。特に子供はかかとから着地する歩き方をするため、ハンマーで床を叩いたようなドスドスという音が聞こえます。

 

東京都環境局のホームページによると、子供のかけ足の音の大きさは約50〜66デシベルとされています。50デシベルは家庭用エアコンの室外機と同等、60デシベルは走行中の自動車内や普通の会話と同等です。昼間自分も活動していれば気にならない方もいますが、夜間は騒々しいと感じる方が多いでしょう。

 

生活音

上階の住民が日常生活を送る音が気になる場合もあります。生活音の具体例を挙げると、以下のとおりです。

 

  • 洗濯機
  • 掃除機
  • 椅子の引く音
  • ドアの開閉音

 

数十分間一定のリズムでガタンガタンという振動を感じる場合は、洗濯機による可能性が高いです。音の大きさの目安は、洗濯機が約64〜72デシベル、掃除機が約60〜76デシベルです。

 

人の声に例えると、大きな声に相当します。自分が会話しているときは大丈夫でも、静かに過ごしているとよく聞こえます。夜間や早朝など、こちらが就寝しているときに響くと、不快に感じるでしょう。

 

テレビや音楽の音

大音量でテレビや音楽を流している音が聞こえてくる場合もあります。特に重低音は、壁や床を透過する力が強いです。たとえば爆発音や銃撃音、ベースやバスドラムなどが重低音に該当します。重低音はドンドンと響くような聞こえ方をするのが特徴です。

 

音の大きさの目安は、テレビが約57〜72デシベル、ステレオが約70〜86デシベルです。80デシベルは救急車のサイレンやパチンコ店内と同等ですので、防音対策をしていない建物内ではうるさく感じます。

 

動物の鳴き声(犬など)

ペット飼育可物件では、動物の鳴き声が気になることもあります。特に犬の鳴き声は、約90〜100デシベルとかなり大きな音です。

 

音の大きさの目安は90デシベルでカラオケ音、100デシベルで地下鉄の構内や電車が通る時のガード下と同等です。日中活動している時間帯でも、うるさく感じる人もいるでしょう。

 

楽器の音

上階の住民が楽器を演奏する音が騒々しいケースもあります。特にピアノは人気の習い事で、日本はピアノの普及率が比較的高めです。ピアノは、鍵盤を叩いたりペダルを踏んだりした振動が伝わる固体伝搬音と、ピアノの響板全体が振動して空気に伝わる空気伝搬音の両方が聞こえます。

 

音の大きさの目安は、ピアノで約80〜90デシベル、エレクトーンで約77〜86デシベルです。

 

トレーニングの音

トレーニングの音も原因として挙げられます。上階の家庭にランニングマシン、腹筋ローラーなどのトレーニングマシンがある場合は、「ゴロゴロ」という音やモーター音が聞こえる可能性があります。

 

またトレーニングマシンがなくても、エクササイズなどでジャンプをしたときの衝撃によって「ドンドン」と聞こえてくることがあります。

 

マンション設備の音

設備の動作音が部屋に響くケースもあります。音が発生する設備の例を挙げると、エレベーターや排水設備などです。

 

エレベーターが古いと「キュルキュル」「ブーン」「キーキー」といった音がします。また排水設備からは、排水管内での気圧変化や水の流れが原因となり、「ゴボゴボ」という音が聞こえることがあります。

 

マンション上の階の騒音!やめさせる方法

マンション上の階の騒音!やめさせる方法
気になる音をやめさせるためには、以下のような方法を試してみるのがおすすめです。

 

  • どんな音がうるさいのか?把握する
  • 騒音証拠を記録する
  • 他の住人も騒音で困っていないのか聞いてみる
  • 騒音がする部屋を把握する
  • 管理会社や大家さんに相談する

 

それぞれの方法について、詳しく解説します。

 

どんな音がうるさいのか?把握する

まずはどんな音が原因なのかを把握しましょう。音の種類については、先ほどご紹介した音の原因を参考にしてみてください。

 

騒音証拠を記録する

音がした記録を付けておくことも重要です。その際は時間帯と、音の種類を書いておきましょう。できるだけ具体的な内容を書き残すのがポイントです。

 

そして音量については言葉だけでは正確に伝わりません。騒音レベルを表す数値dB(以下デシベル)で記録したほうが良いです。デシベルの測定には専用の機械が使われますが、ない場合はスマートフォンの測定アプリもあります。

 

他の住人も騒音で困っていないのか聞いてみる

他の住人も自分と同様に音に悩んでいないかヒアリングしてみるのも手です。上階の住人が大きな音を立てている場合、自分だけではなく他の住人も同じ悩みを抱えている可能性があります。

 

管理会社に相談するときも、他の人の声があったほうが効果的です。一人の意見だけでは客観性に欠けることがあります。二人以上の意見があったほうが、説得力が増すでしょう。

 

騒音がする部屋を把握する

音の発生源を特定することも重要です。発生源の把握が間違っていると、全く関係のない部屋に苦情を入れてしまうことになりかねません。そうなれば別のトラブルに発展してしまいます。

 

ただ発生源の特定は容易ではありません。マンションでは構造躯体を通してすべての部屋が
つながっているため、発生源がわかりにくいです。場合によっては、専門業者に依頼して複数地点からの音の測定を行う必要があります。

 

管理会社や大家さんに相談する

一人で悩んでいるときは、管理会社や大家さんに相談してみましょう。トラブルの解決に向けて動いてくれる可能性があります。具体的な方法としては、エレベーターやエントランスに注意喚起の張り紙を掲示してもらうなどです。

 

ただ、住民間のトラブルの対処は業務外となっていることが多いです。管理会社が対応してくれず、音があまりにもひどい場合は警察に相談してみる方法もあります。しかし警察が介入すると、発生源の住民との関係がさらに悪化する恐れもあるため、慎重な判断が必要です。

 

マンション上の階の騒音!注意点

マンション上の階の騒音!注意点
上の階に対して以下の方法をとると、さらなるトラブルに発展する恐れがあります。

 

  • やり返さない(天井をドンして仕返さない)
  • 騒音がする部屋に直接行かない

 

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

 

やり返さない(天井をドンして仕返さない)

上階が騒がしいとイライラして、天井をドンと叩きたくなる人もいるのではないでしょうか?しかし決してやり返さないようにしましょう。この行為は、さまざまなデメリットがあります。

 

こちらがやり返すと、お互い感情的になってしまい解決につながりません。そもそも天井を叩いても上階には聞こえていない場合もあります。それどころか、関係のない部屋に音を生じさせる恐れもあるため、絶対にやってはいけません。

 

騒音がする部屋に直接行かない

発生源と思われる部屋に、直接苦情を言いに行くのもNGです。相手が音を出している自覚がない場合、感情的な言い合いになってしまいます。

 

「真上の部屋が発生源だと思ったら、その隣の部屋からだった」というケースも少なくありません。思い込みだけで動くと余計なトラブルを招くだけなので、慎重な行動が求められます。

 

マンション上の階の騒音!うるさいときの騒音対策

マンション上の階の騒音!うるさいときの騒音対策
上の階の住民がとりあってくれない場合、自分でできる対策もあります。主な対策は、以下のとおりです。

 

  • 天井防音(天井に吸音材を貼る)
  • 家具の配置をかえてみる
  • 耳栓を使う

 

天井防音(天井に吸音材を貼る)

一つ目の対策は、天井に吸音材を貼る方法です。テレビの音など空気伝搬音だけであれば、ある程度対策できるでしょう。吸音材と遮音材を併用すれば、さらに効果は高まります。

 

ただ固体伝搬音も含まれる場合は、吸音材を貼るだけでは十分な効果を発揮できません。音漏れをしっかり抑えるためには、二重天井にするなど大掛かりな工事が必要です。

 

家具の配置をかえてみる

家具の配置を変えてみるという方法もあります。壁の近くに背の高い家具を置けば、音の伝わり方が少しだけ和らぎます。

 

ただ効果があるのは空気伝搬音のみで、固体伝搬音にはあまり効きません。また上階からの音を家具だけで防ぐのは難しいのが現実です。

 

耳栓を使う

耳栓をすれば、嫌な音を効果的に軽減できるでしょう。耳の入り口から鼓膜までを結ぶ外耳道を塞ぐことで、音が伝わるのをシャットアウトできます。

 

他にもノイズキャンセリングの機能が付いたイヤホンなどを活用する方法があります。ただ耳栓も固体伝搬音を完全にシャットアウトすることはできません。

 

どうしても上の階の騒音が対処できないとき!引っ越しも検討する

どうしても上の階の騒音が対処できないとき!引っ越しも検討する
この記事で紹介した方法をとっても問題が解決しない場合、引っ越しを検討する方法が早くて効果的です。

 

新しい物件を探す際は、以下のポイントをチェックしましょう。

 

  • 構造は鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造を選ぶ
  • ファミリー向けやペット飼育可物件は避ける
  • 住戸の位置や間取りを確認する
  • 周辺環境に音を発する場所がないか確認する
  • 共用部に注意喚起の張り紙がないか確認する

 

鉄骨鉄筋コンクリート造と鉄筋コンクリート造は躯体にコンクリートを流し込むため、壁や床の密度が高く、防音性能に優れています。一方で鉄骨造は、骨組みの鉄骨と壁・天井の間に隙間があり音漏れしやすい構造なので、避けたほうが良いでしょう。

 

ファミリー向け物件やペット飼育可物件も、避けたほうが無難です。小さな子供がいる家庭が上階に住んでいると、足音に悩まされる恐れがあります。しつけがされていない犬がいる家庭の下階は、鳴き声が騒がしいケースも想定されるでしょう。

 

住戸を選ぶときは、他の住戸との位置関係や間取りを確認することも大切です。一番理想的な住戸は最上階の角部屋です。間取りは隣の住戸との間に収納などがあるかどうか確認しておくと良いです。収納が緩衝材になり、音が聞こえにくくなる効果が期待できます。

 

また周辺環境のチェックも欠かせません。たとえば幹線道路や繁華街がすぐそばにあると騒々しくなるでしょう。大通りから1本裏に入っている場所や、閑静な住宅街に立地する物件がおすすめです。

 

また内見時に共用部を見ると、騒音に関する注意喚起の張り紙が掲示されていることがあります。その場合はすでに何かしらのトラブルが起こっていると思われるため、要注意です。

 

まとめ

上の階が騒がしいときは気持ちが乱されますが、冷静に対処することが肝心です。まずは音の種類や発生源などを確認しましょう。管理会社や大家さんに相談すれば、力になってくれることもあります。やり返したり、直接クレームを入れたりすると、かえってトラブルが深刻化するためおすすめしません。

 

自分ですぐにできる対策もありますが、全てのケースで効果を得ることは難しいでしょう。現在の家で平穏な生活が手に入らないのであれば、思い切って引っ越しするのが早くて効果的です。できるだけ静かに過ごせる物件を選び、快適な生活を手に入れましょう。

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鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違い!防音など特徴を紹介

鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違い!防音など特徴を紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

部屋探しをするとき、一般的には、「家賃」「間取り」「駅からの距離」「利便性」などを優先する方が多いです。しかし、近隣住民との騒音トラブルを防ぎ快適に生活するためには、建物の「構造」も重要なポイントになります。初めて部屋探しをする方の中には、構造を見ても「鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違いがわからない!」という方もいるでしょう。

 

そこで今回は、鉄筋コンクリート造と鉄骨造をピックアップして、両者の違いやそれぞれのメリット・デメリットなどについて解説します。

 

鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違いとは?

鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違いとは?
「鉄筋コンクリート造」と「鉄骨造」は、同じようなものと思われがちですが、実は両者の特徴には大きな違いがあります。この機会に、鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違いを押さえて、部屋選びに役立てましょう。

 

鉄筋コンクリート造の特徴

鉄筋コンクリート造とは、文字通り、柱や梁、壁などが鉄筋とコンクリートで造れている建物のことです。マンションをはじめとする多くの共同住宅で採用され、間取り図では、「RC造(Reinforced Concrete Constructionの略)」と記載されることがあります。

 

コンクリートは圧縮する力に強く、鉄筋は引っ張る力に強いため、この2つが組み合わさることでかなりの強度があります。近年は、コンクリートの性能が向上したため、高層マンションに使用されることも一般的です。

 

鉄骨造の特徴

鉄骨造は、「S造(Steelの略)」とも呼ばれ、鉄と炭素の合金である鋼(はがね)を柱や梁などの骨組みに使用した建物のことです。鋼は鉄よりも強度が高い割に軽量であるため、その特徴を活かして、商業施設や工場のような広い空間に多く用いられています。なお、鉄骨造には「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」の2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。

 

特徴
軽量鉄骨造
  • 6mm未満の薄い板で作られている
  • アパート、小型店舗などで採用される
  • 重量鉄骨造に比べ強度は弱い
重量鉄骨造
  • 6mm以上の厚い板で作られている
  • 大型マンションで採用される
  • 軽量鉄骨造よりも強度が高く安全性が高い

 

軽量鉄骨造は2階までの建物、重量鉄骨造は強度が高くなるため3階建て以上の建物に向いているなど、鉄骨造でもそれぞれにメリット・デメリットがあります。

 

鉄筋コンクリート造の「メリット」や「デメリット」!防音性など

鉄筋コンクリート造の「メリット」や「デメリット」
ここまで、鉄筋コンクリート造と鉄骨造の特徴について解説しました。つぎは、鉄筋コンクリート造のメリット・デメリットを紹介します。また、鉄筋コンクリート造が向いている人も紹介しますので、ぜひ今後の参考にしてください。

 

メリット

鉄筋コンクリート造には、以下のようなメリットがあります。

 

  • 耐久性が高く長寿命
  • 耐火性・耐震性が高い
  • 防音性に優れている
  • 断熱性・気密性が高く快適な生活が送れる

 

住宅には、法定耐用年数という減価償却で使われる資産の耐用年数の目安が決められています。法定耐用年数は、「資産は使用すれば物理的な消耗が蓄積されるため、使用期間に応じて減少する」という考え方に基づき国税庁が定めています。例えば住宅では、木造22年、軽量鉄骨造19年、重量鉄骨造34年、鉄筋コンクリート造47年とされています。

 

これを見るとわかるように、鉄筋コンクリート造は耐久性が木造の2倍以上です。また、法定耐用年数はあくまでも目安であり、適切なメンテナンスを行うことで100年を超える長寿命化も可能と言われています。住宅購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

さらに、コンクリートは地震による圧縮に強く、耐火性が高いため、火災時でも燃え広がりにくいという特徴があります。防音性も優れているため、周囲に音が漏れたり、周囲の音が響いたりすることもありません。断熱性と気密性の高さから部屋の温度を一定に保ちやすく、快適な生活が送れるでしょう。

 

デメリット

では、次に鉄筋コンクリート造のデメリットを見ていきましょう。

 

  • 建築費用が高いため家賃が高くなる
  • カビや結露が発生しやすい

 

鉄筋コンクリート造は、重量のある住宅を支えるため基礎工事に時間がかかります。また、専門的な知識を持った人材が必要であったり、施工に手間がかかったりすることから建築コストが高くなります。例として、東京都の2024年度住宅着工統計の構造別工事予定額(共同住宅/計/㎡単価)を比較してみましょう。

 

鉄骨鉄筋コンクリート造(RC造) 450,000円/㎡
鉄骨造(S造) 400,000円/㎡
木造 260,000円/㎡

出典:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和5年度分)」

 

上記を見ると、鉄筋コンクリート造の方が鉄骨造や木造より建築単価が高いことがわかります。そのため、鉄骨造や木造アパートに比べて、鉄筋コンクリート造の物件は家賃が高めに設定されているのです。また、コンクリートは気密性が高く、湿気がこもりやすいという特徴があります。カビや結露が発生しやすいため、日頃からこまめに換気することが重要です。

 

鉄筋コンクリート造がおすすめの人

鉄筋コンクリート造の建物は、高級感や重厚感があります。最新設備を取り入れていたり、マンション内の設備が充実していたりするのも魅力の一つと言えるでしょう。また、セキュリティ対策に力を入れている物件も多いため、安心感を持って生活したい人におすすめです。ただし、家賃は高い傾向にあるため、ある程度の収入や貯金が必要でしょう。

 

鉄骨造の「メリット」や「デメリット」!防音性など

鉄骨造の「メリット」や「デメリット」!防音性など
鉄骨造は優れた構造であるため、多くのメリットがあります。しかしその一方で、デメリットもあるため、あらかじめ把握しておくことが大切です。鉄骨造が向いている人の特徴についても解説しますので、ご自身の状況と照らし合わせながら確認してみてください。

 

メリット

鉄骨造には、以下のようなメリットがあります。

 

  • 広い空間づくりに適している
  • 木造よりも安全性が高い
  • 重量鉄骨造は災害に強い
  • 家賃が抑えられる

 

鉄骨造は「ラーメン構造」という工法が用いられています。このラーメン構造は、より自由度の高いデザインや間取りの建築が可能であり、広い空間づくりに最適です。また、木造に比べて耐久性、耐火性が高いため、災害に強く安全性が高い建物が建てられるでしょう。

 

火災に備えて耐火被覆材などを使用していれば、木造よりも火災保険料が安くなることもあります。また、軽量鉄骨造なら、家賃を抑えることもできます。条件にもよりますが、鉄筋コンクリート造と比較して1万円以上家賃が安くなることも。ただし、重量鉄骨造は地盤工事が必要なこともあり、工期が長く建築コストが高い傾向になります。

 

物件によっては鉄筋コンクリート造と同等の家賃となるケースもあるでしょう。

 

デメリット

鉄骨造のデメリットは以下の通りです。

 

  • 軽量鉄骨は熱に弱い
  • 高い防音性は期待できない

 

鉄骨造の耐火性は木造よりも優れていますが、鋼は熱に弱いため、万が一火災が起きれば倒壊する可能性があります。特に軽量鉄骨造の場合は、火災に備えるためにも耐火被覆材などを使用する必要があります。また、軽量鉄骨造は隙間や空間が出来やすい構造であるため、音が響きやすいです。

 

部屋の中で防音対策をしても、壁や鉄骨を通じて音が伝わりやすいため、音に敏感な人や静かな環境で生活したい人には不向きでしょう。

 

鉄骨造がおすすめの人

多くの点でバランスのとれた鉄骨造は、物件数も豊富であるため条件に合う物件を見つけやすいでしょう。より安全性や防音性を重視したい方は、重量鉄骨造の物件を選ぶのがおすすめです。ただし、軽量鉄骨造の場合は、木造アパートの防音性とほとんど変わらないため、騒音トラブルには注意しましょう。

 

まとめ

今回は、鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨造(S造)の違いやメリット・デメリットについて紹介しました。構造別の特徴は下表の通りです。

 

防音性 耐火性 耐震性 断熱気密性 賃料
鉄筋コンクリート造
鉄骨造(重量)
鉄骨造(軽量)

 

この他にも、木造、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などがありますが、構造によってメリット・デメリットや向き不向きは異なります。例えば、家賃を抑えて生活したい学生であれば、「軽量鉄骨造」が最適でしょう。一方、セキュリティ対策とプライバシーを重視したい方は、「鉄筋コンクリート造」がおすすめです。

 

このように、暮らす人のライフスタイルや条件によっても構造の選び方は変わります。構造の特徴を理解しておくことはもちろん重要ですが、まずはご自身が「何を優先するのか」考えてみることも大切です。

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手取り20万円の一人暮らしはきつい?家賃など生活費の目安を解説

手取り20万円の一人暮らしはきつい?家賃など生活費の目安を解説
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

社会人になったのをきっかけに、一人暮らしを始める人も少なくありません。また、一人暮らしに憧れている方や経済的な自立を目指して一人暮らしを始める方もいるでしょう。実家では、家賃や食費、光熱費などを気にせず生活できていたものの、一人暮らしを始めると、毎月の給料の中からやりくりしなくてはなりません。

 

そのため、「手取り20万円で一人暮らしは経済的にきつい?」と不安に感じている方もいるでしょう。そこで今回の記事では、手取り20万円で一人暮らしができるのか、具体的なシミュレーションと共に解説します。また、節約方法についても紹介しますので、ぜひ今後の参考にしてください。

 

手取り20万円でも一人暮らしは可能?家賃の目安など

手取り20万円でも一人暮らしは可能?
結論からお伝えすると、手取り20万円でも一人暮らしは可能です。ただし、なかなかタイトな予算であるため、日々の生活の中で節約は必要です。また、好条件の物件は家賃が高い傾向にあるため、立地や間取りで妥協が必要かもしれません。

 

ここでは、実際に手取り20万円になるには月収でいくら必要なのか、また手取り20万円の場合の家賃の目安についてお伝えします。

 

手取り20万円になるにはいくら必要?

月の総支給額から、厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料、税金等を引いたものを「手取り」といいます。では、実際に手取り20万円になるには、どれくらいの月収が必要なのでしょうか?ここでは、東京都で暮らすAさん(23歳)、月収25万円のシミュレーションを例として見ていきます。

 

【月収25万円のシミュレーション(東京都)】
厚生年金保険料 23,790円
健康保険料 12,974円
雇用保険料 1,500円
所得税 4,591円
住民税 9,625円
手取り額 197,519円

 

このシミュレーションを見ると、手取り20万円になるためには、月収25~26万円程度必要であることがわかります。年収で考えると300万円前後となるでしょう。なお、健康保険料、所得税、住民税等は、都道府県や前年度の所得などによって異なります。したがって、上記はあくまでも一例として参考にしてください。

 

家賃の目安は6~7万円

一般的に、家賃は手取りの3分の1が理想とされています。つまり、手取り20万円の場合、家賃6~7万円がひとつの目安となります。これ以上家賃が高くなると、生活が圧迫される可能性があるため注意しましょう。

 

なお、全国賃貸管理ビジネス協会の「全国平均家賃による間取り別賃料の推移」の調査によると、1部屋の全国平均家賃は52,988円(令和6年10月)でした。これを見ると、家賃6万円は全国平均を上回っていることがわかります。

 

手取り20万円で一人暮らしでも貯金できる?シミュレーション

手取り20万円で一人暮らしでも貯金できる?シミュレーション
手取り20万円、家賃6万円の場合でも、日頃から節約を心掛けていれば貯金も可能です。たとえば、家賃6万円、固定費や食費に6万円かかるとします。そうすると、残りは8万円ほどになりますが、そこから日用品、交際費、娯楽費などの支出を想定すると2~3万円程度は貯金できます。ただし、この試算は生活を切り詰めて上手くいった理想的な数字です。

 

実際には、予期せぬ出費や思ったように貯金できないのが実情。そのため、なるべく現実的な目標額を設定して、臨時収入やボーナスを考慮しながら無理のない範囲で貯金しましょう。

 

生活費シミュレーション

では、手取り20万円の生活費の具体的な生活費のシミュレーションを紹介します。

 

項目 金額
家賃 6.5万円
食費 4万円
水道光熱費 1万円
通信費 1万円
交際費・娯楽費 2万円
衣服費 1万円
日用品代 1.5万円
その他 2万円
合計 19万円

 

家賃は手取りの3分の1程度に設定しました。食費は3万円でも問題ありませんが、外食を楽しんだり、スーパー・コンビニで買ったりすることを想定して高めに設定しています。また、交際費・娯楽費は2万円として設定し、衣服費と日用品代は別で設定しています。

 

衣服にあまりお金をかけない方は、生活スタイルに合わせて他のところにお金を回すとよいでしょう。また、急な出費を想定して、その他として2万円確保しています。ただし、毎月この試算のようにうまくいくわけではなく、マイナスになる月もあるでしょう。したがって、日頃から節約し、想定外の出費に備えておくことが大切です。

 

手取り20万円で一人暮らし生活!節約方法

「余裕がある生活」とは言えませんが、手取り20万円でも一人暮らしは可能です。ただし、日々無駄遣いしないよう意識することが大切です。ここからは、具体的に取り組みやすい7つの節約術を紹介します。

 

家賃の予算を下げる

先にお伝えした通り、家賃は手取りの3分の1が目安となります。ただし、これ以下でも一人暮らしに適した部屋を探すことはできます。家賃を抑えるコツは以下の通りです。

 

  • 都心エリアから離れる
  • 駅から離れた物件を選ぶ
  • 築年数が古い物件を狙う
  • 収納スペースを妥協する

 

駅近、新築、バス・トイレ別など、好条件の物件は家賃が高くなるため、上記のコツを参考に条件を見直してみましょう。家賃は毎月かかる大きな支出です。無理して高い家賃の部屋を借りると、後々支払いがきつくなる可能性があります。

 

また、部屋は一度住み始めたら、すぐに住み替えることはできません。したがって、長期的な目で見て、支払い続けていけるかどうか慎重に判断しましょう。

 

入居時の初期費用抑える

毎月の家賃とは異なりますが、入居時の初期費用を抑えるのも節約の重要なポイントです。では、初期費用を抑えるコツを確認していきましょう。

 

  • 敷金・礼金なしの物件を探す
  • 繁忙期を避ける
  • 仲介手数料が安い不動産会社を選ぶ

 

敷金・礼金は、家賃の2~3ヶ月分が必要です。例えば8万円のアパートを借りる場合は、16~24万円程度かかります。しかし、「敷金・礼金なし」の物件であれば初期費用を大幅に削減することができます。

 

また、不動産会社によっては、仲介手数料無料や半額、さらにキャンペーンやキャッシュバックを行っていることがあります。部屋探しの際は、複数社比較検討して判断しましょう。

 

食生活の考え方(自炊する)

食費は節約しやすい項目です。ただし、外食を全くしない、コンビニで買わないなど、厳しいルールを設けすぎるとそれがストレスの原因になってしまうことも。そのため、以下の点を意識して節約してみましょう。

 

  • 外食は回数を決める
  • 安い食材をうまく活用する(もやし、豆腐、納豆、鶏肉など)
  • 買うものリストはメモにする
  • 買った食材は使い切る
  • 1週間分まとめ買いをする

 

スーパーに行くときは、買い忘れを防止するために、メモを持っていくのがおすすめです。また、1週間分の予算とメニューを決めておけば買い過ぎを防止できます。最近は、スマートフォンのアプリで簡単に家計管理ができるものがあります。

 

残りいくら使えるのか明確化することで、無駄な買い物をなくし、月々の食費を一定化させることができます。余裕が出た月はちょっと贅沢したり、貯金に回したり、節約を楽しむことで日々の生活が豊かになるでしょう。

 

固定費の節約(光熱費など)

つぎに紹介するのは、すぐに実践できる光熱費の節約術です。ぜひ参考にしてください。

 

  • エアコンの設定温度を一定にする
  • 電気をつけっぱなしにしなし
  • 冷蔵庫はすぐに閉める
  • 節水シャワーに変える
  • お風呂の追い焚き回数を減らす

 

日々の小さな積み重ねが光熱費の節約につながります。また、電気やガスが自由化したことにより、契約先を自由に選べるようになりました。各社お得なプランを用意しているため、複数社を比較検討してご自身に合ったプランを見つけましょう。

 

スマホの契約を見直す

スマートフォンを使用するためには、毎月固定で利用料がかかります。キャリアや契約プランによって料金は変わりますが、毎月5,000~6,000円程度は考慮しておきましょう。

 

なお、スマートフォンを格安SIMに変更すれば、固定費を抑えることができます。最近は、大手通信会社も次々と格安プランを展開しているため、一度見直してみるのもおすすめです。

 

交通費の節約

移動する際はなるべく交通費のかからない手段で移動することを心掛けましょう。おすすめは自転車です。交通費がかからない上に、通勤時の満員電車を避けることができます。また、運動不足の解消や気分転換にも最適です。

 

自転車を持っていない方は、シェアサイクルを利用しましょう。30分200円程度で利用できるため、タクシーを利用するより経済的です。

 

家計簿をつける

節約するためには、まず、日々の生活で何にお金を使っているのか支出を明確にすることが大切です。そのために家計簿はとても有効な手段で、以下のようなメリットがあります。

 

  • お金の支出が確認できる
  • 現在お金がいくらあるのかわかる
  • 家計の状況を分析して無駄をなくす

 

ただし、細かすぎる管理や、頑張りすぎは禁物。家計簿は長く続けることに意味があるため、できるだけシンプルにまとめることがポイントです。家計簿を書くのが面倒だと感じる方は、スマートフォンのアプリがおすすめです。

 

アプリなら銀行と連携して自動で記録されるため、手間がかからず家計管理ができます。アプリによって連携できる金融サービスが異なるため、自分が連携したいサービスがあるか確認してみましょう。

 

お金のかからない趣味を見つける

お金のかからない趣味には、以下のようなものがあります。

 

  • 散歩
  • ランニング・ジョギング
  • 図書館で本を読む
  • 筋トレ・ヨガ
  • 料理
  • 絵を描く
  • 写真
  • ブログ

 

その他にも、英会話、釣りや御朱印集めなど、探してみると意外と多いものです。お金のかからない趣味は、初期費用がかからないためすぐにスタートできます。また、収入の影響を受けにくいため、長く続けやすいというメリットがあります。

 

趣味は毎日の生活に刺激を与えるため、充実感を得たり、モチベーションが向上したり、ストレス解消にもつながります。趣味がきっかけで交友関係が広がれば、ビジネスチャンスがあるかもしれません。

 

手取り20万円で一人暮らし!よくある質問

手取り20万円で一人暮らし!よくある質問
ここでは、手取り20万円の一人暮らしでよくある質問をまとめて紹介します。質問内容は以下の通りです。

 

  • Q1 防犯対策が万全な物件は家賃が高いですか?
  • Q2 手取り20万円でも結婚や子育ては可能ですか?
  • Q3 手取り20万円でも車所有は可能ですか?

 

では、早速回答を見ていきましょう。

 

防犯対策が万全な物件は家賃が高いですか?

オートロック、モニター付きインターホン、防犯カメラなど、防犯設備が充実している物件は一般的に家賃が高い傾向にあります。ただし、女性の一人暮らしでは、防犯対策がしっかりしている物件を選ぶことが重要です。例えば、家賃6万円の防犯設備が備わっていない物件と、家賃7万円で防犯設備が備わっている物件があったとします。

 

この場合は、7万円の部屋を選ぶことをおすすめします。手取りが20万円だと家賃6万円前後が理想ですが、安全はお金に代えられません。家賃が高い分は、日常生活で節約することを心掛けましょう。

 

手取り20万円でも結婚や子育ては可能ですか?

手取り20万円は一人暮らしであれば生活できますが、家族を養うのは厳しいでしょう。家族が増えるということは、食費、光熱費、衣服費、日用品代など、多くの項目で出費が増えます。さらに、子どもが生まれれば、ベビー用品、おむつ、学費など、次々にお金がかかるものです。

 

共働きなら可能かと言えば、そうでもありません。子どもが小さいうちは、どちらかが時短勤務になったり、転職したりすることもあります。したがって、一時的に収入が減ることも想定しておかなければなりません。共働きで夫婦どちらかが高収入であり、長期的に安定していれば十分に生活することは可能です。

 

手取り20万円でも車所有は可能ですか?

車が安く購入できた、知人から車を譲ってもらったということもあるでしょう。しかし、手取り20万円で車を所有するには注意が必要です。車を所有するためには、駐車場代、自動車保険、車検、ガソリン代などの毎月維持費がかかります。

 

さらに、首都圏や立地の良い駐車場は、駐車場代だけでも毎月数万円かかるため、手取り20万円で車を所有するのは現実的とは言えません。車がある生活は便利で快適ですが、維持費で生活が圧迫される可能性が高いため慎重に判断しましょう。

 

まとめ

手取り20万円の一人暮らしは、「余裕のある生活」とは言えません。しかし、日々の暮らしの中で無駄なお金を使わないよう気を付けていれば、無理なく生活することができます。
例えば、家賃は手取りの3分の1程度に抑える、外食は回数を決める、格安SIMに変えるなど、まずは自分が無理なくできる節約方法を考えてみましょう。

 

また、予期せぬ出費や将来に備えて、家計簿をつけたり、お金を管理したり、必要な支出をしっかり想定しておくことも大切です。そして、もう一つ大切なのは「日々の生活を楽しむこと」です。自分のライフスタイルに合った物件を見つけて、ぜひ一人暮らしを満喫してください。

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マンションや中古マンションの買ってはいけない時期は?買い時はいつ?

マンションや中古マンションの買ってはいけない時期は?買い時はいつ?
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

マンションの購入を検討するときに迷うのが、購入のタイミングです。「今買っていいのか」「買ってはいけない時期があるのか」と不安に感じている方は多いのではないでしょうか。

 

この記事ではマンションを買ってはいけない時期や買い時はいつなのか解説します。新築マンションか中古マンションの購入を考えている方は必見です。

 

マンション・中古マンションを買ってはいけない時期とは?

マンション・中古マンションを買ってはいけない時期とは?
新築マンション・中古マンションを買ってはいけない時期は、以下のように将来の予定が不確定な時期です。

 

  • ライフスタイルが決まっていない時期
  • 家族構成が決まっていない時期
  • 結婚する前の時期
  • 子供が進学する前の時期
  • 転勤が多い時期
  • 好みの物件が見つからない時期
  • 定年退職後の時期
  • 経済的に不安定な時期
  • 住宅ローン金利が上昇する時期

 

それぞれの時期について詳しく見ていきましょう。

 

ライフスタイルが決まっていない時期

ライフスタイルが決まっていない時期は、マンション購入を待ったほうが良いです。後々ライフスタイルが決まったときに、購入したマンションがそのライフタイルに合っていないと、住みにくくなるためです。

 

たとえば会社に就職して間もない新入社員の時期が挙げられます。新入社員のときは何時まで仕事をして、休みは何をしてといったライフスタイルが定まりにくいです。また就職した会社でどのくらいの期間働くかも漠然としています。

 

新入社員の方は数年勤務して、ある程度ライフスタイルが固まってからマンション購入を考えるのがおすすめです。

 

家族構成が決まっていない時期

家族構成が不確定な時期は、マンションの購入を慎重に判断したほうが良いです。具体的には子供を何人産むか決めていない人が当てはまります。

 

マンション購入後に家族構成が変わった場合、面積や間取りが合わなくなる恐れがあります。子供の人数によって最適な面積や間取りは異なるため、家族構成が決まってから購入したほうが無難です。

 

結婚する前の時期

結婚前のマンション購入についても、あまりおすすめしません。独身時代に購入したのがワンルームマンションの場合、パートナーとの二人暮らしになると手狭になります、

 

ただ結婚前のマンション購入には、メリットもあります。1つは早めに住宅ローンを借りると、若いうちに完済できる点です。たとえば25歳で35年の住宅ローンを組むと、60歳には返済が完了します。完済後は住宅ローンに充てていたお金を老後の資金に回すことが可能です。

 

子供の進学先が決まっていない時期

子供の進学先が決まっていない時期のマンション購入もデメリットがあります。

 

マンション購入後に子供の進路が決まったものの、進学先が自宅から遠いと通学が大変です。子供がまだ小さいと、電車通学させるのが心配という方も多いでしょう。

 

子供の受験を考えている方は、具体的な進学先が決まるまで待ったほうが良いです。

 

転勤が多い時期

全国転勤が多い会社にお勤めの方は、マンション購入の時期を慎重に見極める必要があります。マンション購入後に転勤があると、せっかく買ったマンションに住むことができません。

 

「住めない期間は貸せば良い」と考える方もいらっしゃいます。しかし住宅ローンを返済中の家を賃貸に出す場合は、住宅ローンを一括返済しなければなりません。勝手に賃貸に出せない点に注意しましょう。

 

全国各地に支社がある大手企業や、銀行、商社、大手メーカー、ゼネコンなどの業種は転勤が多い傾向があります。転勤の頻度は会社によって異なりますが、同僚の配属状況などを見て、近いうちに転勤がなさそうか確認したほうが良いです。

 

好みの物件が見つからない時期

好みの物件が見つからない状態で、妥協してマンションを買うのもおすすめしません。

 

住宅の購入は人生で一番高い買い物といわれます。そのため好みではない物件を購入して住み続けるのは大きなストレスです。せっかく買うなら、できるだけ理想に近い物件を選びましょう。

 

ただ、すべて理想どおりという物件はなかなか出てきません。おすすめの方法は希望条件に優先順位をつけることです。優先順位を整理することで、譲れないポイントと妥協できるポイントが明確になります。

 

定年退職後の時期

定年退職後のマンション購入は、老後の資金形成に影響をおよぼす恐れがあります。定年後は安定した収入がなくなり、住宅ローンの返済が厳しくなる人が多いためです。定年退職後は年齢や収入の観点から、住宅ローンの審査に通らない可能性も考えられます。

 

「まとまった退職金が入るから」といって、マンションの購入費に充てる方法もおすすめしません。老後資金は、夫婦2人の場合2,500万円程度必要といわれています。介護や医療によってそれ以上の金額が必要になることもあるため、慎重な資金計画が求められます。

 

経済的に不安定な時期

経済的に安定しない時期も、マンションの購入は控えましょう。収入が安定していないと、住宅ローンの返済が家計に大きなダメージを与えてしまいます。

 

たとえば転職して間もない時期や、病気で働けない時期は要注意です。特に前職より収入が少ない会社に転職すると、家計の収支状況が変わります。これまでどおり生活するためには支出を減らさなければならない場合もあるでしょう。そのようなときに住宅ローン返済が重なると、家計が回りません。

 

病気で働けない時期も収入がとだえる可能性があります。復帰して仕事が軌道に乗ってからマンション購入を考えた方が無難です。

 

住宅ローン金利が上昇する時期

住宅ローン金利が上昇する時期も、マンションの買い時とはいえません。金利が上昇すると、住宅ローンの返済総額が高くなるためです。

 

日本は長く低金利時代にありましたが、ここ最近で日銀の金融政策は引き締めに向かっています。大手銀行5行は2024年9月30日に変動型の住宅ローンの基準金利を引き上げると発表しました。

 

また固定金利を選択する場合、金利が高い時期に契約すると、ずっと高い金利で返済しなければなりません。マンションを購入するときは、金利の動向を注視する必要があります。

 

マンション・中古マンション!買い時はいつ?

マンション・中古マンション!買い時はいつ?
新築マンションや中古マンションは、以下の時期が買い時といわれています。

 

  • 好みのマンションが見つかった時期
  • 結婚が決まった時期
  • 子供を出産した時期
  • 子供が小学校に入学する前の時期
  • 子供が家から出た時期

 

買い時といわれる理由について、詳しく解説します。

 

好みのマンションが見つかった時期

好みのマンションが見つかった場合は、できるだけ早く決断するのがおすすめです。好条件のマンションは需要が高いため、決断を先送りにすると他の人にとられてしまいます。

 

結婚が決まった時期

結婚が決まった時期も、マンションの買い時といわれます。結婚を機にマンションを購入することは、パートナーと将来のことを話し合う良いきっかけになるでしょう。

 

マンションを購入する際は、希望条件を決めなければなりません。たとえば間取りや面積、立地、周辺環境など多岐にわたります。また住宅ローンを組むことになれば、お互いのキャリアプランや収入についても話し合っておくことが必要です。

 

希望条件を決めていく過程で「将来子供はどうするか」「老後までにいくら貯蓄するか」など、将来に向けて具体的な計画を立てられます。

 

マンションを購入できるだけの貯蓄がないという場合は、両親から資金援助を受けられる可能性もあります。両親または祖父母からの一定額の住宅購入資金援助については贈与税が非課税または減税されるため、もし援助を受けられる場合はチェックしてみてください。

 

子供を出産した時期

子供が生まれると生活が一変するため、マンションを購入する良い機会です。これまで夫婦2人で住んでいた家に住み続けると、子育てしにくいと感じる可能性があります。

 

たとえば間取りや広さです。子供が小さいうちは、いつでも親の目が届く間取りや、安全に遊べる広いスペースが必要になったりします。

 

また、立地や周辺環境に対する考え方も変化します。夫婦2人だけなら、駅やスーパーマーケットとの距離が近い場所が便利です。しかし子供がいると、保育園や公園が近くにあるかどうかも重視するようになります。

 

子供が小学校に入学する前の時期

小学校に入学する前にマンションを購入すれば、子供が転校によるストレスを感じずに済みます。入学後に引っ越す場合、私立学校の場合は編入試験などの手間が増えることもあるため、入学前がマンション購入の狙い目です。

 

小学校入学前のマンション購入は、学区を選べるというメリットもあります。評判の良い公立小学校があれば、その学区で探すことも可能です。

 

また小学校入学前には、家族構成が確定していることが多いです。そのため将来を見据えて、長く住み続けられるマンションを選ぶことができます。

 

子供が家から出た時期

子供が大学進学や就職など独り立ちしたタイミングで、マンションを購入する人もいます。子供が家を出ると同居家族が減り、部屋が余ってしまうためです。夫婦で暮らすのに丁度良いサイズのマンションを購入すれば、管理もしやすくなります。

 

ただこの時期は親も高齢になっていることが多いため、住宅ローンを組む場合は注意が必要です。返済期間が短くなり、返済額が高くなる恐れがあります。しっかりと資金計画を立てて、無理なく返済できる範囲でマンションを選びましょう。

 

新築マンションは買ってはいけない?

新築マンションは買ってはいけない?
マンションの購入時期について解説しましたが、新築マンションか中古マンションどちらを買うかどうかも悩ましい問題です。

 

結論からいうと、購入時の出費を抑えたい方や将来売却を考えている方は、中古マンションのほうがメリットを感じやすいです。

 

以下に新築マンションと中古マンションそれぞれのメリット・デメリットを整理しました。

新築マンション 中古マンション
メリット 建物・設備が新しい
劣化による修繕費がかかりにくい
税制面で有利なことがある
価格が安い
物件の選択肢が多い
実物を見て購入できる
リフォーム・リノベーションできる
デメリット 価格が高い
修繕積立基金や管理組合準備金の支払いが必要になる
青田売りだと実物を見て購入できない
建物・設備が古い
劣化による修繕費がかかりやすい
修繕積立金が高め

 

新築マンションは価格の上昇が続いており、購入時に高額な出費が必要になります。しかし売却するときは中古マンションになってしまうため、資産価値が下落します。その結果、購入価格と販売価格の差が大きくなりやすいのがネックです。

 

次の項目からは、中古マンションを買うメリットについて詳しく見ていきましょう。

 

中古マンションを買うメリット

中古マンションを買うメリット
中古マンションを買うメリットは、以下の4つです。

 

  • 価格が安い
  • 物件の選択肢が多い
  • 実物を見て購入できる
  • リフォーム・リノベーションできる

 

中古マンションのメリットは、新築よりも安価で購入できることです。近年では中古マンションも価格が上昇していますが、それでも全体的に見れば新築よりも安い傾向があります。

 

また中古マンションは物件数が多いです。人気エリアの物件や予算内の物件など、新築で見つからなくても中古なら見つかる可能性があります。

 

実物を見てから購入できる点も中古マンションのメリットです。内見で広さや間取り、眺望などをしっかり確認できます。そのため住み始めてから「イメージと違った」と後悔することはほとんどありません。

 

引き渡し時の内装やデザインが気に入らなくても、リフォーム・リノベーションで空間を一新できます。自分の好きなテイストに自由に変えられるのが魅力的なポイントです。

 

まとめ

家族構成やライフスタイルが定まっていない時期にマンションを買うと、後悔する可能性があります。購入後に家族構成やライフスタイルが変化すると、引っ越す必要が出てくるためです。また好みのマンションが見つからないのに焦って買うこともおすすめしません。

 

結婚や子供の出産、小学校入学、子供の独り立ちなど、将来の予定がある程度固まったタイミングでマンション購入を検討するのがおすすめです。

 

また新築と中古マンションで迷う場合は、それぞれのメリット・デメリットを理解することが大切です。価格の安さや立地の良さを重視する方は、中古マンションのほうがメリットを感じやすいでしょう。

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中古マンションの固定資産税計算!築30年はいくら?何年住めるなど紹介

中古マンションの固定資産税計算!築30年はいくら?何年住めるなど紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

中古マンションを探していると、築30年の物件を紹介されることも珍しくありません。「古くて劣化していそう」「いざというときに売却が難しそう」など、マイナスイメージを抱かれることも多いですが、実際のところどうなのでしょうか。マンションを所有している期間にかかる固定資産税が築30年だといくらかかるのかも気になりますよね。

 

この記事では固定資産税の計算方法を解説し、築30年の計算シミュレーションをおこないます。また築30年の物件が売れにくいといわれる理由も解説しているので、購入を迷っている方はぜひ参考にしてください。

 

中古マンションの固定資産税とは?

中古マンションの固定資産税とは
土地や建物を所有している人が納付しなければならない税金が固定資産税です。

 

中古マンションを購入すると、売却するまでは毎年納付し続けなければなりません。厳密にいうと納税義務があるのは、その年の1月1日時点の所有者になります。

 

たとえば3月1日に取得した人には納税義務はなく、前の所有者に課税されます。ただし、不動産売買では売主と買主それぞれの所有期間に応じて精算をおこなうのが慣例です。

 

たとえば年間の固定資産税が10万円の物件を3月1日に取得した場合、売主と買主の精算額を計算してみましょう。

 

1月1日〜2月28日の2カ月は売主が負担
10万円×2カ月/12カ月=1.6万円
3月1日~12月31日の10カ月は買主が負担
10万円×10カ月/12カ月=8.3万円

 

税額は、市区町村によって決定されます。決定後は納税通知書が納税義務者のもとに毎年4月〜5月頃届く流れです。納税義務者は納税通知書に記載された金額を納めます。

 

1年分の税金を4期に分割して納付するのが一般的です。第一期に1年分を一括で納めることもできます。各期の納付期限は市町村によって異なるため、納税通知書をよく確認しましょう。納付期限を過ぎてしまった場合、延滞金が発生するので注意が必要です。

 

税額の計算方法は「課税標準額×税率1.4%」で計算します。土地と建物を別々に計算して、合計した金額が税額です。

 

マンションの固定資産税の大きな特徴は、戸建てに比べて建物が占める割合が多い点です。マンションは戸建てと違い、土地を他の所有者と共有しています。そのため土地全体の税額を出してから、各所有者の持分で按分した金額になります。

 

中古マンションの固定資産税額!どうやって決まるのか?

中古マンションの固定資産税額!どうやって決まるのか?
税額を決定するうえで、重要な要素となるのが以下の3つになります。

 

  • 築年数
  • 土地の固定資産税評価額
  • 建物の再建築価格

 

土地の評価額は土地の固定資産税を決定する要素です。築年数と建物の再建築価格は、建物の固定資産税を決定するうえで重要になります。

 

それぞれの要素がどのような影響をおよぼすのか、詳しく見ていきましょう。

 

築年数

建物の固定資産税額は築年数によって変動します。建物は経年によって資産価値が減少するのが一般的です。そのため、中古マンションも築年数が古くなるにつれて評価額が下がっていきます。

 

建物の評価額は「再建築価格×経年減点補正率」で計算します。経年減価補正率とは年数経過による建物の損耗状況を反映する数値で、これを掛けることによって、築年数ごとに評価額が低くなる仕組みです。鉄筋コンクリート造の中古マンションの場合、築45年以降の経年減点補正率は下限値の0.2となります。

 

土地の固定資産税評価額

土地の固定資産税は、評価額によって決まります。税額の計算で出てくる課税標準額は、基本的には評価額と同一額です。ただ、税金の特例が適用される場合は、評価額に軽減率を掛けた金額が課税標準額となります。したがって課税標準額が評価額より低い金額になることは少なくありません。

 

土地の評価額は地価公示価格の70%程度として、おおまかに計算することが可能です。地価公示価格を確認したい場合は、国土交通省の不動産情報サイト・不動産情報ライブラリを参考にしてください。

 

土地は建物のように築年数の経過による影響は受けません。ただし3年に1度評価替えがあることを覚えておきましょう。評価替えする年度のことを基準年度といい、基準年度から3年間は原則据え置きとなります。

 

建物の再建築価格

建物の再建築価格は、建物の評価額を決定する要素のひとつです。先述のとおり、建物の評価額は「再建築価格×経年減点補正率」で計算されます。

 

再建築価格とは、評価時点に同一建物を再び新築する場合にかかる建築費です。建築資材などの物価を反映して、決定されています。そのため建築資材が高騰すると、築年数が経った中古マンションでも新築当初より再建築価格が高くなることが少なくありません。

 

中古マンションの固定資産税計算!築30年はいくら?

築30年の中古マンションの固定資産税はいくらになるのでしょうか?以下の条件で、実際に税額を計算してみましょう。

 

建物タイプ マンション
構造 鉄筋コンクリート造
築年数 30年(経年減点補正率0.3059)
土地面積 80㎡
土地の固定資産税評価額 1,200万円
建物面積 80㎡
建物の再建築価格 3,000万円

 

まずは土地から計算します。中古マンションの土地は、住宅用地特例が適用されます。この特例は、住宅の敷地として利用されている土地について、税金が軽減される制度です。軽減率は200㎡以下の小規模住宅用地の部分は⅙、200㎡を超える一般住宅用地の部分は1/3となります。以下のとおりになります。

 

今回の条件では土地面積80㎡のため、土地の評価額に小規模住宅用地の軽減率1/6をかけます。
1,200万円×1/6×1.4%=2.8万円

 

次に再建築価格に経年減点補正率を掛けて、建物の評価額を計算します。鉄筋コンクリートで築30年の経年減点補正率は0.3059であるため、計算式は以下のとおりです。
3,000万円×0.3059=917.7万円
917.7万円×1.4%=12.8万円

 

土地と建物をあわせた税額は、以下のとおりです。
2.8万円+12.8万円=15.6万円

 

築30年のマンションは何年住める?

築30年のマンションは何年住める?
鉄筋コンクリート造や鉄骨造のマンションは、木造住宅よりも建物の寿命が長いです。適切に修繕していれば、築30年でも問題なく住み続けられるでしょう。

 

一方で築30年を過ぎたら、どのくらい住み続けられるのか不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここからは築30年のマンションはあと何年住めるのか解説します。

 

メンテナンスやリフォームで100年以上は住むことが可能

マンションの寿命には、物理的な寿命と経済的な寿命があります。

 

物理的な寿命でいうと、メンテナンス状況によって大きな差が付きます。手厚いメンテナンスを続けている中古マンションは、寿命を100年以上にのばすことも可能でしょう。ただし、古くなるほどメンテナンス費用は高額になることが予想されます。

 

経済的な寿命は、建物はまだ使えるのに建て替えを目的として取り壊される寿命です。日本では堅牢な造りのマンションも、経済的な寿命により築60年〜70年で建て替えられることが少なくありません。

 

中古マンションの寿命を考えるときは、経済的な寿命の60年〜70年で捉えたほうが現実的です。

 

築30年の中古マンション購入後!売れないの?売却について

築30年の中古マンション購入後!売れないの?売却について
築30年の中古マンションは、新築や築浅のマンションに比べて売れにくいといわれています。具体的な理由を挙げると、以下の5つです。

 

  • 外観や内部が古いと思われる
  • 建物が劣化
  • メンテナンス費用がかかる
  • 耐震基準の不安
  • 住宅ローンが借りづらい

 

それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

 

外観や内部が古いと思われる

築30年の中古マンションは見た目が古いと思われて、買い手が減る可能性があります。古い建物は汚く見えたり使い勝手が悪かったりすることから、マイナスイメージを抱かれやすいです。

 

国土交通省独自調べ(平成28年10月実施)によると、既存住宅を選ばなかった理由として「見た目がきれいでなかったため(13.3%)」「水廻りが古い・きたなかったため(12.0%)」という意見が挙げられています。

 

確かに外観がボロボロのマンションに、住みたいという人はあまりいません。共用部のエレベーターやエントランスが古びていて、見栄えが悪いマンションもあります。

 

マンションの外観や共用部を綺麗にするためには、他の区分所有者の同意が必要で手間がかかります。一方で専有部内の古さに関しては、リフォームやリノベーションによって解消することが可能です。

 

建物が劣化

メンテナンスを怠っているマンションは、築30年経つと経年劣化によりさまざまな場所が不具合を起こします。

 

建物の各設備には使用に耐えられなくなるまでの耐用年数が決まっています。たとえばキッチンやトイレなどの水回りの耐用年数は10年〜20年程度です。給排水管の耐用年数は素材によって大きく異なりますが、早いものだと20年程度とされています。耐用年数を超えても使えるケースは多いですが、古い設備を使用することに不安を覚える人は多いです。

 

このように建物設備の劣化は、買い手にとってマイナスポイントになる可能性が高いです。実際はきちんとメンテナンスをしていて劣化がないのに、築30年というだけで候補から外されるケースもあるでしょう。

 

メンテナンス費用がかかる

古い中古マンションは、メンテナンス費用もかさみます。不具合が起きてから急いでメンテナンスを実施しようとすると、費用が割高になることも多いです。

 

マンションでは大規模修繕のように、あらかじめ計画しているメンテナンス費用もかかります。大規模修繕の頻度は12〜15年に1回程度です。そのため購入のタイミングによっては、住み始めてからすぐに大規模修繕がおこなわれる可能性があります。

 

大規模修繕費は区分所有者が毎月積み立てている修繕積立金から支払われます。しかし近年の建築費高騰により、大規模修繕費の値上がりに悩まされているマンションは少なくありません。大規模修繕費が足りない場合、不足分は一時金として徴収される可能性もあります。

 

耐震基準の不安

築30年以上のマンションは、耐震性の観点からも不安を抱かれることが多いです。実際に「築30年のマンションは地震に弱いのではないか」と心配する人がいます。

 

耐震基準は、建物の耐震性を判断する基準のひとつです。マンションは旧耐震基準と新耐震基準の2種類に分類されます。旧耐震基準は震度5程度の中規模地震に耐えられるよう設計されていますが、それ以上の大地震は考慮されていませんでした。新耐震基準は震度6強の大地震であっても、命を守ることができるよう設計されています。

 

旧耐震基準から新耐震基準に切り替わったのは、1981年6月1日です。したがって2024年時点で築30年のマンションは、新耐震基準でつくられています。古そうというイメージだけで耐震性に不安を感じている人もいるため、しっかりと説明することが必要です。

 

住宅ローンが借りづらい

築30年の中古マンションが売れない理由として、住宅ローンが借りづらいことも挙げられます。新築と比べて中古は金融機関から低く評価されやすいためです。

 

そのため住宅ローンを借りられたとしても、借入金額が少ないこともあります。もしくは返済期間を短く設定されてしまい、厳しい返済計画になる可能性も考えられます。

 

金融機関によっては購入する物件の築年数に制限を設けている場合もあるため、事前相談が不可欠です。このような点が新築や築浅のマンションと比べて、注意しなければならないポイントです。

 

また、築30年のマンションは住宅ローン控除が受けられないと思っている人もいます。住宅ローン控除とは住宅ローンを借りて家を購入した場合に、税金の控除が受けられる制度です。以前は築年数に関する要件がありましたが、2022年度の税制改正で撤廃されています。築30年でも条件を満たしていれば、住宅ローン控除を受けられることを説明しましょう。

 

特例措置で固定資産税が控除されることもある

固定資産税は以下の特例措置があります。

 

  • 住宅用地特例
  • 省エネ改修工事
  • バリアフリー改修工事
  • 耐震改修工事
  • リフォーム

 

特例措置が適用されれば税金の負担が減るため、要件を確認しましょう。

 

住宅用地特例

固定資産税には、住宅用地特例が設けられています。住宅用地特例は住宅の敷地として利用されている土地に対して、税金が軽減される制度です。軽減率と固定資産税の計算方法は以下のとおりになります。

 

軽減率 固定資産税の計算方法
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 1/6 固定資産税評価額×1/6×1.4%
一般住宅用地(200㎡を超える部分) 1/3 固定資産税評価額×1/3×1.4%

 

たとえば土地が300㎡の場合、200㎡分の軽減率⅙と、残り100㎡分の軽減率⅓を足し合わせた金額になります。

 

中古マンションの土地は、この特例の適用が受けられます。適用を受けられる場合と受けられない場合では、固定資産税額の差は大きいです。

 

省エネ改修工事

省エネ改修工事を実施したマンションは、翌年の固定資産税が3分の1減額される特例措置があります。平成26年4月1日以前に建築された住宅に対して、令和8年3月31日までにおこなった一定の省エネリフォームが対象です。

 

一定の省エネリフォームとは、以下の8つの工事を指します。

 

  • 窓の断熱改修工事
  • 床等の断熱改修工事
  • 壁の断熱改修工事
  • 天井の断熱改修工事
  • 高効率空調機の設備設置工事
  • 高効率給湯器の設備設置工事
  • 太陽熱利用システムの設備設置工事
  • 太陽光発電設備の設置工事

 

このうち、窓の断熱改修工事(二重サッシ化、複層ガラス化)は必須項目です。また、それぞれの工事箇所について現行の省エネ基準に適合することが条件となります。

 

マンションの場合は専有部分に対しておこなわれた省エネ工事のみが対象です。また住宅の面積要件は50㎡以上280㎡以下で、マンションは専有部の床面積でカウントします。

 

バリアフリー改修工事

バリアフリー改修工事をおこなった場合も、特例措置によって翌年分の固定資産税から3分の1が減額される可能性があります。新築後10年以上経過した家屋に対して実施された一定のバリアフリー改修工事が対象です。

 

一定のバリアフリー改修工事とは、以下の8つの工事を指します。

 

  • 介助用の車いすで、容易に移動するために通路又は出入口の幅を拡張する工事
  • 階段の設置又は改良により、その勾配を緩和する工事
  • 浴室を改良する工事
  • 便所を改良する工事
  • 特定の場所に手すりを取り付ける工事
  • 特定の場所の床の段差を解消する工事
  • 出入口の戸を改良する工事
  • 床の材料を滑りにくいものに取り替える工事

 

また適用を受けるためには、以下のいずれかに該当する人が住んでいることが要件です。

 

  • 65歳以上の人
  • 要介護認定・要支援認定を受けている人
  • 障害を持っている人

 

この他にも細かい要件が定められているため、詳しく知りたい方は国土交通省や自治体のホームページをご確認ください。

 

耐震改修工事

次に紹介するのは、耐震改修工事についての固定資産税減額措置です。現行の耐震基準に適合するための耐震リフォームを実施した場合、翌年度分の固定資産税が半額になります。

 

なお、改修工事をおこなう建物が通行障害既存耐震不適格建築物だった場合には、減額期間が2年度分に延長されます。通行障害既存耐震不適格建築物とは昭和56年5月31日以前の旧耐震で建てられた一定以上の高さのある建物です。

 

昭和57年以前から所在する家屋に対して、令和8年3月31日までに実施したリフォームが対象です。また耐震改修工事費が税込で50万円を超えていなければ適用を受けられません。

 

長期優良住宅化リフォーム

長期優良住宅とは長期的に良好な状態で住み続けられる措置が講じられ、自治体に認定を受けた住宅です。長期優良住宅の建築および維持保全の計画を作成・申請することで認定を受けられます。

 

長期優良住宅化リフォームは、一定の耐震改修工事または一定の省エネ改修工事を指します。増改築によって長期優良住宅の認定を取得した場合、翌年度分の固定資産税から3分の2が減額されます。

 

一定の耐震改修工事とは、旧耐震基準の建物を新耐震基準に適合するための工事です。一定の省エネ改修工事とは、省エネ改修工事で紹介した8つの工事と同じです。そのほかにもさまざまな要件が設定されているため、適用を受けたい場合はよくご確認ください。

 

築30年のマンション!購入するときの注意点

築30年のマンション!購入するときの注意点
築30年のマンションを購入するときは、以下のポイントに注意して選びましょう。

 

  • 管理状況
  • 管理組合の収支
  • 建て替えの可能性

 

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

 

管理状況

新築から30年経っているマンションは、管理状況によって大きな差が生まれます。管理状況が悪い築30年の中古マンションは、いたるところが劣化していて、見た目もボロボロです。購入後に売りたいと思っても、なかなか売れない可能性が高いです。また突発的にメンテナンスが発生する恐れもあり、経済的な負担増加も懸念されます。

 

特に共用部を見ると、管理状況の違いは明らかです。エントランスが汚れていたり、雨漏りが放置されていたりする物件は要注意です。内覧に訪れた際は、共用部のチェックも忘れないようにしましょう。

 

管理組合の収支状況

購入前に管理組合の収支状況をチェックしましょう。修繕積立金の残高や滞納の有無を把握することは、将来の修繕に対応できるか見極めるために不可欠です。

 

管理費や修繕積立金の値上げが予定されていないかどうかも確認しましょう。近年では修繕積立金の大幅な値上げが課題になっています。国土交通省の令和5年度マンション総合調査によれば、修繕積立金の残高が不足していないと回答したマンションは約40%で、半数も満たない状況です。

 

修繕積立金の残高が不足した状態で大規模修繕を予定している場合、修繕積立金の値上がりや一時金の拠出など経済的な負担が増えます。

 

建て替え予定の有無

マンションを購入する際は、建て替え予定がないかどうか確認することをおすすめします。
マンションの建て替えは築40年〜50年くらいにおこなわれることが多いです。

 

建て替えを進めるためには、他の区分所有者の合意を得なければなりません。さまざまな意見を持つ人たちの合意を得るのはハードルが高いです。大きな手間と時間がかかることが予想されます。

 

さらにマンション建て替えの費用は、区分所有者が負担するのが一般的です。自己負担額の目安は1戸あたり1,000万円〜3,000万円程度かかります。もし建て替えをするとなれば、高額な出費が発生します。負担できない場合は、売却を検討する必要があるでしょう。

 

まとめ

固定資産税とは建物を所有する人に請求される税金です。築30年の中古マンションも、土地と建物それぞれに固定資産税がかかります。

 

土地の固定資産税は土地の固定資産評価額によって決定し、マンションの場合は住宅用地特例で軽減を受けることが可能です。建物の固定資産税は築年数や再建築価格によって決まり、特定の改修工事を実施すると税額が減る特例措置があります。

 

築30年のマンションは、経年劣化や見た目の印象などが影響して売れにくくなる可能性があります。管理状況や管理組合の収支状況によっても、マンションの良し悪しがわかるため購入前に確認しておくと安心です。

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駅近マンションなのに売れない理由とは?資産価値ない?売却方法など紹介

駅近マンションなのに売れない理由とは?資産価値ない?売却方法など紹介
 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

駅近マンションは交通アクセスに優れているため、高いニーズが見込まれ資産価値が下がりにくい物件です。しかし何かしらの問題を抱えているために、思いのほか売れないというケースも少なくありません。

 

この記事では売れない駅近マンションが抱える問題とスムーズに売却するための方法を紹介します。需要があると聞いて売り出したものの、なかなか成約に結びつかないと悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

そもそも駅近マンションは売れる?売れない?

そもそも駅近マンションは売れる?売れない?
一般的に駅近マンションはニーズがあり、売却しやすいです。駅近という表現に明確な定義はありませんが、駅から徒歩10分圏内の場所にあるマンションを指すことが多いです。一方で徒歩5分圏内を駅近ととらえる人もいて、人によって考え方が分かれます。

 

駅から近い立地は利便性が高く、通勤時間の短縮や生活の質向上などさまざまなメリットが期待できます。たとえば通勤時間が短縮されると、早く帰宅して家族との時間を増やすこともできるでしょう。また悪天候のときも外出しやすく、雨に濡れずに済みます。駅周辺は商業施設や商店街が集積していることも多いため、日々のお買い物にも便利です。

 

以上のような理由から、駅近の立地条件は多くの人にとって魅力的に映ります。間取りや設備はリノベーションなどで変えることができますが、立地条件だけは後から変更がききません。そのため、マンションを選ぶときに立地条件を重視する人は多いです。

 

公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会の「2024年住宅居住白書」では、住宅を購入する際に重視するポイントが公開されています。それによると、購入金額(51.3%)、周辺・生活環境がよい(48.2%)に次いで、交通の利便性がよい(37.1%)は3番目に多いポイントです。データからも、交通利便性に優れた駅近の立地はニーズが高いことが伺えます。

 

ニーズの期待できる駅近マンションですが、なかなか成約につながらないケースもあります。売却できないのは何か理由があるはずです。考えられる理由については後ほど詳しく解説します。

 

駅近マンションは人気で資産価値がある・値下がりしにくい

資産価値が低下しにくいというメリットも挙げられます。

 

不動産は築年数が経過すると資産価値が下落していくのが一般的です。公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年07月~09月】」によると、首都圏の中古マンションにおける築年帯別成約価格は以下のとおりとなっています。

 

~築5年 ~築10年 ~築15年 ~築20年 ~築25年 ~築30年 築30年~
成約価格(万円) 8,247 7,073 6,942 5,938 5,370 4,180 2,493

 

これを見れば通常のマンションは築年数が古いほど、売却価格が安くなることが一目瞭然です。しかし駅近マンションは通常のマンションとは異なり、築年数がある程度経過しても売却価格が下落しにくいといわれています。

 

ただし駅からの距離と資産価値の関連性は、都市部と地方で異なります。都市部においては、駅からの距離と資産価値の関連性が高いです。都市部は自家用車を持たず電車で移動する人が多く、駅から遠いところに住むと不便になるためです。反対に地方では車での移動が中心になります。駅からの距離が遠くても都市部ほど資産価値におよぼす影響は少ないでしょう。

 

駅近の土地は限られており、売りに出すとすぐに売れてしまうことが多いです。欲しいと思っても手に入れるのが難しいことから、希少性の高さが資産価値に反映されていると考えられます。

 

駅近マンションなのに売れない理由とは?

駅近マンションなのに売れない理由とは?
ニーズが高いはずの駅近マンションですが、売り出してもなかなか売却できない場合は以下の問題を抱えていないか確認してみてください。

 

  • 高い値段で売り出している
  • 低層階である
  • 日当たりが悪い
  • 治安が悪い
  • セキュリティに問題がある
  • 競合マンションが近くにある
  • 騒音問題がある(うるさい)
  • 外観や内装に問題がある
  • 駐車場がない
  • 不動産会社に問題がある

 

高い値段で売り出している

どんなに魅力的な条件を備えていても、相場より高い割高な物件には買い手が集まりにくくなります。

 

「できるだけ安く買いたい」というのが買い手の心理であり、相場がどのくらいか調べていることが多いです。そのため、相場よりも高い値段を付けると多くの購入希望者は「割高な物件だ」と感じるでしょう。他のマンションが相場に近い金額で同時に売り出されていれば、そちらに流れてしまいます。

 

機会損失を防ぐために、相場とかけ離れた高い値段を付けることは避けたほうが良いです。不動産情報ライブラリやレインズマーケットインフォメーションを活用すれば、不動産の取引価格や地価公示を調べられます。また不動産ポータルサイトを活用して、現在近隣で売り出し中の競合物件の価格を調べることも大切です。

 

低層階である

低層階は高層階に比べると需要が低いです。一般的なマンションであれば、低層階は1~3階のことを指します。

 

たとえば低層階の場合、眺望の良さはあまり期待できません。広大な景色や夜景は、高層階でしか味わえない特権といえます。また低層階は道路との距離が近いため、プライバシーの確保が難しいです。通行人の視線が気になってしまい、落ち着かないと感じる人もいます。

 

このような難点があるため、低層階は高層階よりも売れにくく、売れても価格が安くなることが多いです。

 

しかし低層階ならではのメリットもあります。たとえば階段を使って地上との行き来が自由にできる点がメリットです。エレベーターが混雑する時間帯も、気軽に外出できるでしょう。このように低層階でしか得られないメリットを買い手に説明することも重要です。

 

日当たりが悪い

日当たりの悪さも、物件の売れやすさに影響するポイントです。周辺に背の高い建物があったり隣の建物との距離が近かったりすると、部屋に影ができてしまいます。

 

1日中日が差し込まない部屋では、ずっと照明を付けておかなければなりません。日光が不足すると、気分が落ち込んだりストレスが増えたりする可能性もあります。

 

また湿気がたまりやすくなるため、カビの繁殖にも気を付けなければなりません。壁紙や床など内装にカビが生えると、建物の躯体まで広がる恐れがあります。また、アレルギーなどの健康被害も懸念されます。  

 

また直射日光が当たらない影響で、冬は室内が冷えやすいです。暖房をフル稼働すれば、当然電気代は高くなるでしょう。このように日当たりが悪い部屋は多くのデメリットがあることから、売りに出しても敬遠される傾向があります。

 

治安が悪い

治安が悪いエリアにある物件は、売れにくいです。万が一事件に巻き込まれてしまうと、生命が脅かされる危険性があります。そのため多くの人々は治安面に注意してマンションを選びます。

 

たとえば繁華街に隣接している場所は、治安が悪いというイメージを抱かれる可能性があります。実際に深夜も騒々しかったり、酔っ払いにからまれたりするリスクが懸念されます。駅近の立地は便利ですが、繁華街の近くにあることが多いため注意が必要です。

 

街灯が少ないエリアも、治安面でマイナスイメージを抱かれやすいです。暗闇で人目が行きわたらなくなり、犯罪が発生しやすい場所になるからです。そのようなエリアでは、夜帰宅する際に一人で歩くのは不安が残ります。

 

治安を優先条件として物件選びをする人は少なくありません。特に小さな子どもを育てているファミリーや女性の一人暮らしでは、治安の良さを重視する傾向があります。

 

セキュリティに問題がある

セキュリティ対策が不十分な物件も、売却活動に苦戦する可能性が高いです。近年は首都圏で闇バイトを通じた強盗事件の発生が相次いでいます。犯行の手口が巧妙化・凶悪化していることから、警戒感を強めている人が多いです。

 

代表的なセキュリティ設備として挙げられるのが、オートロックです。エントランスの扉が自動施錠されることで、不審者の侵入を防いでくれます。オートロックの普及率は東京都23区では約8割で、ほとんどのマンションで設置されている状況です。そのためオートロックが付いていないマンションは、駅近であってもなかなか売れない可能性があります。

 

オートロック以外のセキュリティ設備も充実している新築マンションも増えています。これらのマンションと比べると、築古でセキュリティ対策がとられていないマンションは見劣りしてしまう可能性が高いです。

 

競合マンションが近くにある

近くで他のマンションが売り出されている場合は、売却に時間がかかることがあります。競合マンションがあると、買主はさまざまな面で両物件を比較するためです。

 

両物件が全く同じ価格で、競合物件は高層階、こちらの物件は低層階である場合、競合物件のほうに買い手が集まりやすくなります。このように競合物件のほうが条件が良いと、こちらの物件の売却が不利になることが多いです。

 

そのためマンションを売却する際は、現在売り出し中の競合物件の情報を調べることが欠かせません。競合物件の売り出し価格は、不動産ポータルサイトで簡単に確認できます。

 

騒音問題がある(うるさい)

騒音問題が原因で売れにくくなることもあります。騒音がひどいと睡眠妨害や聴力障害など健康被害が引き起こされます。たとえ騒音レベルが高くない場合でも、音に敏感な人は精神的なストレスを受けることも少なくありません。

 

駅近のマンションは、繁華街が近く賑やかなエリアに立地していることがあります。さらに幹線道路や高速道路の近くにあると、車やバイクの音が気になるでしょう。線路が近いと踏切の音、警察署や消防車が近いとサイレンの音が大きく聞こえます。

 

マンションの構造や仕様によっても、騒音の感じやすさは異なります。壁が薄かったり、窓に隙間があったりすると、外の音が伝わりやすいです。

 

逆にしっかりと防音対策が施されていれば、賑やかな立地でも騒音に悩まされずに済みます。たとえば壁の厚みや吸音材、窓の遮音性能などはぜひ伝えたいアピールポイントです。

 

外観や内装に問題がある

駅近マンションでも外観や内装に問題があると、買い手からの印象が悪いです。特に築年数が古いマンションは、適切にメンテナンスされていないと外観や内装が古びて見えることがあります。

 

設備の故障や不具合も、買い手の購買意欲を低下させる要因です。たとえば配管が詰まっていたり給湯器が故障していたりすると、生活に大きな支障が出ます。メンテナンスには多額の費用が必要になるため、金銭面でも痛手です。

 

外観や内装の問題をカバーできるくらいのアピールポイントがあれば、売却につながる可能性はあります。駅近で立地が良いことなどを積極的にアピールしましょう。それでも反響がない場合は値下げをする必要が出てきます。

 

駐車場がない

駐車場なしのマンションは、売却が困難になることが多いです。一般社団法人 日本自動車工業会の「2023年度乗用車市場動向調査」によると乗用車世帯保有率は77.6%となっており、多くの世帯が自家用車を保有していることがわかります。

 

ただし駐車場の有無が売却におよぼす影響は、都市部と地方で差があります。地方では自家用車の所有率が高いため、駐車場がないことが致命的な問題になり得るでしょう。一方で都市部では公共交通機関が発達しており、駐車場がなくてもあまり大きな問題にはなりません。

 

駐車場なしのマンションでも、工夫をすればスムーズに売却することが可能です。駅近マンションの場合は交通アクセスの良さを伝えることで、駐車場がないデメリットを補える可能性があります。「通勤・通学しやすい」「買い物施設が徒歩圏内にある」など、車を持たなくても快適に暮らせることをアピールしましょう。

 

不動産会社に問題がある

上記のどの理由にも当てはまらない場合は、不動産会社の売り方が悪い可能性があります。具体的には、売却活動が不十分であるケースや物件を適切にアピールできていないケースなどが考えられます。どんなに良い物件も、広告などでしっかりと売却情報が周知されなければ買い手が集まりません。

 

また広告にはさまざまな方法があります。たとえば不動産ポータルサイトは多くの人に見てもらいやすい媒体です。ポスティングはエリアを絞って効果的に周知することができます。売却物件の特徴を理解して、最適な方法を提案してくれる不動産会社を選びましょう。

 

売却活動中は不動産会社に進捗報告をしてもらい、疑問点があれば確認することも大切です。もし不動産会社のやり方に違和感を覚える場合は、他の不動産会社へ切り替えることをおすすめします。

 

売れやすい駅近マンションの特徴とは?

売れやすい駅近マンションの特徴とは?
以下の特徴を持つマンションは需要が高く、売れやすい傾向があります。

 

  • 人気のエリア
  • 間取り
  • 設備が充実

 

人気のエリア

人気のエリアに立地する駅近マンションは、多くの人々が購入したいと思っています。そのため売りに出せば、すぐに買い手がつく可能性が高いです。

 

人気エリアの特徴として、複数の路線に接続しているターミナル駅から近いことが挙げられます。多方面にアクセスしやすいため、通勤やレジャーなど出かけるときのストレスが少ないです。

 

生活利便性が高いことも人気エリアの条件になります。近くに何でも揃う商業施設や優れた進学実績を誇る学校があるエリアの物件は多くの人が探しているため、売却しやすくなるでしょう。

 

人気エリアの物件は街のブランド力があり、資産価値が下落しにくい傾向があります。将来売却を考えたときに、マンションの築年数が経過しても高値売却が狙えるのは魅力的なポイントです。

 

間取り

だれでも使いやすい間取りの物件は人気があります。たとえば面積は60㎡前後あると、一人暮らしからファミリーまで幅広いターゲットの需要が見込めます。

 

また南向きや角部屋、最上階の部屋は不動の人気です。南向きは日照時間が長く、明るい環境で生活できます。角部屋はプライバシーの確保、最上階の部屋は美しい眺望などそれぞれメリットがあります。

 

近年はルーフバルコニーやアイランドキッチンがある間取りも人気です。ルーフバルコニーは開放感があり、洗濯物干し場や子どもの遊び場など多様な用途で活躍します。アイランドキッチンはすっきりとしたデザインで、家族と会話しながら料理できるのが魅力です。

 

一方でこだわりのある個性的な間取りは、売却でマイナスポイントになる可能性があります。リビングが広い、デッドスペースが少ないなど、万人受けする間取りのほうが売れやすいでしょう。

 

設備が充実

設備の充実度によって、物件の売れやすさは変わります。便利な設備が揃っていると、家事の効率化や生活の質向上が期待できるためです。たとえば食器洗い乾燥機や、お風呂の追い焚き機能などの設備が付いている物件は人気があります。

 

マンションの共用設備についても、多くの人が関心を持っています。たとえばゲストルームやフィットネスジムといった共用設備があるマンションは人気です。EC取引が普及してきた昨今では、不在時に荷物を配達してもらえる宅配ボックスもアピールポイントになるでしょう。

 

駅近マンションなのに売れないときの対処法

売れない時の対処法
駅近マンションなのに売れないときは、どのような方法で対処すれば良いのでしょうか。具体的な対処法としては、以下が挙げられます。

 

  • 値段を見直す
  • ハウスクリーニングする
  • 売却を時期を見直す
  • 内覧の対応を見直す
  • 不動産会社を変えてみる

 

それぞれの対処法について、詳しく見ていきましょう。

 

値段を見直す

相場より高い値段を付けている場合は、値段を見直すことで売れる可能性が高まります。値段を見直す際は、周辺相場を参考にするのがおすすめです。

 

周辺相場を自分で確認する方法は主に3つあります。

 

  • レインズマーケットインフォメーション
  • 不動産情報ライブラリ
  • 不動産ポータルサイト

 

レインズマーケットインフォメーションは、国土交通省から指定を受けた不動産流通機構(REINS)が運営する不動産情報サイトです。最寄り駅や駅からの距離など詳細条件を絞り込んで、類似物件の成約情報を検索できます。

 

不動産情報ライブラリは国土交通省が提供している不動産情報サイトです。過去の成約情報を調べられるほか、地価公示など公的な価格も確認できます。なお成約価格についてはレインズマーケットインフォメーションと同じ情報です。

 

不動産ポータルサイトは、大手不動産会社などが提供している不動産情報サイトです。現在売り出し中の物件を検索できます。競合物件のリサーチをするのに最適なツールです。図面や写真なども掲載されていることがあり、物件の詳しい情報を知ることができます。

 

ハウスクリーニングする

ハウスクリーニングをするだけで物件の見栄えが良くなり、売れやすくなることもあります。買い手が購入したいと思えるかどうかは、内見時の第一印象で決まることが多いためです。

 

ハウスクリーニングを利用すると、専門業者に部屋の清掃をお願いできます。いつもの掃除だけでは取り切れない汚れも、プロの技術で綺麗になります。

 

部屋全体を掃除してもらえるメニューや水回りなど汚れの目立つ箇所をスポット的に依頼できるメニューなど、さまざまです。費用相場は会社によって異なりますが、10万円以下でお願いできることが多いです。

 

内見の申し込みはたくさん来るのに、なかなか成約に結びつかない場合は物件の見栄えが悪い可能性があります。その場合は、ハウスクリーニングをすることで良い効果を得られるでしょう。ただし築古物件はハウスクリーニングをしても代わり映えしない場合があります。不動産会社と相談しながら、効果的な方法を選択してください。

 

売却する時期を見直す

需要が増える時期に物件を売り出すという方法も有効です。マンションは季節によって需要が変化します。そのため売れやすい時期を見極めてスケジュールを立てることが大切です。

 

マンションの場合、多くの需要が見込まれるのは2月〜3月頃です。この時期は新生活が始まり、引っ越しを検討する人が増えます。2〜3月に成約を目指すのであれば、売却活動の期間も加味して12月〜1月頃には売り出したほうが良いでしょう。反対に1月と8月は閑散期といわれているため、あまり需要がありません。

 

内覧の対応を見直す

内覧時のアピール方法を見直すことで、成約につながりやすくなります。駅近マンションなのに売れない場合、買主へのアピールが足りていない可能性があるためです。

 

駅近の立地は確かに魅力的なポイントですが、他のアピールポイントもしっかりと伝えましょう。保育園や公園が近く子育てしやすい、安いスーパーマーケットがあって便利など、居住者ならではの情報を伝えると効果的です。

 

不動産会社を変えてみる

不動産会社の対応に疑問がある場合は、信頼できる会社に変えるのも一つの手です。駅近マンションであっても、不動産会社の対応に問題があるとなかなか売れません。不動産会社の担当者が物件の特徴を理解し、最適な販売戦略をとることが大切です。

 

売却の途中で不動産会社を変更することは、基本的には可能です。ただし変更が難しいケースもあります。売却を依頼する際不動産会社と媒介契約を結びますが、その契約期間内に業者を変更する場合は正当な解約理由が必要です。期間内の解約はトラブルが発生することもあるため、あまりおすすめできません。

 

まとめ

駅近マンションは人気があり、資産価値が落ちにくい傾向があります。しかし何らかの理由によって駅近マンションなのに売れないというケースは少なくありません。

考えられる理由は値段や間取りなどさまざまです。理由に応じて適切な対策をとれば、成約につながりやすくなります。

もしマンション自体にデメリットがない場合、不動産会社の対応に問題がないかも確認しましょう。もし問題がある場合は、信頼できる不動産会社に乗り換えるのも手です。

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引っ越したいのに家が売れない理由とは?売れない家の特徴や不動産売却を紹介

売れない家の特徴や不動産売却を紹介

 

住んでいた家を売却して、新居へ引っ越すことを「住み替え」といいます。住み替えは、旧居が売却できてから新居へ引っ越す方法が一般的です。そのため、家が売却できなければ引っ越しもスムーズにいきません。実際に、「引っ越したいのに家が売れない」と困っている人が多いのも実情です。そこで今回は、家が売れない理由や売れない家の特徴について解説します。また、家が売れないときの具体的な対処法についてもお伝えしますので、家が売れなくて悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

家が売れる平均日数はどれぐらい?

家が売れる平均日数はどれぐらい?
公益財団法人東日本不動産流通機構の調査によると、首都圏では家が売却できるまでに以下の日数がかかると報告しています。

 

成約に至るまでの平均日数
中古戸建て 81.2日
中古マンション 71.4日

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」

 

これは、あくまでも首都圏のデータです。売れるまでの日数は、地域や物件の状況によって大きく変動するため、2、3ヶ月経っても売れないからといって焦る必要はありません。また、戸建てに比べてマンションの方が売れやすい傾向にあります。

 

これは、マンションの耐用年数が長さや、利便性の良さなどが影響しています。家が売れるまでの平均期間は一般的に3~6ヶ月程度と言われています。したがって、6ヶ月を過ぎてもなかなか動きがなければ対策を検討しましょう。

 

引っ越したいのに家が売れない理由とは?売れない家の特徴など

売れない家の特徴など
家がなかなか売れないのには、何らかの理由があると考えられます。売れない家の特徴についてまとめたので、ご自身の状況と照らし合わせながら確認していきましょう。

 

  • 売出価格が高い
  • 立地条件が悪い
  • 外観や内観の見た目が悪い
  • 間取りの使い勝手が悪い
  • 築年数が古い
  • 駐車場がない、または狭い
  • 販売時期が悪い
  • 不動産会社が売却に力を入れていない

 

当てはまるものはありましたか?具体的な内容について項目ごとに解説します。

 

売出価格が高い

まず、最初に考えられるのは「売出価格が高い」ということです。売出価格は、売主が自由に決めることができます。ただし、「できるだけ高く売りたい」という理由だけで相場よりも売出価格を高くを設定するのは要注意。不動産売買では、販売価格が非常に重要であるため、安易に価格設定をすると売り逃しにつながります。

 

また、価格が相場より高いと検討候補から外されやすく、購入希望者が興味を持つ機会を減らしてしまいます。一方で安すぎる物件も疑念を抱かせたり、住宅の品質を疑われたりする可能性があります。売出価格を決めるときは、近辺の類似物件と比較しながら適正価格で売出すことを意識しましょう。

 

立地条件が悪い

立地条件は、通勤・通学や日常生活の移動に大きく影響するため、家を選ぶうえで非常に重要な要素の一つです。駅やバス停まで遠い、交通の便が悪いなど、アクセスが不便な立地は、購入を検討するうえでマイナスポイントになります。したがって、立地条件が悪い家は売れにくいと言えます。

 

一方、不動産は、地域のイメージや治安の良さなども影響します。立地条件が悪くても、閑静な住宅街や歴史のある地域(鎌倉、浅草、京都など)である場合は好まれる傾向にあります。

 

外観や内観の見た目が悪い

家は見た目も重要で、外観の劣化が激しい、雑草が生い茂っている、水回りが汚い、クロスが黄ばんでいるなど、見た目が悪いと思うように売却は進みません。売主にとっては「古家」かもしれませんが、購入希望者にとっては「新居」です。そのため、なるべくキレイで生活感が少ない方が、興味を持ってもらいやすいでしょう。

 

また、実際はそれほど汚れていなくても、写真で見ると印象があまりよくないこともあります。近年は、インターネットで物件探しをすることが主流であるため、物件写真は反響に大きく関わります。現在家を売出し中であれば、自宅がどのようにインターネット上で公開されているのか確認してみましょう。

 

間取りの使い勝手が悪い

購入希望者の需要に合わない間取りは、売れにくい傾向にあります。たとえば、2LDKの間取りは、単身者には部屋が多すぎてしまい、反対に4人以上のファミリー世帯には部屋が少なすぎてしまいます。したがって、ターゲットは2人暮らし、または3人家族に限定されます。間取りの使い勝手に関しては個人差もありますが、特殊な間取りや使い勝手が悪い間取りは売れにくいと言えるでしょう。

 

築年数が古い

築年数が古いことも売れない理由として挙げられます。戸建て住宅は、築10年を経過すると価値が下がると言われています。さらに、築25年を超えると売却の成約率はどんどん低下していきます。家を解体して更地にするという方法もありますが、古屋を解体するには数十万円~数百万円の解体費用が発生します。

 

買主にとっては経済的な負担が増えるため、マイナスポイントになるでしょう。このような理由から、築年数が古い家は売却がしにくく、空き家問題が深刻化する一つの要因とも考えられています。

駐車場が無い・または狭い

首都圏では、3階建ての狭小住宅も珍しくないため、駐車場がない家や駐車場があっても軽自動車1台分ほどのスペースしかない家も頻繁に見られます。しかし、地域や立地によっては車が無いと生活できないエリアも数多くあります。特に、地方では公共交通機関が整備されていない場所も多く、車がないとそのような地域では、駐車場がない、また駐車場が狭い家は売れにくいでしょう。

 

販売時期が悪い

早期売却を目指すためには、家を販売する時期にも気を付けなければなりません。不動産の繁忙期は、一般的に1月下旬から3月頃と言われています。これは、新年度や新学期に合わせて家探しを始める人が多いためです。一方、4月以降は購入者の動きも落ち着いてきます。次に忙しいのは、9月、10月の秋頃です。この時期は、人事異動を行う会社が多いためそれに伴う転居が増えます。

 

これらを踏まえると4月頃に売出した物件は、タイミングが悪く売れていない可能性もあります。販売時期が悪かったと心当たりがあれば、焦って価格を下げずに一度繁忙期を待ってから判断すると良いでしょう。

 

不動産会社が売却に力を入れていない

売出価格も適正であり、見た目も問題ない、にも関わらず家が売れないのは、不動産会社に以下のような原因があるかもしれません。

 

  • 宣伝活動が不十分である
  • 販売戦略を立てていない
  • 囲い込みをしている

 

では、それぞれの内容について解説します。

 

宣伝活動が不十分である

売却を成功させるためには、家をアピールする魅力的な広告文や、熱心な宣伝活動が必要不可欠といえます。広告の例えで言うと、「駅徒歩10分以内」「◯畳の広々リビング」「ペット飼育可」「南向きで陽当り良好」など、物件の特徴がわかりやすいキャッチコピーが効果的です。また、不動産会社の担当者が他社へ営業したり、チラシをポスティングしたり、熱心な宣伝活動も必要です。

 

販売戦略を立てていない

不動産会社に売却依頼をするときは、媒介契約を締結します。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、それぞれの特徴は下表の通りです。

 

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約可能な不動産会社数
(1社のみ)

(1社のみ)
自己発見取引
契約期間 なし 3カ月 3カ月
レインズ登録義務 なし 7日以内 5日以内
業務の報告義務 なし 2週間に1回 1週間に1回

 

媒介契約の種類によって不動産会社の対応が異なる場合があります。特に、「一般媒介契約」は、売主が複数の不動産会社へ売却を依頼することができるため、熱心な販売活動が行われないこともあります。不動産会社から、具体的な販売戦略が提案されていない、定期的な状況報告がない、半年以上経っても動きがない場合は、不動産会社を変えるか媒介契約の種類を変更するのも有効な方法です。

 

囲い込みをしている

囲い込みが疑われる場合、売主は大きな不利益を被るため注意が必要です。囲い込みとは、不動産会社が売主と買主から仲介手数料を得るために、物件情報を市場に公開しない行為のこと。つまり、他の不動産会社はその物件が売り出されていることがわからず、購入希望者に紹介することができません。

 
その結果「家が売れない」という状況に陥ります。囲い込みは売主にとっては損しかありません。怪しいと感じたら、不動産会社に「登録用証明書」を発行してもらい、不動産流通システムに情報掲載しているか確認しましょう。

 

引っ越したいのに家が売れないときの対処法

引っ越したいのに家が売れないときの対処法
ここまで売れない家の特徴についてお伝えしましたが、当てはまるものがあったとしても諦める必要はありません。引っ越したいのに家が売れなくて困っている方は、以下の方法を取り入れてみてください。

 

  • 売出価格を安くする
  • 売却の時期を変える
  • ハウスクリーニングする
  • 広告を見直す
  • ホームインスペクションを活用する
  • 不動産会社を変える
  • 不動産買取業者に売る

 

項目ごとに具体的な内容について解説します。

 

売出価格を安くする

「問い合わせが少ない」「内覧希望者が来ない」という状況が続く場合、相場より売出価格が高い可能性があります。まずは、以下の方法で物件の相場を確かめてみましょう。

 

  • 同じエリアの類似物件と比較する
  • 類似物件の成約価格を確認する
  • 最初にもらった査定額を改めて確認する

 

これらの確認を経て、売出価格が相場より高い場合や、物件の条件が需要に見合っていない場合は、売出価格を下げましょう。ただし、一度価格を下げてしまうと、変更前の価格に戻すことは原則できません。したがって、売出価格を下げるときは不動産会社とよく相談したうえで判断しましょう。

 

売却の時期を変える

先にお伝えしたように、不動産には売れやすい時期があります。売却を急いでいない方は、売却時期を見直してみるのもおすすめです。1年の中で最も不動産が売れやすくなるのは、2月~3月です。4月から新生活に合わせて引っ越しを検討する人も多いため、この時期に間に合うよう売り出すと売れやすくなります。

 

ハウスクリーニングする

物件の印象をよくするためには、ハウスクリーニングがおすすめです。特に汚れが目立ちやすい、キッチン、トイレ、浴室などの水回りは、プロに依頼することで新築のような仕上がりになります。生活感が強く出過ぎている物件は売れにくい傾向にあるため、ハウスクリーニングを利用して清潔感をアピールしましょう。

 

広告を見直す

内覧希望者が少ないときは、広告内容に問題があるかもしれません。たとえば、物件の情報が不足している、写真写りが悪い、物件の魅力が伝わらないなどが考えられます。広告を出すときはターゲット層を明確にして、興味を持ってもらえるような内容を記載することが大切です。まずは、物件がどのように掲載されているか見てみましょう。そこで上記に該当するようであれば、広告の見直しを検討しましょう。

 

ホームインスペクションを活用する

ホームインスペクションとは、簡単に言うと中古住宅の住宅検査のことです。建築士やホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から住宅に欠陥がないか診断します。自宅の売り出し前にホームインスペクションを実施することで、建物のコンディションを把握し、安心して取引を行うことができます。

 

また、「あとどれくらい住めるのか」「いつごろ、どこに不具合が出るのか」など、詳しい状況を把握することができるため、購入希望者に安心感を与える効果も期待できます。

 

不動産会社を変える

不動産会社に問題があると思ったときは、思い切って不動産会社を変えましょう。実は、不動産会社にも得手不得手があり、売却が得意な不動産会社ばかりではありません。そのため、不動産会社の実績や事例から得意分野を調べて、売却が得意な不動産会社に依頼することで売れやすくなる可能性があります。

 

不動産買取業者に売る

不動産の売却方法は、「仲介」と「買取」があります。一般的な売却方法は「仲介」で、不動産会社に購入希望者を探してもらう方法です。一方、「買取」は不動産会社に直接買い取ってもらう売却方法です。仲介に比べて、買取価格が安くなるというデメリットがありますが、査定額が付けば必ず買い取ってもらうことができます。そのため、売却にあまり時間をかけたくない方や、まとまった現金が必要な方には「買取」がおすすめです。

 

引っ越したいのに家が売れない場合!どうなる?

引っ越したいのに家が売れない場合!どうなる?
引っ越したいのに家が売れないと「どうなるの?」と焦ってしまう方もいるかもしれません。しかし、むやみに不安にならず、まずは家が売れないときのリスクを考えてみましょう。

 

  • 金銭的な問題(新居の購入費など)
  • 住宅ローンの審査が通らない
  • 固定資産税の問題
  • ローンと家賃の二重払い問題
  • 家の管理費用など

 

これらのリスクを考慮しながら、今後の販売戦略を立てることが大切です。それでは、項目ごとに具体的な内容を見ていきましょう。

 

資金的な問題(新居の購入費など)

住み替えをする人の多くは、旧居を売却して得た資金で新居を購入します。これを「売り先行」といいます。しかし、思うように家が売却できなければ、新居を購入することができません。また、引っ越しの遅れにもつながるため、子どもの入学や急な転勤など、調整できない予定がある場合は注意が必要です。

 

住宅ローンの審査が通らない

旧居が売れなくても、ダブルローンを組めるくらい資金に余裕があれば問題ありません。ただし、旧居の住宅ローンが残っていると、新居の住宅ローン審査に影響が出る可能性があります。ダブルローンは、年収に占める年間返済額の割合である返済比率が高いため、審査が厳しく、金利が高いという特徴があります。

 

そのため、住宅ローンの審査に通らない人も少なくありません。ダブルローンを組む余裕がない場合は、なるべく早く売却できるよう戦略を立て直しましょう。

 

固定資産税の問題

旧居が売却できないまま新居を購入した場合、固定資産税の支払いが2件分になる可能性があります。固定資産税は、その年の1月1日時点で所有している不動産に対してかかります。したがって、旧居を所有している同年に新居を購入すると、固定資産税を2件分支払う必要があるため注意しましょう。

 

ローンと家賃の二重払い問題

家の売却がスムーズにいかないことで、賃貸物件へ引っ越さなくてはならないケースもあります。そうすると、住宅ローンと家賃の二重払いが発生するため家計への大きな負担となるでしょう。どうしても賃貸へ引っ越しが必要な時は、無計画での引っ越しは避け、目安を定めておくことが大切です。たとえば、「半年間売れなければ売出価格を下げる」、「3か月経ったら不動産買取を依頼する」などを検討しましょう。

 

家の管理費用など

住みながらの売却は、購入希望者の内覧対応をしなくてはなりません。購入希望者に好感を持ってもらうには、小まめに掃除をしたり、いらないものは処分したり、なるべく生活感を出さない工夫が必要です。しかし、小さなお子さんがいるご家庭は、日々家をキレイに保つだけでも大変でしょう。売れない期間が長ければ、その分、家を管理する手間が長引くため負担になりかねません。

 

また、住宅設備や瑕疵に関しても点検しておく必要があります。たとえば、雨漏れやひび割れの点検、シロアリ駆除、換気などが挙げられます。これらは手間だけでなく、コストがかかる可能性もあるためリスクは大きいと言えます。

 

引っ越したいのに家が売れない場合!注意点

引っ越したいのに家が売れない場合!注意点
家が売れないからといって、必ずしも行動に出る必要はありません。焦って行動したことが逆効果になる可能性もあります。特に、「空き家にする」、「リフォームする」、「解体する」これらの行動は要注意です。なぜ注意すべきなのか、それぞれの内容について解説します。

 

空き家にしない

家が売れないからといって、空き家状態にして放置するのだけは避けましょう。空き家を放置すると老朽化が進行する、損害賠償請求される恐れがある、など様々なリスクがあります。また、管理を怠り「特定空き家」に指定されれば、土地の固定資産税が増額されたり、強制的に解体されたりする可能性もあります。

 

そうなると、所有者は金銭的にも、体力的にも負担が増してしまいます。したがって、できる限り空き家にはせず、家の管理は怠らないようにしましょう。

 

リフォームしなくてもよい

「リフォームすれば買い手が見つかる」と考える人も多いですが、リフォームしたからといってすぐに売れるわけではありません。売主はよかれと思ってリフォームしても、近年は、古家を購入して自分好みにDIYしたいという人も増えています。購入者にはそれぞれの好みがあるため、必ずしもリフォームが売却につながるとは言えません。

 

また、リフォームするためには費用がかかります。リフォームしても売れなければ工事費用が無駄になったり、新居の購入費用が足りなくなったりする可能性もあります。したがって、売主判断でリフォームすることは避け、まずは売却を依頼している不動産会社に相談してみると良いでしょう。

 

解体しなくてもよい

建物が老朽化している場合、「解体して土地として売り出せば売却できるのではないか」と考える方もいるでしょう。しかし、空き家を解体したところで、土地に魅力がなければ売却できる見込みは薄いです。しかも、土地が売れ残れば、数百万円かかる解体費用が赤字になってしまうこともあるのです。

 

また、家を解体すると「住宅用地特例」という減税制度が利用できなくなるため、固定資産税が増額する可能性があります。したがって、売れないからといって安易に解体するのはおすすめできません。

 

まとめ

家がなかなか売れない場合、売出価格が高い、立地条件が悪い、建物が老朽化している、広告宣伝が不十分など、様々な原因が考えられます。記事の中でもお伝えしましたが、家が売れるまでの期間は一般的に3ヶ月~6ヶ月と言われています。ただし、これは物件の状況によって大きく変わるため、あくまでも参考程度に考えておきましょう。

 

また、売れない家の特徴についても解説しましたが、当てはまるものが多かったからといって焦る必要はありません。売却戦略を立て直したり、記事の中で紹介した対処法を実践してみたり、まずはコストをかけずに変えられることを試してみましょう。

 

「これ以上売却に時間をかけられない」、「すぐに現金が必要」という方は、不動産会社へ買取依頼するのも有効です。不動産買取であれば、なかなか買い手がつかない老朽化した物件でも買い取ってもらえる可能性があります。家が売れないからといって空き家にしたり、リフォームしたり、解体するのは避け、ご自身やご家族の状況に合った売却方法を検討しましょう。

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住宅ローンあるけど引っ越したい!持ち家が返済中のときの対処法

持ち家が返済中のときの対処法

 

人生は思いがけないことが起こるものです。会社都合の転勤や予期せぬ離婚など、ライフタイルの変化によって引っ越しを余儀なくされることもあるでしょう。そのため、「住宅ローンが残っているけど、引っ越しできる?」と不安に感じる方も少なくありません。では、実際に住宅ローンが残ったままでも、引っ越すことはできるのでしょうか。結論からお伝えすると、引っ越しは可能です。

 

ただし、引っ越しする際にはいくつか注意点があります。そこで今回の記事では、住宅ローンがあるけど引っ越す方法や注意点について具体的に解説します。ぜひ今後の参考にお役立てください。

 

住宅ローンあるけど引っ越したいあなたへ!基本的な考え方

住宅ローンあるけど引っ越したいあなたへ!基本的な考え方
住宅ローンが残っている状態で引っ越しをする場合、次に紹介する「基本的な考え方」を理解しておくことが大切です。

 

  • 住宅ローンが残っている物件は売却できない
  • 住宅ローンが残っている物件は貸し出しできない

 

では、具体的な内容について見ていきましょう。

 

住宅ローンがある物件は売却できない

住宅ローンのある物件は、基本的に売却することができません。なぜなら、住宅ローンを組んで家を購入すると、金融機関は不動産に対して「抵当権」を設定するからです。抵当権とは、住宅ローンを滞納したときに担保として不動産を差し押さえることができる権利のこと。

 

つまり、抵当権が設定されている家は、家を差し押さえられるリスクがあるのです。抵当権が設定されている家を「購入したい」と考える人はほとんどいません。そのため、住宅ローンがある物件を売却する場合は、まず抵当権を抹消する必要があるのです。

 

住宅ローンが残っている物件は貸し出しできない

住宅ローンのある物件は、原則、第三者へ貸し出しすることはできません。なぜなら、住宅ローンの本来の目的は、マイホームとして居住するための不動産に対して行う融資だからです。さらに住宅ローンを借りるときは、金融機関と金銭消費貸借契約を交わしますが、以下のような条件が含まれています。

 

  • 住宅ローンは契約者本人または家族が居住すること
  • 資金用途はマイホームの購入資金であること

 

つまり、他者への貸し出しは契約違反になるのです。万が一賃貸に出している事実が発覚すれば、金融機関から指導を受ける場合があります。さらに指導に従わない場合は、住宅ローンの一括返済を求められる可能性があるため注意しましょう。

 

住宅ローンがあるけど引っ越しが可能な場合もある

住宅ローンがあるけど引っ越しが可能な場合もある
「売却も貸し出しも出来ないなら引っ越しは諦めよう」と思う方もいるかもしれませんが、まだ諦めないでください。住宅ローンがあっても、以下に該当する場合は引っ越しできる可能性があります。

 

  • 一部の家族だけが引っ越す場合(単身赴任・子どもの就職など)
  • やむを得ない理由がある場合(転勤・介護など)

 

それでは項目ごとに見ていきましょう。

 

一部の家族だけが引っ越す場合

たとえば、単身赴任のため父だけ引っ越す場合や、子どもが進学や就職のために引っ越す場合は問題もなく引っ越しできます。このとき、住宅ローンの契約者が引っ越す場合は、あらかじめ金融機関に説明しておくことが大切です。

 

やむを得ない理由がある場合(転勤・介護など)

住宅ローンのある物件は、原則引っ越しできません。しかし、転勤や介護などやむを得ない理由がある場合は、住宅ローンがあっても引っ越すことができます。その際は、事前に金融機関の承諾が必要です。金融機関から承諾を得られた場合に限り、住宅ローンが残っていても貸し出しや売却が可能となります。また、海外赴任などで一時的に引っ越しする場合も、金融機関へ事前に相談しておきましょう。

 

住宅ローンあるけど引っ越したいあなたへ!!引っ越す方法

引っ越す方法
住宅ローンがある状態で引っ越しする方法は以下の通りです。

 

  • 家を残したまま引っ越す
  • 賃貸物件にして引っ越す
  • 家を売却してから引っ越す

 

では、具体的な内容について解説します。

 

家を残したまま引っ越す

前項でお伝えしたように、一部の家族が引っ越すのであれば問題なく引っ越しできます。また、一時的な転勤や、やむを得ない理由がある場合は、金融機関の承諾を得れば、家族全員で引っ越しすることもできます。ただし、家を長期間空けておくと、空き巣や放火など犯罪のリスクが高くなります。したがって金融機関によっては、一括返済を求められる可能性もあります。

 

賃貸物件にして引っ越す

海外赴任や介護など、一時的な理由で空き家になる場合は、「リロケーション」と呼ばれる一時貸し出しを利用するのも有効な方法です。ただし、リロケーションを利用するためには2つの注意点があります。

 

金融機関の承諾を得る

まず1つ目は、金融機関の承諾を得ること。そもそも住宅ローンには、「購入者が居住すること」いう条件があります。第三者に貸し出すことは本来の融資条件と異なるため、通常であれば住宅ローンは利用できません。したがって、リロケーションを利用するためには金融機関の事前承諾が必要です。

 

住宅ローン減税の適用外になる

2つ目は、住宅ローン減税の適用外になるということ。住宅ローン減税とは、無理のない負担で居住ニーズに応じた住宅を確保することを促進するため、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、年末のローン残高0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。詳しくは、国土交通省「住宅ローン減税制度について」をご確認ください。

 

購入者が居住していないリロケーション期間中は、住宅ローン減税を受けることはできません。ただし、自宅に戻ったときに控除の残存期間があれば、再度住宅ローン減税を受けることができます。また、単身赴任や家の買い替えでは住宅ローン控除が適用されます。住宅ローン控除については、引っ越しをした場合!住宅ローン控除「を受けられないケース」でより詳しく解説します。

 

家を売却してから引っ越す

3つ目は、家を売却してから引っ越す方法です。家が売却できれば、好きなタイミングで自由に引っ越しすることができます。ただし、住宅ローンのある家を売る場合は、「アンダーローン」と「オーバーローン」で対応方法が異なります。

 

アンダーローンの場合

家の売却価格よりも住宅ローンが下回っている状態を「アンダーローン」といいます。たとえば、ローン残債2,000万円の物件が、売却価格2,300万円で売却できたと仮定しましょう。この場合、売却時にローンが一括返済でき、さらに手元には300万円が残るため新居費用に充てることもできます。したがって、住宅ローンのある家では、アンダーローンで引っ越しするのが理想的です。

 

オーバーローンの場合

一方、家の売却価格よりも住宅ローンが上回っている状態を「オーバーローン」といいます。オーバーローンの場合、住宅ローンを完済し抵当権を「抹消」しなければ売却することはできません。たとえば、ローン残債2,000万円、売却価格1,700万円の場合、ローンが300万円残ってしまいます。このとき、自己資金で300万円用意できれば問題ありませんが、用意できない場合は他の方法を検討する必要があります。

 

住宅ローンの一括返済方法について

住宅ローンの一括返済方法について
住宅ローンがある家から引っ越しするためには、住宅ローンを完済できるかどうかが鍵を握ります。ただし、完済できなくても新たな住宅ローンを組むという方法もあります。この章では、住宅ローンを完済するための具体的な4つの方法をご紹介します。

 

  • 家を売却した代金で一括返済
  • 自己資金を補填して返済する
  • 住み替えローンを利用する
  • ダブルローンを検討する

 

ご自身に合った無理のない返済方法を見つけてください。

 

家を売却した代金で一括返済する

先にお伝えしたように、住宅ローンがある家は、家を売却した代金で住宅ローンを一括返済するのが原則です。アンダーローン(家の売却価格よりも住宅ローンが下回っている状態)で住宅ローンを一括返済できれば、抵当権が解除されるためスムーズに売却を進めることができます。しかし、住宅の価値は10年程度で下がっていくため、アンダーローンで一括返済するのはなかなか難しいのが実情です。

 

自己資金を補填して返済する

オーバーローン(家の売却価格よりも住宅ローンの残債が上回っている状態)の場合、住宅ローン残債の不足分を自己資金で補填することで一括返済として認められます。ただし、自己資金を使う場合は、無理のない資金計画を立てることが重要です。まずは住宅ローンの残債を把握し、売却査定を行うことで自己資金がいくら必要なのか確認しましょう。

 

住み替えローンを利用する

「住み替えローン」を利用するのも一つの手段です。住み替えローンとは、新居の購入費用に現居のローン残債を上乗せして借入できるローンのこと。住み替えローンは、自己資金の負担を減らし、希望のタイミングで買い替えできるというメリットがあります。ただし、ローン借入額が増えるため銀行の審査が厳しい、金利が高い、毎月の返済が大きいというデメリットも。そのため、住み替えローンの利用は慎重に検討しましょう。

 

ダブルローンを検討する

ダブルローンは、現居と新居の住宅ローンを一時的に並行して組む方法です。2つのローンを同時に組むことからダブルローンと呼ばれ、新居を購入してから現居を売る「買い先行」という住み替えで多く利用されます。ダブルローンは、住み替えがしやすいというメリットがある一方で、ローン審査が厳しい、金融機関が限られるなどのデメリットもあります。

 

また、住み替えローンと同様に、毎月の返済負担が大きくなります。収入に対して毎月の返済額が大きすぎる、自己資金を持っていないという人は利用を控えた方が安心でしょう。

 

住宅ローンがあるけど引っ越したい場合の注意点

住宅ローンがあるけど引っ越したい場合の注意点

長い人生、何が起こるかわかりません。「住宅ローンがあるけど、どうしても引っ越しをしなくてはならない」というのは、住宅ローンを組んだ人なら誰にでも起こり得る問題です。ここからは、住宅ローンがあるけど引っ越したい場合の注意点について解説します。

 

住宅ローンの残債を確認する

住宅ローンがある家を売却する際は、まず住宅ローンの残債がいくらあるのか把握することが重要です。残債を確認することで、売却した方が良いのか、このまま住み続けた方が良いのか検討することができます。

 

また、その後の資金計画も立てやすくなります。なお、住宅ローンの残債は、借入融資期間のウェブサイト、郵送される残高証明、返済予定表などで確認することができます。調べ方がわからない人は、融資先の金融機関へ相談しましょう。

 

売却査定相場を確認しておく

売却を決めたら不動産会社に売却査定を依頼し、おおよその売却査定相場を調べておきましょう。査定には「机上査定」と「訪問査定」があり、机上査定は物件のデータ(築年数、立地、面積など)を元に査定額を算出する方法です。

 

机上査定なら、すぐに査定結果を知ることができます。一方、「訪問査定」は、実際に住宅を見て売却価格を割り出す方法です。正確な査定額を知ることができますが、査定結果がわかるまで数日かかるでしょう。

 

離婚する場合は財産分与の対象となる

引っ越す理由が「離婚」である場合、家が財産分与の対象となります。財産分与とは、婚姻期間中に築いた財産を夫婦で分割することをいいます。たとえ住宅の名義が夫婦のどちらかであっても財産分与の対象となるため注意が必要です。

 

また、家を売却して利益が出た場合も財産分与の対象となります。離婚の場合、通常の売却とは異なり、内容が複雑になるケースも多いものです。したがって、財産分与がうまく進まないときは弁護士や専門家に相談しましょう。

 

引っ越しをした場合!住宅ローン控除を受けられないケース

住宅ローン控除を受けられないケース
家を住宅ローンで購入すると、「住宅ローン控除」を受けることができます。ただし、住宅ローン控除を受けるためには、「契約者やその家族が住宅ローン控除を受ける年の12月31日まで居住していること」という条件があります。

 

したがって、住宅ローン控除対象の家から家族全員で引っ越しをすると、基本的に住宅ローン控除は受けられません。なお、2024年1月から住宅ローン控除の仕組みが以下のように変更されました。

 

2024年 住宅ローン減税制度改正
概要
借入限度額 子育て世帯・若者世帯(18歳以下の子どもがいる、もしくは夫婦いずれかが39歳以下の世帯)が2024年に入居する場合、以下の水準を維持する。
認定住宅:5,000万円/ZEH水準省エネ住宅:4,500万円/省エネ基準適合住宅:4,000万円
床面積要件緩和措置の期限 新築住宅の床面積要件を40平米以上に緩和する措置(合計所得金額1,000万円以下の年分)の建築確認の期限を以下の通り延長する
2,023年12月31日→2024年12月31日まで
新築住宅の条件 2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準を満たす住宅であることを条件とする

参考:国土交通省「住宅ローン減税
2024年1月以降、住宅ローン控除を受けるためには「省エネ性能基準」に適合する必要があるため注意が必要です。

 

引っ越しをした場合!住宅ローン控除を「受けられるケース」

住宅ローン控除を「受けられるケース」
引っ越しをしても以下に該当する場合は、住宅ローン控除を受け続けることができます。

 

  • 単身赴任の場合
  • 家族で引っ越しても戻ってくる場合
  • 買い替えの場合
  • 二世帯住宅で片方が残る場合

 

項目ごとに詳しく解説します。

 

単身赴任の場合

会社からの急な転勤辞令や、転職することになった場合、家族を残して単身赴任するのであれば住宅ローン控除を継続することができます。なお、単身赴任先が海外である場合、平成28年4月1日以降に住宅を購入した人に限定されるため注意しましょう。詳しくは、国税庁「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等をご確認ください。

 

家族で引っ越しても戻ってくる場合

家族全員で引っ越しをしても、適用期間の10年間の間に戻ってくれば、残りの年数については住宅ローン控除を受けることができます。たとえば、マイホームを購入して5年後に転勤が決まり、2年後に転勤を終えて戻ってきたとします。この場合、残りの3年間については確定申告を行うことで住宅ローン控除が再適用されます。

 

買い替えの場合

現在の家で住宅ローン控除の期間が終了していても、新たに住宅を購入すれば、再度住宅ローン控除を受けることができます。また、マイホームの買い替えを行う場合は、買い替え特例を利用できる場合があります。住宅ローン控除と買い替え特例は、「併用できるもの」と「併用できないもの」があるため、何を選択すべきか慎重に検討しましょう。なお、家を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合に使える以下の特例は、すべて住宅ローン控除とは併用できません。

 

  • 3,000万円の特別控除
  • 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
  • 特定の居住用財産の買い替え特例

 

一方、売却損が出たときに利用できる「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」は、住宅ローン控除と併用可能です。詳しくは、国税庁「No.3370マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)をご確認ください。

 

二世帯住宅で片方が残る場合

二世帯住宅で親家族もしくは子家族のどちらかを残して引っ越しする場合、残る方の家族を「扶養していること」が認められた場合のみ、住宅ローン控除を受けることができます。ただし、生計を一にしない家族が残る場合は、住宅ローン控除は受けられません。

 

住宅ローンがあるけど引っ越すときのNG行為!

住宅ローンがあるけど引っ越すときのNG行為
これまで紹介したように、住宅ローンがある家でも引っ越しは可能です。ただし、次に紹介するNG行為はリスクが大きく、トラブルになる可能性が高いため避けましょう。

 

  • 転居届を出さない
  • 融資先の金融機関に連絡しない

 

それぞれNG行為とされる理由について解説します。

 

転居届を出さない

「住民票を移さなければ、転居したことがばれない」と考える方もいるかもしれません。しかし、転居届を出さないままにしておくと、脱税を疑われる可能性があります。また、税務署にばれると5万円以下の過料が徴収されるケースがありますので、引っ越しした際は必ず住民票を移しましょう。

 

融資先の金融機関に連絡しない

先にお伝えしたように、住宅ローンを組んで購入した家には、担保として抵当権が設定されます。そのため、事前に融資元の金融機関へ相談し、引っ越しの具体的な理由や今後の流れなどについて話し合い、引っ越しの承諾を得ることが重要です。なお、金融機関に無断で引っ越しを行うと、住宅ローンの一括返済を求められる可能性があります。トラブルを避けるためにも、必ず金融機関の承諾を得てから引っ越しを行いましょう。

 

まとめ

今回は、住宅ローンがあるけど引っ越したいときの具体的な方法についてお伝えしました。住宅ローンがある家は、原則そのまま売却すること、貸し出すことはできません。したがって、まずは住宅ローンを一括返済する方法を考えることが大切です。

 

住宅ローンを返済するためには、家を売却して一括返済する、オーバーローンであれば自己資金を補填する、住み替えローンやダブルローンを組むなど、さまざまな方法があります。ただし、どの方法にもメリット・デメリットがあるため、ご自身にあった無理のない返済方法を検討しましょう。また、困ったときは自己判断せず、金融機関へ相談するのがおすすめです。今の状況から考えられる選択肢と、「最善の方法は何か」アドバイスがもらえるでしょう

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マンションの24時間換気口で部屋が寒い!給気口の寒さ対策を紹介

マンションの24時間換気口で部屋が寒い!給気口の寒さ対策を紹介
24時間換気口は、住まいの快適性を保つために欠かせない設備です。2003年に改正された建築基準法によって義務化され、それ以降に建てられた家には必ず設置されています。

 

おかげで空気を常時入れ替えることができ、室内を清潔に保てるようになりました。一方で外気を取り込んで室内の空気を排出する性質上、吸気口近くが寒いと感じることがあります。

 

この記事では24時間換気口で部屋が寒い原因と、どのような寒さ対策が有効か解説します。部屋の寒さに頭を悩ませている方は、ぜひ参考にしてください。

 

マンションの換気口が原因で部屋が寒い!理由とは?

換気口が寒い理由とは
部屋が寒いと感じるときは、以下の2つの原因が考えられます。

 

  • 24時間換気システムが原因
  • マンションが古い

 

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

 

24時間換気システムが原因

1つ目は24時間換気システムが原因で、部屋に冷気が流れ込んでいる場合です。

 

24時間換気システムは部屋の空気を入れ替えるために、1日中換気し続けます。常に外から空気が入ってくることから、せっかく暖房をつけていても部屋が冷えてしまうことも少なくありません。

 

また換気口の吸音材が寒さの原因になっていることもあります。換気口のなかに吸音材が取り付けられている場合、空気の通り道が細くなります。そうなると中を通り抜ける空気のスピードは早くなり、寒く感じやすいです。

 

マンションが古い

マンションが古いことが原因で、部屋が寒くなることもあります。築古のマンションは、新築に比べて断熱性が低いことが多いからです。

 

古いマンションは断熱材が入っていない可能性や、性能の低い断熱材が入っている可能性が考えられます。

 

窓から熱が逃げているケースも少なくありません。窓の性能が低かったり劣化していたりすると、隙間風が吹いて寒く感じます。

 

マンションの換気口(24時間換気システム)の種類を紹介

換気口を紹介
マンションの換気口には以下の3種類があります。

 

  • 第一種換気
  • 第二種換気
  • 第三種換気

 

換気口の種類ごとの特徴について解説します。

 

第一種換気

第一種換気は吸気口と排気口の両方に機械を設置して空気を入れ替える仕組みです。機械により効率的に空気の流れを制御することができます。

 

熱交換器が搭載されていれば、マンションの中と外の温度差を調整可能なので寒さを感じにくいです。その一方で、イニシャルコストやメンテナンスコストが高くなる点がネックです。

 

第二種換気

第二種換気は吸気口だけに機械を設置し、排気は自然換気でおこなう仕組みです。機械によって強制的に空気を入れ、自然の流れで排出します。この方式はマンションでは利用されていません。

 

外から汚れた空気が侵入しにくく、空気を清浄に保てることから、クリーンルームなどで採用されることが多いです。

 

第三種換気

吸気は自然換気、排気は機械換気でおこなう仕組みが第三種換気です。ほとんどのマンションでは、この方式が採用されています。

 

機械で排気をおこなうため、室内のにおいや水蒸気が広がりません。導入コストが安いことも利点として挙げられます。一方で外気の影響を受けやすく、寒さを感じやすいのが難点です。

 

24時間換気システムが必要な理由とは?換気は義務化されている

24時間換気システムが必要な理由とは
なぜ24時間換気システムが設置されているのかというと、法律により義務化されているからです。建築基準法によると、住宅の居室では1時間に部屋の半分の空気が入れ替わることが必要とされています。

 

改正の背景はシックハウス症候群の予防が挙げられますが、その他に以下の対策としても効果を発揮します。

 

  • 臭い対策
  • カビ対策
  • アレルギー対策
  • シックハウス対策

 

そのため寒いからといって、むやみに24時間換気システムを止めるのは禁物です。建物や人体にさまざまな影響を及ぼす恐れがあります。

 

臭い対策

部屋に嫌な臭いが滞留するのを防いでくれます。

 

家の臭いの原因はタバコやペット臭など、さまざまです。油汚れや体臭も生活臭の一部になりますが、毎日暮らしているとなかなか気づきにくくなります。

 

放っておくと、臭いが壁や床に染みついてしまうこともあります。生活臭を軽減するためには、24時間換気システムは欠かせない存在です。

 

カビ対策

吸気と排気を常時おこなうことで、室内の水蒸気を外に出してくれます。もし止めてしまうと、湿気を含んだ空気が滞留することで湿度が上昇し、カビが発生しやすくなります。

 

一度カビが発生してしまうと、完全に除去するのは大変です。壁紙の変色や剥がれなどを起こすと、見栄えが良くありません。さらにマンションの躯体までカビが浸食すると、建物が傷んでしまいます。

 

24時間換気システムだけですべてのカビの発生を食い止めるのは難しいですが、湿度をコントロールする大切な役割を果たしています。

 

アレルギー対策

アレルギーの原因物質の発生を防ぎ、居住者の健康を保ちます。アレルギーの原因になるのは、ダニやカビ、ホコリなどのハウスダストです。ハウスダストを除去するための手段として、換気は有効です。

 

一方で換気では外気を取り込むことから、花粉やPM2.5によるアレルギーが心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。専用のフィルターをつければ、外からの汚染物質の侵入も防いでくれるので安心です。

 

シックハウス対策

24時間換気システムは、もともとシックハウス症候群の予防を目的として法律で義務化された経緯があります。

 

シックハウス症候群とは、建材や家具などから生じる化学物質を吸うことにより引き起こされる体調不良です。冷暖房効率を上げるために住宅が高気密になり、化学物質が排出されにくくなったことが一因と考えられています。

 

室内の汚染された空気と、新鮮な空気を入れ替える換気によって、シックハウス症候群の発症を抑えます。

 

マンションの換気口を自分で調整し寒さを防ぐ方法

換気口を自分で調整し寒さを防ぐ方法
大規模な工事をしなくても、自分で換気口を調整して寒さを防ぐ方法が2つあります。2つともあまり費用がかからないため、気軽に試すことが可能です。

 

  • 換気口カバーを付けてみる
  • フィルターを付けてみる

 

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

 

換気口カバーを付けてみる

換気口に専用のカバーを設置することで、冷気が入りにくくなります。カバーによって直線状の風の流れが上下左右に分散されるためです。

 

カバーは1,500円〜5,000円前後で、手軽な金額で入手できます。断熱材や吸音材が付いているカバーや、ゴムで密閉できるカバーなども選択可能です。換気口の上にかぶせるだけなので、自分で簡単に設置できます。

 

もしくは自前の布や紙で吸気口の一部を覆うという方法もあります。

 

フィルターを付けてみる

カバーよりももっと安価に取り付けられるのが、専用フィルターです。1枚300円~700円程度で購入できます。

 

本来花粉やホコリを通さない目的の商品なので、寒さ対策専用のグッズではありませんが、寒さは少し和らぎます。

 

ただしフィルターを設置した場合は、ごみがたまりやすくなります。定期的な清掃や交換を心がけましょう。

 

換気口以外の寒さ対策

換気口以外にも、自分でできる有効な寒さ対策が2つあります。

 

  • 暖房器具を充実させる
  • 遮光カーテンを付けてみる
  • それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。

 

暖房器具を充実させる

暖房器具を増やしたり高性能なものに買い替えたりすれば、多少換気口から冷気が入ってきても気になりません。エアコンだけでなく、ホットカーペットやこたつ、ストーブなどがあると温かくなります。

 

さらにサーキュレーターを追加すると、効率的に温めることが可能です。温かい空気は上、冷たい空気は下にたまる性質があります。サーキュレーターで攪拌すれば上にたまりがちな温かい空気を室内にまんべんなく行きわたらせることができるでしょう。

 

遮光カーテンを付けてみる

遮光カーテンを付けて、冷たい空気をシャットアウトするのも効果的です。

 

一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会によると、冬の暖房時の熱が開口部から流出する割合は58%となっています。窓には断熱性が入っておらず、厚みもないことが原因です。

 

遮光カーテンは光を通さないよう、高い密度で織られていて、寒さを通しにくいです。生地が厚いカーテンを選べば、断熱効果が期待できます。

 

より断熱性の高いものを選びたい場合は、遮熱断熱カーテンという種類もあります。生地を複数重ねて、樹脂コーティングしてあり、しっかりと防寒することが可能です。

 

どうしても寒い場合は「引っ越し」や「売却」を考える

どうしても寒い場合は「引っ越し」や「売却」を考える
24時間換気システムの寒さは、さまざまな対策によって緩和することが可能です。しかし部屋の寒さがどうしても気になる場合は、引っ越しや売却を検討するという手もあります。

 

まずは不動産会社に売却の相談をし、査定をしてもらうのがおすすめです。自宅がどのくらいの価値があるのか、どんなアピールポイントがあるのか、客観的な意見を聞くことができます。

 

たとえ部屋が寒くても、築年数が浅かったり立地の利便性が高かったりすれば、購入希望者が集まる可能性があります。一人で悩まずにまずは取引のプロに相談してみましょう。

 

【まとめ】

24時間換気システムは、家の中の空気を常時入れ替えるシステムのことです。2003年の改正建築基準法から24時間換気システムが義務化されています。

 

家の中と外の空気を自動的に循環させるため、寒さを感じる原因になることがあります。換気の仕組みは3種類ありますが、特に第三種換気は寒さを感じやすいです。

 

換気口からの寒さは、ある程度自分で対策をすることができます。換気口カバーやフィルターを設置する方法は、安い価格で手軽にできる対策です。

 

しかし自分だけでおこなう対策には限界があります。寒さに耐えられない場合は、引っ越しや売却をおこない、新しい家に住むのも有効な手段です。対策をしても効果を実感できなければ、不動産会社に売却を相談してみてはいかがでしょうか。

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借地権付き建物は売れない?売却方法や買取の流れを紹介

借地権付き建物は売れない?売却方法や買取の流れを紹介
借地権付き建物は権利関係が複雑であるため、土地と建物両方を所有している場合よりも売却のハードルが上がります。借地権付き建物を所有していて、いざというとき売れるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では借地権付き建物は本当に売れないのか解説し、売却を成功させるためのポイントをご紹介します。借地権付き建物を所有している方は、ぜひ参考にしてください。

 

そもそも借地権付き建物とは?

借地権付き建物とは
借地権付き建物とは、地主から借りた土地の上に建っている建物を指します。土地は地主の持ち物、建物は自分の持ち物というように、土地と建物の所有者が異なります。

 

借地権とは、簡単にいうと建物を所有する目的で土地を借りられる権利です。

 

価格が安いことや土地の固定資産税・都市計画税がかからないことがメリットです。通常の不動産に比べて、購入や所有にかかる費用を節約できるのは魅力的なポイントといえるでしょう。

 

地上権と賃借権

地上権と賃借権という2つを合わせて、借地権と呼びます。地上権も賃借権も、借地料を支払うことで土地を利用できる点は共通です。

 

しかし建物の売却や建て替えにおける自由度が違います。地上権は自由に建物の売却や建て替えができる一方、賃借権は地主への許可が必要です。

 

地上権か賃借権どちらにするかは、土地を借りるときに地主と借地人の間で決めます。ほとんどのケースでは、賃借権が設定されることが多いです。

 

借地権の種類

借地権は3種類に分類でき、存続期間や更新の可否が異なります。それぞれの特徴をまとめました。

 

一般定期借地権

存続期間が50年以上と長めに設定されている代わりに、契約の更新ができません。期間満了後は契約が終了し、借地人は建物を解体して更地で返還する必要があります。

 

借りている土地が定期借地権の場合、存続期間が残りわずかだと売れにくいです。期間満了に伴い自動的に契約が終了するため、利用期間が短くなってしまうからです。

 

普通借地権

存続期間は30年以上で、契約を更新できます。地主は、正当な事由なしに更新を拒否できません。更新後の存続期間は20年以上、2回目以降は10年以上です。

 

旧法借地権

大正10年に施行された借地法に基づく権利になります。1992年7月31日以前から土地を借りている場合は、旧法借地権である可能性が高いです。

 

存続期間は木造20年以上、鉄骨造・鉄筋コンクリート造は30年以上と定められています。契約は更新可能で、建物が建っている間は自動更新されます。地主は正当な理由がなければ、更新を拒否できません。借地人の権利が強く、半永久的に土地を使えます。

 

借地権付き建物って売れないの?売却できるが安い理由を紹介

借地権付き建物が売却できるが安い理由
借地権付き建物は、地主から許可を得られれば売れます。ただし難易度が高く、安い価格でしか売れない可能性があります。その理由は以下のとおりです。

 

  • 借地料の支払がある
  • 建物の建て替えやリフォームのとき地主の許可がいる
  • 建物を売却するときに地主の許可がいる
  • 銀行からの借入ができないこともある

 

借地料の支払がある

借地人は地主に対して、借地料を支払わなければなりません。土地は地主の所有物であるためです。

 

家賃の支払いが嫌でマイホームを買いたい人は、借地料がかかることに抵抗を感じるでしょう。特に老後は勤労収入が減ってしまうため、毎月の出費に負担を感じる人も少なくありません。

 

建物の建て替えやリフォームのとき地主の許可がいる

建て替えや大規模なリフォームに対して制限を受けます。土地賃貸借契約に増改築禁止特約がある場合は、地主の承諾を得なければなりません。承諾をもらう際は、地主から増改築承諾料を求められるのが一般的です。

 

小規模なリフォームであれば、承諾不要なケースが多いです。しかしリフォームが小規模か大規模かの判断は人によって分かれます。本当は小規模な工事なのに大規模と勘違いされてはトラブルの元です。大なり小なり工事を実施するときは、その内容を共有しておいたほうが良いでしょう。

 

地主に無断で工事をおこなうと契約違反とみなされ、契約解除となってしまう恐れがあります。自分の家なのに好きなように建て替えやリフォームすることが許されず、不便さを感じる買主は少なくありません。

 

建物を売却するときに地主の許可がいる

建物を売るときも地主の許可を得ることが不可欠です。無断で売ってしまうと、契約解除となり土地を返還しなければなりません。

 

また地主に承諾をもらう際に、譲渡承諾料の支払いを求められることが多いです。譲渡承諾料の相場は、借地権価格の10%程度といわれています。

 

銀行からの借入ができないこともある

住宅ローンの審査に通りにくく、銀行からの借り入れができないこともあります。

 

土地は地主名義であるため、銀行は建物にしか抵当権を設定できません。建物のみでは担保価値が低下することから、多くの銀行は住宅ローン融資を敬遠してしまうのです。

 

住宅ローンを利用できないことは買主にとって大きな障害となるため、売却が困難になることが予想されます。

 

基本的な借地権付き建物の売却方法

借地権付き建物の売却方法
売却方法は、以下のとおりです。

 

  • 第三者に売却
  • 地主に売却
  • 地主から底地権を買い取り売却

 

それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

 

第三者に売却

一つ目は、第三者に売却する方法です。この場合は先述のとおり、地主の許可を得て譲渡承諾料を支払う必要があります。

 

地主に売却

二つ目は、地主に売却する方法です。借地権を買い取れば、土地の権利が戻ってきて完全な所有権になります。土地を自由に使えて資産価値も高まるため、買い取りに応じてくれる可能性があります。

 

ただ安定した借地料を得ることを望んでいる地主も少なくありません。その場合は買い取りを打診しても、断られる可能性があります。

 

地主から底地権を買い取り売却

地主の持つ底地権を買い取り、土地と建物両方の所有権を持った状態で売却します。底地権を買い取らずに、地主と協力して第三者に買い取ってもらうのも一つの手です。

 

地主が税金の負担を重く感じている場合や、借地料の利益が出ていない場合には、協力してくれる可能性があります。

 

完全な所有権であれば建て替えやリフォームで制限を受けることもありません。土地と建物を好きなように使えるため、購入検討者が集まりやすくなるでしょう。

 

借地権付き建物を売りたいときの手順

借地権付き土地を売りたい時の手順
借地権付き建物を売るときは、以下の手順で進めます。

 

  • 不動産会社を見つけ契約
  • 地主から許可をもらう
  • 売却方法を決める
  • 売却活動
  • 決済と引き渡し

 

それぞれの手順でやるべきことを解説します。

 

不動産会社を見つけ契約

まずは仲介を依頼する不動産会社を複数社ピックアップします。借地権付き建物の売却は専門性が高いため、類似物件の売却経験や交渉力の強さを軸に選ぶのがポイントです。

 

会社をピックアップしたら、売却について相談し、物件を査定してもらいます。査定結果や担当者の対応などを総合的に判断し、媒介契約を結ぶ会社を決めます。

 

地主から許可をもらう

地主に事情を相談し、売却の許可をもらいます。関係性にもよりますが、不動産会社の担当者をとおして交渉したほうがスムーズに進むことが多いです。

 

売却方法を決める

先ほど紹介したように3つの売却方法がありますが、いずれも地主なしには前に進められません。さまざまな事情を鑑み、どの方法で進めるのが最適なのか決めましょう。

 

売却活動

物件の強みを効果的にアピールできると、多くの購入検討者を惹きつけられます。たとえば価格の安さは、ぜひ伝えたいアピールポイントです。

 

売却活動の方法は、インターネット広告やチラシ、住宅情報誌などさまざまです。売主の事情や物件の特性にあった方法で売却活動をおこないましょう。

 

売買契約締結

買主が現れたら、価格や引き渡し時期の交渉をおこない、合意できれば売買契約を結びます。第三者に売却する場合は売買契約時に地主から承諾書もらう必要があるため、事前に準備が必要です。

 

また買主と地主の間で、借地権に関する重要事項を確認することも欠かせません。たとえば借地料や借地期間などは、事前に確認しておきたいポイントです。

 

決済と引き渡し

売買契約締結後、住宅ローン審査が下りるまでに1〜2カ月待つことが多いです。無事にローン審査が下りれば、代金の決済と引き渡しをおこないます。

 

決済・引き渡しと同日に、建物の所有権移転登記も申請します。登記申請は自分でもできますが、ミスを防ぐためには司法書士に依頼したほうが安心です。

 

借地権付き建物!売却を成功させるポイント

借地権付き建物売却を成功させるポイント
借地権付き建物の場合、地主との交渉が売却成功の鍵を握っています。当事者間同士の直接交渉は難航することも少なくありません。不動産会社を通したほうが円滑に進められるでしょう。

 

通常の取引と比べて特殊であるため、取引実績や担当者の交渉力をよく見極めることが重要です。

 

もし地主から許可を得られないときの対処法

もし地主から許可を得られない時の対処方法
借地人は借地非訟裁判を利用して、地主の代わりに裁判所から代諾許可をもらうことが可能です。

 

しかし借地非訟裁判には時間を要します。通常の訴訟より審理期間は短いものの、結論が出るまでに6ヶ月程度はかかるでしょう。

 

また弁護士の協力も必要になるため、費用がかかる点に注意が必要です。地主との関係悪化も懸念されることから、慎重な判断が求められます。

 

【まとめ】

借地権付き建物は建物と土地の所有者がバラバラです。売却や建て替えのハードルが高いことから、購入検討者から敬遠されてしまう傾向があります。

 

借地権付き建物の売却手段は複数ありますが、いずれにせよ地主との交渉が成否を分けます。まずは信頼できる不動産会社に相談し、スムーズに売却を進めるための戦略を練りましょう。

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2LDKのマンションは売れない?売却する方法や売れやすい間取りなど紹介

2LDKのマンションは売れない?売却する方法や売れやすい間取りなど紹介
「2LDKのマンションは売れない」という話を聞いたことはありませんか?また、実際に2LDKのマンションが売れずに悩んでいる人もいるでしょう。結論からいうと、2LDKのマンションでも売却できます。ただし、スムーズに売却するためにはいくつかコツがあります。

 

この記事では、2LDKのマンションが売れにくい理由やマンションを売却するためのコツについてご紹介しますので、ぜひ今後の参考にお役出てください。

 

2LDKのマンションは売れない!その理由とは?

2LDKは売れない!その理由
冒頭でお伝えしたように、「2LDKのマンションは売れない」と言われることがあります。これには次の2つの理由が考えられます。

 

  • 一人暮らしには広すぎる
  • 家族で住む場合は狭すぎる
  • それぞれの理由について解説していきます。

 

一人暮らしには広すぎる

一人暮らしの単身者にとって、2LDKのマンションは広すぎるという難点があります。そのため、「そこまでの広さは必要ない」と考え、候補から外されてしまうことがあります。また、2LDKになると1LDKに比べて物件価格が高くなります。

 

近年は、光熱費や物価が高騰しているため、節約意識が高まりなるべく支出を抑えたいと考える人も増えています。このような理由から2LDKは売れにくいと言われるのでしょう。

 

家族で住む場合は狭すぎる

4人以上の家族で住む場合、2LDKの間取りは手狭になると考えられます。たとえば、夫婦+子供二人の場合、子どもそれぞれに部屋を持たせると2LDKでは部屋が足りません。夫婦の寝室、子供部屋2部屋と考えると、3LDKもしくは4LDKの間取りが理想的です。

 

また、さらに人数が多いご家族であれば、物件探しの時点で2LDKは検討対象から外されてしまうでしょう。このように、2LDKマンションは買い手が一定数に限定されてしまうため、他の間取りよりも売れにくい傾向にあるのです。

 

2LDKのマンションでも売れる条件とは?

2LDKマンションが売れる条件
2LDKマンションのターゲット層は多いとは言えませんが、特定の人にとっては魅力的に感じる部分もたくさんあります。また、これから紹介するマンションの特徴は、売却時のアピールポイントになります。所有しているマンションと照らし合わせながらチェックしてみてください。それでは、2LDKでも売れるマンションの特徴について確認していきましょう。

 

交通の利便性(駅・高速道路の近くなど)

交通の利便性が良いマンションは、通勤・通学など多くの人にとってメリットがあります。また、住宅購入時に交通の利便性を重視する人は多く、最寄り駅までアクセスが良いマンションは売れやすい傾向です。理想は駅徒歩5分以内ですが、徒歩10分以内の物件も売れる可能性は高いといえます。

 

生活の利便性(学校・病院・スーパーなど)

全国宅地建物取引業協会連合会の「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」によると、住宅を購入するときのポイントで最も多かったのが「購入金額」で53.5%、次いで「周辺・生活環境がよい」が43.3%という結果でした。

 

この結果を見ると、生活環境が良いことは大きなメリットであることがわかります。マンション周辺に教育機関、商業施設、医療機関があり、住環境が整っていれば2LDKのマンションでも十分需要は見込めるでしょう。

 

自然災害の影響を受けにくい場所(河川の氾濫など無い場所、ハザードマップ)

日本は災害大国とも呼ばれ、毎年各地で洪水、河川の氾濫など自然災害が報告されています。異常気象の危険性を身近で感じるようになり、住宅に安全性を求める人も増加しています。そのため、「自然災害の影響を受けにくい場所」というのは物件のアピールポイントになります。

 

特に高齢者は避難に時間がかかるため、自然災害の影響を受けにくい物件を選びます。したがって、2LDKでも安全性の高いマンションは一定数の需要が見込めるでしょう。

 

なお、ハザードマップでは、自然災害による被災想定地域や避難場所・避難経路を確認することができます。所有しているマンションが、どのエリアに該当するか調べてみると良いでしょう。

 

2LDKでも広い

2LDKの平均的な広さは約55~60平米ですが、同じ2LDKのマンションでも物件によって広さは様々です。また、中にはサービスルームがある物件もあり、この場合は2LDK+Sという間取りになります。サービスルームは、書斎やプレイルーム、クローゼットなど、多目的に使用することができます。

 

60平米以上のマンションなら使い勝手もよく、ファミリー層を中心に需要が見込めるでしょう。

 

付加価値がある(日当たり・眺めなど)

住人が求めるものは、価格や広さだけではありません。生活する上で快適性を高めるためには、日当たりや風通しの良さも重要です。また、付加価値のあるマンションも人気があります。たとえば、海沿いに面しているマンションでは、他のマンションにはない眺望が望めます。

 

このような特徴は、マンションの購入を検討する上で大きなプラスポイントになります。一言で「快適な空間」といっても、求めるものは人によって異なります。物件の特徴をよく理解した上で、ニーズに合わせてアピールすれば高値売却も期待できるでしょう。

 

セキュリティが充実

多くの人は、家に「安全性」や「安心感」を求めます。そのため、管理人が常駐している、オートロック設備がある、防犯カメラがあるなど、セキリティ体制が整っているマンションは売却につながりやすいのです。

 

また、共働き夫婦が増えたことや、高齢者が多いことから、セキュリティの充実具合はより重視されるようになりました。ほかにも、清掃が行き届いているマンションは管理体制が整備されているため、売却時のアピールポイントになります。

 

ペットも飼える

ペットが飼えるというも物件の付加価値であるため、購入を検討する際のプラスポイントになります。これは、今ペットを飼育している方だけでなく、将来的にペットと暮らしたいという方にとってもメリットです。

 

なお、ペットの飼育に関しては、「飼育可能」と誤って認識しているケースも多く注意が必要です。後から「実は飼育不可だった」なれば、トラブルに発展する恐れがあります。したがって、マンションを売却するときは必ずマンション規約か重要事項説明書で確認しましょう。

 

設備が充実している(キッチン・トイレ・駐車場)

キッチンやトイレ、バスルームの設備が新しく機能的であるなど、設備が充実しているマンションは売れやすい傾向にあります。また、最新設備の整った家を「スマートハウス」といい、自動でカーテンの開閉ができたり、自動でお湯はりができたりします。

 
多くの人から高く評価されますが、特に若い世帯から人気があるため高値売却も期待できるでしょう。

 

2LDKの売れないマンション!売却する方法

2LDKの売れないマンションを売却する方法
ここまで、売れるマンションの特徴について解説してきましたが、「当てはまらなかった」という人もまだ諦めてはいけません。また、「マンションが売れなくて悩んでいる」という方も工夫次第ではまだ売却できる可能性があります。そこでこの章では、2LDKの売れないマンションを売却するための方法やコツを詳しく解説します。

 

2LDKが欲しいターゲット層に絞る(2人暮らし・高齢者)

先にお伝えしたように、2LDKマンションのターゲット層はあまり多くありません。したがって、スムーズに売却するためにはターゲット層を明確することが重要です。

 

たとえば、高齢のご夫婦をターゲットにすることが明確であれば、高齢のご夫婦のニーズに合わせた内容で広告を行うことができます。「駅徒歩5分」、「充実した生活環境」、「徒歩圏内に医療機関あり」など、高齢者が興味を引きやすい内容を記載することで売却の成功率が高まります。

 

内覧準備を徹底する

内覧は物件を実際に見学してもらうチャンスであり、売却を成功させるための重要なステップです。そのため、内覧前には必ず部屋の清掃を行い、不要品は早めに処分しておきましょう。また、なるべく生活感がでないような工夫も必要です。意外と気になるのが家のニオイです。

 

特にペットを飼っているご家庭は、換気を忘れずに行いましょう。こうした内覧準備を徹底することで、売却の成功率を高めることができます。

 

不動産会社を変える

不動産会社にも得手不得手があり、売却が得意な不動産会社ばかりではありません。しばらく売れない状況が続くようであれば、思い切って不動産会社を変えるのも有効な手段です。また、不動産は適正価格で売却することが非常に重要です。

 

適正な査定額を掲示してくれる会社や、効果的な広告活動を行っている会社なら売却をスムーズに行うことができます。信頼できる不動産を見極め、マンション売却を成功させましょう。

 

不動産会社に買取依頼

マンションの売却方法には、「仲介」と「買取」があります。仲介は不動産会社に依頼して、購入希望者を探してもらう売却方法です。

 

一方、買取は不動産会社に直接買い取りしてもらう売却方法です。買取は、売却に時間をかけたくない人や、すぐに現金化したい人にはおすすめですが、仲介に比べて売却価格が低くなる可能性があります。

 

したがって、なるべく高値で売却したい人と考えている人は慎重に検討しましょう。

 

まとめ

2LDKはターゲット層が限られることから、「売れにくい」と言われているのは事実。しかし、物件のメリットを活かして売却戦略を立てることで、スムーズに売却することは十分可能です。2LDKのマンションでも諦めずに、売り方や売り出し方のコツを掴んでスムーズな売却を目指しましょう。時間や手間をかけずに売却したい方は、不動産会社に買取依頼をするのも選択肢のひとつです。

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新築購入して後悔!すぐ売りたい理由とは?高く売却する査定方法を紹介

新築購入して後悔!すぐ売りたい理由とは?高く売却する査定方法を紹介
新築住宅を購入したものの、さまざまな理由で後悔してしまうことがあります。後悔を断ち切る対処法は、早めに売却することです。新築住宅の購入を検討している人は多く、すぐに売れば高値売却も不可能ではありません。

 

そもそも新築を購入して後悔してしまうのは、どのような理由があるのでしょうか?この記事では新築を購入して後悔する理由と、高く売却する査定方法を紹介します。

 

新築購入して後悔!すぐ家を売りたい理由とは?

新築購入して後悔!すぐ家を売りたい理由とは?
家計状況や生活環境の変化によって、新築の購入を後悔してしまうことがあります。新築住宅に対する期待が大きいほど、後悔は大きいです。後悔の理由としては以下の項目が挙げられます。

 

  • 毎月のローン返済が大変
  • 住み心地が悪い
  • 立地条件が悪い
  • 災害が多い(河川の氾濫など)
  • 近隣とのトラブル

 

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

 

毎月のローン返済が大変

住宅ローンの返済が困難になってしまい、新築の購入を後悔している人は少なくありません。住宅金融支援機構によれば、2022年のリスク管理債権は3.17%です。つまり住宅ローンを借りている100人のうち、3〜4人は返済に困っていることを意味します。

 

返済が厳しくなる要因としては、収入減少や急な出費、金利上昇などが考えられます。自分の収入に見合わない無理な借り入れをしていた場合、返済の負担はさらに重くなるでしょう。

 

住宅ローンの返済が滞ると、金融機関から督促状や催告書が届きます。それでも返済できなければ、次は一括返済を求められる流れです。

 

さらに滞納が続けば、最終的に自宅を差し押さえられてしまいます。そうなると自分たちが住むことはできません。返済が滞る前に金融機関に相談するなど、早めに手を打つことが大切です。

 

住み心地が悪い

新築住宅に住んでみると間取りや生活動線が使いづらく、住み心地が悪いと感じる人もいます。毎日生活をする場所なので、住み心地が悪いことは大きなストレスです。

 

新築住宅の場合、建設工事が完了する前に売る青田売りという販売方法があります。青田売りは完成前に聞いていた仕様や品質と異なるなど、トラブルが起きやすいです。買主は実物を見ないで購入することになるため、住み心地に不満を持つことが少なくありません。 

 

新築住宅を購入すると、モデルルームとのギャップに不満を感じることもあります。たとえばモデルルームよりも安っぽい、狭いといった不満です。モデルルームはハウスメーカーの宣伝用の住宅なので、さまざまなオプションを付け、内装や家具もおしゃれにコーディネートされています。そのため実際に販売している住宅とは差があることがほとんどです。

 

将来のことをあまり考えずに購入して、後悔してしまうこともあります。新築を購入してすぐに子どもが生まれたり、子どもが一人暮らしを始めたりした場合、間取りと実際の生活がミスマッチを起こしてしまうことが多いです。

立地条件が悪い

新築住宅の立地条件が悪いことが理由で、すぐに売りたいと思っている人もいます。立地条件は生活の利便性や快適性に直結する重要な要素です。

 

たとえば最寄り駅まで徒歩20分以上かかる場合や、近くにスーパーマーケットがない場合は、日々の生活が不便に感じられるでしょう。子どもがいる家庭は通学時間や通学路の安全性も確認しておかないと、後悔する可能性が高いです。

 

周辺の治安が悪い場合も、後悔することが多いです。犯罪が頻発しているエリアで、安心して生活することはできません。気軽に出歩けなくなり、生活が制限されてしまいます。

 

近隣の建物によって快適性が損なわれることも少なくありません。たとえば高層の建物に囲まれていると、日当たりが悪くなることがあります。

災害が多い(河川の氾濫など)

災害リスクが高いエリアの新築住宅を購入してしまい、後悔するケースもあります。災害リスクにはさまざまな種類があり、主な項目を挙げると以下のとおりです。

 

災害リスク リスクが高いエリア
河川の氾濫 河川の周辺地域
津波 沿岸部や海抜の低い地域
土砂災害 山沿いの地域
液状化現象 埋立地や沼・池があった地域

 

実際に災害が起こると、居住者の生命が危険にさらされます。さらに建物が傷んだり倒壊したりして、不動産の資産価値が大きく損なわれてしまう可能性が高いです。

 

国内では近年大雨や土砂災害の発生回数が増加傾向にあり、各地に甚大な被害をもたらしています。自宅が災害が起こりやすいエリアに位置していることに対して、危機感を抱いている人も多いでしょう。

 

近隣とのトラブル

近隣とのトラブルがきっかけで、新築住宅の住み心地が悪くなるケースもあります。近隣住民とは頻繁に顔を合わせることになるため、ちょっとしたトラブルでも生活に与える影響は大きいです。

 

最も多い近隣トラブルは、騒音を巡るトラブルです。ペットの飼育や共用部の使い方なども、近隣トラブルの原因として挙げられます。

 

たとえば子どもの飛び跳ねる音や洗濯機の音などが気になると、生活の質が下がるでしょう。反対にこちらの生活音に関して近隣住民から苦情が来ることもあります。

 

一度近隣トラブルが起こると、解決するのは容易ではありません。もし和解しても、わだかまりが残ってしまい、居心地が悪くなるケースもあります。

 

新築購入して後悔したときの対処法

新築購入して後悔したときの対処法
新築を購入して後悔している場合は、以下の対処法を検討してみましょう。

 

  • 新築を売却後に家を購入
  • 新築を賃貸にして違う家に住む

 

それぞれの対処法について詳しく解説します。

 

新築を売却後に家を購入

一つ目の対処法は、新築住宅を売った資金で他の家に住み替える方法です。

 

ただし住宅を売却するときは住宅ローンを完済して、抵当権を抹消しなければなりません。そのため住宅の売却資金と住宅ローンの残債の金額によって、売却の難易度が大きく変わります。

 

住宅ローンの残債≦住宅の売却資金の場合

住宅ローンの残債が住宅の売却資金を下回る状態をアンダーローンといいます。売却資金だけで住宅ローンを完済できることから、住み替えがスムーズです。

 

住宅ローンの残債>住宅の売却資金の場合

住宅ローンの残債が住宅の売却資金を上回る状態をオーバーローンといい、売却の難易度が高いです。売却資金だけでは住宅ローンを完済できないため、自己資金や別のローンで補う必要があります。特に新築住宅は住宅ローンの残債が減っていないことが多く、オーバーローンになりやすいです。

 

新築を賃貸にして違う家に住む

二つ目の対処法は、新築住宅を賃貸物件として貸し出し、自分は他の家に住む方法です。

 

賃貸すれば定期的に家賃収入を得ることができます。また所有権は移さないため、将来自分が住みたくなれば戻ってくることが可能です。

 

しかし住宅ローンで購入した家を賃貸に出すことは原則できません。住宅ローンは契約者本人が住むことを前提としているからです。本人が住んでいないことがばれると、金融会社の信頼を失い、法的な問題に発展する可能性があります。

 

そのため家を賃貸するときも、住宅ローンの完済が必要になります。もしくは投資を目的とする不動産投資ローンへの変更するのも一つの手です。いずれにせよ自宅を勝手に賃貸するのはトラブルの元なので、まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談しましょう。

 

新築購入して後悔しても大丈夫!家を高く売却する方法

新築購入して後悔しても大丈夫!家を高く売却する方法
新築住宅の購入に後悔しても、高く売れればその資金を使って他の家に住み替えられます。家を高く売却する方法は、以下のとおりです。

 

  • 新築で売却する
  • 早ければ早いほど高く売れる
  • キレイな状態にして売る
  • 複数の不動産会社で査定してもらう

 

新築で売却する

新築住宅として売り出せれば、高く売りやすいです。中古住宅と比べて綺麗な状態で住める新築住宅は、根強い人気があります。

 

住宅の品質確保の促進等に関する法律によれば、新築住宅の定義は以下のとおりです。

 

新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう。

住宅の品質確保の促進等に関する法律第2条2項

 

つまりまだ誰も住んでいない状態かつ築1年以内であれば、新築として売り出すことができます。まだ引き渡しを受けていない場合や引越ししていない場合は、1日も住まずに売却するのがおすすめです。

 

早ければ早いほど高く売れる

もし既に自分が新築住宅に住んでいる場合でも、早めに動いた方が高く売れます。不動産は築年数が経過するほど、資産価値が下がっていくためです。

 

国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によれば、木造戸建て住宅の資産価値は築10年で新築時の半分以下に下がると試算されています。マンションも購入後1〜2年で資産価値が10%程度下落する試算です。高値での売却を希望する場合は、できるだけ早めに売却しましょう。

 

不動産の繁忙期と閑散期を意識することも、高く売るために重要なポイントです。不動産の繁忙期は年度末の1〜3月で、この時期は引越しを検討する人が多く、売りやすい傾向があります。

 

キレイな状態にして売る

すでに新築住宅に入居している場合は、掃除や整理整頓をしてから売り出したほうが良いです。購入希望者が内見に訪れる際、第一印象がとても大切になるからです。ゴチャゴチャして汚れている家よりも、清潔ですっきりした家のほうが、購入希望者の購買意欲が高まります。

 

たとえば汚れが目立つ箇所の掃除をしておくと、見栄えが良くなります。不要な物の断捨離をすれば、部屋を広く見せることも可能です。

 

自分で掃除をするのが苦手という方は、ハウスクリーニングを依頼するのも手です。プロの技術によって、頑固な汚れや染みついた臭いもキレイになります。

 

複数の不動産会社で査定してもらう

高く売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。適正な売却価格を設定することが、早期売却への近道になります。

 

1社だけに査定を依頼しても、適正価格なのか判断できません。複数社に依頼すれば、各社の査定価格を比較することで、適正価格をつかみやすくなります。

 

一括査定サイトを利用すれば、必要な情報をフォームに入力するだけで査定依頼が完了します。1社ずつ調べて連絡する手間が省けるので、忙しい方におすすめです。

 

新築を売却するときの注意点

新築を売却するときの注意点
新築住宅を売却するときは、以下の注意点があります。

 

  • 住宅ローンの完済は必須
  • 家売却後の税金に注意

 

次の項目から、それぞれの注意点について詳しく解説します。

 

住宅ローンの完済は必須

先述のとおり、住宅を売却する際は住宅ローンを完済する必要があります。ローンが残り抵当権が抹消できていない物件は、いつ差し押さえられてもおかしくありません。購入希望者にとって大きなリスクになるため、たとえ売りに出しても敬遠されます。

 

新築住宅を売却する前に、まずは住宅ローンの残債を確認しましょう。次に不動産会社に査定を依頼し、おおよその売却価格をつかみます。2つの価格を見比べて、売却資金だけで住宅ローンの残債を返せるのか確認することが不可欠です。

 

家売却後の税金に注意

家の売却にあたっては、税金も含めて予算を立てる必要があります。売却には印紙税と登録免許税がかかります。さらに売却によって利益が出た場合は、譲渡所得税がかかることを覚えておきましょう。

 

印紙税は課税文書を作成する際にかかる税金です。売主と買主の間で交わす不動産売買契約書は課税文書に該当します。印紙税額は契約金額によって異なり、現在は軽減措置が適用されています。たとえば契約金額が5,000万円を超え1億円以下の場合、軽減措置適用後の印紙税額は3万円です。

 

登録免許税は登記手続きの際に納める税金です。新築住宅の売却では所有権移転登記や抵当権抹消登記が必要ですが、所有権移転登記の登録免許税は多くの場合買主側で負担します。売主側が負担しなければならないのは、抵当権抹消登記です。抵当権抹消登記の登録免許税は不動産1件につき1,000円かかります。

 

譲渡所得税は不動産を売却した利益に対してかかる税金です。ここでいう利益とは、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて算出する譲渡所得を指します。

 

売却価格-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得>0円

 

譲渡所得税には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」があります。新築住宅の譲渡所得が3,000円以下で一定の条件を満たしていれば、譲渡所得税はかかりません。

 

新築を売却する方法とは?売却手順を紹介

新築を売却する方法とは?売却手順を紹介
新築住宅を売却するときは、以下の手順を踏む必要があります。

 

  • いくらで売却できるか?相場を把握する
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する
  • 不動産会社を1社に決める
  • 不動産会社と媒介契約
  • 売却活動
  • 買主が見つかる(売買契約)
  • 決済と引き渡し
  • 確定申告(売却で利益が出たら)

 

それぞれの手順で何をしたら良いのか、詳しく見ていきましょう。

 

いくらで売却できるか?相場を把握する

最初に新築住宅がいくらで売却できそうなのか、おおよその相場を把握します。不動産会社から査定価格を提示されたときに、適正価格か判断できるようにするためです。

 

相場を把握する際は、国土交通省提供のWEBサイト「不動産情報ライブラリ」が役立ちます。エリアや時期などを絞って、不動産の取引価格や成約価格に関する情報を検索できます。類似事例の取引価格を知ることで、売却物件の価格相場をつかめるでしょう。

 

不動産流通機構が運営している「レインズマーケットインフォメーション」も過去の取引情報を検索するのに有用です。全国の不動産会社から情報を集めて構築されているため、データ量が多く、売却物件に近い物件の相場を把握できます。

 

複数の不動産会社に査定を依頼する

相場を把握した後は、いよいよ不動産会社に査定を依頼します。1社だけではなく、複数社にお願いするようにしましょう。複数社から提案を受けることで比較検討ができ、適正価格を見極めやすくなります。会社ごとの強み・弱みを知ることもできるでしょう。

 

まずは依頼する会社をピックアップするところから始めます。売却実績が豊富で、物件周辺のエリアに詳しい会社を選びましょう。依頼先が多すぎると効率が悪いため、3〜6社程度に絞るのがおすすめです。

 

各社から査定価格の提示を受けるときは、査定の根拠を詳しく説明してもらいましょう。納得できる説明をしてくれるかどうかで、その会社の査定能力がわかります。

 

不動産会社を1社に決める

各社から提案を受けたら、不動産会社を1社に決定します。査定能力が高く、信頼できる担当者がいる会社に依頼しましょう。

 

査定価格の高さだけで不動産会社を選ぶのはおすすめできません。契約を結ぶためにわざと相場よりも高い査定価格を提示する会社も存在します。適正価格で売り出さなければ、売却活動が長引いたり、損をしたりするリスクがあります。

 

類似物件の売却実績や、担当者の対応などを総合的に判断し、安心して任せられる会社を選ぶことが肝心です。

 

不動産会社と媒介契約

不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約に基づいて、不動産会社は物件の募集や価格交渉、契約書面の作成などをおこなってくれる仕組みです。

 

媒介契約には専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類があります。それぞれ特徴が異なるため、自分に合った契約を選びましょう。

 

専属専任媒介契約・専任媒介契約で依頼できるのは1社のみであるため、不動産会社の対応力によって売却に大きな影響が出ます。一方できめ細やかなサポートを受けられるのがメリットです。

 

一般媒介契約は複数社に売却を依頼できるのが特徴です。それぞれの会社の販売力を活用して広く買主を募ることができますが、一つひとつのやりとりに手間がかかる点に注意しましょう。

 

売却活動

媒介契約締結後は、不動産会社による売却活動がスタートします。売却活動にはさまざまな手段があり、主要なものを挙げると以下のとおりです。

 

  • レインズに物件を登録する
  • 不動産ポータルサイトに物件を登録する
  • 住宅情報誌に広告を出す
  • インターネットに広告を出す
  • チラシを配布する

 

専属専任媒介契約・専任媒介契約を結んでいる場合は、定期的に売却活動の報告をするのが不動産会社の義務です。一方で一般媒介契約は報告が義務付けられていないため、こちらから報告を求める必要があります。

 

購入検討者が現れたら、内見を実施します。先述のとおり、内見時の印象によって購入希望者の購買意欲が大きく左右されるため、内見前に家の掃除や整理整頓をおこないましょう。

 

買主が見つかる(売買契約)

買主が見つかったら、価格交渉をおこないます。そして売買価格や引き渡し時期などの諸条件が固まり次第、売買契約を結ぶ流れです。

 

仲介を依頼している場合は、不動産会社が売買契約書と重要事項説明書を作成します。売却する物件に関する説明は漏れがないように記載することが重要です。書面の内容にしっかり目を通し、疑問点は納得できるまで確認しましょう。

 

決済と引き渡し

物件の決済と引き渡しをおこないます。住宅ローンの残債がある人は、ローンを完済したあとに抵当権抹消の手続きが必要です。ローン残債が売却資金を上回るオーバーローンの場合は、不足分を補うための自己資金を用意しておきましょう。

 

引き渡し後はすみやかに所有権移転登記の手続きもおこないます。手続きは自分たちでもできますが、ミスがあると大変なので司法書士に依頼することが多いです。

 

確定申告(売却で利益が出たら)

新築住宅の売却で利益(譲渡所得)が出たら、確定申告をしなければなりません。その利益に対して譲渡所得税が課税されるためです。

 

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」の適用を受けられれば、譲渡所得税を大幅に減らせますが、そのためには確定申告が必要になります。

 

新築住宅の売却で赤字が発生した場合は、譲渡所得税は課税されません。したがって基本的には確定申告は不要です。

 

しかし一定の条件を満たす場合は、他の所得と相殺したり、損失を翌年以降に繰り越したりできる「譲渡損失の損益通算及び繰越控除特例」の適用対象になります。

 

譲渡損失の損益通算及び繰越控除には、以下の2種類があります。

 

  • 居住用財産買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

 

「居住用財産買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」は、マイホームを買い換えた場合に適用されます。「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」はローン残債を下回る価格で売却し、損失が出た場合に適用できる特例です。

 

どちらも給与所得など他の所得と相殺でき、相殺しきれなかった分は翌年以降3年にわたって繰越可能です。これらの特例についても、適用を受けるためには確定申告が必要になります。

 

【まとめ】

家計状況や生活環境が想定と違い、新築住宅の購入を悔やむ人は少なくありません。しかし売却したり賃貸したりすれば、新たな家で再スタートを切ることが可能です。

 

新築住宅を売却するときは、早ければ早いほど高値で売却できます。また内見前に清掃や整理整頓をするだけでも、購入希望者の物件に対する印象は良くなります。

 

売却にあたっては住宅ローンを完済しなければなりません。売却資金だけで住宅ローンを完済できるのか、不足する場合は自己資金を用意できるのか、資金計画については事前に確認が必要です。

 

売却するかどうか迷っているのであれば、まずは不動産会社に査定を依頼してみましょう。

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相続した土地を売るタイミングとは?土地売却時に発生する税金など解説

相続した土地を売るタイミングとは?土地売却時に発生する税金など解説

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

土地を相続したものの、活用方法や売却のタイミングに悩んでいる人も多いでしょう。土地は所有しているだけで、メンテナンスコストや税金がかかります。したがって、適切なタイミングで売却することが重要です。この記事では、相続した土地を売るタイミングや税金について、土地を売る手順などについて詳しく解説します。

 

相続した土地を売るタイミングとは?

土地を売るタイミングとは
相続した土地を売る理由は、「活用方法がわからない」、「税金を払うのが大変」など、状況によって様々でしょう。売却するメリットとしては、税金控除を受けたり、固定資産税の負担が軽減されたりすることが挙げられます。一方で、経済的に余裕があれば、すぐに売却せず高値売却できるタイミングを待つのも選択肢の一つです。また、今後土地を活用する予定があれば、すぐに売却する必要はありません。

 

このように、土地を売るタイミングは人それぞれ異なります。そのため、自分に合った売却のタイミングを見極めることが大切です。

 

相続した土地をすぐ売却した方がよい場合

すぐに売却した方がよい場合
ここでは、「相続した土地をすぐ売却した方がよい場合」の例についてお伝えします。ご自身の状況と照らし合わせながら考えてみてください。

 

納税資金がない場合

亡くなった人(被相続人)から、お金や土地などを相続すると相続税が課せられます。相続税は、相続開始を知った日から10カ月以内に納税しなければなりません。しかし中には、「相続税を納める資金がない」という方もいるでしょう。そんな時は、土地を売却するのも有効な手段です。土地を売却すれば、まとまった資金が手に入るため納税資金に充てることができます。

 

なお、相続税は財産額に応じて税率が定められており、10%~最大55%まで課税されます。相続税の計算は複雑で難しいため、まずは以下のような早見表で大まかな納税額を把握するのがおすすめです。

 

配偶者と子の場合の相続税額(※令和6年10月時点)
総資産 法定相続人
配偶者+子1人 配偶者+子2人 配偶者+子3人
5,000万円 40万円 10万円 なし
6,000万円 90万円 60万円 30万円
7,000万円 1600万円 113万円 80万円
8,000万円 235万円 175万円 138万円
9,000万円 310万円 240万円 200万円
1億円 3850万円 315万円 263万円

 

相続税は税制改正によって変わる可能性があるため、詳しくは国税庁「相続税」をご確認ください。また相続税は、取得した財産(土地、株、現金など)の合計額が基礎控除額を超えた場合に課税されます。基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人)」で算出され、財産の合計が基礎控除額以下であった場合、相続税はかかりません。

 

遺産分割が難しい場合

土地などの不動産は、相続人が複数人いると公平に分割するのは難しいのが実情です。さらに、遺産分割は親族間でもトラブルに発展しやすいため注意が必要です。公平な遺産分割が難しいと判断したら、土地の売却を検討しましょう。土地を売却して現金化すれば、分割しやすくなります。またトラブルを防ぎ、相続をスムーズに行うためにも有効な方法と言えるでしょう。

 

土地を活用しない場合

「土地の活用予定がない」、「活用方法がわからない」という場合は、早めに売却を検討しましょう。土地は所有しているだけで税金と維持費がかかります。さらに、草刈りなど定期的なメンテナンスも必要です。空き地のまま放置しておけば、ゴミの不法投棄や野生動物の住処となり、近隣住民とトラブルになる可能性もあります。

 

一方、土地が売却できれば老後の資金や住み替え費用に充てることができます。相続した土地が不要であると判断したら、できるだけ早めに不動産会社へ相談するのが得策でしょう。

 

相続した土地をすぐ売却しなくてもよい場合

すぐに売却しなくてもよい場合
つぎに、「相続した土地をすぐに売却しなくてもよい場合」を確認していきましょう。相続した土地の売却で悩んでいる方は、ぜひ今後の参考にしてください。

 

納税してもよい場合

先述した通り、土地は所有しているだけで固定資産税や都市計画税などの税金が課せられます。また、相続する際は、相続税や譲渡所得税も考慮しておかなくてはなりません。

 

しかし、これらの税金を納める資金が十分にある場合は、急いで売却を行わなくてもよいでしょう。ただし、いつでも売却へ踏み切れるよう土地の査定を受けておくことをおすすめします。

 

遺産分割してもよい場合

相続した土地を複数人で共有している場合は、相続割合に応じて土地を公平に分割します。ただし、不動産は土地の場所や状況によっても価格が左右されるため、公平に分割するのは難しいのです。これらを踏まえた上で、問題なく分割できる場合はすぐに売却する必要はないでしょう。

 

なお、共有している土地を売却する場合は、全員の合意を得てから行う必要があります。勝手に自分の持分を売却してしまうと、トラブルになる恐れがあります。そのため、土地の活用方法については必ず相続者同士で話し合って決めましょう。

 

土地を活用する場合

将来的に土地を活用する予定があれば、売却を急ぐ必要はありません。土地は自宅を建てるだけでなく、駐車場として貸し出す、アパート経営をするなどの活用方法もあります。ビジネスとして土地を活用すれば、不労所得を得ることも可能です。

 

ただし、土地は用途地域によって建てられる建物の大きさや種類が制限されています。そのため、相続した土地がどのような土地で、どの地域に該当するのかあらかじめ調べておきましょう。また、都市開発によって今後土地の価値が上がる可能性もあります。なるべく後悔の少ない選択をするためには、土地の周辺環境や不動産市場をよく調べてから判断することが大切です。

 

相続した土地をすぐ売るメリット

相続した土地をすぐに売るメリット
相続した土地をすぐに売ると以下のようなメリットがあります。

 

  • 固定資産税の負担が軽減される
  • 取得費加算の特例が利用できる
  • 空き家の場合は3,000万円控除を利用できる

 

ただし、上記には利用条件が設けられているものもあります。項目ごとに詳しく解説しますので、所有する土地と照らし合わせながら確認していきましょう。

 

固定資産税の負担が軽減される

まず、一つ目のメリットとして挙げられるのは、固定資産税の負担が軽減されることです。土地は毎年固定資産税が課税されますが、これは所有しているだけで納税義務があります。また、固定資産税は3年に一度見直しされます。そのため、資産価値が上がれば固定資産税も高くなるのです。最初は大きな負担に感じなくても、毎年納税して積み重ねていくと大きな金額になります。したがって、必要のない土地はすぐに売却して金銭的な負担を減らすことをおすすめします。

 

取得費加算の特例が利用できる

二つ目のメリットは、「取得費加算の特例が利用できる」ということです。取得費用加算の特例は、土地を売却したときの利益(譲渡所得)を計算する際、取得費に相続税を加算できる特例です。この特例を利用すれば譲渡所得が抑えられるため、結果的に譲渡所得税を軽減できます。ただし、この特例を利用するためには以下の要件を満たす必要があります。

 

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること
  3. その財産を、相続のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

 

出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」

 

ポイントは、「相続税の申告期限の翌日から3年以内に土地を売却する」という点です。さらに、「相続税を納税していなければいけない」という点にも注意しましょう。土地の売却は必ずしもスムーズにいくとは限りません。したがって、早めの行動がポイントとなります。

 

空き家の場合は3,000万円控除を利用できる

三つ目のメリットは、相続した土地に空き家があった場合、「3,000万円特別控除を利用できる可能性がある」という点です。3,000万円の特別控除とは、家を売却して譲渡所得(利益)が出た場合、最高3,000万円を上限として税金が控除される制度です。すなわち、譲渡所得が3,000万円以下であれば、納税する必要はありません。ただし、利用するためには以下の条件を満たす必要があります。

 

  1. 売った人が、相続または遺贈により被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を取得したこと
  2. 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  3. 売却代金が1億円以下であること

出典:国税庁:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(一部抜粋)

 

上記に関しても、「相続開始があった日から3年を経過する年の12月31日まで」という期限が設けられています。つまり、早く売却することで優遇を受けられるということです。このように、相続した土地をすぐ売ることで金銭的な負担を軽減できる可能性があります。少しでも出費を抑えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

相続した土地を売却したタイミングでかかる税金とは?

土地を売却したタイミングでかかる税金とは
相続した土地を売却するとき、大きく分けて以下の3つの税金がかかります。

 

  • 譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)
  • 印紙税
  • 登録免許税

 

では、それぞれがどのような税金なのか確認していきましょう。

 

譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)

土地を売却して譲渡所得(利益)が出ると税金が発生します。これを譲渡所得税といいます。なお、譲渡所得税は、所得税・住民税・復興特別所得税の総称です。譲渡所得は所有期間によって税率が異なり、売却する年の1月1日時点において所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」、1月1日時点において所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」に分類されます。

 

一方、住民税は居住している市町村や都道府県に納める地方税です。譲渡所得税と同様に土地を売却して利益が生じると住民税も課税されます。所得税と住民税の税率は下表の通りです。

 

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得(所有期間5年超) 15% 5%
短期譲渡所得(所有期間5年以下) 30% 95%

出典:国税庁「土地や建物を売ったとき」

 

また、復興特別所得税は、2011年に発生した東日本大震災の被災者支援を目的とした税金です。所有期間に関係なく、基準所得税額の2.1%が課税されます。

 

印紙税

不動産売買契約書などの課税文書に貼付する「印紙」に課せられる税金を印紙税といいます。印紙税は取引する契約金額によって変動しますので、下表を参考にしてください。

 

文書の種類 契約金額 印紙税額
不動産、鉱業権、無体財産権、船舶もしくは航空機または営業の譲渡に関する契約書 100万円を超え500万円以下 2,000円
500万円を超え1,000万円以下 1万円
1,000万円を超え5,000万円以下 2万円
5,000万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円

※令和6年10月時点
出典:国税庁「No.7140印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

 

登録免許税

土地を相続したら、被相続人から相続人へ名義変更を行います。登録免許税は、この手続きの際に課せられる税金のことで、土地の所有者を明確にするために重要な手続きです。なお、登録免許税の課税額は以下の計算式で算出されます。

 

  • (土地の)固定資産税評価額×0.4%

 

相続登記の手続きは、相続人本人が行うことも可能です。ただし、専門的な知識が必要になるため、不安な方は司法書士に依頼したほうがスムーズでしょう。その場合、司法書士報酬が必要になります。報酬は司法書士によって異なりますが、5万円~10万円前後が相場です。

 

相続した土地を売る手順

土地の売却を決めたら、次のような流れで進めていきましょう。

 

  1. 土地の登記変更
  2. 不動会社に査定を依頼
  3. 不動産会社と契約
  4. 仲介手数料の支払い
  5. 土地の引き渡し

 

具体的な内容について項目ごとに解説します。

 

土地の登記変更

まずは、被相続人から相続者へ土地所有者の登記変更を行います。登記変更されていない土地は売却することができません。したがって、売却をスムーズに行うためにも、登記変更は必ず行いましょう。登記変更手続きは、内容が難しいため専門的な知識を持つ司法書士に依頼するのがおすすめです。

 

不動産会社に査定を依頼

登記変更をしたら、土地の相場や価値を知るために不動産会社の査定を受けましょう。ただし、不動産会社によって査定基準が異なります。そのため、複数の不動産会社へ査定依頼をして比較検討するのがおすすめです。

 

また多くの場合、査定依頼をした会社に土地の売却も依頼することになります。売却をスムーズに進めるためには、担当者の対応や会社の実績を見て信頼できる不動産会社に依頼することが重要です。

 

不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。媒介契約には、「一般媒介契約」・「専任媒介契約」・「専属専任媒介契約」の3種類があり、各契約の特徴は下表の通りです。

 

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
他社契約
自己発見取引
状況報告 なし 2週間に1回 1週間に1回
レインズへの登録義務 なし(任意) あり あり

 

それぞれの特徴を把握して、自分にあった媒介契約を選びましょう。なお、土地を売却して利益が出た場合は、譲渡所得税を納めなくてはなりません。また、1月1日時点で土地を所有していた場合は、固定資産税が発生するため注意が必要です。

 

不動産会社によっては、相続登記や司法書士の紹介など、相続に関してトータル的なサポートを行ってくれる会社もあります。不動産取引に慣れていない人や不安な方は、媒介契約を締結する際に確認しておくと安心です。

 

仲介手数料の支払い

土地の買主が見つかったら売買契約を行います。不動産会社に対しては、買主を見つけてくれた報酬として仲介手数料を支払います。仲介手数料は法律で上限が決められており、計算方法は下表の通りです。

 

仲介手数料の上限額
不動産の成約価格(税抜) 仲介手数料の上限
200万円以下 5% +消費税
200万超え、400万円以下 4%+2万円
400万円超え 3%+6万円

 

2024年7月1日、国土交通省は放置空き家の市場を促進するため、不動産業者が受け取る仲介手数料の特例制度を拡充することを決定しました。これによって、800万円以下の空き家取引における手数料上限が30万円に引き上げられました。なお、800万円を超える物件については、従来通り「物件価格の3%+6万円+消費税」が上限となります。

 

土地の引き渡し

売買契約が成立したら、買主に土地の引き渡しを行い売却は完了です。なお、土地を売却して譲渡所得があった場合、翌年確定申告が必要です。確定申告をする際は、売却にかかった費用(登記費用や仲介手数料など)を経費として計上できるため、領収書は大切に保管しておきましょう。

 

譲渡所得が出なかった場合には、原則確定申告の必要はありません。ただし、確定申告することによって損益通算され、所得税や住民税が抑えられる場合があります。

 

相続した土地をタイミングよく売る方法

土地をタイミングよく売る方法
相続した土地をタイミングよく売るためには、事前準備と早めの行動がポイントです。スムーズに売却を進めるために、これから紹介する3つのポイントと注意点を抑えておきましょう。

 

早めに登記手続きをする

土地を売りたいと思っても、名義が被相続人のままでは売却できません。したがって、相続登記の申請は早めに済ませておくのがポイントです。また、令和6年4月1日以降、相続登記は義務化されています。

 

相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料が課せられるため注意が必要です。

 

税金などかかる費用を確認する

先にお伝えしたように、不動産売買では税金、仲介手数料、司法書士報酬など様々な費用がかかります。予想外の出費に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、あらかじめどれくらいの費用がかかるのか把握しておくことが大切です。自分で調べるのが難しければ、不動産会社へ相談しておおよその費用を確認しておきましょう。

 

複数の不動産会社から選ぶ

不動産査定は、会社ごとに査定額が異なるため複数社に依頼をして比較検討しましょう。なお、査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類あります。机上査定は、物件情報や相場などを元に行われる簡易的な査定です。

 

一方、訪問査定は実際に物件を訪れて、物件や周囲の状況を見て行う査定です。そのため、訪問査定の方が精度の高い査定結果が得られます。また、訪問査定なら不動産会社の担当者と直接やりとりできるため不動産会社選びにも役立つでしょう。

 

まとめ

今回は、「相続した土地を売るタイミング」についてお伝えしました。相続した土地を早く売却すると、多くのメリットがあるのは事実。しかし、一番大切なのは、ご自身の状況や今後の意向を踏まえて慎重に判断することです。相続者が複数人いる場合は、全員で話し合いを行い、意見をまとめておくことが望ましいでしょう。

 

また、売却はスムーズにいくとは限りません。土地の売却に数年かかったというケースも珍しくないため、いつでも売却できるよう準備を整えておきましょう。なお、相続や土地売却に関する手続きは、専門的な知識が必要になることがあります。土地を相続したら、まずは不動産会社や司法書士など、知識を持った専門家に相談してみるとよいでしょう。

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専属専任媒介契約とは?買い手のメリットとデメリットなど紹介

専属専任媒介契約とは?買い手のメリットとデメリットなど紹介

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

不動産の売却で仲介を依頼する場合は、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約は3種類あって、それぞれ異なる特徴を持ちます。自分に合った媒介契約を選択することが売却成功の秘訣です。

 

今回は専属専任媒介契約を中心に、メリット・デメリットをご紹介します。他の契約との違いや向いている人の特徴も解説するため、迷っている方は必見です。

 

媒介契約とは?

媒介契約とは
媒介契約を結ぶ目的は、不動産会社に不動産の売買や賃貸を成立させるためのサポートをしてもらうことです。不動産会社は媒介契約に基づいて、価格交渉や契約書作成などの仲介業務をおこないます。

 

不動産会社が売主と買主の間に入ることで、取引を円滑に進められます。不動産取引では多くの法律が絡み、手続きも複雑です。素人だけではトラブルが起こりやすいため、プロに仲介業務を依頼するほうがリスクを減らせます。

 

宅地建物取引業法第34条の2第1号によると、宅地建物取引業者は、媒介契約を締結したときは遅滞なく書面を作成し、依頼主に交付しなければならないとされています。

 

媒介契約を結ぶ際は以下の3種類のうち、いずれかを選択することになります。それぞれの違いを表にまとめると以下のとおりです。

 

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
依頼できる会社数 1社のみ 1社のみ 複数社
自己発見取引の制限
買主が売主を直接を探して良いか
制限あり
不動産会社を仲介人とする
直接探しても良い 直接探しても良い
レインズへの物件登録の義務 義務あり
登録期限は5日以内
義務あり
登録期限は7日以内
義務なし
不動産会社の任意
活動報告の頻度 7日に1回以上 14日に1回以上 定めなし
契約の有効期間 3カ月以内 3カ月以内 法的な制限なし

 

専属専任媒介契約は、3種類のなかで最も厳しい制限が設けられています。次に制約が多いのが専任媒介契約で、一般媒介契約は自由度の高い契約です。

 

専属専任媒介契約とは?

専属専任媒介契約
依頼主が不動産会社1社のみと契約を結ぶのがルールです。それ以外の会社と契約することはできません。選び抜いた1社と、二人三脚で売却を進めていくのが特徴です。

 

さらに依頼主自身が取引相手を見つける自己発見取引についても、制限を受けます。必ず不動産会社を仲介人にして、売買契約を結ばなければなりません。

 

物件情報は、不動産情報交換のためのネットワークシステム「レインズ」に登録されます。不動産会社側に登録する義務があり、期限は媒介契約締結日の翌日から5日以内です。

 

依頼主へ販売活動を報告することも義務付けられています。報告の頻度は1週間に1回以上で、売主はこまめに進捗を知ることが可能です。

 

専属専任媒介契約!メリットとデメリット

専属専任媒介契約のメリットとデメリット
専属専任媒介契約を結ぶ場合は、以下のメリットとデメリットを理解する必要があります。

 

メリット デメリット
・不動産会社のモチベーションアップにつながる
・販売活動の進捗を把握しやすい
・手厚いサポート・サービスが期待できる
・窓口を一本化できる
・複数社に依頼できない
・自己発見取引でも仲介手数料がかかる
・囲い込みされる可能性がある
・売主都合で途中解約しづらい
・他の人に知られる可能性がある

 

メリット

制約が厳しい専属専任媒介契約ですが、1社に絞るからこそ得られるメリットがあります。

 

  • 不動産会社のモチベーションアップにつながる
  • 販売活動の進捗を把握しやすい
  • 手厚いサポート・サービスが期待できる
  • 窓口を一本化できる

 

不動産会社のモチベーションアップにつながる

1社のみに任せる仕組みは、不動産会社のモチベーションアップにつながることが多いです。

 

他社と競合する心配がなく、高く売れた分だけ仲介手数料も上がるためです。また自社で買主を見つけた場合、売主と買主双方から仲介手数料を受け取れる「両手仲介」も、不動産会社にとっては魅力的に映ります。

 

販売活動の進捗を把握しやすい

少なくとも7日に1回は販売活動の進捗を報告してもらえます。どのような戦略で販売しているのかがわかるため、透明性が高いです。

 

電話やメールの問い合わせ件数や内見した件数など、具体的な数を見ることで市場での反応を知ることができます。苦戦しているときは、その原因を探り、すぐに戦略を立て直すことも可能です。

 

手厚いサポート・サービスが期待できる

専属専任媒介契約を結んだ依頼主に対して、手厚いサポートやサービスを提供してくれる会社もあります。

 

具体例を挙げると、ハウスクリーニングや買取保証などです。ハウスクリーニングを済ませておくと、物件の印象が良くなります。綺麗な状態で住めることは、買い手にとっても魅力的に映るでしょう。買取保証とは契約期間中に買主を発見できなかった場合、不動産会社が物件を買い取る保証になります。

 

サポートやサービスを利用すると、売却費用を節約できたり買い手が集まりやすくなったりします。

 

窓口を一本化できる

1社のみと契約するため、窓口を一本化できます。

 

何かあれば担当者1人に連絡すれば良いため、余計な手間は発生しません。多忙でなかなか時間をとれない人でも、効率的に進められるでしょう。

 

デメリット

1社のみに売却を委ねる専属専任媒介契約には、デメリットもあります。

 

  • 複数社に依頼できない
  • 自己発見取引でも仲介手数料がかかる
  • 囲い込みされる可能性がある
  • 売主都合で途中解約しづらい
  • 他の人に知られる可能性がある

 

複数社に依頼できない

他の会社に重ねて依頼することは禁止されています。そのため契約した1社の対応によって、取引の成否が決まるといっても過言ではありません。対応が悪いと、思うように取引を進められない点に要注意です。

 

自己発見取引でも仲介手数料がかかる

依頼主自身が取引相手を直接探す行為が制限されます。もし依頼主自身が見つけた買主に売る場合は、不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。

 

囲い込みされる可能性がある

専属専任媒介契約を結ぶ際は、囲い込みに注意しなければなりません。

 

囲い込みとは、不動産会社が他社から紹介された買主に物件を買わせない行動です。自社の利益を優先するあまり、売主と買主双方から仲介手数料をもらおうとして、囲い込みがおこります。

 

売主は他社経由で買主を紹介してもらうことができず、せっかくの機会を逃してしまいます。買い手にとっても、気になる物件を買いたいのに交渉できません。

 

売主都合で途中解約しづらい

契約期間中に依頼主側の都合で解約するのは難しいです。

 

3カ月を上限に契約期間を定める関係上、期間中は原則解約できません。解約できるのは、不動産会社の対応に問題があった場合や依頼主が違約金を支払った場合に限定されます。

 

依頼主の都合で途中解約すると違約金がかかるため、大きな負担を強いられる点に注意が必要です。

 

一般媒介契約とは?

一般媒介契約とは
依頼主が複数社に重ねてお願いすることが可能です。

 

明示型と非明示型があり、どちらかを選ぶ必要があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

 

明示型 どこに依頼しているか通知する義務がある
非明示型 他社に重ねて依頼していることやどこに依頼しているか通知する義務がない

 

特に理由がなければ明示型を選ぶことをおすすめします。明示型のほうが、不動産会社が戦略を立てやすくなるためです。

 

依頼主自身で見つけた相手との直接契約もできます。レインズの登録も任意で、活動報告の定めもありません。契約の有効期間についても法的な決まりはなく、3種類のなかで1番自由度が高いです。

 

一般媒介契約!メリットとデメリット

一般媒介契約のメリットとデメリット
一般媒介契約を結ぶ場合は、以下のメリットとデメリットを理解する必要があります。

 

メリット デメリット
・物件情報を広く周知できる
・依頼主自身で買主を見つけられる
・不動産会社の競争心が高まり、好条件で売れることもある
・他の人に知られずに売却できる
・販売活動の進捗を把握しづらい
・手間がかかる
・販売活動の熱量が下がる可能性がある

 

メリット

複数社の営業力を総動員できることと、制約が少ないことによって、以下のメリットが期待できます。

 

  • 物件情報を広く周知できる
  • 依頼主自身で買主を見つけられる
  • 不動産会社の競争心が高まり、好条件で売れることもある
  • 他の人に知られずに売却できる

 

物件情報を広く周知できる

複数社に重ねて仲介を依頼することが認められています。そのため、各社の取引先を通じて広く買主を募集することが可能です。

 

もし1社の営業力がいまいちでも、他社の営業力でカバーできればダメージは少ないです。このように不動産会社選びで失敗するリスクが少ないという面もあります。

 

依頼主自身で買主を見つけられる

依頼主自身で買主を見つけて直接取引することも問題ありません。さまざまな選択肢を残したうえで販売活動を進められます。

 

不動産会社の競争心が高まり、好条件で売れることもある

人気物件であれば、他社の存在によって競争心を刺激することも可能です。

 

買主候補が複数人現れた場合は、比較してより良い条件の相手を選べます。上手く競争原理が働けば、高値売却を実現できるでしょう。

 

他の人に知られずに売却できる

依頼主によっては売却することを近所や親戚に知られたくない事情もあるでしょう。

 

一般媒介契約では、レインズに物件を登録する義務がありません。全国の不動産会社にオープンにしないまま、買主を募集できます。

 

デメリット

制約が少ない分、依頼主側のタスクが増えてしまい、苦労することもあります。以下のデメリットに気を付けましょう。

 

  • 販売活動の進捗を把握しづらい
  • 手間がかかる
  • 販売活動の熱量が下がる可能性がある

 

販売活動の進捗を把握しづらい

販売活動の報告については定めがなく、知りたい場合は依頼主から報告を求める必要があります。上手く進められていない場合も実態をタイムリーにつかむのは難しく、販売戦略を立てにくいのがデメリットです。

 

手間がかかる

複数社に仲介業務をお願いするのは、いろいろと手間がかかります。たとえば販売活動の進捗を知るために、逐一各社の担当者に問い合わせるのは骨が折れます。

 

忙しい人が一般媒介契約を選択すると、ストレスを感じてしまう可能性が高いです。

 

販売活動の熱量が下がる可能性がある

複数社が一斉に販売活動をおこなうため、自社が仲介手数料を受け取れる保証はありません。そのため他の契約と比べると、販売活動の熱量が下がってしまう傾向があります。

 

売却する物件の需要が低い場合は、販売活動に注力してくれないこともあります。郊外にある物件や築古物件を売り出す人は特に注意が必要です。

 

専任媒介契約とは?

専任媒介契約とは
契約する会社は1社のみですが、依頼主自らが買主を見つける自己発見取引が認められています。

 

レインズの登録期限は契約締結の翌日から数えて7日以内です。販売活動の報告頻度は、14日に1回以上と定められています。登録や報告の義務はあるものの、少し時間に余裕を持たせている点が特徴です。

 

専任媒介契約は、専属専任媒介契約と一般媒介契約の中間のような内容といえます。依頼主の自由度と不動産会社の対応のバランスがとれていることから、3種類のなかで最も選ばれている契約です。

 

専任媒介契約!メリットとデメリット

専任媒介契約のメリットとデメリット
専任媒介契約を結ぶ場合は、以下のメリットとデメリットを理解する必要があります。

 

メリット デメリット
・不動産会社のモチベーションアップにつながる
・依頼主自身で買主を見つけられる
・手厚いサポート・サービスが期待できる
・窓口を一本化できる
・複数社に依頼できない
・囲い込みされる可能性がある
・売主都合で途中解約しづらい
・他の人に知られる可能性がある

 

メリット

多くの人々は、専任媒介契約の以下の点にメリットを感じています。

 

  • 不動産会社のモチベーションアップにつながる
  • 依頼主自身で買主を見つけられる
  • 手厚いサポート・サービスが期待できる
  • 窓口を一本化できる

 

不動産会社のモチベーションアップにつながる

依頼主は1社のみに任せているため、契約期間中は他社と競い合うことがありません。その分、販売活動に注力してもらいやすいです。

 

依頼主自身で買主を見つけられる

依頼主自身で相手を見つける自己発見取引が認められています。自己発見取引が成立した場合でも、仲介手数料の支払いは不要です。

 

複数社の営業力で幅広く買主を探したいものの、直接買主を探す選択肢も残したい場合におすすめです。親族や知人への売却や、他社への買取を視野に入れながら売却を進められます。

 

手厚いサポート・サービスが期待できる

不動産会社からハウスクリーニングサービスなどの特典を受けられる可能性があります。サポート・サービスの有無や内容は会社によって異なるため、契約前に確認しておきましょう。

 

窓口を一本化できる

連絡や手続きの窓口を一本化できることから、依頼主の手間がかかりません。依頼した1社とのやりとりで完結するため、連絡漏れなども減らせるでしょう。

 

デメリット

以下のデメリットを知ったうえで、専任媒介契約を結びましょう。

 

  • 複数社に依頼できない
  • 囲い込みされる可能性がある
  • 売主都合で途中解約しづらい
  • 他の人に知られる可能性がある

 

複数社に依頼できない

複数社と重ねて契約することはできません。売買を成功させるためには、実績やノウハウを持った、信頼できる会社を選ぶことがとても重要になります。

 

囲い込みされる可能性がある

囲い込みされるリスクがある点にも気を付けましょう。囲い込みによって買い手が絞り込まれると、せっかくのチャンスを逃してしまいます。

 

売主都合で途中解約しづらい

原則として期間内は途中解約できません。売主都合で途中解約するのは違約金が必要になるため、ハードルが高いです。

 

他の人に知られる可能性がある

他の人に知られず売りたいという方もいますが、専任媒介契約だとその要望を叶えるのが困難です。必ずレインズに登録されるため、売却の事実がオープンになってしまいます。

 

専属専任媒介契約!向いている人・向かない人

3種類の違いを解説しましたが、結局どれが自分に向いているのか気になりますよね。ここでは専属専任媒介契約に向いている人と向かない人の特徴をまとめました。

 

向いている人 向いていない人
・手間をかけたくない人
・需要の低い物件を売却したい人
・知り合いが購入する可能性がある人
・需要の高い物件を売却したい人

 

専属専任媒介契約に向いている人の特徴は、専任媒介契約と共通しています。重要なポイントは、向いていない人の特徴として記載した「知り合いが購入する可能性がある人」です。この特徴に当てはまるかどうかで、専属専任媒介契約か専任媒介契約のどちらに向いているかがわかります。

 

向いている人

専属専任媒介契約に向いている人の特徴は、以下のとおりです。

 

  • 手間をかけたくない人
  • 需要の低い物件を売却したい人

 

手間をかけたくない人

手間をかけたくない人は、専属専任媒介契約か専任媒介契約がおすすめです。1社とのやりとりで完結するため、時間が限られていても効率的に進められます。

 

こちらから確認しなくても、毎週進捗報告が届くのも手間を省けるポイントです。

 

需要の低い物件を売却したい人

売りにくい物件を売却予定の人も、専属専任媒介契約か専任媒介契約が適しています。

 

1社だけと契約を結ぶことで、販売活動にも熱が入るためです。またレインズに登録されることによって、全国の不動産会社に情報がオープンになります。

 

駅から離れた立地の物件や、築年数が古い物件は需要が少ない傾向があります。だらだらと売れ残ってしまう恐れがあるため、短期集中で売ることが肝心です。

 

向かない人

専属専任媒介契約に向かない人の特徴は、以下のとおりです。

 

  • 知り合いが購入する可能性がある人
  • 需要の高い物件を売却したい人

 

知り合いが購入する可能性がある人

知り合いが物件を購入してくれる可能性がある場合、専属専任媒介契約は向いていません。
自己発見取引に制限がかけられている関係上、知り合いが購入すると損をしてしまうためです。

 

自己発見取引の可能性を残したい場合は、専任媒介契約をおすすめします。自己発見取引と複数の不動産会社に重ねて依頼することを両立したい場合は、一般媒介契約が最適です。

 

需要の高い物件を売却したい人

人気物件を売却したい人は、一般媒介契約のほうがおすすめです。

 

複数社に依頼することで競争原理が働き、一社に依頼するより高値で成約する可能性が高まります。駅近や築浅など人気の物件は、一般媒介契約を検討してみましょう。

 

専属専任媒介契約するうえでの注意点

専属専任媒介契約を結ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。

 

  • 慎重に不動産会社を選ぶ
  • 依頼しても断られる可能性がある
  • 囲い込みに注意する
  • 解約条件を確認する
  • 売却できなかった場合に備える

 

慎重に不動産会社を選ぶ

専属専任媒介契約の場合、どこにお願いするかが売却の成否を分けます。1社に絞り込むため、選び方を間違えると売却が上手くいきません。売却の仲介が得意で、類似物件の売却実績が豊富な会社を選びましょう。

 

担当者の信頼度や対応力をじっくりと見極めることも重要です。依頼するときは担当者と顔を合わせ、わからないことは何でも相談してみましょう。直接話して真摯に向き合ってくれる人であるとわかれば、安心して任せられます。

 

依頼しても断られる可能性がある

専属専任媒介契約を結びたいと打診しても、不動産会社から断られる可能性があることを念頭に置いておきましょう。

 

専属専任媒介契約は、レインズの登録や販売活動報告など、不動産会社にさまざまな義務が課されています。これらの義務を負担に感じ、専属専任媒介契約を結ぶことに消極的な不動産会社も少なくありません。

 

囲い込みに注意する

デメリットでも説明しましたが、専属専任媒介契約は囲い込みされるリスクがあります。
囲い込みを防止するためには、両手仲介にこだわらない不動産会社に依頼することがポイントです。

 

事前に囲い込みをしないよう直接担当者に伝えることも、防止策として効果があります。伝え方としては「両手仲介にこだわらずに販売活動をしてもらえますか?」と確認するのがおすすめです。

 

途中解約の条件を確認する

専属専任媒介契約を結ぶ場合は、違約金がかかる条件と違約金の金額を確認しましょう。

 

違約金の上限額は、仲介手数料相当額と定められています。よくあるのは、販売活動にかかった実費を請求されるケースです。会社ごとに違約金の考え方が異なるため、契約を結ぶ前に必ず確認することがポイントです。

 

売却できなかった場合に備える

専属専任媒介契約を結んでも、無事に売却できるとは限りません。契約期間内に買い手が見つからなければ、次の戦略に切り替える必要があります。

 

たとえば一般媒介契約に切り替えて、複数の不動産会社に買い手を探してもらうのも一つの手段です。最悪の事態に備えて次の戦略を考えておけば、上手くいかなくても焦らずに行動できます。

 

【まとめ】

専属専任媒介契約は、不動産会社1社だけに売却を任せる契約です。手間なく短期間で売りたい人や、需要の低い物件を売却する人に向いています。

 

販売活動の進捗を把握しやすかったり、特典を受けられたりするのがメリットです。一方で自分で買主を探せない点や囲い込みのリスクがある点には注意しなければなりません。

 

仲介を依頼するときは、信頼できる不動産会社を選びましょう。契約前に途中解約の条件確認や売却できなかったときの対策までしておくと、スムーズに売却を進められます。

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マンションの2階は後悔!売れないから?メリットやデメリットを解説

マンションの2階は後悔!売れないから?

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

マンションの2階を買ったものの、売れにくいと聞いて後悔していませんか。確かにマンションの2階には売れにくい特徴がありますが、買い手を惹きつける魅力的な特徴もあります。

 

今回はマンションの2階に住んで後悔している方に向けて、売却するためのコツを紹介します。2階を売却するときのアピールポイントもまとめているため、できるだけ高値で売却したいという方は必見です。

 

マンションの2階は後悔!理由は売れないから?

マンション2階は後悔
あなたが2階の住戸を買って後悔しているのはなぜですか?一番大きな理由は「売れにくいから」ではないでしょうか。

 

一般的にマンションは高層階のほうが人気があり、資産価値も高いといわれています。反対に低層階に属する2階の住戸は、不人気なイメージを抱かれることが少なくありません。

 

しかし2階という条件だけで売れないと決めつけるのは、時期尚早です。2階のデメリットとメリットを両方理解すれば、売却の糸口が見えてきます。さらに2階でも多くの買主を惹きつける条件があるため、もし該当する場合はアピールポイントとして活用しましょう。

 

【5つのデメリット】マンションの2階は後悔!売れない場合とは?

デメリット
すべてのマンションに該当するわけではありませんが、マンションの2階には以下のデメリットがあります。

 

  • 日当たりが悪い(カビなど)
  • 眺めが悪い
  • 騒音が聞こえる(バイク・車など)
  • 防犯上の問題
  • 虫が入りやすい(ゴキブリなど)

 

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

 

①日当たりが悪い(カビなど)

2階住戸でよく懸念されるのが、日当たりの悪さです。低い位置にある2階は、周りの建物によって室内に日影ができることが多いです。近くに高層の建物が立っている場所では、1日中日が当たらないケースもあります。

 

室内に日光が差し込まないと、住環境にさまざまな悪影響をおよぼします。たとえば室内にカビが生えやすくなったり、冬場は冷え込んだりします。

 

家探しにおいて、日当たりの良さを重視している人は少なくありません。そのためマンションの2階を売却するときは、日当たりの悪さがネックになる可能性が考えられます。

 

②眺めが悪い

高層階に比べると眺めが悪い点も、デメリットとして挙げられます。2階の住戸はフロアの高さが低く、遠くの景色まで見渡すことはできません。特に建物が密集している都市部では、視界を遮られることが多いです。

 

高層階の眺望を目当てにマンションを購入する人にとって、2階のお部屋は魅力を感じにくい可能性があります。

 

ただし一部例外もあります。窓の正面に緑豊かな木々が植えられている場合は、2階でも美しい眺望を手に入れることが可能です。

 

③騒音が聞こえる(バイク・車など)

2階の住戸は道路との距離が近いため、騒音に悩まされる恐れがあります。

 

たとえば大きな通りに面しているマンションは、車やバイクの音が頻繁に聞こえます。人の往来が激しい場所では、話し声が気になる場合が多いです。線路が近い場所では、電車や遮断機の音が大きく感じます。

 

今住んでいて騒音を感じていない場合でも、音の感じ方は人それぞれ異なります。売却前の内見で、買主が耐えられないレベルの騒音を感じれば、購入を躊躇してしまうでしょう。

 

④防犯上の問題

防犯上の問題が発生しやすい点にも、注意が必要です。2階は低い場所にあるため、不審者が侵入しやすくなります。

 

侵入ルートは玄関だけでなく、窓やベランダから入ってくるケースもあります。ベランダに洗濯物を干す場合は、洗濯物の盗難にも注意しなければなりません。

 

⑤虫が入りやすい(ゴキブリなど)

2階住戸のデメリットとして、虫が入りやすい点も挙げられます。こちらも、地面からの距離が近いことが原因です。

 

蚊、ハエなど飛行する虫は10m程度の高さまで飛べるといわれています。2階の高さは平均3m程度なので、容易に到達できてしまいます。ゴキブリも、2階であれば外壁や階段をのぼって侵入しやすいです。

 

特に虫嫌いな人は、2階の住戸を敬遠する可能性があります。

 

【4つのメリット】マンションの2階!良いこともある

メリット
マンションの2階は悪いことばかりではなく、以下のメリットが期待できます。

 

  • 避難しやすい
  • 値段が安い
  • 値段が安い
  • 地震がきても揺れが少ない

 

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

 

①避難しやすい

2階に住んでいれば、地震や火災など災害が起きた際に避難するのが速いです。エレベーターが動かなくても、階段で速やかに外へ逃げることができます。

 

災害によって停電が続いた場合は、エレベーターが長期間停止することが少なくありません。そのような場合でも、2階であれば階段を使って水や食料を簡単に運べます。

 

一方で高層階のお部屋は、災害発生時に階段を何段も上り下りしなければならず、避難に時間がかかります。エレベーターが停止したときに荷物を運ぶ負担も大きいです。

 

②移動しやすい

2階に住んでいると、日頃から外との行き来がしやすいです。2階のお部屋は、階段ですぐにエントランスに降りることができます。

 

たとえば通勤・通学の時間帯は、エレベーターを利用する人が多くなります。エレベーターが混んでいるとき、2階であればすぐに階段に切り替えることが可能です。

 

高層階でも階段を使うこと自体は可能ですが、体力をかなり消耗します。エレベーターか階段か、移動手段を気軽に選べるのは低層階特有のメリットです。コンビニや子どもとの公園遊びなど、ちょっとした用事でもすぐ外に出られます。

 

③値段が安い

2階の住戸は高層階に比べて値段が安い傾向があります。1フロアごとの価格差はケースバイケースですが、10万円以上差が出るケースも少なくありません。

 

マンションのなかには、ラウンジやキッズルームなど共用部が充実している物件もあります。これらの共用部を高層階の居住者と同様に利用できると考えると、安い価格で購入できる低層階はコストパフォーマンスが高いといえます。

 

近年マンション価格は高騰しています。コスパ良好な2階を売りに出せば、リーズナブルな物件を探している人たちの目にとまる可能性が高いです。

 

④地震がきても揺れが少ない

一般的に低層階よりも高層階のほうが地震の揺れ幅が大きいといわれています。高層階は長周期地震動という大きく長い揺れが続くためです。

 

マンションには耐震構造、制震構造、免震構造の3つの構造タイプがあり、それぞれ揺れの種類が異なります。耐震構造は建物が頑丈である一方、地震の揺れが直接伝わりやすいのが特徴です。そのため他の構造タイプと比べて、高層階の揺れが大きく感じます。

 

揺れが大きいと家具の転倒が起こる可能性があり、非常に危険です。揺れによって気分が悪くなることもあるでしょう。

 

買主が地震の影響を最小限に抑えたいと考えている場合、2階のお部屋と相性が良いといえます。

 

マンションの2階でも売れやすい条件とは?

売れやすい条件
マンションの2階は、以下の条件を満たしていると売れやすいです。

 

  • セキュリティがしっかりしている
  • 浸水しない
  • 治安が良い場所
  • 学校が近い(小中高など)
  • 駅が近い

 

もし該当する条件があれば、売却するとき積極的にアピールするのがおすすめです。

 

セキュリティがしっかりしている

マンションのセキュリティ対策がしっかりしていれば、2階でも売却しやすくなります。セキュリティ対策によって、2階のデメリットである防犯上の問題を解消できるためです。

 

昨今の防犯意識の高まりによって、マンションセキュリティは進化しています。たとえばエントランスのオートロックは、居住者と関係者以外の侵入を防ぐ対策としておなじみです。建物の外周に防犯カメラを設置しているマンションも多いです。そのほかにも、窓を防犯ガラスにしていたり、ピッキングされにくい鍵を採用していたり、さまざまなセキュリティ対策があります。

 

マンションを売却するときは、どのようなセキュリティ対策が取られているか確認しましょう。万全のセキュリティ対策が取られていれば、積極的にアピールすることで売りやすくなります。

 

浸水しない

浸水リスクが低いことも、売れやすい物件の条件になります。地面から近い2階の住戸を買う場合、浸水リスクを気にする人が多いためです。

 

近年は台風や線状降水帯などによる大雨で、水害が多く発生しています。近くに川や海がある土地や、周辺よりも低い土地に立っているマンションは注意が必要です。

 

マンションの浸水リスクが高いかどうかは、ハザードマップで確認できます。ハザードマップで浸水リスクが低いことがアピールできれば、買主の安心感につながり、成約率が高まります。

 

治安が良い場所

周辺の治安が良いことも、有力なアピールポイントになります。2階の住戸は、周辺の治安によって住み心地が大きく左右されるためです。

 

たとえば繁華街が近い場所は夜も人通りが多く、騒音を感じる可能性が高いです。犯罪発生件数が多い場所や人目につきにくい場所では、不審者に侵入されるリスクも高まるでしょう。

 

一方で駅から離れた立地でも、治安が良い住宅街であれば需要があります。特に小さい子どもを育てている子育て世帯は、治安を重視して家探しをしている人も多いです。

 

学校が近い(小中高など)

学校から近い立地のマンションであれば、子育て世帯へのアピールポイントになります。

 

子どもが通う小学校・中学校・高校との距離や学区は、多くの親が気にするポイントです。特に良質な教育を受けられる学校が近くにあると、親は安心して子育てできます。

 

さらに登下校で使う通学路の安全性も、外せないチェックポイントになるでしょう。また図書館や学習塾など学校以外の教育施設も充実していると、マンションの売却にプラスに働く可能性があります。

 

駅が近い

一般的に駅近のマンションは資産価値が高く、値下がりしにくい傾向があります。最寄り駅から近い立地は希少であり、多くの人が探しているためです。

 

駅近の明確な定義はありませんが、徒歩10分圏内であれば駅近とみなされることが多いです。さらに最寄り駅に急行列車が停車したり駅周辺に商業施設が充実していたりすると、マンションの評価はますます高まります。

 

駅が近いマンションであれば、2階でも売却しやすくなる可能性があります。

 

マンションの2階!高く売る方法

マンションを高く売る方法
マンションを売る際は、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。できるだけ高く売るためには、不動産会社選びが重要なポイントになります。ここからはマンションの2階を高く売る方法を解説します。

 

最低でも3社以上の不動産会社から査定してもらう

不動産会社に査定してもらうときは、最低でも3社以上にお願いしましょう。その理由としては、不動産会社によって査定額に差が出ることがあるからです。

 

3社以上に依頼した場合、査定額を比較することで、適正価格かどうか判断しやすくなります。マンションのアピールポイントについても、さまざまな意見をもらえます。担当者との相性や対応力の良し悪しを見比べることも可能です。

 

一方で1社に絞って査定を受けた場合、比較のしようがありません。依頼した1社の意見しか聞くことができず、高値で売るチャンスを逃してしまう恐れがあります。

 

3社以上に査定をもらうときは、一括査定サービスを活用する方法が効率的です。1度に複数社へ査定依頼ができるため、1社ずつ連絡する手間が省けます。

 

【まとめ】

マンションの2階は周辺環境の影響を受けやすいため、売れにくいといわれることがあります。しかし本当に売れないかというと、そうではありません。

 

2階は外との行き来がしやすいため、災害時や日頃の移動ではメリットを発揮します。さらにお得な値段にメリットを感じる人も多いです。

 

まずは自分の所有している2階の住戸がどのような強みを持っているのか、把握することが大切になります。そして売却を進める場合は、まず複数社の不動産会社に相談してみましょう。査定額やアピールポイントなど、高く売るための客観的なアドバイスをもらえます。

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土地の売買は個人間でも可能?メリットやデメリットなど紹介

土地の売買は個人間でも可能?

 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

土地の売買を行う際は、不動産会社が仲介に入るケースが多いです。仲介を依頼すると、買主探しや契約書面の作成といったさまざまなサポートを受けられます。

 

一方で既に買主が決まっている場合、「仲介を挟まず個人間で直接売買できないか」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

この記事では土地の売買は個人同士でも可能なのか、個人間売買のメリット・デメリットを紹介します。

 

土地の売買は個人間でも可能?

土地売買は個人間でも可能?
個人間で土地を売買することは可能です。法律的にも特に問題なく取引できます。

 

通常不動産取引を実施する際は、宅地建物取引主任者の資格が必要です。しかし個人間売買であれば、宅地建物取引主任者の資格を持っていなくても基本的に問題ありません。一度限りの取引や特定の人だけに対する取引は、宅地建物取引業法の制約から除外されるためです。

 

個人同士の土地売買は仲介手数料がかからないため費用の節約になります。一方で自分たちで契約書を作成する必要があるなど、手続きが煩雑化しやすいのが注意点です。不動産取引に関する正しい知識がないと、思わぬトラブルが発生する恐れがあります。

 

取引をスムーズに進めるには、当事者間がしっかりとコミュニケーションをとれることが大前提です。したがって取引の相手は、親子や知り合いなど親しい人を選ぶほうが望ましいです。

 

土地の売買!売却を個人で行う場合の手順

土地売買の手順
土地の売買において、売却を個人で行う場合は以下の手順で進めます。

 

  1. 土地の相場を調べる
  2. 必要書類を準備
  3. 売却価格を決める
  4. 買主を見つける
  5. 買主が見つかった場合!価格交渉
  6. 決済・土地の引き渡し

 

それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。

 

①土地の相場を調べる

まずは所有している土地がいくらで売れるのか、相場を調べます。

 

相場を調べる際は、「不動産情報ライブラリ」を活用する方法がおすすめです。不動産情報ライブラリは国土交通省が提供しているサイトで、不動産の取引価格情報を調べられます。

 

不動産情報ライブラリ
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/

 

不動産情報ライブラリでは住所や時期を指定して、過去の取引価格を検索することが可能です。類似物件の取引価格を見れば、おおよその相場がわかります。

 

不動産情報ライブラリでは、公示価格を調べることも可能です。公示価格は、不動産鑑定士が全国2万6,000か所にある標準地を鑑定・評価をした結果に基づき決定されます。売り急ぎや買い進みなど特殊な事情を加味しない価格であるため、適正な相場を把握するのに役立ちます。

 

売却価格を決めるにあたっては、過去の取引価格と公示価格を両方チェックしておくのがおすすめです。

 

②必要書類を準備

個人同士の土地売買では必要書類をすべて自分で用意しなければなりません。入手するのに時間がかかる書類もあるため、前もって準備をする必要があります。
土地の売却で必要な書類は、以下のとおりです。

 

必要書類
登記簿謄本 土地の権利や面積などが記載された書類。抵当権設定の有無などを確認するのに必要
登記識別情報通知書または登記済証(権利証) 登記名義人だけに通知される書類
売主の本人確認書類 運転免許証、マイナンバーカードなど
住民票 登記上の住所と名義人の現住所が異なる場合に必要な書類(発行から3カ月以内のもの)
印鑑証明書 実印であることを第三者に証明できる書類(発行から3カ月以内のもの)
確定測量図 境界が確定している場合に発行される実測図
筆界確認書 境界確定している場合に隣地所有者と交わす書類
越境の覚書 越境の有無や是正方法を確認するために隣地所有者と交わす書類
固定資産税納税通知書または固定資産税評価証明書 登録免許税の算定や固定資産税の精算のために必要な書類
土地を取得したときの書類 売買契約書・重要事項説明書など
その他 抵当権抹消書類や地盤調査報告書など

 

確定測量図や筆界確認書、越境の覚書は、売却後の境界トラブルを防止するために必要な書類です。もしこれらの書類を作成していない場合は、測量会社に依頼して作成することが望ましいです。

 

③売却価格を決める

先に調べた周辺相場を参考にしながら、土地の売却価格を決めます。仲介を依頼していれば不動産会社から売却価格の提案を受けられますが、個人間取引では自分で判断材料を集めて売却価格を決めなければなりません。

 

周辺相場よりも大幅に安い価格で売却すると、みなし贈与となってしまい贈与税が課される可能性が高いです。その場合は売却価格と時価の差額が贈与としてカウントされます。

 

贈与税には非課税枠があるため少額の贈与であれば問題ありませんが、土地は高額になるため税金の負担が大きいです。特に親子間で売買する場合は、みなし贈与にならないよう気を付けましょう。

 

また、買主が値下げ交渉をしてくる可能性を想定し、売却価格は周辺相場より若干高めに設定することをおすすめします。いくらまでなら値下げ交渉に応じられるかという最低価格も決めておきます。

 

④買主を見つける

売却価格を決めたら、買主を探します。個人間取引を成功させるためには綿密なコミュニケーションが必要になるため、信頼できる買主を探すことが重要です。まずは親族や知り合いなど親しい間柄の人に売却できないか、検討することをおすすめします。

 

それでも見つからない場合は、不動産マッチングサービスを利用してみるのも手です。不動産マッチングサービスとは、不動産を売りたい人と買いたい人を結び付けるサービスです。売主は自分で物件の登録や取引ができ、交渉もスムーズにおこなえます。

 

一口に不動産マッチングサービスといっても、空家付き土地を中心に取り扱っていたり、都心などエリアを限定していたり、サイトごとに特色が異なります。自分に合ったサービスを見つけましょう。

⑤買主が見つかった場合!価格交渉

買主が見つかれば、価格交渉に移ります。売却価格と合わせて契約条件のすり合わせもおこないましょう。

 

価格交渉では、周辺相場など客観的な数字を参考にしながら話を進めていくのが肝心です。根拠のない金額で交渉してもお互いに納得することは難しく、着地点がわからなくなってしまいます。

 

価格と契約条件に合意できたら、不動産売買契約を結びます。契約締結時に交わす売買契約書と重要事項説明書は、前もって作成しておくのがおすすめです。個人間取引では自分たちで契約書類を作成するため、抜け漏れや記載ミスがないかといったチェックに時間がかかります。

 

契約書を作成する際、売主は契約不適合責任に注意しましょう。契約不適合責任とは、契約書に明記されていない不具合が見つかった場合、売主に修繕や代金減額などの負担が発生するという民法上のルールです。たとえば売却する土地で地中埋設物が見つかっている場合、そのことを明記しないと契約不適合責任が生じる場合があります。契約書には土地に関する情報を漏れなく記載することが大切です。

 

⑥決済・土地の引き渡し

売買契約書を締結後、代金の決済と土地の引き渡しをおこないます。売主は買主からの入金を確認してから、契約書類などを引き渡す流れです。

 

決済・引き渡し後はすみやかに所有権移転登記申請もおこないます。登記手続きは自分で申請するか、司法書士に委任します。

 

所有権移転登記が完了したら法務局から買主に登記識別情報通知書が届き、取引完了です。

 

土地の売買!買取を個人で行う場合の手順

手順
土地の売買において買取を個人で行う場合は、以下の手順で進めます。

 

  1. 欲しい土地を調べる
  2. 価格を調べる
  3. 売主に購入意思を伝える
  4. 価格交渉
  5. 決済・土地の引き渡し

 

それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。

 

①欲しい土地を調べる

欲しい土地のエリアや面積など条件を絞り込んでから、インターネットなどで土地の売り出し情報を調べます。

 

気になる土地が見つかるとすぐに買いたくなると思いますが、良い土地を買うためには一歩踏み込んだリサーチが必要です。なぜその土地が売れ残っているのか理由をチェックしましょう。

 

  • 土地が売れ残っている場合、以下のような理由があると考えられます。
  • 土地の形状が良くない
  • 交通利便性が悪い
  • 周辺環境が良くない
  • 建築制限で新しい建物を建てられない

 

売れ残っている理由がわかったら、自分にとって妥協できるポイントなのかを考えます。「家を建てたいのに新しい建物を建てられない」など致命的なポイントがあれば、購入は見送ったほうが良いでしょう。

 

②価格を調べる

気になる土地が見つかったら、価格が適正であるか調べます。「不動産情報ライブラリ」を活用して、過去の類似取引事例や公示価格などと比較するのがおすすめです。

 

周辺相場をつかんでおくと、いくらまでなら値引き交渉できそうかというポイントもわかります。

 

③売主に購入意思を伝える

気に入った物件が見つかったとしても、すぐに購入を決めるのは禁物です。まず現地に足を運び自分の目で確認をおこないましょう。書類だけではわからない土地の状況が見えてくるはずです。もし境界トラブルを抱えていたり、地盤沈下を起こしていたりすると、後々トラブルに発展する恐れがあります。

 

現地で確認しておきたいポイントは、主に以下の5つです。

 

  • 境界線や越境物に問題はないか
  • 地盤沈下や液状化現象を起こしていないか
  • 前面道路に対して接道義務を満たしているか
  • ガス・水道・電気などインフラ設備が引き込まれているか
  • 周辺環境は良好か

 

わからない点があれば、売主にしっかりと確認するようにしましょう。現地確認をおこなったうえで納得できれば、売主に購入意思を伝えます。

 

④価格交渉

次に価格交渉をおこないます。個人間取引では売主と買主双方が不動産取引には慣れていないことがほとんどであるため、より慎重な価格交渉が求められます。

 

無理な値引き交渉をすると、売主は気分を害してしまう可能性が高いです。売主から取引を断られた場合、価格交渉どころか取引自体が白紙になってしまいます。

 

売主の意思を尊重しながら、双方が納得できる決着点を探っていきましょう。そのうえで価格や契約条件などを定めた売買契約書を締結します。

 

⑤決済・土地の引き渡し

最後に土地の代金を支払い、引き渡しを受けます。代金をどのように支払うかは、売主とよく確認しておきましょう。

 

決済・引き渡しが完了したら、すみやかに所有権移転登記の申請をおこないます。所有権移転登記の費用は、買主が負担するのが一般的です。登録免許税や司法書士報酬など登記申請に必要な費用を、予算に組み込んでおく必要があります。

 

土地売買を個人で行う3つのメリットについて

個人間でのデメリット
個人で土地売買を行うと、以下のメリットがあります。

 

  • 不動産会社に仲介手数料を払わなくてよい
  • 日程など自分で調整可能
  • 取引の制約がない

 

①不動産会社に仲介手数料を払わなくてよい

個人同士の土地売買では不動産会社を介さず直接取引するため、仲介手数料がかかりません。

 

不動産会社に仲介を依頼する際にかかる仲介手数料は、以下のとおり上限額が定められています。

 

売買価格 仲介手数料の上限額
200万円以下 売買価格×5%+消費税
200万円超400万円以下 売買価格×4%+2万円+消費税
400万円超 売買価格×3%+6万円+消費税

 

例えば土地を1,000万円で売った場合、「1,000万円×3%+6万円+消費税=39.6万円」を上限額として仲介手数料がかかります。これが個人間の土地売買の場合、仲介手数料が0円になるため大きな節約です。

 

②日程など自分で調整可能

個人間の土地売買は、日程調整がしやすいというメリットもあります。

 

土地の売買では、現地確認・契約・引き渡しなどの日程調整が必要です。不動産会社に仲介してもらう場合は、不動産会社・売主・買主の三者で日程調整しなければなりません。

 

個人同士の土地売買は売主と買主の都合を合わせるだけで良いため、日程調整の負担が少なくて済みます。特に親族や知り合いが取引相手であれば、日程を合わせやすいでしょう。

 

③取引の制約がない

不動産会社が仲介に入る取引と比べて、個人同士の取引は制約を受けにくい点もメリットです。

 

不動産会社に仲介を依頼する場合は、どのような制約があるのでしょうか。たとえば媒介契約による制約です。専属専任媒介契約を結ぶと、不動産会社1社にしか仲介を依頼できなかったり、自分で買主を探せなかったり制限を受ける可能性があります。

 

自由に土地を売買したいという方は、個人間の売買が向いているでしょう。

 

土地売買を個人で行う4つのデメリットについて

 

土地売買を個人で行う場合は、以下のデメリットに注意しなければなりません。

 

  1. 買主を自分で見つけるのは大変
  2. トラブルなど自己負担
  3. 時間がかかる
  4. 金融機関との取引が不利になる

 

①買主を自分で見つけるのは大変

個人間の土地売買では、自分だけの力で買主を探さなければならず大変です。

 

親族や知り合いなどが買ってくれる場合は、問題ありません。

 

しかし一から買主を探す場合は、不動産会社に依頼するよりも時間と労力がかかります。必要に応じて不動産マッチングサービスなども活用し、効率的に探す方法を検討しましょう。

 

②トラブルなど自己負担

個人同士の取引においてトラブルが発生した場合、すべて自己責任で対処しなければなりません。

 

特に書類の内容に不備があると、後々トラブルが発生しやすいです。重大な不備があると裁判に発展するケースもあるため、ミスがないように書類を作成することが肝心です。

 

しかし売買契約書や重要事項説明書を作成するのは、専門的な知識が不可欠であり簡単な作業ではありません。不動産に関する知識を習得したり、弁護士・司法書士など専門家に相談できる体制をつくったり、入念な準備が必要になります。

 

トラブルを回避したい場合は、土地の売買に慣れている不動産会社に依頼するのが確実です。

 

③時間がかかる

個人間の土地売買は時間がかかる点もデメリットです。通常土地の売買は4〜6カ月かかりますが、個人取引ではさらに長い時間を要する場合もあります。

 

売却の場合はなかなか買い手が現れず、1年以上売れ残ってしまうケースも少なくありません。もし買い手が現れても、内見・契約・引き渡しなど一つひとつの工程に時間がかかります。

 

④金融機関との取引が不利になる

個人間取引の場合、金融機関が融資を嫌がる可能性もあります。その理由としては、個人間の土地売買は不動産会社のような第三者がおらず、取引の実態が見えにくいためです。

 

さらに個人同士の取引では重要事項説明書がない場合も多く、担保の対象となる物件の情報が不足していることも理由として挙げられます。

 

買い手がローンで土地を購入しようとしている場合、金融機関の審査がおりない限り売買は成立しません。このような事態を想定し、買い手側がしっかりと資金計画を練っておく必要があります。

 

土地の売買を個人間で成功させる方法

土地売買を個人で成功させる方法
個人同士の土地売買を成功させる方法は、以下の2つです。

 

  • 専門家に相談してみる
  • 不動産一括査定サイトを使ってみる

 

それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

 

専門家に相談してみる

不動産会社など専門家に相談することで、土地売買のリスクを大幅に軽減できます。

 

個人間取引でトラブルの元となるのが、売買契約書や重要事項説明書などの書面の抜け漏れや記載ミスです。不動産会社に書類作成を頼めば、専門的な知識や実務経験を活かしてミスなく手続きを進めてくれます。

 

また個人間取引は、相当な手間と時間がかかる点がデメリットです。仲介手数料を取引成功のための必要経費と捉えて、不動産会社の協力を得たほうがメリットが大きいという考え方もあります。

 

自分たちで書類を作成したいという場合は、専門家によるリーガルチェックを受けることをおすすめします。リーガルチェックは宅建士や行政書士、弁護士などに依頼することが可能で、法的な問題点がないか確認してもらい、的確なアドバイスを受けられるでしょう。

 

不動産一括査定サイトを使ってみる

個人の土地売買を成功させるためには、適正価格の把握が欠かせません。先述のとおり不動産情報ライブラリを確認することも重要ですが、合わせて不動産一括査定サイトも活用すると良いです。

 

不動産一括査定サイトは、手軽に利用できる点がメリットです。インターネット上で土地の情報を入力するだけで、一度に複数の業者から査定結果を受け取れます。サイトによっては、メールで結果を知らせてもらうことも可能です。

 

一方で簡易的な査定だけでは正確性に欠けるという注意点もあります。一括査定サイトで得られた結果は、おおまかな目安として利用するのがおすすめです。より正確な査定を出してもらいたい場合は、査定してもらった不動産会社に相談するのも一つの手段です。

 

まとめ

個人間で土地売買をすることは可能です。仲介手数料を節約できる点や、日程調整しやすい点がメリットとして挙げられます。媒介契約などの制約を受けないことから、親族など親しい相手と自由に取引したいという場合に向いています。

 

一方で個人同士の取引では不動産会社のサポートがないため、トラブルが起こりやすい点に注意しなければなりません。手続きの負担が大きく、長い時間を費やすことが予想されます。手間なくスピーディーに土地を売買したい場合は、専門家に相談したほうが円滑に進められるでしょう。

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