超高齢化社会の到来や、地方の過疎化の進行等に合わせて空き家が急増しています。空き家の多くでは、適正な管理が行われていないことが多く、近隣住民や地域社会に無視できない影響を与える危険性を有しています。特に犯罪現場になったり、経年劣化により家屋が傾き倒壊の危険が生じたりと、空き家による悪影響の懸念は社会問題化しています。
空き家を増加させる原因としては、居住者が介護施設の利用により転居してしまい、そのまま放置されてしまうなどケースが最近では増加しています。また空き家の管理者は明らかであっても建物があると固定資産税が優遇される租税上の特例措置が存在するため、解体費用を支払った上に固定資産税も本則通りの額を納付するのでは割に合わないと考えて、解体せずに空き家のまま放置していると言う事情も関係しています。
この先も空き家が増加する傾向に鑑み、空き家対策特別措置法が制定されました。この法律は空き家の中でも、著しく保安上の危険となる恐れのある等の事情のある空き家を、特定空き家に指定し所有者等に改善勧告や改善命令、最終的には市町村による強制的な処分が可能になります。
また特定空き家に指定され市町村より、改善勧告がくだされると固定資産税の優遇措置は除外されることになります。このように従来はほぼ放置されていた空き家問題について、一定程度の法的手立てが講じられています。