引き続き、住宅事業における消費者問題についてご紹介します。
企業と消費者の力の差から生まれる消費者問題ですが、住宅事業においては専門化していること、多重下請け構造により手抜き工事が行われやすい状況にあることを前回お話しました。
ほかには一体どのような問題があるのでしょうか?
本来であれば建築士による工事監理という欠陥住宅が発生することを防止するための自治的制度があるため、この制度がきちんと機能していれば問題は起こらないはずです。
しかし、実際には十分に機能していないにもかかわらず、行政はこの状況を放任してしまっています。
さらに、政府自身が欠陥住宅を防止するための建築確認から中間検査、完了検査までのチェック制度も存在するのですが、こちらも上手く機能していません。
つまり、違法建築に対するパトロールや制裁措置も不十分となってしまっているのです。
そして、私達に大きく関わるのが消費者側の意識となります。
自ら情報や知識を得て、自分の権利は自分で守ろうという努力をしている方は多くありません。
そのため業者を全面的に信頼することとなり、疑いの目すらもたない消費者がほとんどとなっているのです。
このように見てみると、欠陥住宅問題は消費者問題と深い結びつきがあることがわかったのではないでしょうか。