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「セカンドハウス」と「別荘」。一見とても似ている言葉ですが、どこが違うかわかりますか?実はセカンドハウスのほうが、税制優遇などのメリットがあり、税金がお得になるのです。
本記事ではセカンドハウスと別荘の違いを解説したうえで、メリット・デメリットを詳しく紹介します。空家を相続して活用法に悩んでいる方や、セカンドハウスの購入を考えている方は必見です。
目次
そもそもセカンドハウスと別荘の違いとは?
セカンドハウスと似た言葉に「別荘」があります。どちらも「普段の住まいとは別に所有する家」という点では共通していますが、利用する目的や頻度に明確な違いがあります。
ここからは、まずセカンドハウスの定義を解説し、その後に別荘との違いを詳しく見ていきましょう。
セカンドハウスとは?
セカンドハウスは、自宅とは別に生活拠点として日常的に使う住まいです。たとえば都市部と地方を行き来する二拠点居住や、週末だけ地方で過ごすような場合が該当します。
セカンドハウスとして利用するためには、自治体に申請し、認定をもらう必要があります。利用頻度が毎月1泊2日以上であれば、セカンドハウスとして認められるのが一般的です。
セカンドハウスと別荘の違いとは?
セカンドハウスと別荘の違いは、利用する目的と頻度です。
セカンドハウス | 別荘 | |
---|---|---|
利用目的 | 生活拠点 | 保養・リフレッシュ |
利用頻度 | 毎月1泊2日以上 | 問わない |
別荘は保養やリフレッシュを目的とした非日常の住まいです。避暑地や自然豊かな場所に建てられることが多く、心身を癒すための空間として利用されます。
一方でセカンドハウスは、生活拠点となる日常的な住まいであり、継続的な利用が前提となります。毎月1泊2日以上の利用があることで、セカンドハウスとしての条件を満たすとされています。
セカンドハウスの「メリット」と「デメリット」について
セカンドハウスのメリット・デメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
移動の負担が減る 気持ちの切り替えがしやすくなる 税制優遇がある |
維持費の負担が大きい 住宅ローンを使えない可能性 税制優遇には申請が必要 |
それぞれの項目について、詳しく解説します。
セカンドハウスの「メリット」
セカンドハウスのメリットは、移動の負担が減ることです。
遠方に行く用事が多いと、何回も行き来するのは金銭的にも体力的にも大きな負担になります。しかし、セカンドハウスがあれば、現地に滞在できるため、行き来する頻度を減らすことができます。
たとえば以下のようなケースでは、セカンドハウスがあると非常に便利です。
- 遠方に職場がある
- 特定エリアへの出張が多い
- 子供が遠方の学校に通っている
- 親の介護で定期的に通う必要がある
また、セカンドハウスによって、仕事とプライベートの切り替えがしやすくなるというメリットも。休日はセカンドハウスで過ごすことで、仕事から離れて羽を伸ばすことができます。
さらに税制面での優遇措置もあります。固定資産税、都市計画税、不動産取得税などが対象になりますが、詳しくは『セカンドハウスの「メリット」税制優遇について』で解説します。
セカンドハウスの「デメリット」
生活の拠点が増えるため、不具合や故障が発生すれば修繕費を負担するなど、維持管理費の増加は避けられません。セカンドハウスがマンションの場合は、管理費・修繕積立金を毎月支払います。これらの費用は継続的に発生するため、事前にしっかりと予算を立てておくことが必要です。
また、住宅ローンを利用するのが難しい場合もあります。住宅ローンは普段生活する家のためのローンだからです。その代わりにセカンドハウス向けの専用ローンがありますが、住宅ローンより審査が厳しかったり、金利が高かったりします。また、住宅ローン控除は利用できません。
税制優遇を受ける場合は、申請が必要な点にも注意しなければなりません。毎月1泊2日以上の滞在を証明する書類を添付する必要があります。必要書類は自治体により異なるため、よく確認して適切に手続きを完了させましょう。
セカンドハウスの「メリット」税制優遇について
セカンドハウスのメリットの一つ、税制優遇について詳しく解説します。セカンドハウスを取得・所有すると、以下の税制優遇を受けられます。
- 固定資産税の優遇
- 都市計画税の優遇
- 不動産取得税の優遇
固定資産税の優遇
固定資産税は、不動産の所有者に毎年課税される税金です。通常は固定資産税評価額に、標準税率1.4%を掛けて算出されます。
固定資産税=固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)
固定資産税には減額措置があります。具体的には、住宅用地の土地にかかる固定資産税が軽減される措置で、減額率は以下のとおりです。
区分 | 敷地面積 | 減額率 |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 1/6 |
一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 1/3 |
宅地に建てられたセカンドハウスであれば、この減額措置の適用対象です。ただし、建物が立っていない更地は対象外になるため、注意しましょう。
都市計画税の優遇
都市計画税も、固定資産税と同じく不動産の所有者に毎年課税されます。ただし、都市計画税が課税されるのは市街化区域内にある不動産に限られます。都市計画税の計算式は、以下のとおりです。
都市計画税=固定資産税評価額(課税標準額)×0.3%(制限税率)
税率は自治体によって異なりますが、0.3%が上限になります。
都市計画税も減額措置があり、減額率は、以下のとおりです。
区分 | 敷地面積 | 減額率 |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 1/3 |
一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 2/3 |
固定資産税と同じく、宅地に建てられたセカンドハウスは適用を受けることが可能です。
不動産取得税の優遇
不動産取得税は、不動産を取得した際にかかる税金です。所有権移転登記をしてから、4カ月〜6カ月後くらいに納税通知書が届きます。税額の計算方法は、以下のとおりです。
不動産取得税=固定資産税評価額(課税標準額)×4%(標準税率)
一定の条件を満たすセカンドハウスを取得すると、以下のとおり税制優遇を受けられる可能性があります。
建物の不動産取得税=(固定資産税評価額ー控除額)×3%
土地の不動産取得税=(固定資産税評価額×1/2×3%)-控除額
土地、建物ともに、税率は4%から3%に引き下げられます。また、土地の課税標準額は固定資産税評価額の2分の1に圧縮される制度です。
控除額は建物と土地で計算方法が異なります。建物の控除額は自治体や築年数により変動する仕組みです。土地の控除額は、以下のいずれか多い金額が採用されます。
- 45,000円
- (土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2)×(課税床面積×2)×3%
セカンドハウスを購入する「メリット」と「デメリット」について
セカンドハウスを利用する場合、購入する方法と、賃貸で借りる方法があります。ここからはセカンドハウスを購入する場合のメリットとデメリットを解説します。
セカンドハウスを購入する「メリット」
セカンドハウスを購入するメリットは、以下の2つです。
- 資産になる
- リフォームやリノベーションを自由におこなえる
- 賃貸収入を得ることも可能
資産になる
セカンドハウスを購入することで、資産を保有できる点が大きなメリットです。必要に応じて売却して現金化することもできますし、相続資産として家族に引き継ぐこともできます。
資産の価値を維持するためには、人気エリアや地価上昇が見込まれる地域のセカンドハウスを選びましょう。賃貸とは異なり、家計や景気の状況を見ながら、柔軟な運用ができる点が魅力です。
リフォームやリノベーションを自由におこなえる
購入すれば自己所有できるため、リフォームやリノベーションをおこなって、自由にカスタマイズできます。それなりに費用はかかりますが、自分好みの空間に仕上げることで、快適なセカンドライフを満喫できるでしょう。
賃貸だとリフォームやリノベーションは制限されますが、持家なら自由度が高く、長期的な満足度も向上します。
賃貸収入を得ることも可能
セカンドハウスを使わない期間に、第三者に貸し出して賃貸収入を得ることもできます。セカンドハウスとして使いつつ、民泊として貸し出す方法もあります。需要が高い立地であれば、安定的に収入を得られるでしょう。
ただしセカンドハウスを民泊として活用する場合は、いくつかの条件があります。たとえば、台所、浴室、洗面、トイレが必要なうえ、消防設備への対応が必須条件です。また、民泊の営業日数は年間180日以下でなければなりません。
このように、賃貸運用はさまざまな条件をクリアしなければならず、事前の準備が不可欠です。
セカンドハウスを購入する「デメリット」
セカンドハウスを購入することによるデメリットにも目を向ける必要があります。
- 金銭的な負担が大きい
- 引越しのハードルが高い
金銭的な負担が大きい
セカンドハウスの購入には、初期費用や維持費など多くのコストがかかります。
初期費用については、物件価格だけでなく、登記費用・仲介手数料・税金などの諸費用が発生し、一度に多くの出費が発生します。また、購入後も固定資産税・都市計画税・修繕費・光熱費などを支払い続けなければなりません。
住宅ローンは使えないことが多いため、まとまった自己資金も必要になるでしょう。家計に余裕がある方でないと、生活に負担がかかる恐れがあります。
引越しのハードルが高い
購入するとなれば、引越しのハードルが高くなることが懸念されます。もし引っ越す場合は、売却や賃貸に出す必要があり、募集には時間と手間がかかります。賃貸住宅に比べると、気軽に住み替えをするのは難しいでしょう。
このように、セカンドハウスの購入は、ライフスタイルや仕事環境の変化に、すぐ対応できない可能性があります。そのため物件選びの際は、長期的な視点で住み続けられそうな物件を選ぶ必要があります。
セカンドハウスを賃貸で借りる「メリット」と「デメリット」について
セカンドハウスを賃貸で借りる場合は、購入に比べて出費が少なく引越ししやすいのがメリットです。しかし自分の資産ではないため、生活するうえで制限がある可能性もあります。ここからは、セカンドハウスを賃貸で借りる場合のメリット・デメリットを解説します。
セカンドハウスを賃貸で借りる「メリット」
セカンドハウスを賃貸で借りるメリットは、以下のとおりです。
- 金銭的な負担を抑えられる
- 気軽に引越しできる
金銭的な負担を抑えられる
購入に比べると、賃貸は初期費用や維持管理費など金銭的な負担を抑えられます。賃貸の場合に初期費用として支払うのは敷金・礼金・仲介手数料などで、物件価格のような高額な支払いは不要です。
入居中の物件の維持管理費についても、賃借人側に過失がなければ、基本的にはオーナーが負担してくれます。賃借人として入居中に支払わなければならないのは、家賃・火災保険料・水光熱費・インターネット利用料金などです。固定資産税・都市計画税など税金やローンの返済などの負担もありません。
気軽に引越しできる
賃貸の場合は、契約期間が定められているため、その時々の状況に合わせて柔軟に住み替えができます。住み替えの理由は、転勤・転職、子供の進学・独立など多岐にわたります。なかには、ご近所トラブルなど、入居時には予想できなかった事情で住み替えを余儀なくされるケースも少なくありません。
こうした背景から、賃貸のセカンドハウスは「期間限定の住まい」として利用したい人にとって、メリットが大きい選択肢となります。たとえば、一定期間だけ遠方で勤務する予定のある方や二拠点居住を試してみたい方などにとって、賃貸のセカンドハウスはちょうど良い選択肢になるでしょう。
セカンドハウスを賃貸で借りる「デメリット」
一方で、セカンドハウスを賃貸で借りる場合は、いくつかのデメリットも存在します。
- リフォーム・リノベーションに制限がある
- 賃貸条件に従わなければならない
リフォーム・リノベーションに制限がある
賃貸物件はオーナーの所有物になるため、賃借人が勝手にリフォームやリノベーションができないケースが多いです。そのため、自分好みの空間にカスタマイズするのは難しくなります。
壁紙の変更や設備の入れ替えなども制限されることが多く、居住空間にこだわりたい人には物足りないと感じることがあるでしょう。
賃貸条件に従わなければならない
賃貸契約にはさまざまな条件があり、生活に制限を受ける可能性があります。たとえばペットの飼育や楽器の使用、長期滞在などに制限がある場合も。
さらに定期借家契約の場合は、契約期間が満了になれば基本的に更新はできず、契約は終了し退去しなければなりません。そのため、賃貸のセカンドハウスを長期的な安定した生活拠点として考えるのは難しいでしょう。
セカンドハウスを申請するときの注意点
セカンドハウスとして税制優遇を利用するためには、申請をおこない認定を受けることが必要です。申請には以下の注意点があります。
- 申請には期限がある
- 毎月1泊2日以上利用していることを証明できる書類が必要
申請には期限がある
セカンドハウスを取得後60日以内に、都道府県税事務所へ申請する必要があります。購入後は引越し作業などで忙しい時期ですが、くれぐれも期限をすぎないように注意しましょう。
また、自治体によっては、毎年申請が必要なところもあります。たとえば長野県の木曽町では、毎年1月末までに申請をしないと、その年はセカンドハウスの適用を受けられません。自治体によって申請期限が異なる場合もあるため、情報収集をしておきましょう。
毎月1泊2日以上利用していることを証明できる書類が必要
申請書に加え、毎月1泊2日以上利用していることを証明できる書類として、以下のような書類を添付しなければなりません。
- ETCの利用明細書(利用日・インターチェンジ名が明記されたもの)
- セカンドハウス周辺エリアに所在する店舗のレシート・領収書など
ただし証明書として利用できる書類は、自治体によって判断が分かれることがあります。自治体のホームページなどでよく確認しましょう。そして証明書類は大切に保管しておくことが必要です。
まとめ
セカンドハウスは自宅とは別に、仕事や生活の拠点として日常的に利用される住まいです。毎月1泊2日以上利用している場合に、セカンドハウスとして認められます。
セカンドハウスには固定資産税などの税制優遇がある点が大きなメリットです。ただし優遇措置を受けるためには所定の申請が必要で、提出期限や必要書類などに注意しなければなりません。
購入を検討している方は、自治体のホームページなどで制度の詳細をチェックし、確実に税制優遇を受けられるようにしましょう。