熊本市不動産売却クイック査定です。
空き家は、害獣や害虫にとって格好の棲み家であるため、「知らないうちに、ネズミが棲み着いていた!」なんてことも珍しくありません。自然にいなくなってくれれば良いのですが、ネズミは非常に繁殖力が強く、わずか数ヶ月で大量に増える可能性があります。家を傷つけるだけでなく、健康被害や悪臭、火災の原因になることもあるため、小さいからと侮ってはいけません。
今回は、空き家にネズミが出て困っている方の立場に立って、ネズミを駆除する方法や、空き家にネズミがいるか確かめる方法、ネズミを侵入させない方法などについて解説します。この記事を参考にして、ネズミ問題や空き家問題を解決させましょう。
目次
空き家物件にネズミが出たら注意!その理由とは?
先にお伝えしたように、空き家にネズミが出たら早急に対処する必要があります。その理由は以下の4つです。
- 家の中が傷つく
- 不衛生な環境になる
- 火災の原因になる
- 周辺住民からクレームがくる
それでは、具体的な内容を確認していきましょう。
家の中が傷つく
ネズミといえば「前歯」が印象的ですが、ネズミの前歯は一生伸び続けます。さらに、成長速度が早いため、硬いものをかじって前歯の長さを調整する習性があります。そのため、家の柱や家具、壁などの硬いものはネズミにかじられて傷がついてしまう可能性が高いです。家の柱がかじられてしまうと、見た目の問題だけでなく、家の耐震性や耐久性が低下し、倒壊するリスクが高くなります。
また、ネズミが棲み着いて柱がぼろぼろになった家は、資産価値が下がる傾向にあります。資産価値が下がれば、売却できない、解体費用がかかるなどのデメリットが生じるため、ネズミを放置することはおすすめできません。
不衛生な環境になる
ネズミは不衛生な場所を徘徊するため、体内にさまざまな病原菌を保有しています。例えば、サルモネラ菌やパラチフス菌、E型肝炎もネズミが媒介する病気の一種です。これらの病原菌の中には、ネズミの糞や尿などから空気感染するものもあります。万が一、小さな子どもや高齢者が感染すれば、重症化する恐れもあり大変危険です。
さらに、家中に糞や尿を撒き散らかされたり、死骸があったりすれば、室内の異臭の原因にもなるでしょう。特に夏場は腐敗が早く進むため、強い悪臭が発生しやすくなります。このように、ネズミがいると不衛生な環境になりやすく、メリットはありません。見つけたら早急な対策が必要です。
火災の原因になる
ネズミは電気配線もかじります。ネズミにかじられた電気配線は内部の導線がむき出しの状態となり、そこにホコリやゴミが付着することで引火する可能性があります。実際にネズミが原因で漏電し、火災が起きた事例もあるため注意が必要です。
なお、ネズミが原因で火災が起きた場合、「ネズミが発生するまで空き家を放置していた」とみなされ、過失に問われる可能性があります。過失による火災となれば、被害にあった近隣住民から損害賠償を請求される可能性があるため、空き家の状態は定期的にチェックすることが大切です。
周辺住民からクレームがくる
放置された空き家から異臭がしたり、家の周りをネズミがうろちょろしていたりしたら、多くの人は不安を感じるでしょう。動物の中にはネズミを餌にしている害獣もいます。
例えば、たぬき、きつね、イタチ、ヘビなどが挙げられます。ネズミが棲み着いていれば、これらの動物を引き寄せ、さらなる健康被害を引き起こす可能性も否定できません。そのため、不安を感じた周辺住民からのクレームや、行政から指導を受けることもあるでしょう。
ネズミが出た空き家物件は終わり?
「ネズミが出た物件は終わり」と言われることがあります。これは、ネズミの繁殖力の強さが理由です。また、不衛生な環境から病気になる可能性があることや、火災が引き起こされるリスクがあることも「ネズミが出たら終わり」と言われる理由の一つでしょう。結論からお伝えすると、放置せずに適切な対応をすれば被害を食い止めることができます。
空き家でネズミを発見したら、ショックを受ける方も多いかもしれません。そこで悲観して「もう、だめだ」と放置してしまえば、ネズミの被害はどんどん大きくなります。大切なのは、ネズミを見つけたらすぐに適切な対策を講ずること。ネズミが駆除できれば、それ以上の被害を食い止めることができます。また、被害の大きさによっては、補修で元通りになるケースも多いため、資産価値を下げずに売却することも十分可能でしょう。
ネズミが出る家の特徴は?
ネズミが出やすい家には、以下のような特徴があります。
- エサとなる食品が豊富
- 巣を作る材料がある
- ネズミの天敵がいない
- 侵入経路がある
それぞれ具体的な内容について解説します。
エサとなる食品が豊富
ネズミは、人間が食べるものは何でも食べます。特に好んで食べるのは、米や小麦、種子、チーズ、肉、魚などです。また、ペットフードやお供え物を放置していると、それらをエサとしている場合があります。加えて、ネズミの嗅覚は犬と同様、もしくは犬以上です。そのため、ネズミのエサとなる食品が残っている空き家は、ニオイにネズミが引き寄せられ格好の棲み家となる可能性が高いです。
なお、ネズミは1日に自分の体重の3分の1の量の食べ物を食べると言われ、食べ物がないと2日~3日で餓死してしまいます。したがって、なるべく空き家に食べ物を放置しないことが、ネズミの侵入を防ぐ対策へとつながるでしょう。
巣を作る材料がある
家に住み着くネズミは、主にクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミです。ネズミの種類によって巣を作る場所が異なるため、それぞれの特徴を知っておきましょう。
ネズミの種類 | 体長 | 特徴 | 巣を作る場所 |
---|---|---|---|
ドブネズミ | 22cm~26cm |
・泳ぎが得意 ・湿った場所を好む ・寒さに強い |
床下、水回り、家電の裏 |
クマネズミ | 17cm~26cm |
・高い場所を好む ・暗く乾燥した場所を好む ・警戒心が強く賢い |
天井裏、屋根裏、押入れ、天袋、収納スペース |
ハツカネズミ | 6cm~9cm |
・植物性の食べ物を好む ・体が小さい |
物置や倉庫、家具家電の隙間、外壁と内壁の隙間 |
ネズミは、その辺にあるもの上手く使用して巣を作ります。特に、紙類や段ボールなど保温性の高いものが狙われやすく、ビニールや雑巾、断熱材、植物なども使われます。これらの材料が残されている空き家は、ネズミが出やすいと考えられるため注意が必要です。
なお、ネズミの巣を見つけたら急いで撤去しましょう。この際、病原菌や寄生虫がついている可能性があるため、必ずマスクと手袋を着用して作業をしてください。作業後は、巣のあった場所を消毒薬で消毒し、撤去に使用した道具も洗っておきましょう。
ネズミの天敵がいない
ネズミの天敵は、猫、フクロウ、カラス、ヘビ、イタチなどが挙げられます。これらの動物は、ネズミを捕食するため、知らぬ間にネズミが逃げ出し、問題を解決してくれる可能性があります。また、猛禽類のニオイや鳴き声はネズミにとってストレスになると言われており、ネズミによる食害対策としてフクロウの育成を行っている農園もあります。
侵入経路がある
ネズミは小さな穴や隙間から侵入しますが、穴が自分の体より小さくても強靭な前歯で穴を大きくして家の中へ侵入します。また、床下の通気口や排水口などのわずかな隙間でも侵入してくるため、「これくらい大丈夫だろう」という油断は禁物です。
空き家物件のネズミを駆除する方法
実際に空き家でネズミを発見した場合、どのように駆除すれば良いのでしょうか。ここでは、以下3つの駆除方法をお伝えします。
- ネズミ駆除用の罠を設置する
- ネズミ駆除用の餌を設置する
- 専門の駆除業者へ依頼する(費用など)
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、ご自身に合った方法を試してみましょう。
ネズミ駆除用の罠を設置する
最初に紹介するのは、ネズミ駆除用の罠を設置する方法です。ニオイでおびき寄せる罠や、強力な粘着シートで捕まえる罠、カゴ式の罠などさまざまな種類があります。これらはホームセンターやドラッグストアで比較的安価に購入することができます。そのため、ネズミを見つけたその日のうちに罠を設置できるという手軽さがメリットです。
一方で、捕獲したネズミは生きている可能性があるため、捕まえたあとの処理方法を考えておく必要があります。一般的には、水を入れたバケツに入れて溺死させたあと、ビニール袋に入れて生ゴミとして廃棄します。後処理については苦手な方も多いため、「生きたネズミを見たくない」「後始末はできない」という方は、他の方法を検討した方が良いでしょう。
ネズミ駆除用の毒餌を設置する
次に紹介するのは、ネズミ駆除用の毒餌を設置する方法です。駆除用の毒餌は、一度の摂取で死に至らせる効果があるため、罠よりも捕獲後の後処理が楽なのはメリットです。しかし、毒餌を食べたネズミはどこで死ぬのかわかりません。また、毒餌を食べなければ効果がない点はデメリットと言えるでしょう。ネズミは非常に賢い動物であるため、一度かかった罠には2度と掛からないと言われています。
そのため、他のネズミが毒餌を食べて死ぬのを見たら、仕掛けに掛からなくなる可能性が高いです。さらに、ネズミがどこで死ぬかわからないという点にも注意が必要です。ネズミの死骸が放置されていると虫が湧いてきたり、死骸の腐敗が進んで悪臭がしたり、二次被害につながる可能性があります。そのため、腐敗の進みやすい夏場の使用は避けたほうが無難でしょう。
専門の駆除業者へ依頼する(費用など)
最後は、ネズミ専門の駆除業者へ依頼する方法です。これまで紹介した2つは、全てのネズミを駆除できるものではありません。また、ネズミの侵入経路を塞がなければ、時間とともにまたネズミが発生するでしょう。
そのため、ネズミ専門の駆除業者へ依頼をして、ネズミが二度と空き家へ入りこまないよう侵入経路を塞いでもらいましょう。ただし、ネズミ駆除業者へ依頼すると、自分で駆除するよりも費用がかかります。下表は、ネズミ駆除にかかる費用の一覧です。
価格帯 | 内容 |
---|---|
~5万円 | ネズミの死骸処理、部分的な作業 |
5万円~10万円 | ネズミの生息調査、簡易駆除、消毒など |
10万円~20万円 | 本格的な駆除、消毒、再発防止処理など |
20万円~30万円 | ネズミの被害が大きい場合、家の面積が大きい場合 |
30万円以上 | 被害部分の補修や本格的な再発防止処理など |
駆除料金は、家の坪数にもよって変動します。侵入経路を塞ぐような本格的な駆除を依頼する場合は20万円程度の費用がかかることを想定しておきましょう。
空き家物件にネズミがいるか?確かめる方法
空き家にネズミがいるか確かめるためには、以下の方法がおすすめです。
- 家の中に汚れやキズがあるかチェック
- フンが落ちてないかチェック
- 食料品などかじられた跡がないかチェック
- 家の中に隙間があるかチェック
- 天井裏で音がしないかチェック
上記は「ラットサイン」と呼ばれ、実際にネズミ駆除業者もこのラットサインを手がかりにネズミの侵入経路や巣を探します。それぞれのポイントについて解説しますので、空き家にネズミがいるかどうか確かめてみてください。
家の中に汚れやキズがあるかチェック
ネズミの体には、汚れが付着しています。ネズミは家中を移動するときに、壁や柱に体を添わせながら移動することから、壁や柱、床などに汚れが付着することがあります。また、ネズミは同じ道を通る習性があるため、最初はあまり目立たなかった汚れが、だんだんと黒っぽい汚れになっていたら要注意。
ネズミが棲み着いている可能性が高いでしょう。したがって、空き家を訪れるときは、床や壁を隅々までチェックしてキズや汚れがないか確認してください。
フンが落ちてないかチェック
ネズミのフンは、長さ5mm~10mmほどの大きさで黒っぽい色をしています。フンを見ると、ネズミの種類を見分けることができるため、駆除業者へ依頼する場合は写真を撮っておくことをおすすめします。ネズミのフンが見つかった場合は、高確率でネズミが棲み着いていると考えられます。
また、ネズミは移動しながら排泄するため、フンが大量に見つかった場所は頻繁に通っていることを意味しています。そのため、フンの位置を参考に駆除用の罠を仕掛けるのも良いでしょう。
なお、ネズミのフンには雑菌や病原菌が含まれているため、直接触れるのは危険です。必ずゴミ手袋とマスクを着用し、ティッシュやトイレットペーパーで掃除してからアルコールで除菌してください。このとき、掃除機の使用は厳禁です。掃除機で吸うと、掃除機内部が汚れ雑菌が繁殖したり、病原菌が飛散したりする可能性があるためです。
また、ネズミの尿は強烈なニオイを放ちます。ネズミはマーキングする習性があり、あちこちに尿を撒き散らすため、周辺をしっかり掃除してニオイを除去しましょう。
食料品などかじられた跡がないかチェック
ネズミは雑食であるため、基本的に何でも食べます。ビニール袋に入っていても鋭い歯で袋を破ってしまい、中身を食べ荒らします。そのため、空き家に放置したままの食料品に穴が空いていたり、残っていた食材が不自然に荒らされたりしている場合は要注意。ネズミが棲み着いている可能性が高いと考えられます。
家の中に隙間があるかチェック
ネズミは、家の中にある隙間や小さな穴から侵入します。約1cmの隙間があれば侵入できると言われているため、老朽化が進んだ空き家は注意が必要です。空き家をチェックする際は、以下の場所に隙間や破損がないか注意深く確認しましょう。
- エアコンの配管
- 排水口
- 換気扇
- 網戸
- 窓や扉
- 壁のひび割れ
- 戸袋
- 風呂場
- 洗面所
- トイレ
隙間が見つかった場合は、侵入を防ぐための対策が必要です。隙間が大きい場合はステンレスタワシを詰める、防虫金網を取り付ける方法があります。一方、隙間が小さい場合は、専用のパテなどを使用して隙間を塞ぎましょう。
天井裏で音がしないかチェック
天井裏でガサガサ音がしたり、何かが走るような音が聞こえたりする場合は、害獣が棲み着いている可能性が高いです。天井裏以外にも、床下や壁から聞こえてくることもあります。ネズミの場合は、「キーキー」「チーチー」といった鳴き声が聞こえますが、ネズミは体が小さいためあまり大きな足音はしません。
したがって、聞き慣れない鳴き声や大きな足音が聞こえる場合は、アライグマやハクビシンなどが棲み着いている可能性があります。いずれの場合でも、害虫が棲み着いている可能性は非常に高いため、害獣駆除業者へ依頼するなどの対策が必要です。
空き家物件にネズミを侵入させない方法
ネズミの被害を抑えるためには、空き家にネズミを侵入させないことが重要です。ここでは、以下4つの対策を解説します。
- 家の中を片づける
- 隙間などの侵入口をふさぐ
- ネズミ対策グッズを設置する
- 管理を依頼する
それでは、順番に見ていきましょう。
家の中を片づける
空き家を物置のように使用している方も多いでしょう。しかし、家の中にたくさんの物を置いておくと、湿気がたまりやすくなります。ネズミは、薄暗く湿気の多い場所を好むため、ネズミにとって絶好の棲み家となってしまう可能性があります。
また、ネズミだけでなくゴキブリやその他の害虫・害獣を引き寄せる原因になりかねません。したがって、空き家は整理整頓を心がけ、不要な物を溜め込まないことが大切です。
ただし、長年放置した空き家は物が多く、片づけをするのも大変でしょう。不用品の処分は、業者へ依頼することも可能ですが、費用がかかる点がデメリットとなります。専門業者へ依頼した場合、費用相場は以下の通りです。
間取り | 費用相場 | 作業時間 |
---|---|---|
1LDK | 5万円~20万円 | 2~6時間程度 |
2LDK | 8万円~25万円 | 2~6時間程度 |
3LDK | 10万円~30万円 | 3~8時間程度 |
4LDK以上 | 15万円~ | 4時間~10時間程度 |
費用は家の広さや荷物の量によって大きく左右されるため、上記はあくまでも一例として参考にしてください。
隙間など侵入口をふさぐ
ネズミが室内に侵入しないようにするためには、侵入口となる隙間を塞ぐことが効果的です。例えば、エアコンの配管部や浴室、トイレ、キッチンなどの排水口は隙間ができやすいため、小さな隙間は専用のパテで埋めると良いでしょう。侵入口が大きい場合は、金網や防鼠ブラシなどを使用して隙間を埋める方法がおすすめです。柔らかい素材は、ネズミにかじられて穴が空いてしまう可能性があるため、ゴムやスポンジ素材は避けましょう。
ネズミ対策グッズを設置する
ネズミの侵入防止には忌避剤を使用するのもおすすめです。忌避剤とは、害虫や害獣が嫌がるニオイや味がする薬剤のこと。殺虫剤とは異なり、害虫・害獣を寄せ付けないことを目的としています。忌避剤には、固形、粒状、スプレーなど様々なタイプがあるため、使用する場所に適したものを選ぶことが大切です。
ただし、忌避剤の持続期間は限定的であるため、こまめに散布しなくてはなりません。また、ネズミは非常に賢い動物であるため、同じものを使用し続けていると効果が薄れてくる可能性があります。忌避剤の効果が薄くなったと感じたら、他の薬剤に変えるなど工夫しましょう。
管理を依頼する
空き家を放置していると、ネズミが発生しやすくなります。定期的に空き家を掃除したり、換気したり、必要に応じたメンテナンスを行うことでネズミの発生は抑えることができます。しかし、空き家所有者の中には、「遠方に住んでいて空き家の管理ができない」という方も多いでしょう。
このような場合は、不動産会社に空き家の管理を依頼するという方法がおすすめです。不動産会社に管理を依頼すると毎月管理費が発生しますが、契約内容によっては、空き家の清掃や換気、庭の手入れなどを請け負ってくれるでしょう。
空き家物件を有効活用する方法
ここまでは、空き家に侵入したネズミを駆除する方法や、侵入を防ぐ方法をお伝えしました。しかし、空き家のネズミ駆除は一時的なものに過ぎず、空き家を放置し続ければ劣化によって、またネズミが侵入する可能性があります。そのため、空き家の管理ができない場合は、空き家を有効活用するために以下の方法を検討してみましょう。
- 賃貸として貸し出す
- 解体する
- 売却する
それぞれのメリット・デメリットを紹介するので、空き家を有効活用する方法として参考にしてください。
賃貸として貸し出す
不要な空き家を所有し続けていると、毎年税金や維持費がかかります。しかし、賃貸として貸し出せば家賃収入を得ることができます。得た収入は維持費に充当したり、生活費に充てたりするこができるでしょう。また、家は人が住んでもらうことで劣化が進みにくくなります。賃貸として貸し出すことで、メンテナンスの手間が省け、家を長持ちさせることができるのはメリットと言えるでしょう。
一方で、賃貸と貸し出す場合は、初期投資が必要になります。特にネズミが棲み着いている場合は、専門業者へ依頼して、ネズミ駆除や再発防止対策が必須です。加えて水回りのリフォームや内装リフォームを行う場合は、100万円以上のリフォーム費用がかかることも想定しておかなければなりません。また賃貸の場合は、立地が非常に重要です。
リフォームしても、立地が悪く借り手が見つからなければ赤字になってしまう可能性もあるため、慎重な判断が必要です。賃貸経営に慣れていない方や一般の方がいきなり空き家を賃貸として貸し出すのは高リスクでしょう。
解体する
空き家の管理ができない場合は、解体して更地にするのも一つの選択肢です。解体してしまえば、ネズミに頭を悩まされることもなくなるでしょう。解体後は駐車場にしたり、土地として売却したり、さまざまな活用方法があります。
ただし、解体費用は100万円~200万円程度かかります。賃貸に貸し出すときと同様に、立地条件が悪く売却できなれければ解体費用が赤字となってしまうこともあるでしょう。また、家が立っている土地は、住宅用地の特例という固定資産税の軽減税率が適用されています。更地にしてしまうとこの特例は受けられなくなるため、固定資産税が最大6倍になってしまう可能性があります。空き家の解体を検討する際は、まず不動産会社へ相談し、周辺地域の不動産売買事例や相場を参考に慎重な判断が必要です。
売却する
なるべくお金をかけずに空き家を処分したいという方は、空き家のまま売却する方法がおすすめです。売却すれば、ネズミの心配や固定資産税の支払い、管理の手間から解放されます。また、売却できればまとまった資金が手に入るため、生活が豊かになるでしょう。
ただし、ネズミが棲み着いた家は売却しにくい傾向にあります。空き家の状態によっては、相場よりも販売価格が大幅に下がったり、買取を断られたりする可能性もあり得るでしょう。なお、不動産売買には「仲介」と「買取」の2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
- 「仲介」・・・不動産会社へ依頼して買主を見つけてもらう方法
- 「買取」・・・不動産会社へ直接買い取りをしてもらう方法
立地が良い物件は、高値で売却できる可能性があります。そのため、仲介で売却を進めると良いでしょう。仲介でなかなか買い手がつかない場合は、買取に変更することも可能です。一方で、立地が悪く空き家の状態があまり良くない物件は、不動産会社へ査定依頼をして買取を検討するのがおすすめです。査定額に納得できれば、すぐに空き家を売却することができます。まとまった資金が必要な方にも最適でしょう。
まとめ
今回は、空き家物件にネズミが出たら終わりなのか?について解説しました。空き家にネズミが出たらショックを受ける方も多いでしょう。しかし、ネズミが出たら終わりと諦める必要はありません。ネズミを見つけたら放置せずに、対処することで被害を食い止めることができます。
まずは、家の中をよく見回して、家具や柱が傷ついていないか、フンが落ちていないか、食品や電気配線がかじられていないかチェックしてみましょう。ネズミがいることがわかったら、自分にあった方法を見つけて駆除します。自分でできない方は、ネズミ駆除の専門業者へ依頼するのがおすすめです。費用はかかりますが、より確実にネズミを駆除することができるでしょう。
また、侵入経路はしっかりと塞ぎ、再発を防止することが大切です。放置空き家は日本中で増え続け、社会問題となっています。空き家の管理は手間もお金もかかるため、更地にして売却するのも一つの選択肢です。この機会に、空き家の活用方法や処分について考えてみましょう。