熊本市不動産売却クイック査定です。
屋上は景色が良くて開放的な空間であり、ドラマや映画の一場面にもよく登場しますよね。「うちのマンションも、身近に利用できるのでは」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし実際のところ、マンションの屋上は立ち入りが制限され、住民が勝手に入れないことが多いです。
本記事では、なぜ屋上に勝手に入れないのかという理由について解説します。屋上の代替案として、ルーフバルコニー付き物件の魅力も紹介するため、これからマンションへの引越しを検討している方は必見です。
目次
マンションの屋上って入れる?入れない?勝手に入ると不法侵入
マンションの屋上は、立ち入り禁止になっていることがほとんどです。もし勝手に入ると、たとえ住民であっても、不法侵入とみなされる恐れがあります。
マンションの屋上が入れない理由
住民の立ち入りを制限するのには、訳があります。主な理由を挙げると、以下の4つです。
- 屋上は危険
- 防犯上の問題
- 防水など設備の問題
- クレームになる
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
屋上は危険
屋上は高所にあるため、転落事故のリスクがあります。手すりの高さが十分確保されていないマンションもあり、特に小さい子どもにとっては非常に危ないです。雨天や強風時には足元が滑りやすくなり、事故の危険性がさらに高まります。
また、屋上にいる人が物を落とすのも危険です。高所から落ちると、スマホのような小さな物でも、加速度が増して強い衝撃が生じます。通行人に直撃すると、深刻なケガにつながりかねません。
このような重大事故のリスクを排除するために、屋上を立ち入り禁止にしているマンションは多いです。
防犯上の問題
屋上は、不審者の侵入経路となる可能性があります。そのため、住民や外部の人が自由に出入りできる屋上は、防犯対策が不十分といえます。
不審者が屋上を経由して住戸内に入り、空き巣などのリスクが高まるでしょう。具体的には、ロープで最上階のバルコニーに降りるなどの手口が考えられます。
このような犯罪から住民を守るために、屋上を開放していないマンションは多いです。屋上の立ち入りを制限することで侵入経路を塞ぎ、建物のセキュリティを確保できます。
防水など設備の問題
住民が屋上に頻繁に立ち入ると、屋上の防水層が劣化する恐れがあります。
防水層でよく使われる露出アスファルトや塩ビ系シートは、不特定多数の人が歩くことを想定していません。屋上を開放すれば、すぐに表面が傷んでしまうでしょう。
屋上は建物全体の防水機能を維持する重要な部分です。そのため防水層が傷むと、マンションの耐久性が低下し、深刻な問題につながる可能性があります。
また、屋上には給排水設備や空調設備、エレベーター機械室などが設置されています。住民がむやみに触ると、故障や事故につながることもあり危険です。
クレームになる
屋上の利用がきっかけで、住民や近隣からのクレームになることもあります。屋上は広くて開放的な空間だからこそ、トラブルにつながりやすい面があるのです。
たとえば友達を呼んで大騒ぎすると、近隣の迷惑になります。屋上で子どもが走り回って、階下にドタドタと振動が響くと、不快に感じる人もいるでしょう。
屋上を利用する際のマナーも、問題になります。ゴミを放置したりタバコをポイ捨てしたりすると、美観を損ねるだけでなく、火災の危険性も高まります。
一度は屋上を開放していたものの、クレームが増えたことで屋上の利用を禁止したマンションも少なくありません。
一部のマンション!屋上の有効活用方法の例
「せっかく広いスペースがあるのに、立ち入り禁止にするなんてもったいない」と考える方も多いでしょう。なかには、屋上スペースを賢く活用しているマンションもあります。一部の例を見てみましょう。
- 菜園
- ドッグラン
- 屋上庭園
- 物干しスペース
- 太陽光パネルの設置
- 携帯電話基地局アンテナの設置
- 看板広告の設置
菜園
一部のマンションでは、屋上に菜園を整備し、住民に貸し出しています。新鮮な野菜やハーブを育てることができ、住民同士の交流の場にもなるでしょう。
遮る物がなく太陽の光がたっぷり入るため、さまざまな作物を栽培しやすい環境です。
また、土や植物で屋上を覆うことで、建物の断熱効果が高まります。夏は涼しく、冬は温かく過ごせる点がメリットです。
ドッグラン
次にご紹介するのは、屋上をドッグランとして開放している事例です。ペット飼育可の物件に多く見られます。
ペットの運動不足解消や、住民同士の交流の場として役立ちます。適切なフェンスを設置していれば、ペットを安全に遊ばせることが可能です。
ただ、ペットの鳴き声や排泄物の処理などで住民同士のトラブルになることも多いです。しっかりとルールを定めたうえで運用することが求められます。
屋上庭園
屋上庭園を設けているマンションもあります。緑豊かな空間は、住民がリフレッシュできる憩いの場です。
庭園の種類は、簡易的な緑化だけの物件もあれば、水辺のある本格的な庭園まで、さまざまです。魚や昆虫が生息するビオトープを取り入れ、自然に近い環境を楽しめるところもあります。
庭園の土や植物は、建物の断熱効果を高める役割もあります。室内の温度が調整されやすくなり、季節を問わず快適に過ごすことが可能です。
物干しスペース
一部のマンションでは、屋上を物干しスペースとして使うことができます。比較的築年数の経過したレトロな物件に多い傾向です。
とにかく日当たり抜群なので、洗濯物を短時間で乾かすことができます。布団やラグなど大きな物をスペースを気にせずに干せるのも嬉しいポイントです。
太陽光パネルの設置
屋上に太陽光パネルを設置するマンションも増えてきています。共用部で発電した電気はさまざまな活用方法があります。
まずは共用部や各住戸で使い、管理費や電気代の削減につなげることが可能です。それでも余った電力は売電すれば、収益源になります。蓄電池を設置し、非常用電源として利用する方法も、災害時の備えとしておすすめです。
ただ太陽光パネルを設置すると、初期費用やメンテナンス費用が必要になります。自治体によっては補助金を用意しているところもあるので、気になる方は調べてみてください。
携帯電話基地局アンテナの設置
屋上に基地局アンテナを設置して、毎月収入を得ているマンションもあります。通常、初期費用やメンテナンス費用は不要で、携帯電話会社が管理を行います。
ただ設置できるかどうかは、携帯電話会社の需要によります。需要のない地域では、そもそも契約が成立しません。
負担ゼロで収益を得る魅力的な方法ですが、一部のマンションだけに限られた活用方法といえます。
看板広告の設置
屋上に看板広告を設置して、収入を得る方法です。大通り沿いや駅から近い立地のマンションは看板広告のニーズが高いため、安定した収入が期待できるでしょう。
しかし設置には初期費用がかかるほか、強風や災害時の安全対策を徹底しなければなりません。広告看板のデザインやサイズの規制も遵守する必要があります。
一部のマンション!屋上活用の注意点
屋上を住民が使えるようにする場合は、以下の注意点があります。
- 利用ルールを定める
- 利用に耐えうる防水層か確認する
- 利用していないときは施錠しておく
利用ルールを定める
安全確保やトラブル防止のために、利用ルールを定めることが重要です。利用ルールの一例を挙げてみました。
- 火気を使用しない
- 大声で騒がない
- 飲酒しない
- 楽器を演奏しない
- 清掃マナーを守る
この他にも利用時間を決めたり、花火大会の時だけ限定開放したりするマンションがあります。
利用に耐えうる防水層か確認する
屋上を開放する前に、そもそも不特定多数の利用に耐えうる防水層なのか確認しましょう。屋上の利用が増えることで、防水層への負担が大きくなります。
水漏れの原因にならないように事前に耐久性を確認し、必要に応じて補修を行うことが大切です。
利用していないときは施錠しておく
屋上を使用していないときは施錠を徹底します。むやみに開放しないことで、事故や犯罪のリスクを防ぐことができます。
一般的には、各住戸の鍵を使って住民それぞれが屋上の扉を開け閉めしているところが多いです。さらに厳格に管理するのであれば、鍵を管理人室で保管し、使うときだけ貸し出す方法もあります。
ルーフバルコニー付きマンションのメリットとデメリット
「屋上を活用したいのに開放されていない」という場合は、ルーフバルコニー付きマンションに引っ越す選択肢もあります。
ルーフバルコニーとは、階下の屋根の上にあるバルコニーです。通常のベランダやバルコニーより広々とした面積を確保できます。屋根がないので、屋上のような雰囲気を味わえます。
ルーフバルコニー付きマンションには、メリット・デメリットがあるので、両方を理解したうえで選びましょう。
メリット
メリットは、以下のとおりです。
- 日当たり良好
- 開放感がある
- 活用の幅が広い
- プライバシーが確保されている
明るい屋外空間で開放感を味わえるのが、ルーフバルコニー付きマンションの醍醐味です。ガーデニングやアウトドアリビングなど、ライフスタイルに合わせた活用ができるでしょう。外からの視線を気にせず、安心して過ごせる環境も魅力です。
デメリット
一方でデメリットは、以下のとおりです。
- 使用料がかかる
- 掃除が大変
- 物件数が限られる
ルーフバルコニーは共用部であり、ほとんどの物件で使用料がかかります。スペースが広いほど掃除に手間がかかる点にも注意しなければなりません。また、希少性が高いため選択肢が狭まる可能性もあります。
まとめ
マンションの屋上は、安全や防犯上の理由で閉鎖されていることが多いです。一部のマンションでは屋上を開放しているところもありますが、利用ルールを定めるなど慎重な運用が求められます。
開放的な空間を求めるなら、ルーフバルコニー付きマンションという選択肢もあります。広々とした空間で、さまざまな使い方ができるでしょう。