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アパートのゴミ捨て場設置!散乱トラブルやルール・管理会社について

アパートのゴミ捨て場設置!散乱トラブルやルール・管理会社について

 

アパートでよく起こるトラブルのひとつに「ゴミ出しのマナー違反」があります。例えば、ゴミを捨て時間を守らない、回収されなかったゴミが荒らされている、ゴミの悪臭問題などが挙げられます。アパートのゴミ捨て場問題は、管理会社は避けて通れない課題とも言えるため、トラブルを防ぐための対策や適切な管理は必要不可欠でしょう。

 

さらに、トラブル時の対処法をあらかじめ理解しておくことも大切です。そこで今回は、賃貸オーナーや管理会社が知っておくべき、ゴミ捨て場を設置する場合のルールや注意点、ゴミ捨て場の種類、トラブルになった場合の対処法などについて解説します。

 

アパートにゴミ捨て場を設置する場合のルール

アパートにゴミ捨て場を設置する場合のルール
各自治体によって、アパートに設置するゴミ捨て場のルールが定められています。そのため、アパートを新築・増築したり、新たにゴミ捨て場を設置したりする場合は、自治体ごとの設定基準を守らなければなりません。たとえば、横浜市では集合住宅のゴミ捨て場について、以下の設置基準を設けています。

 

  • 収集作業の安全が確保でき、近隣住宅への影響を配慮し、原則として、共同住宅の敷地内に設置すること。なお、10戸未満の場合は、近隣にある既存の集積場所を使うことを原則とする。
  • 集積場所の形状は、長方形型を基本とし、間口が道路に1.5メートル以上接した位置に設置すること。また、間口より奥行きを短くし、奥行きを0.5メートル以上設けること。
  • 水栓を設置すること。
  • 雨水、汚水が溜まらない構造とすること。
  • 棚を付けた二段積みの構造にしないこと。

参照:横浜市ウェブサイト「ごみ集積場所設置基準」

 

このように、自治体ごとに細かな設置ルールが設けられているため、ゴミ捨て場を新設する際は、自治体のホームページや窓口でゴミ捨て場の規定を確認しましょう。

 

アパートにゴミ捨て場を設置する場合の注意点

ゴミ捨て場を設置するときは、以下のポイントに注意が必要です。

 

  • 事前に届け出が必要
  • ゴミ捨て場の管理責任は「オーナー」か「管理会社」か?

 

項目ごとに詳しく見ていきましょう。

 

事前に届け出が必要

先述した通り、ゴミ捨て場は各自治体によって設置ルールがあります。また、アパートやマンションなどの共同住宅は、居住者専用のゴミ捨て場の設置が条例で義務付けられています。そのため、アパートを新築、増築する際には、ゴミ捨て場の設置について自治体へ相談し、事前に届け出をしなければなりません。

 

ゴミ捨て場の管理責任は「オーナー」か「管理会社」か?

アパートのゴミ捨て場は、所有者であるオーナーか管理会社が管理します。ゴミ捨て場の管理は、物件の美観や入居者の快適性・安全性を守る重要な仕事であるため、管理会社へ委託しているオーナーも多いでしょう。しかし、法律的な定めではないため、物件によって管理責任者は異なります。自主管理しているオーナーは、自身でゴミ捨て場を管理していますが、ゴミ捨て場の管理業務は手間のかかる大変な作業です。オーナーの高齢化や管理不足によって、ゴミ捨て場のトラブルが発生しているケースも少なくありません。管理会社の方は、自主管理しているオーナーへ「管理委託を推奨する」ことも、一つのトラブル対策となるでしょう。

 

アパートにゴミ捨て場!ルールを紹介

ルールを紹介
ゴミ捨て場のトラブルを防ぐためには、ゴミ捨てのルールを入居者に周知しなければなりません。ここでは、以下を例にあげて解説します。

 

  • ゴミ分別のルール
  • ゴミを捨てる時間帯のルール

 

さっそく詳しい内容を見ていきましょう。

 

ゴミ分別のルール

近年、ゴミ袋の指定や有料化、分別を細分化している地域が増えていて、ルールを守らないゴミ出しは、回収してもらえないケースもあります。ゴミが回収されずに残ったままになると多くの悪影響が考えられるため、管理会社は自治体のルールを入居者へしっかり伝えることが大切です。なお、外国人の入居者が多い地域では、イラストや英語表記を用いて、より多くの人が理解できるよう資料を工夫しましょう。

 

ゴミを捨てる時間帯のルール

ゴミの回収日時は自治体によって決められていて、捨てる時間帯や曜日を間違えるとゴミを回収してもらえません。また、深夜にゴミ出しを行うと騒音で近所迷惑になったり、早朝に野生動物がゴミを荒らしたりする可能性があります。そのため、状況に合わせて深夜のゴミ捨てを禁止する、ゴミ捨て場に鍵をつけるなどの対策を検討しましょう。

 

アパートにゴミ捨て場!どんな種類があるの?

どんな種類があるの?
主に利用されているゴミ捨て場は、以下の3つです。

 

  • 開放型
  • 密閉型
  • 路上型

 

それぞれの特徴やメリット・デメリットを知って、物件に合ったものを選びましょう。

 

開放型

開放型は、背面と左右の三面がブロックや塀などで囲われているタイプのゴミ捨て場です。密閉型ほどではないものの、ゴミ捨て場の周囲に塀があるため、強風でゴミが飛ばされるリスクを低減することができます。その一方で、悪臭が漂いやすい、野生動物にゴミを荒らされやすいなどのデメリットがあるため注意が必要です。

 

密閉型

密閉型は、比較的築年数が新しいアパートに多く見られます。専用ボックスには、ゴミ捨て場が密閉できるようフタや扉が付いていて、入居者がゴミを捨てるタイミングで自由に開閉することができます。ネコやカラスが侵入するリスクも低く、第三者にゴミを荒らされる心配も少ないでしょう。また、密閉型はニオイ漏れを防ぐ効果も期待できます。ただし、大きさに限りがあるため、ゴミの容量に制限があります。さらに、通気性が悪くニオイが充満しやすい、菌が繁殖しやすい、内部の掃除が大変など、いくつかデメリットもあります。

 

路上型

路上型は、行政の許可を得た上で、アパート前の道路や周辺道路にゴミ捨て場を指定するタイプです。アパートの敷地内にゴミ捨て場を設置する余裕がない場合や、世帯数が少ないアパートなどで見られます。路上タイプは、多少スペースに余裕があるため、大きめなゴミが出しやすいというメリットがあります。一方、路上にゴミを出すという性質上、多くの通行人に見られる可能性が高く、個人情報の漏洩に注意が必要です。さらに、ネコやカラスなどによる被害や、第三者による荒らし行為、不法投棄などのトラブルも想定されます。

 

ゴミ捨て場!万が一トラブルになったときの対処法

万が一トラブルになったときの対処法
実際にゴミ捨て場でトラブルが起きた場合、オーナーや管理会社はどのような対処を行うべきなのでしょうか。ゴミ捨てに関するトラブルは頻繁に起こるため、対処法を知っておくと「いざ」という時に役立ちます。ここでは、よく起こりがちなトラブル例とその対処法について見ていきましょう。

 

ゴミを捨てる時間を守らない場合

ゴミ収集の時間は、例えば、「朝9時」など自治体によって決められています。その上で、管理会社によって「常識的な範囲内でのゴミ出しルール」が設けられていることが多いでしょう。ただし、全ての入居者がルールを守ってくれるわけではありません。入居者の中には、ルール違反とわかっていながら身勝手な理由で深夜や早朝にゴミ出しをする人もいます。そうすると、ルールを守っている住民から不満が出たり、衛生面やニオイに関するトラブルが起こりやすくなったりします。これらを防ぐためには、入居者へゴミ捨てルールを徹底的に周知することが重要です。近年は、各自治体でゴミ捨てのルールが厳しくなっています。

 

さらに、外国人の入居者が増加しているため、イラストや英語・中国語表記などを用いてわかりやすい資料を配布するとよいでしょう。また、曜日ごとの簡易一覧表などを作成して、エントランスや共用部分に貼りだしておくのもおすすめです。

 

ゴミ捨て場にゴミが回収されず残っている場合

ルールが厳しい地域では、分別されていないゴミは回収されず残ったままになることも。残ったゴミは悪臭の原因になり、菌を繁殖させたり、野生動物を引き寄せたりする可能性があります。さらに、「次の回収日まで家に置いておきたくない」「旅行で家を留守にするから」などの理由で、回収日を無視した「先出し」が行われるケースもあります。こういったケースは、他の入居者の迷惑になるだけでなく、ルールを守らない人が増える原因になるため早めの対処が必要です。

 

管理会社ができる対策として、ゴミ置き場を工夫するという方法があります。ゴミの分類が「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ゴミ」である場合、分別を細分化することで地域のルールに沿った分別が自然と行えるようになります。例えば、資源ゴミを細分化して「段ボール」「古紙」「布類」と分けておくことで、入居者も「分別する」という意識が持ちやすくなるでしょう。また、長期休暇や年末年始など、ゴミの先出しが多くなりやすい時期は、あらかじめ指定した時期だけは「先出しOK」というルールを設けておくのもおすすめです。こうすることで、回収されないゴミが何日も放置される事態を避け、衛生面やニオイの問題を回避することができるでしょう。

 

ゴミ捨て場がすぐに汚される場合

ゴミ捨て場が汚れていると、アパートの景観や衛生環境を損なうだけでなく、入居者の満足度の低下や物件価値の低下、入居希望者の減少などの悪影響が考えられます。そのため、管理会社は迅速な対応が必要です。初動対応では、まず現場の確認を行います。状況をしっかり確認して写真やメモをとって記録を残しておきましょう。たとえば、ゴミ捨て場が汚れされた時間帯、場所、ゴミ袋の状況などをチェックします。

 

さらに、入居者から聞き取りを行うのも効果的です。散乱したゴミ捨て場を清掃したら、現場の状況をまとめます。この情報は必ずオーナーと共有し、原因特定や再発防止策に役立てましょう。なかなか改善されず頻繁に汚される場合は、防犯カメラの設置を検討するのも有効な手段です。

 

ゴミ捨て場の悪臭が酷い場合

ゴミ捨て場は、ゴミが回収されたあとも壁や床部分に染みついた汚れや、堆積した小さなゴミが原因となり悪臭が発生する場合があります。悪臭をそのまま放置すると、入居者からの不満、近隣住民からの苦情、害虫問題など、多くの悪影響が考えられるため注意が必要です。

 

ゴミ捨て場の悪臭が酷い場合は、定期的な清掃を行い、清潔さを保つことを心がけましょう。また、脱臭装置を設置することで消臭することもできます。ただし、清潔さを保たなければ脱臭装置の効果も半減してしまうため、定期的な清掃は必要不可欠です。

 

アパートの住民以外が勝手にゴミを捨てる場合

アパートの敷地内にあるゴミ捨て場は基本的に「入居者専用」です。しかし、アパートの入居者以外の人が勝手にゴミを投棄することがあり、トラブルになるケースも少なくありません。そもそも、アパートの入居者以外がゴミを捨てる行為は「不法投棄」に該当します。そのため、場合によっては法律違反になる可能性があります。違反した場合は、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、または双方が課せられます。

 

このようなトラブルを防ぐためには、定期的な清掃、張り紙や看板の設置、ネットで覆う、防犯カメラの設置などが効果的です。不法投棄を完全に無くすことは難しいかもしれませんが、不法投棄を減らすことができるでしょう。

 

退去時にゴミが捨てられる場合

アパートの退去時に、粗大ゴミが投棄されるのもよくある問題のひとつ。たとえば、いらなくなった自転車を駐輪場に置いていってしまうのはよくあるケースです。粗大ゴミを処分するには費用がかかるだけでなく、粗大ゴミを置いておくためのスペースも必要になります。なるべく粗大ゴミ投棄を防ぐためには、退去間近の入居者に対して粗大ゴミ投棄の禁止を啓蒙する、リサイクルショップや自治体などの粗大ゴミ引き取りサービスを案内するなど、適切なアプローチを行うことが重要です。

 

まとめ

以前は、ゴミ捨て場のトラブルを防ぐために、ゴミ袋に名前や部屋番号を書くことを義務付けていた自治体もありました。しかし、近年は個人情報保護の観点から記名に反対する意見も多く、記名を強制する自治体も少なくなっています。

 

アパートやマンションのような集合住宅では、本文中で紹介したようなトラブルはどうしても発生しがちです。ゴミ捨て場のトラブルが多発すると、近隣住民からの苦情、入居者のモラルの低下、新規入居者の減少など、さまざまなリスクが考えられます。小さな問題でも、放置すると被害が拡大する可能性も高いため、管理者は早めの対応を心がけましょう。

 

賃貸オーナーや管理会社の方は、今回紹介した記事の内容を参考にしながら、ゴミ置き場拡充によるトラブル回避を検討しましょう。

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