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相続した土地を売るタイミングとは?土地売却時に発生する税金など解説

相続した土地を売るタイミングとは?土地売却時に発生する税金など解説

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

土地を相続したものの、活用方法や売却のタイミングに悩んでいる人も多いでしょう。土地は所有しているだけで、メンテナンスコストや税金がかかります。したがって、適切なタイミングで売却することが重要です。この記事では、相続した土地を売るタイミングや税金について、土地を売る手順などについて詳しく解説します。

 

相続した土地を売るタイミングとは?

土地を売るタイミングとは
相続した土地を売る理由は、「活用方法がわからない」、「税金を払うのが大変」など、状況によって様々でしょう。売却するメリットとしては、税金控除を受けたり、固定資産税の負担が軽減されたりすることが挙げられます。一方で、経済的に余裕があれば、すぐに売却せず高値売却できるタイミングを待つのも選択肢の一つです。また、今後土地を活用する予定があれば、すぐに売却する必要はありません。

 

このように、土地を売るタイミングは人それぞれ異なります。そのため、自分に合った売却のタイミングを見極めることが大切です。

 

相続した土地をすぐ売却した方がよい場合

すぐに売却した方がよい場合
ここでは、「相続した土地をすぐ売却した方がよい場合」の例についてお伝えします。ご自身の状況と照らし合わせながら考えてみてください。

 

納税資金がない場合

亡くなった人(被相続人)から、お金や土地などを相続すると相続税が課せられます。相続税は、相続開始を知った日から10カ月以内に納税しなければなりません。しかし中には、「相続税を納める資金がない」という方もいるでしょう。そんな時は、土地を売却するのも有効な手段です。土地を売却すれば、まとまった資金が手に入るため納税資金に充てることができます。

 

なお、相続税は財産額に応じて税率が定められており、10%~最大55%まで課税されます。相続税の計算は複雑で難しいため、まずは以下のような早見表で大まかな納税額を把握するのがおすすめです。

 

配偶者と子の場合の相続税額(※令和6年10月時点)
総資産 法定相続人
配偶者+子1人 配偶者+子2人 配偶者+子3人
5,000万円 40万円 10万円 なし
6,000万円 90万円 60万円 30万円
7,000万円 1600万円 113万円 80万円
8,000万円 235万円 175万円 138万円
9,000万円 310万円 240万円 200万円
1億円 3850万円 315万円 263万円

 

相続税は税制改正によって変わる可能性があるため、詳しくは国税庁「相続税」をご確認ください。また相続税は、取得した財産(土地、株、現金など)の合計額が基礎控除額を超えた場合に課税されます。基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人)」で算出され、財産の合計が基礎控除額以下であった場合、相続税はかかりません。

 

遺産分割が難しい場合

土地などの不動産は、相続人が複数人いると公平に分割するのは難しいのが実情です。さらに、遺産分割は親族間でもトラブルに発展しやすいため注意が必要です。公平な遺産分割が難しいと判断したら、土地の売却を検討しましょう。土地を売却して現金化すれば、分割しやすくなります。またトラブルを防ぎ、相続をスムーズに行うためにも有効な方法と言えるでしょう。

 

土地を活用しない場合

「土地の活用予定がない」、「活用方法がわからない」という場合は、早めに売却を検討しましょう。土地は所有しているだけで税金と維持費がかかります。さらに、草刈りなど定期的なメンテナンスも必要です。空き地のまま放置しておけば、ゴミの不法投棄や野生動物の住処となり、近隣住民とトラブルになる可能性もあります。

 

一方、土地が売却できれば老後の資金や住み替え費用に充てることができます。相続した土地が不要であると判断したら、できるだけ早めに不動産会社へ相談するのが得策でしょう。

 

相続した土地をすぐ売却しなくてもよい場合

すぐに売却しなくてもよい場合
つぎに、「相続した土地をすぐに売却しなくてもよい場合」を確認していきましょう。相続した土地の売却で悩んでいる方は、ぜひ今後の参考にしてください。

 

納税してもよい場合

先述した通り、土地は所有しているだけで固定資産税や都市計画税などの税金が課せられます。また、相続する際は、相続税や譲渡所得税も考慮しておかなくてはなりません。

 

しかし、これらの税金を納める資金が十分にある場合は、急いで売却を行わなくてもよいでしょう。ただし、いつでも売却へ踏み切れるよう土地の査定を受けておくことをおすすめします。

 

遺産分割してもよい場合

相続した土地を複数人で共有している場合は、相続割合に応じて土地を公平に分割します。ただし、不動産は土地の場所や状況によっても価格が左右されるため、公平に分割するのは難しいのです。これらを踏まえた上で、問題なく分割できる場合はすぐに売却する必要はないでしょう。

 

なお、共有している土地を売却する場合は、全員の合意を得てから行う必要があります。勝手に自分の持分を売却してしまうと、トラブルになる恐れがあります。そのため、土地の活用方法については必ず相続者同士で話し合って決めましょう。

 

土地を活用する場合

将来的に土地を活用する予定があれば、売却を急ぐ必要はありません。土地は自宅を建てるだけでなく、駐車場として貸し出す、アパート経営をするなどの活用方法もあります。ビジネスとして土地を活用すれば、不労所得を得ることも可能です。

 

ただし、土地は用途地域によって建てられる建物の大きさや種類が制限されています。そのため、相続した土地がどのような土地で、どの地域に該当するのかあらかじめ調べておきましょう。また、都市開発によって今後土地の価値が上がる可能性もあります。なるべく後悔の少ない選択をするためには、土地の周辺環境や不動産市場をよく調べてから判断することが大切です。

 

相続した土地をすぐ売るメリット

相続した土地をすぐに売るメリット
相続した土地をすぐに売ると以下のようなメリットがあります。

 

  • 固定資産税の負担が軽減される
  • 取得費加算の特例が利用できる
  • 空き家の場合は3,000万円控除を利用できる

 

ただし、上記には利用条件が設けられているものもあります。項目ごとに詳しく解説しますので、所有する土地と照らし合わせながら確認していきましょう。

 

固定資産税の負担が軽減される

まず、一つ目のメリットとして挙げられるのは、固定資産税の負担が軽減されることです。土地は毎年固定資産税が課税されますが、これは所有しているだけで納税義務があります。また、固定資産税は3年に一度見直しされます。そのため、資産価値が上がれば固定資産税も高くなるのです。最初は大きな負担に感じなくても、毎年納税して積み重ねていくと大きな金額になります。したがって、必要のない土地はすぐに売却して金銭的な負担を減らすことをおすすめします。

 

取得費加算の特例が利用できる

二つ目のメリットは、「取得費加算の特例が利用できる」ということです。取得費用加算の特例は、土地を売却したときの利益(譲渡所得)を計算する際、取得費に相続税を加算できる特例です。この特例を利用すれば譲渡所得が抑えられるため、結果的に譲渡所得税を軽減できます。ただし、この特例を利用するためには以下の要件を満たす必要があります。

 

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること
  3. その財産を、相続のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

 

出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」

 

ポイントは、「相続税の申告期限の翌日から3年以内に土地を売却する」という点です。さらに、「相続税を納税していなければいけない」という点にも注意しましょう。土地の売却は必ずしもスムーズにいくとは限りません。したがって、早めの行動がポイントとなります。

 

空き家の場合は3,000万円控除を利用できる

三つ目のメリットは、相続した土地に空き家があった場合、「3,000万円特別控除を利用できる可能性がある」という点です。3,000万円の特別控除とは、家を売却して譲渡所得(利益)が出た場合、最高3,000万円を上限として税金が控除される制度です。すなわち、譲渡所得が3,000万円以下であれば、納税する必要はありません。ただし、利用するためには以下の条件を満たす必要があります。

 

  1. 売った人が、相続または遺贈により被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を取得したこと
  2. 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  3. 売却代金が1億円以下であること

出典:国税庁:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(一部抜粋)

 

上記に関しても、「相続開始があった日から3年を経過する年の12月31日まで」という期限が設けられています。つまり、早く売却することで優遇を受けられるということです。このように、相続した土地をすぐ売ることで金銭的な負担を軽減できる可能性があります。少しでも出費を抑えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

相続した土地を売却したタイミングでかかる税金とは?

土地を売却したタイミングでかかる税金とは
相続した土地を売却するとき、大きく分けて以下の3つの税金がかかります。

 

  • 譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)
  • 印紙税
  • 登録免許税

 

では、それぞれがどのような税金なのか確認していきましょう。

 

譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)

土地を売却して譲渡所得(利益)が出ると税金が発生します。これを譲渡所得税といいます。なお、譲渡所得税は、所得税・住民税・復興特別所得税の総称です。譲渡所得は所有期間によって税率が異なり、売却する年の1月1日時点において所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」、1月1日時点において所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」に分類されます。

 

一方、住民税は居住している市町村や都道府県に納める地方税です。譲渡所得税と同様に土地を売却して利益が生じると住民税も課税されます。所得税と住民税の税率は下表の通りです。

 

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得(所有期間5年超) 15% 5%
短期譲渡所得(所有期間5年以下) 30% 95%

出典:国税庁「土地や建物を売ったとき」

 

また、復興特別所得税は、2011年に発生した東日本大震災の被災者支援を目的とした税金です。所有期間に関係なく、基準所得税額の2.1%が課税されます。

 

印紙税

不動産売買契約書などの課税文書に貼付する「印紙」に課せられる税金を印紙税といいます。印紙税は取引する契約金額によって変動しますので、下表を参考にしてください。

 

文書の種類 契約金額 印紙税額
不動産、鉱業権、無体財産権、船舶もしくは航空機または営業の譲渡に関する契約書 100万円を超え500万円以下 2,000円
500万円を超え1,000万円以下 1万円
1,000万円を超え5,000万円以下 2万円
5,000万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円

※令和6年10月時点
出典:国税庁「No.7140印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

 

登録免許税

土地を相続したら、被相続人から相続人へ名義変更を行います。登録免許税は、この手続きの際に課せられる税金のことで、土地の所有者を明確にするために重要な手続きです。なお、登録免許税の課税額は以下の計算式で算出されます。

 

  • (土地の)固定資産税評価額×0.4%

 

相続登記の手続きは、相続人本人が行うことも可能です。ただし、専門的な知識が必要になるため、不安な方は司法書士に依頼したほうがスムーズでしょう。その場合、司法書士報酬が必要になります。報酬は司法書士によって異なりますが、5万円~10万円前後が相場です。

 

相続した土地を売る手順

土地の売却を決めたら、次のような流れで進めていきましょう。

 

  1. 土地の登記変更
  2. 不動会社に査定を依頼
  3. 不動産会社と契約
  4. 仲介手数料の支払い
  5. 土地の引き渡し

 

具体的な内容について項目ごとに解説します。

 

土地の登記変更

まずは、被相続人から相続者へ土地所有者の登記変更を行います。登記変更されていない土地は売却することができません。したがって、売却をスムーズに行うためにも、登記変更は必ず行いましょう。登記変更手続きは、内容が難しいため専門的な知識を持つ司法書士に依頼するのがおすすめです。

 

不動産会社に査定を依頼

登記変更をしたら、土地の相場や価値を知るために不動産会社の査定を受けましょう。ただし、不動産会社によって査定基準が異なります。そのため、複数の不動産会社へ査定依頼をして比較検討するのがおすすめです。

 

また多くの場合、査定依頼をした会社に土地の売却も依頼することになります。売却をスムーズに進めるためには、担当者の対応や会社の実績を見て信頼できる不動産会社に依頼することが重要です。

 

不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。媒介契約には、「一般媒介契約」・「専任媒介契約」・「専属専任媒介契約」の3種類があり、各契約の特徴は下表の通りです。

 

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
他社契約
自己発見取引
状況報告 なし 2週間に1回 1週間に1回
レインズへの登録義務 なし(任意) あり あり

 

それぞれの特徴を把握して、自分にあった媒介契約を選びましょう。なお、土地を売却して利益が出た場合は、譲渡所得税を納めなくてはなりません。また、1月1日時点で土地を所有していた場合は、固定資産税が発生するため注意が必要です。

 

不動産会社によっては、相続登記や司法書士の紹介など、相続に関してトータル的なサポートを行ってくれる会社もあります。不動産取引に慣れていない人や不安な方は、媒介契約を締結する際に確認しておくと安心です。

 

仲介手数料の支払い

土地の買主が見つかったら売買契約を行います。不動産会社に対しては、買主を見つけてくれた報酬として仲介手数料を支払います。仲介手数料は法律で上限が決められており、計算方法は下表の通りです。

 

仲介手数料の上限額
不動産の成約価格(税抜) 仲介手数料の上限
200万円以下 5% +消費税
200万超え、400万円以下 4%+2万円
400万円超え 3%+6万円

 

2024年7月1日、国土交通省は放置空き家の市場を促進するため、不動産業者が受け取る仲介手数料の特例制度を拡充することを決定しました。これによって、800万円以下の空き家取引における手数料上限が30万円に引き上げられました。なお、800万円を超える物件については、従来通り「物件価格の3%+6万円+消費税」が上限となります。

 

土地の引き渡し

売買契約が成立したら、買主に土地の引き渡しを行い売却は完了です。なお、土地を売却して譲渡所得があった場合、翌年確定申告が必要です。確定申告をする際は、売却にかかった費用(登記費用や仲介手数料など)を経費として計上できるため、領収書は大切に保管しておきましょう。

 

譲渡所得が出なかった場合には、原則確定申告の必要はありません。ただし、確定申告することによって損益通算され、所得税や住民税が抑えられる場合があります。

 

相続した土地をタイミングよく売る方法

土地をタイミングよく売る方法
相続した土地をタイミングよく売るためには、事前準備と早めの行動がポイントです。スムーズに売却を進めるために、これから紹介する3つのポイントと注意点を抑えておきましょう。

 

早めに登記手続きをする

土地を売りたいと思っても、名義が被相続人のままでは売却できません。したがって、相続登記の申請は早めに済ませておくのがポイントです。また、令和6年4月1日以降、相続登記は義務化されています。

 

相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料が課せられるため注意が必要です。

 

税金などかかる費用を確認する

先にお伝えしたように、不動産売買では税金、仲介手数料、司法書士報酬など様々な費用がかかります。予想外の出費に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、あらかじめどれくらいの費用がかかるのか把握しておくことが大切です。自分で調べるのが難しければ、不動産会社へ相談しておおよその費用を確認しておきましょう。

 

複数の不動産会社から選ぶ

不動産査定は、会社ごとに査定額が異なるため複数社に依頼をして比較検討しましょう。なお、査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類あります。机上査定は、物件情報や相場などを元に行われる簡易的な査定です。

 

一方、訪問査定は実際に物件を訪れて、物件や周囲の状況を見て行う査定です。そのため、訪問査定の方が精度の高い査定結果が得られます。また、訪問査定なら不動産会社の担当者と直接やりとりできるため不動産会社選びにも役立つでしょう。

 

まとめ

今回は、「相続した土地を売るタイミング」についてお伝えしました。相続した土地を早く売却すると、多くのメリットがあるのは事実。しかし、一番大切なのは、ご自身の状況や今後の意向を踏まえて慎重に判断することです。相続者が複数人いる場合は、全員で話し合いを行い、意見をまとめておくことが望ましいでしょう。

 

また、売却はスムーズにいくとは限りません。土地の売却に数年かかったというケースも珍しくないため、いつでも売却できるよう準備を整えておきましょう。なお、相続や土地売却に関する手続きは、専門的な知識が必要になることがあります。土地を相続したら、まずは不動産会社や司法書士など、知識を持った専門家に相談してみるとよいでしょう。

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専属専任媒介契約とは?買い手のメリットとデメリットなど紹介

専属専任媒介契約とは?買い手のメリットとデメリットなど紹介

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

不動産の売却で仲介を依頼する場合は、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約は3種類あって、それぞれ異なる特徴を持ちます。自分に合った媒介契約を選択することが売却成功の秘訣です。

 

今回は専属専任媒介契約を中心に、メリット・デメリットをご紹介します。他の契約との違いや向いている人の特徴も解説するため、迷っている方は必見です。

 

媒介契約とは?

媒介契約とは
媒介契約を結ぶ目的は、不動産会社に不動産の売買や賃貸を成立させるためのサポートをしてもらうことです。不動産会社は媒介契約に基づいて、価格交渉や契約書作成などの仲介業務をおこないます。

 

不動産会社が売主と買主の間に入ることで、取引を円滑に進められます。不動産取引では多くの法律が絡み、手続きも複雑です。素人だけではトラブルが起こりやすいため、プロに仲介業務を依頼するほうがリスクを減らせます。

 

宅地建物取引業法第34条の2第1号によると、宅地建物取引業者は、媒介契約を締結したときは遅滞なく書面を作成し、依頼主に交付しなければならないとされています。

 

媒介契約を結ぶ際は以下の3種類のうち、いずれかを選択することになります。それぞれの違いを表にまとめると以下のとおりです。

 

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
依頼できる会社数 1社のみ 1社のみ 複数社
自己発見取引の制限
買主が売主を直接を探して良いか
制限あり
不動産会社を仲介人とする
直接探しても良い 直接探しても良い
レインズへの物件登録の義務 義務あり
登録期限は5日以内
義務あり
登録期限は7日以内
義務なし
不動産会社の任意
活動報告の頻度 7日に1回以上 14日に1回以上 定めなし
契約の有効期間 3カ月以内 3カ月以内 法的な制限なし

 

専属専任媒介契約は、3種類のなかで最も厳しい制限が設けられています。次に制約が多いのが専任媒介契約で、一般媒介契約は自由度の高い契約です。

 

専属専任媒介契約とは?

専属専任媒介契約
依頼主が不動産会社1社のみと契約を結ぶのがルールです。それ以外の会社と契約することはできません。選び抜いた1社と、二人三脚で売却を進めていくのが特徴です。

 

さらに依頼主自身が取引相手を見つける自己発見取引についても、制限を受けます。必ず不動産会社を仲介人にして、売買契約を結ばなければなりません。

 

物件情報は、不動産情報交換のためのネットワークシステム「レインズ」に登録されます。不動産会社側に登録する義務があり、期限は媒介契約締結日の翌日から5日以内です。

 

依頼主へ販売活動を報告することも義務付けられています。報告の頻度は1週間に1回以上で、売主はこまめに進捗を知ることが可能です。

 

専属専任媒介契約!メリットとデメリット

専属専任媒介契約のメリットとデメリット
専属専任媒介契約を結ぶ場合は、以下のメリットとデメリットを理解する必要があります。

 

メリット デメリット
・不動産会社のモチベーションアップにつながる
・販売活動の進捗を把握しやすい
・手厚いサポート・サービスが期待できる
・窓口を一本化できる
・複数社に依頼できない
・自己発見取引でも仲介手数料がかかる
・囲い込みされる可能性がある
・売主都合で途中解約しづらい
・他の人に知られる可能性がある

 

メリット

制約が厳しい専属専任媒介契約ですが、1社に絞るからこそ得られるメリットがあります。

 

  • 不動産会社のモチベーションアップにつながる
  • 販売活動の進捗を把握しやすい
  • 手厚いサポート・サービスが期待できる
  • 窓口を一本化できる

 

不動産会社のモチベーションアップにつながる

1社のみに任せる仕組みは、不動産会社のモチベーションアップにつながることが多いです。

 

他社と競合する心配がなく、高く売れた分だけ仲介手数料も上がるためです。また自社で買主を見つけた場合、売主と買主双方から仲介手数料を受け取れる「両手仲介」も、不動産会社にとっては魅力的に映ります。

 

販売活動の進捗を把握しやすい

少なくとも7日に1回は販売活動の進捗を報告してもらえます。どのような戦略で販売しているのかがわかるため、透明性が高いです。

 

電話やメールの問い合わせ件数や内見した件数など、具体的な数を見ることで市場での反応を知ることができます。苦戦しているときは、その原因を探り、すぐに戦略を立て直すことも可能です。

 

手厚いサポート・サービスが期待できる

専属専任媒介契約を結んだ依頼主に対して、手厚いサポートやサービスを提供してくれる会社もあります。

 

具体例を挙げると、ハウスクリーニングや買取保証などです。ハウスクリーニングを済ませておくと、物件の印象が良くなります。綺麗な状態で住めることは、買い手にとっても魅力的に映るでしょう。買取保証とは契約期間中に買主を発見できなかった場合、不動産会社が物件を買い取る保証になります。

 

サポートやサービスを利用すると、売却費用を節約できたり買い手が集まりやすくなったりします。

 

窓口を一本化できる

1社のみと契約するため、窓口を一本化できます。

 

何かあれば担当者1人に連絡すれば良いため、余計な手間は発生しません。多忙でなかなか時間をとれない人でも、効率的に進められるでしょう。

 

デメリット

1社のみに売却を委ねる専属専任媒介契約には、デメリットもあります。

 

  • 複数社に依頼できない
  • 自己発見取引でも仲介手数料がかかる
  • 囲い込みされる可能性がある
  • 売主都合で途中解約しづらい
  • 他の人に知られる可能性がある

 

複数社に依頼できない

他の会社に重ねて依頼することは禁止されています。そのため契約した1社の対応によって、取引の成否が決まるといっても過言ではありません。対応が悪いと、思うように取引を進められない点に要注意です。

 

自己発見取引でも仲介手数料がかかる

依頼主自身が取引相手を直接探す行為が制限されます。もし依頼主自身が見つけた買主に売る場合は、不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。

 

囲い込みされる可能性がある

専属専任媒介契約を結ぶ際は、囲い込みに注意しなければなりません。

 

囲い込みとは、不動産会社が他社から紹介された買主に物件を買わせない行動です。自社の利益を優先するあまり、売主と買主双方から仲介手数料をもらおうとして、囲い込みがおこります。

 

売主は他社経由で買主を紹介してもらうことができず、せっかくの機会を逃してしまいます。買い手にとっても、気になる物件を買いたいのに交渉できません。

 

売主都合で途中解約しづらい

契約期間中に依頼主側の都合で解約するのは難しいです。

 

3カ月を上限に契約期間を定める関係上、期間中は原則解約できません。解約できるのは、不動産会社の対応に問題があった場合や依頼主が違約金を支払った場合に限定されます。

 

依頼主の都合で途中解約すると違約金がかかるため、大きな負担を強いられる点に注意が必要です。

 

一般媒介契約とは?

一般媒介契約とは
依頼主が複数社に重ねてお願いすることが可能です。

 

明示型と非明示型があり、どちらかを選ぶ必要があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

 

明示型 どこに依頼しているか通知する義務がある
非明示型 他社に重ねて依頼していることやどこに依頼しているか通知する義務がない

 

特に理由がなければ明示型を選ぶことをおすすめします。明示型のほうが、不動産会社が戦略を立てやすくなるためです。

 

依頼主自身で見つけた相手との直接契約もできます。レインズの登録も任意で、活動報告の定めもありません。契約の有効期間についても法的な決まりはなく、3種類のなかで1番自由度が高いです。

 

一般媒介契約!メリットとデメリット

一般媒介契約のメリットとデメリット
一般媒介契約を結ぶ場合は、以下のメリットとデメリットを理解する必要があります。

 

メリット デメリット
・物件情報を広く周知できる
・依頼主自身で買主を見つけられる
・不動産会社の競争心が高まり、好条件で売れることもある
・他の人に知られずに売却できる
・販売活動の進捗を把握しづらい
・手間がかかる
・販売活動の熱量が下がる可能性がある

 

メリット

複数社の営業力を総動員できることと、制約が少ないことによって、以下のメリットが期待できます。

 

  • 物件情報を広く周知できる
  • 依頼主自身で買主を見つけられる
  • 不動産会社の競争心が高まり、好条件で売れることもある
  • 他の人に知られずに売却できる

 

物件情報を広く周知できる

複数社に重ねて仲介を依頼することが認められています。そのため、各社の取引先を通じて広く買主を募集することが可能です。

 

もし1社の営業力がいまいちでも、他社の営業力でカバーできればダメージは少ないです。このように不動産会社選びで失敗するリスクが少ないという面もあります。

 

依頼主自身で買主を見つけられる

依頼主自身で買主を見つけて直接取引することも問題ありません。さまざまな選択肢を残したうえで販売活動を進められます。

 

不動産会社の競争心が高まり、好条件で売れることもある

人気物件であれば、他社の存在によって競争心を刺激することも可能です。

 

買主候補が複数人現れた場合は、比較してより良い条件の相手を選べます。上手く競争原理が働けば、高値売却を実現できるでしょう。

 

他の人に知られずに売却できる

依頼主によっては売却することを近所や親戚に知られたくない事情もあるでしょう。

 

一般媒介契約では、レインズに物件を登録する義務がありません。全国の不動産会社にオープンにしないまま、買主を募集できます。

 

デメリット

制約が少ない分、依頼主側のタスクが増えてしまい、苦労することもあります。以下のデメリットに気を付けましょう。

 

  • 販売活動の進捗を把握しづらい
  • 手間がかかる
  • 販売活動の熱量が下がる可能性がある

 

販売活動の進捗を把握しづらい

販売活動の報告については定めがなく、知りたい場合は依頼主から報告を求める必要があります。上手く進められていない場合も実態をタイムリーにつかむのは難しく、販売戦略を立てにくいのがデメリットです。

 

手間がかかる

複数社に仲介業務をお願いするのは、いろいろと手間がかかります。たとえば販売活動の進捗を知るために、逐一各社の担当者に問い合わせるのは骨が折れます。

 

忙しい人が一般媒介契約を選択すると、ストレスを感じてしまう可能性が高いです。

 

販売活動の熱量が下がる可能性がある

複数社が一斉に販売活動をおこなうため、自社が仲介手数料を受け取れる保証はありません。そのため他の契約と比べると、販売活動の熱量が下がってしまう傾向があります。

 

売却する物件の需要が低い場合は、販売活動に注力してくれないこともあります。郊外にある物件や築古物件を売り出す人は特に注意が必要です。

 

専任媒介契約とは?

専任媒介契約とは
契約する会社は1社のみですが、依頼主自らが買主を見つける自己発見取引が認められています。

 

レインズの登録期限は契約締結の翌日から数えて7日以内です。販売活動の報告頻度は、14日に1回以上と定められています。登録や報告の義務はあるものの、少し時間に余裕を持たせている点が特徴です。

 

専任媒介契約は、専属専任媒介契約と一般媒介契約の中間のような内容といえます。依頼主の自由度と不動産会社の対応のバランスがとれていることから、3種類のなかで最も選ばれている契約です。

 

専任媒介契約!メリットとデメリット

専任媒介契約のメリットとデメリット
専任媒介契約を結ぶ場合は、以下のメリットとデメリットを理解する必要があります。

 

メリット デメリット
・不動産会社のモチベーションアップにつながる
・依頼主自身で買主を見つけられる
・手厚いサポート・サービスが期待できる
・窓口を一本化できる
・複数社に依頼できない
・囲い込みされる可能性がある
・売主都合で途中解約しづらい
・他の人に知られる可能性がある

 

メリット

多くの人々は、専任媒介契約の以下の点にメリットを感じています。

 

  • 不動産会社のモチベーションアップにつながる
  • 依頼主自身で買主を見つけられる
  • 手厚いサポート・サービスが期待できる
  • 窓口を一本化できる

 

不動産会社のモチベーションアップにつながる

依頼主は1社のみに任せているため、契約期間中は他社と競い合うことがありません。その分、販売活動に注力してもらいやすいです。

 

依頼主自身で買主を見つけられる

依頼主自身で相手を見つける自己発見取引が認められています。自己発見取引が成立した場合でも、仲介手数料の支払いは不要です。

 

複数社の営業力で幅広く買主を探したいものの、直接買主を探す選択肢も残したい場合におすすめです。親族や知人への売却や、他社への買取を視野に入れながら売却を進められます。

 

手厚いサポート・サービスが期待できる

不動産会社からハウスクリーニングサービスなどの特典を受けられる可能性があります。サポート・サービスの有無や内容は会社によって異なるため、契約前に確認しておきましょう。

 

窓口を一本化できる

連絡や手続きの窓口を一本化できることから、依頼主の手間がかかりません。依頼した1社とのやりとりで完結するため、連絡漏れなども減らせるでしょう。

 

デメリット

以下のデメリットを知ったうえで、専任媒介契約を結びましょう。

 

  • 複数社に依頼できない
  • 囲い込みされる可能性がある
  • 売主都合で途中解約しづらい
  • 他の人に知られる可能性がある

 

複数社に依頼できない

複数社と重ねて契約することはできません。売買を成功させるためには、実績やノウハウを持った、信頼できる会社を選ぶことがとても重要になります。

 

囲い込みされる可能性がある

囲い込みされるリスクがある点にも気を付けましょう。囲い込みによって買い手が絞り込まれると、せっかくのチャンスを逃してしまいます。

 

売主都合で途中解約しづらい

原則として期間内は途中解約できません。売主都合で途中解約するのは違約金が必要になるため、ハードルが高いです。

 

他の人に知られる可能性がある

他の人に知られず売りたいという方もいますが、専任媒介契約だとその要望を叶えるのが困難です。必ずレインズに登録されるため、売却の事実がオープンになってしまいます。

 

専属専任媒介契約!向いている人・向かない人

3種類の違いを解説しましたが、結局どれが自分に向いているのか気になりますよね。ここでは専属専任媒介契約に向いている人と向かない人の特徴をまとめました。

 

向いている人 向いていない人
・手間をかけたくない人
・需要の低い物件を売却したい人
・知り合いが購入する可能性がある人
・需要の高い物件を売却したい人

 

専属専任媒介契約に向いている人の特徴は、専任媒介契約と共通しています。重要なポイントは、向いていない人の特徴として記載した「知り合いが購入する可能性がある人」です。この特徴に当てはまるかどうかで、専属専任媒介契約か専任媒介契約のどちらに向いているかがわかります。

 

向いている人

専属専任媒介契約に向いている人の特徴は、以下のとおりです。

 

  • 手間をかけたくない人
  • 需要の低い物件を売却したい人

 

手間をかけたくない人

手間をかけたくない人は、専属専任媒介契約か専任媒介契約がおすすめです。1社とのやりとりで完結するため、時間が限られていても効率的に進められます。

 

こちらから確認しなくても、毎週進捗報告が届くのも手間を省けるポイントです。

 

需要の低い物件を売却したい人

売りにくい物件を売却予定の人も、専属専任媒介契約か専任媒介契約が適しています。

 

1社だけと契約を結ぶことで、販売活動にも熱が入るためです。またレインズに登録されることによって、全国の不動産会社に情報がオープンになります。

 

駅から離れた立地の物件や、築年数が古い物件は需要が少ない傾向があります。だらだらと売れ残ってしまう恐れがあるため、短期集中で売ることが肝心です。

 

向かない人

専属専任媒介契約に向かない人の特徴は、以下のとおりです。

 

  • 知り合いが購入する可能性がある人
  • 需要の高い物件を売却したい人

 

知り合いが購入する可能性がある人

知り合いが物件を購入してくれる可能性がある場合、専属専任媒介契約は向いていません。
自己発見取引に制限がかけられている関係上、知り合いが購入すると損をしてしまうためです。

 

自己発見取引の可能性を残したい場合は、専任媒介契約をおすすめします。自己発見取引と複数の不動産会社に重ねて依頼することを両立したい場合は、一般媒介契約が最適です。

 

需要の高い物件を売却したい人

人気物件を売却したい人は、一般媒介契約のほうがおすすめです。

 

複数社に依頼することで競争原理が働き、一社に依頼するより高値で成約する可能性が高まります。駅近や築浅など人気の物件は、一般媒介契約を検討してみましょう。

 

専属専任媒介契約するうえでの注意点

専属専任媒介契約を結ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。

 

  • 慎重に不動産会社を選ぶ
  • 依頼しても断られる可能性がある
  • 囲い込みに注意する
  • 解約条件を確認する
  • 売却できなかった場合に備える

 

慎重に不動産会社を選ぶ

専属専任媒介契約の場合、どこにお願いするかが売却の成否を分けます。1社に絞り込むため、選び方を間違えると売却が上手くいきません。売却の仲介が得意で、類似物件の売却実績が豊富な会社を選びましょう。

 

担当者の信頼度や対応力をじっくりと見極めることも重要です。依頼するときは担当者と顔を合わせ、わからないことは何でも相談してみましょう。直接話して真摯に向き合ってくれる人であるとわかれば、安心して任せられます。

 

依頼しても断られる可能性がある

専属専任媒介契約を結びたいと打診しても、不動産会社から断られる可能性があることを念頭に置いておきましょう。

 

専属専任媒介契約は、レインズの登録や販売活動報告など、不動産会社にさまざまな義務が課されています。これらの義務を負担に感じ、専属専任媒介契約を結ぶことに消極的な不動産会社も少なくありません。

 

囲い込みに注意する

デメリットでも説明しましたが、専属専任媒介契約は囲い込みされるリスクがあります。
囲い込みを防止するためには、両手仲介にこだわらない不動産会社に依頼することがポイントです。

 

事前に囲い込みをしないよう直接担当者に伝えることも、防止策として効果があります。伝え方としては「両手仲介にこだわらずに販売活動をしてもらえますか?」と確認するのがおすすめです。

 

途中解約の条件を確認する

専属専任媒介契約を結ぶ場合は、違約金がかかる条件と違約金の金額を確認しましょう。

 

違約金の上限額は、仲介手数料相当額と定められています。よくあるのは、販売活動にかかった実費を請求されるケースです。会社ごとに違約金の考え方が異なるため、契約を結ぶ前に必ず確認することがポイントです。

 

売却できなかった場合に備える

専属専任媒介契約を結んでも、無事に売却できるとは限りません。契約期間内に買い手が見つからなければ、次の戦略に切り替える必要があります。

 

たとえば一般媒介契約に切り替えて、複数の不動産会社に買い手を探してもらうのも一つの手段です。最悪の事態に備えて次の戦略を考えておけば、上手くいかなくても焦らずに行動できます。

 

【まとめ】

専属専任媒介契約は、不動産会社1社だけに売却を任せる契約です。手間なく短期間で売りたい人や、需要の低い物件を売却する人に向いています。

 

販売活動の進捗を把握しやすかったり、特典を受けられたりするのがメリットです。一方で自分で買主を探せない点や囲い込みのリスクがある点には注意しなければなりません。

 

仲介を依頼するときは、信頼できる不動産会社を選びましょう。契約前に途中解約の条件確認や売却できなかったときの対策までしておくと、スムーズに売却を進められます。

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マンションの2階は後悔!売れないから?メリットやデメリットを解説

マンションの2階は後悔!売れないから?

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

マンションの2階を買ったものの、売れにくいと聞いて後悔していませんか。確かにマンションの2階には売れにくい特徴がありますが、買い手を惹きつける魅力的な特徴もあります。

 

今回はマンションの2階に住んで後悔している方に向けて、売却するためのコツを紹介します。2階を売却するときのアピールポイントもまとめているため、できるだけ高値で売却したいという方は必見です。

 

マンションの2階は後悔!理由は売れないから?

マンション2階は後悔
あなたが2階の住戸を買って後悔しているのはなぜですか?一番大きな理由は「売れにくいから」ではないでしょうか。

 

一般的にマンションは高層階のほうが人気があり、資産価値も高いといわれています。反対に低層階に属する2階の住戸は、不人気なイメージを抱かれることが少なくありません。

 

しかし2階という条件だけで売れないと決めつけるのは、時期尚早です。2階のデメリットとメリットを両方理解すれば、売却の糸口が見えてきます。さらに2階でも多くの買主を惹きつける条件があるため、もし該当する場合はアピールポイントとして活用しましょう。

 

【5つのデメリット】マンションの2階は後悔!売れない場合とは?

デメリット
すべてのマンションに該当するわけではありませんが、マンションの2階には以下のデメリットがあります。

 

  • 日当たりが悪い(カビなど)
  • 眺めが悪い
  • 騒音が聞こえる(バイク・車など)
  • 防犯上の問題
  • 虫が入りやすい(ゴキブリなど)

 

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

 

①日当たりが悪い(カビなど)

2階住戸でよく懸念されるのが、日当たりの悪さです。低い位置にある2階は、周りの建物によって室内に日影ができることが多いです。近くに高層の建物が立っている場所では、1日中日が当たらないケースもあります。

 

室内に日光が差し込まないと、住環境にさまざまな悪影響をおよぼします。たとえば室内にカビが生えやすくなったり、冬場は冷え込んだりします。

 

家探しにおいて、日当たりの良さを重視している人は少なくありません。そのためマンションの2階を売却するときは、日当たりの悪さがネックになる可能性が考えられます。

 

②眺めが悪い

高層階に比べると眺めが悪い点も、デメリットとして挙げられます。2階の住戸はフロアの高さが低く、遠くの景色まで見渡すことはできません。特に建物が密集している都市部では、視界を遮られることが多いです。

 

高層階の眺望を目当てにマンションを購入する人にとって、2階のお部屋は魅力を感じにくい可能性があります。

 

ただし一部例外もあります。窓の正面に緑豊かな木々が植えられている場合は、2階でも美しい眺望を手に入れることが可能です。

 

③騒音が聞こえる(バイク・車など)

2階の住戸は道路との距離が近いため、騒音に悩まされる恐れがあります。

 

たとえば大きな通りに面しているマンションは、車やバイクの音が頻繁に聞こえます。人の往来が激しい場所では、話し声が気になる場合が多いです。線路が近い場所では、電車や遮断機の音が大きく感じます。

 

今住んでいて騒音を感じていない場合でも、音の感じ方は人それぞれ異なります。売却前の内見で、買主が耐えられないレベルの騒音を感じれば、購入を躊躇してしまうでしょう。

 

④防犯上の問題

防犯上の問題が発生しやすい点にも、注意が必要です。2階は低い場所にあるため、不審者が侵入しやすくなります。

 

侵入ルートは玄関だけでなく、窓やベランダから入ってくるケースもあります。ベランダに洗濯物を干す場合は、洗濯物の盗難にも注意しなければなりません。

 

⑤虫が入りやすい(ゴキブリなど)

2階住戸のデメリットとして、虫が入りやすい点も挙げられます。こちらも、地面からの距離が近いことが原因です。

 

蚊、ハエなど飛行する虫は10m程度の高さまで飛べるといわれています。2階の高さは平均3m程度なので、容易に到達できてしまいます。ゴキブリも、2階であれば外壁や階段をのぼって侵入しやすいです。

 

特に虫嫌いな人は、2階の住戸を敬遠する可能性があります。

 

【4つのメリット】マンションの2階!良いこともある

メリット
マンションの2階は悪いことばかりではなく、以下のメリットが期待できます。

 

  • 避難しやすい
  • 値段が安い
  • 値段が安い
  • 地震がきても揺れが少ない

 

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

 

①避難しやすい

2階に住んでいれば、地震や火災など災害が起きた際に避難するのが速いです。エレベーターが動かなくても、階段で速やかに外へ逃げることができます。

 

災害によって停電が続いた場合は、エレベーターが長期間停止することが少なくありません。そのような場合でも、2階であれば階段を使って水や食料を簡単に運べます。

 

一方で高層階のお部屋は、災害発生時に階段を何段も上り下りしなければならず、避難に時間がかかります。エレベーターが停止したときに荷物を運ぶ負担も大きいです。

 

②移動しやすい

2階に住んでいると、日頃から外との行き来がしやすいです。2階のお部屋は、階段ですぐにエントランスに降りることができます。

 

たとえば通勤・通学の時間帯は、エレベーターを利用する人が多くなります。エレベーターが混んでいるとき、2階であればすぐに階段に切り替えることが可能です。

 

高層階でも階段を使うこと自体は可能ですが、体力をかなり消耗します。エレベーターか階段か、移動手段を気軽に選べるのは低層階特有のメリットです。コンビニや子どもとの公園遊びなど、ちょっとした用事でもすぐ外に出られます。

 

③値段が安い

2階の住戸は高層階に比べて値段が安い傾向があります。1フロアごとの価格差はケースバイケースですが、10万円以上差が出るケースも少なくありません。

 

マンションのなかには、ラウンジやキッズルームなど共用部が充実している物件もあります。これらの共用部を高層階の居住者と同様に利用できると考えると、安い価格で購入できる低層階はコストパフォーマンスが高いといえます。

 

近年マンション価格は高騰しています。コスパ良好な2階を売りに出せば、リーズナブルな物件を探している人たちの目にとまる可能性が高いです。

 

④地震がきても揺れが少ない

一般的に低層階よりも高層階のほうが地震の揺れ幅が大きいといわれています。高層階は長周期地震動という大きく長い揺れが続くためです。

 

マンションには耐震構造、制震構造、免震構造の3つの構造タイプがあり、それぞれ揺れの種類が異なります。耐震構造は建物が頑丈である一方、地震の揺れが直接伝わりやすいのが特徴です。そのため他の構造タイプと比べて、高層階の揺れが大きく感じます。

 

揺れが大きいと家具の転倒が起こる可能性があり、非常に危険です。揺れによって気分が悪くなることもあるでしょう。

 

買主が地震の影響を最小限に抑えたいと考えている場合、2階のお部屋と相性が良いといえます。

 

マンションの2階でも売れやすい条件とは?

売れやすい条件
マンションの2階は、以下の条件を満たしていると売れやすいです。

 

  • セキュリティがしっかりしている
  • 浸水しない
  • 治安が良い場所
  • 学校が近い(小中高など)
  • 駅が近い

 

もし該当する条件があれば、売却するとき積極的にアピールするのがおすすめです。

 

セキュリティがしっかりしている

マンションのセキュリティ対策がしっかりしていれば、2階でも売却しやすくなります。セキュリティ対策によって、2階のデメリットである防犯上の問題を解消できるためです。

 

昨今の防犯意識の高まりによって、マンションセキュリティは進化しています。たとえばエントランスのオートロックは、居住者と関係者以外の侵入を防ぐ対策としておなじみです。建物の外周に防犯カメラを設置しているマンションも多いです。そのほかにも、窓を防犯ガラスにしていたり、ピッキングされにくい鍵を採用していたり、さまざまなセキュリティ対策があります。

 

マンションを売却するときは、どのようなセキュリティ対策が取られているか確認しましょう。万全のセキュリティ対策が取られていれば、積極的にアピールすることで売りやすくなります。

 

浸水しない

浸水リスクが低いことも、売れやすい物件の条件になります。地面から近い2階の住戸を買う場合、浸水リスクを気にする人が多いためです。

 

近年は台風や線状降水帯などによる大雨で、水害が多く発生しています。近くに川や海がある土地や、周辺よりも低い土地に立っているマンションは注意が必要です。

 

マンションの浸水リスクが高いかどうかは、ハザードマップで確認できます。ハザードマップで浸水リスクが低いことがアピールできれば、買主の安心感につながり、成約率が高まります。

 

治安が良い場所

周辺の治安が良いことも、有力なアピールポイントになります。2階の住戸は、周辺の治安によって住み心地が大きく左右されるためです。

 

たとえば繁華街が近い場所は夜も人通りが多く、騒音を感じる可能性が高いです。犯罪発生件数が多い場所や人目につきにくい場所では、不審者に侵入されるリスクも高まるでしょう。

 

一方で駅から離れた立地でも、治安が良い住宅街であれば需要があります。特に小さい子どもを育てている子育て世帯は、治安を重視して家探しをしている人も多いです。

 

学校が近い(小中高など)

学校から近い立地のマンションであれば、子育て世帯へのアピールポイントになります。

 

子どもが通う小学校・中学校・高校との距離や学区は、多くの親が気にするポイントです。特に良質な教育を受けられる学校が近くにあると、親は安心して子育てできます。

 

さらに登下校で使う通学路の安全性も、外せないチェックポイントになるでしょう。また図書館や学習塾など学校以外の教育施設も充実していると、マンションの売却にプラスに働く可能性があります。

 

駅が近い

一般的に駅近のマンションは資産価値が高く、値下がりしにくい傾向があります。最寄り駅から近い立地は希少であり、多くの人が探しているためです。

 

駅近の明確な定義はありませんが、徒歩10分圏内であれば駅近とみなされることが多いです。さらに最寄り駅に急行列車が停車したり駅周辺に商業施設が充実していたりすると、マンションの評価はますます高まります。

 

駅が近いマンションであれば、2階でも売却しやすくなる可能性があります。

 

マンションの2階!高く売る方法

マンションを高く売る方法
マンションを売る際は、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。できるだけ高く売るためには、不動産会社選びが重要なポイントになります。ここからはマンションの2階を高く売る方法を解説します。

 

最低でも3社以上の不動産会社から査定してもらう

不動産会社に査定してもらうときは、最低でも3社以上にお願いしましょう。その理由としては、不動産会社によって査定額に差が出ることがあるからです。

 

3社以上に依頼した場合、査定額を比較することで、適正価格かどうか判断しやすくなります。マンションのアピールポイントについても、さまざまな意見をもらえます。担当者との相性や対応力の良し悪しを見比べることも可能です。

 

一方で1社に絞って査定を受けた場合、比較のしようがありません。依頼した1社の意見しか聞くことができず、高値で売るチャンスを逃してしまう恐れがあります。

 

3社以上に査定をもらうときは、一括査定サービスを活用する方法が効率的です。1度に複数社へ査定依頼ができるため、1社ずつ連絡する手間が省けます。

 

【まとめ】

マンションの2階は周辺環境の影響を受けやすいため、売れにくいといわれることがあります。しかし本当に売れないかというと、そうではありません。

 

2階は外との行き来がしやすいため、災害時や日頃の移動ではメリットを発揮します。さらにお得な値段にメリットを感じる人も多いです。

 

まずは自分の所有している2階の住戸がどのような強みを持っているのか、把握することが大切になります。そして売却を進める場合は、まず複数社の不動産会社に相談してみましょう。査定額やアピールポイントなど、高く売るための客観的なアドバイスをもらえます。

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土地の売買は個人間でも可能?メリットやデメリットなど紹介

土地の売買は個人間でも可能?

 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

土地の売買を行う際は、不動産会社が仲介に入るケースが多いです。仲介を依頼すると、買主探しや契約書面の作成といったさまざまなサポートを受けられます。

 

一方で既に買主が決まっている場合、「仲介を挟まず個人間で直接売買できないか」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

この記事では土地の売買は個人同士でも可能なのか、個人間売買のメリット・デメリットを紹介します。

 

土地の売買は個人間でも可能?

土地売買は個人間でも可能?
個人間で土地を売買することは可能です。法律的にも特に問題なく取引できます。

 

通常不動産取引を実施する際は、宅地建物取引主任者の資格が必要です。しかし個人間売買であれば、宅地建物取引主任者の資格を持っていなくても基本的に問題ありません。一度限りの取引や特定の人だけに対する取引は、宅地建物取引業法の制約から除外されるためです。

 

個人同士の土地売買は仲介手数料がかからないため費用の節約になります。一方で自分たちで契約書を作成する必要があるなど、手続きが煩雑化しやすいのが注意点です。不動産取引に関する正しい知識がないと、思わぬトラブルが発生する恐れがあります。

 

取引をスムーズに進めるには、当事者間がしっかりとコミュニケーションをとれることが大前提です。したがって取引の相手は、親子や知り合いなど親しい人を選ぶほうが望ましいです。

 

土地の売買!売却を個人で行う場合の手順

土地売買の手順
土地の売買において、売却を個人で行う場合は以下の手順で進めます。

 

  1. 土地の相場を調べる
  2. 必要書類を準備
  3. 売却価格を決める
  4. 買主を見つける
  5. 買主が見つかった場合!価格交渉
  6. 決済・土地の引き渡し

 

それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。

 

①土地の相場を調べる

まずは所有している土地がいくらで売れるのか、相場を調べます。

 

相場を調べる際は、「不動産情報ライブラリ」を活用する方法がおすすめです。不動産情報ライブラリは国土交通省が提供しているサイトで、不動産の取引価格情報を調べられます。

 

不動産情報ライブラリ
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/

 

不動産情報ライブラリでは住所や時期を指定して、過去の取引価格を検索することが可能です。類似物件の取引価格を見れば、おおよその相場がわかります。

 

不動産情報ライブラリでは、公示価格を調べることも可能です。公示価格は、不動産鑑定士が全国2万6,000か所にある標準地を鑑定・評価をした結果に基づき決定されます。売り急ぎや買い進みなど特殊な事情を加味しない価格であるため、適正な相場を把握するのに役立ちます。

 

売却価格を決めるにあたっては、過去の取引価格と公示価格を両方チェックしておくのがおすすめです。

 

②必要書類を準備

個人同士の土地売買では必要書類をすべて自分で用意しなければなりません。入手するのに時間がかかる書類もあるため、前もって準備をする必要があります。
土地の売却で必要な書類は、以下のとおりです。

 

必要書類
登記簿謄本 土地の権利や面積などが記載された書類。抵当権設定の有無などを確認するのに必要
登記識別情報通知書または登記済証(権利証) 登記名義人だけに通知される書類
売主の本人確認書類 運転免許証、マイナンバーカードなど
住民票 登記上の住所と名義人の現住所が異なる場合に必要な書類(発行から3カ月以内のもの)
印鑑証明書 実印であることを第三者に証明できる書類(発行から3カ月以内のもの)
確定測量図 境界が確定している場合に発行される実測図
筆界確認書 境界確定している場合に隣地所有者と交わす書類
越境の覚書 越境の有無や是正方法を確認するために隣地所有者と交わす書類
固定資産税納税通知書または固定資産税評価証明書 登録免許税の算定や固定資産税の精算のために必要な書類
土地を取得したときの書類 売買契約書・重要事項説明書など
その他 抵当権抹消書類や地盤調査報告書など

 

確定測量図や筆界確認書、越境の覚書は、売却後の境界トラブルを防止するために必要な書類です。もしこれらの書類を作成していない場合は、測量会社に依頼して作成することが望ましいです。

 

③売却価格を決める

先に調べた周辺相場を参考にしながら、土地の売却価格を決めます。仲介を依頼していれば不動産会社から売却価格の提案を受けられますが、個人間取引では自分で判断材料を集めて売却価格を決めなければなりません。

 

周辺相場よりも大幅に安い価格で売却すると、みなし贈与となってしまい贈与税が課される可能性が高いです。その場合は売却価格と時価の差額が贈与としてカウントされます。

 

贈与税には非課税枠があるため少額の贈与であれば問題ありませんが、土地は高額になるため税金の負担が大きいです。特に親子間で売買する場合は、みなし贈与にならないよう気を付けましょう。

 

また、買主が値下げ交渉をしてくる可能性を想定し、売却価格は周辺相場より若干高めに設定することをおすすめします。いくらまでなら値下げ交渉に応じられるかという最低価格も決めておきます。

 

④買主を見つける

売却価格を決めたら、買主を探します。個人間取引を成功させるためには綿密なコミュニケーションが必要になるため、信頼できる買主を探すことが重要です。まずは親族や知り合いなど親しい間柄の人に売却できないか、検討することをおすすめします。

 

それでも見つからない場合は、不動産マッチングサービスを利用してみるのも手です。不動産マッチングサービスとは、不動産を売りたい人と買いたい人を結び付けるサービスです。売主は自分で物件の登録や取引ができ、交渉もスムーズにおこなえます。

 

一口に不動産マッチングサービスといっても、空家付き土地を中心に取り扱っていたり、都心などエリアを限定していたり、サイトごとに特色が異なります。自分に合ったサービスを見つけましょう。

⑤買主が見つかった場合!価格交渉

買主が見つかれば、価格交渉に移ります。売却価格と合わせて契約条件のすり合わせもおこないましょう。

 

価格交渉では、周辺相場など客観的な数字を参考にしながら話を進めていくのが肝心です。根拠のない金額で交渉してもお互いに納得することは難しく、着地点がわからなくなってしまいます。

 

価格と契約条件に合意できたら、不動産売買契約を結びます。契約締結時に交わす売買契約書と重要事項説明書は、前もって作成しておくのがおすすめです。個人間取引では自分たちで契約書類を作成するため、抜け漏れや記載ミスがないかといったチェックに時間がかかります。

 

契約書を作成する際、売主は契約不適合責任に注意しましょう。契約不適合責任とは、契約書に明記されていない不具合が見つかった場合、売主に修繕や代金減額などの負担が発生するという民法上のルールです。たとえば売却する土地で地中埋設物が見つかっている場合、そのことを明記しないと契約不適合責任が生じる場合があります。契約書には土地に関する情報を漏れなく記載することが大切です。

 

⑥決済・土地の引き渡し

売買契約書を締結後、代金の決済と土地の引き渡しをおこないます。売主は買主からの入金を確認してから、契約書類などを引き渡す流れです。

 

決済・引き渡し後はすみやかに所有権移転登記申請もおこないます。登記手続きは自分で申請するか、司法書士に委任します。

 

所有権移転登記が完了したら法務局から買主に登記識別情報通知書が届き、取引完了です。

 

土地の売買!買取を個人で行う場合の手順

手順
土地の売買において買取を個人で行う場合は、以下の手順で進めます。

 

  1. 欲しい土地を調べる
  2. 価格を調べる
  3. 売主に購入意思を伝える
  4. 価格交渉
  5. 決済・土地の引き渡し

 

それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。

 

①欲しい土地を調べる

欲しい土地のエリアや面積など条件を絞り込んでから、インターネットなどで土地の売り出し情報を調べます。

 

気になる土地が見つかるとすぐに買いたくなると思いますが、良い土地を買うためには一歩踏み込んだリサーチが必要です。なぜその土地が売れ残っているのか理由をチェックしましょう。

 

  • 土地が売れ残っている場合、以下のような理由があると考えられます。
  • 土地の形状が良くない
  • 交通利便性が悪い
  • 周辺環境が良くない
  • 建築制限で新しい建物を建てられない

 

売れ残っている理由がわかったら、自分にとって妥協できるポイントなのかを考えます。「家を建てたいのに新しい建物を建てられない」など致命的なポイントがあれば、購入は見送ったほうが良いでしょう。

 

②価格を調べる

気になる土地が見つかったら、価格が適正であるか調べます。「不動産情報ライブラリ」を活用して、過去の類似取引事例や公示価格などと比較するのがおすすめです。

 

周辺相場をつかんでおくと、いくらまでなら値引き交渉できそうかというポイントもわかります。

 

③売主に購入意思を伝える

気に入った物件が見つかったとしても、すぐに購入を決めるのは禁物です。まず現地に足を運び自分の目で確認をおこないましょう。書類だけではわからない土地の状況が見えてくるはずです。もし境界トラブルを抱えていたり、地盤沈下を起こしていたりすると、後々トラブルに発展する恐れがあります。

 

現地で確認しておきたいポイントは、主に以下の5つです。

 

  • 境界線や越境物に問題はないか
  • 地盤沈下や液状化現象を起こしていないか
  • 前面道路に対して接道義務を満たしているか
  • ガス・水道・電気などインフラ設備が引き込まれているか
  • 周辺環境は良好か

 

わからない点があれば、売主にしっかりと確認するようにしましょう。現地確認をおこなったうえで納得できれば、売主に購入意思を伝えます。

 

④価格交渉

次に価格交渉をおこないます。個人間取引では売主と買主双方が不動産取引には慣れていないことがほとんどであるため、より慎重な価格交渉が求められます。

 

無理な値引き交渉をすると、売主は気分を害してしまう可能性が高いです。売主から取引を断られた場合、価格交渉どころか取引自体が白紙になってしまいます。

 

売主の意思を尊重しながら、双方が納得できる決着点を探っていきましょう。そのうえで価格や契約条件などを定めた売買契約書を締結します。

 

⑤決済・土地の引き渡し

最後に土地の代金を支払い、引き渡しを受けます。代金をどのように支払うかは、売主とよく確認しておきましょう。

 

決済・引き渡しが完了したら、すみやかに所有権移転登記の申請をおこないます。所有権移転登記の費用は、買主が負担するのが一般的です。登録免許税や司法書士報酬など登記申請に必要な費用を、予算に組み込んでおく必要があります。

 

土地売買を個人で行う3つのメリットについて

個人間でのデメリット
個人で土地売買を行うと、以下のメリットがあります。

 

  • 不動産会社に仲介手数料を払わなくてよい
  • 日程など自分で調整可能
  • 取引の制約がない

 

①不動産会社に仲介手数料を払わなくてよい

個人同士の土地売買では不動産会社を介さず直接取引するため、仲介手数料がかかりません。

 

不動産会社に仲介を依頼する際にかかる仲介手数料は、以下のとおり上限額が定められています。

 

売買価格 仲介手数料の上限額
200万円以下 売買価格×5%+消費税
200万円超400万円以下 売買価格×4%+2万円+消費税
400万円超 売買価格×3%+6万円+消費税

 

例えば土地を1,000万円で売った場合、「1,000万円×3%+6万円+消費税=39.6万円」を上限額として仲介手数料がかかります。これが個人間の土地売買の場合、仲介手数料が0円になるため大きな節約です。

 

②日程など自分で調整可能

個人間の土地売買は、日程調整がしやすいというメリットもあります。

 

土地の売買では、現地確認・契約・引き渡しなどの日程調整が必要です。不動産会社に仲介してもらう場合は、不動産会社・売主・買主の三者で日程調整しなければなりません。

 

個人同士の土地売買は売主と買主の都合を合わせるだけで良いため、日程調整の負担が少なくて済みます。特に親族や知り合いが取引相手であれば、日程を合わせやすいでしょう。

 

③取引の制約がない

不動産会社が仲介に入る取引と比べて、個人同士の取引は制約を受けにくい点もメリットです。

 

不動産会社に仲介を依頼する場合は、どのような制約があるのでしょうか。たとえば媒介契約による制約です。専属専任媒介契約を結ぶと、不動産会社1社にしか仲介を依頼できなかったり、自分で買主を探せなかったり制限を受ける可能性があります。

 

自由に土地を売買したいという方は、個人間の売買が向いているでしょう。

 

土地売買を個人で行う4つのデメリットについて

 

土地売買を個人で行う場合は、以下のデメリットに注意しなければなりません。

 

  1. 買主を自分で見つけるのは大変
  2. トラブルなど自己負担
  3. 時間がかかる
  4. 金融機関との取引が不利になる

 

①買主を自分で見つけるのは大変

個人間の土地売買では、自分だけの力で買主を探さなければならず大変です。

 

親族や知り合いなどが買ってくれる場合は、問題ありません。

 

しかし一から買主を探す場合は、不動産会社に依頼するよりも時間と労力がかかります。必要に応じて不動産マッチングサービスなども活用し、効率的に探す方法を検討しましょう。

 

②トラブルなど自己負担

個人同士の取引においてトラブルが発生した場合、すべて自己責任で対処しなければなりません。

 

特に書類の内容に不備があると、後々トラブルが発生しやすいです。重大な不備があると裁判に発展するケースもあるため、ミスがないように書類を作成することが肝心です。

 

しかし売買契約書や重要事項説明書を作成するのは、専門的な知識が不可欠であり簡単な作業ではありません。不動産に関する知識を習得したり、弁護士・司法書士など専門家に相談できる体制をつくったり、入念な準備が必要になります。

 

トラブルを回避したい場合は、土地の売買に慣れている不動産会社に依頼するのが確実です。

 

③時間がかかる

個人間の土地売買は時間がかかる点もデメリットです。通常土地の売買は4〜6カ月かかりますが、個人取引ではさらに長い時間を要する場合もあります。

 

売却の場合はなかなか買い手が現れず、1年以上売れ残ってしまうケースも少なくありません。もし買い手が現れても、内見・契約・引き渡しなど一つひとつの工程に時間がかかります。

 

④金融機関との取引が不利になる

個人間取引の場合、金融機関が融資を嫌がる可能性もあります。その理由としては、個人間の土地売買は不動産会社のような第三者がおらず、取引の実態が見えにくいためです。

 

さらに個人同士の取引では重要事項説明書がない場合も多く、担保の対象となる物件の情報が不足していることも理由として挙げられます。

 

買い手がローンで土地を購入しようとしている場合、金融機関の審査がおりない限り売買は成立しません。このような事態を想定し、買い手側がしっかりと資金計画を練っておく必要があります。

 

土地の売買を個人間で成功させる方法

土地売買を個人で成功させる方法
個人同士の土地売買を成功させる方法は、以下の2つです。

 

  • 専門家に相談してみる
  • 不動産一括査定サイトを使ってみる

 

それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

 

専門家に相談してみる

不動産会社など専門家に相談することで、土地売買のリスクを大幅に軽減できます。

 

個人間取引でトラブルの元となるのが、売買契約書や重要事項説明書などの書面の抜け漏れや記載ミスです。不動産会社に書類作成を頼めば、専門的な知識や実務経験を活かしてミスなく手続きを進めてくれます。

 

また個人間取引は、相当な手間と時間がかかる点がデメリットです。仲介手数料を取引成功のための必要経費と捉えて、不動産会社の協力を得たほうがメリットが大きいという考え方もあります。

 

自分たちで書類を作成したいという場合は、専門家によるリーガルチェックを受けることをおすすめします。リーガルチェックは宅建士や行政書士、弁護士などに依頼することが可能で、法的な問題点がないか確認してもらい、的確なアドバイスを受けられるでしょう。

 

不動産一括査定サイトを使ってみる

個人の土地売買を成功させるためには、適正価格の把握が欠かせません。先述のとおり不動産情報ライブラリを確認することも重要ですが、合わせて不動産一括査定サイトも活用すると良いです。

 

不動産一括査定サイトは、手軽に利用できる点がメリットです。インターネット上で土地の情報を入力するだけで、一度に複数の業者から査定結果を受け取れます。サイトによっては、メールで結果を知らせてもらうことも可能です。

 

一方で簡易的な査定だけでは正確性に欠けるという注意点もあります。一括査定サイトで得られた結果は、おおまかな目安として利用するのがおすすめです。より正確な査定を出してもらいたい場合は、査定してもらった不動産会社に相談するのも一つの手段です。

 

まとめ

個人間で土地売買をすることは可能です。仲介手数料を節約できる点や、日程調整しやすい点がメリットとして挙げられます。媒介契約などの制約を受けないことから、親族など親しい相手と自由に取引したいという場合に向いています。

 

一方で個人同士の取引では不動産会社のサポートがないため、トラブルが起こりやすい点に注意しなければなりません。手続きの負担が大きく、長い時間を費やすことが予想されます。手間なくスピーディーに土地を売買したい場合は、専門家に相談したほうが円滑に進められるでしょう。

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住宅ローンが共同名義の場合!離婚したらどうなる?共有名義や売却について

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

マイホームを購入する際、夫婦の共同名義で住宅ローンを組む人もいるでしょう。しかし、人生何が起こるかわかりません。万が一離婚することになった場合、住宅ローンはどうなるのでしょうか。

 

実は、住宅ローンの共同名義はトラブルに発展するケースが少なくありません。そこで今回の記事では、「住宅ローンが共同名義の場合、離婚したらどうなるのか」について詳しく解説します。

 

住宅ローンが共同名義(共有名義)の場合!ローンが残ったまま離婚するとどうなる?

ローンが残ったままの離婚
離婚すると、これまで住んでいた家から「引っ越したい」と考える人も多いでしょう。離婚後の選択肢として多いのは、家を「売却する」もしくは「住み続ける」かのどちらかです。

 

ただし、どちらにしても注意すべき問題点があります。一体どのような点に注意すべきなのかさっそく確認していきましょう。

 

①売却(アンダーローン・オーバーローン)

家を売却する場合は、2つのパターンが考えられます。

 

  1. 家を売却して利益がでる「アンダーローン」
  2. 家を売却しても住宅ローンが払いきれない「オーバーローン」

 

「アンダーローン」の場合は、売却して出た利益を夫婦で分割することができます。そのため、トラブルになりにくく、比較的スムーズに解決できます。一方、「オーバーローン」の場合には注意が必要です。オーバーローンは、住宅ローン残高が物件価格を上回る状態のことをいいます。

 

家を売却しても住宅ローンが残ってしまうため、家の売却自体も難しくなるでしょう。さらに、離婚したからといって、住宅ローンの名義をどちらか一方に変更することは原則できません。したがって、オーバーローンの場合には、住み続けるという選択しかできないケースもあります。

 

②住み続ける

離婚した後、夫婦のどちらかが住み続けることもあるでしょう。その場合、住宅ローン残債がなければ、特に問題はありません。しかし、住宅ローン残債がある場合は、注意が必要です。共同名義のまま住宅ローンを払い続けるか、名義を一本化するか選ばなくてはなりません。

 

なお、共同名義の場合は、お互いがお互いの連帯保証人になります。したがって、どちらかが住宅ローンを滞納したら連帯保証人が支払いを求められます。最悪の場合は、家を差し押さえられる恐れもあるため注意が必要です。

 

住宅ローンを共同名義(共有名義)のままにするデメリットとは?

デメリット
離婚後も、住宅ローンを共同名義にしておくことはあまりおすすめできません。なぜなら、トラブルになるリスクが高いからです。ここでは、住宅ローンを共同名義にしておくことで起こる3つのデメリットについて解説します。共同名義のまま離婚した方は、できるだけ早めに対策を考えましょう。

 

相手のローンを背負うこともある

先述した通り、住宅ローンを共同名義にするということは、お互いがお互いの連帯保証人になるということです。したがって、一方の返済が滞れば、もう一方の名義人が返済を求められる可能性があります。また、滞納が続けば、金融機関の判断で共有者の持分を競売にかけられる可能性もあります。

 

そうなれば、全く面識のない人と不動産を共有することになるのです。万が一、共有者と利用方針が一致しなければ、結果的に住み続けることすら難しくなるかもしれません。

 

揉める原因になる

共有者が亡くなれば、その遺族に遺産相続されます。相続人(共有者)が増えれば、権利関係が複雑になる恐れがあるため揉める原因になりかねません。

 

また、物件を売却する際は、双方の同意がなければ売却できません。離婚後は「話し合いが難しい」、「連絡先がわからない」といったケースも多く、売却自体が難しくなる可能性も考えられます。このように、共同名義のままでは、金銭面や手続き面で揉めるリスクが高くなるのです。

 

離婚後も関係が続く

共同名義である以上、たとえその家に住んでいなくても管理責任があります。家のメンテナンスや故障が起これば、その都度話し合いや相談が必要になるでしょう。このように共同名義の場合は、離婚後も関係が続く可能性が高いです。

 

離婚原因によっては、心身的に大きなストレスになることもあるでしょう。離婚後に関係を続けたくない方は、離婚するタイミングで共同名義を解消できるよう動くことが大切です。

 

住宅ローンが共同名義(共有名義)の場合!離婚による名義変更について

名義変更
離婚時には不動産の名義変更をしておくのがおすすめです。ただし、名義変更には注意点もあるため、しっかり内容を理解しておきましょう。

 

単独名義に変更

共同名義の不動産を夫婦間で売買し、どちらか一方の名義に変更する方法があります。これを「親族間売買」といいます。ただし、住宅ローン残債が多い場合は変更できない可能性があります。そのときは、住宅ローンを完済するか、繰り上げ返済をして残高を減らすことが必要です。

 

なお、住宅ローンを組んだ当初より収入が大幅にアップしている場合は、単独名義に変更できる可能性があります。持分の売買を行う前に、金融機関に確認してみましょう。

 

他の人に名義変更

親族を連帯保証人に立てることで名義変更をする方法もあります。たとえば、妻側が連帯債務から外れる場合、夫側の親族で連帯債務者になってくれる人がいれば名義変更することができます。ただし、このケースは稀です。

 

よっぽどの理由がない限り、親族が連帯債務者になってくれることはないでしょう。また、離婚後に自分の持分を第三者に売却する方法もあります。

 

自分の持分を売却するだけなら、共有者の同意なしで売却することが可能です。ただし、共有部分の購入希望者は非常に少ないため、あまり現実的な方法ではありません。

 

名義変更でかかる税金

名義変更でかかる税金
不動産の名義変更をする場合、「譲渡所得税」と「登録免許税」という税金が課税されます。ここでは、名義変更でかかる税金について詳しく見ていきましょう。

 

譲渡所得税

不動産を売却すると、売却した利益に対して「譲渡所得税」が課税されます。これは離婚するときの名義変更でも課税対象です。

 

ただし、譲渡した側が対象となるため、譲り受けた側には納税義務はありません。なお、一定条件を満たせば3,000万円の特別控除(3,000万円以下であれば譲渡所得がかからない特例措置)を受けることができます。

 

登録免許税

土地や建物を売買、譲渡、または相続したときは、法務局で所有権移転登記が必要です。この所有権移転登記の際に納める税金を「登録免許税」といいます。所有権移転登記は、不動産の所有者が誰なのか明確にするために行います。したがって、必ず納めなくてはなりません。なお、登録免許税は以下の計算式で求められます。

 

登録免許税=不動産評価格×0.2%

 

所有権移転登記の申請は、自分で行うこともできます。ただし、一般の方が登記申請を行うのは時間と手間がかかるため、司法書士に依頼するのが得策でしょう。

 

まとめ

昨今は、光熱費の高騰、物価高などの影響を受けて夫婦共働き世帯が増えています。これによって、共同名義で住宅ローンを検討している人も少なくありません。共同名義で住宅ローンを組むことは決して悪いことでなく、借入額を増やし選択肢を広げるための有効な手段です。また、住宅ローン控除を効果的に活用するためにも役立ちます。

 

ただし、マイホームは財産分与の対象になるため、揉める原因になりやすいのが実情。共同名義のままでは、売却するにも手間がかかります。さらに、離婚後はそれぞれの生活が始まるため、話し合いも思い通りに進まない可能性が高いでしょう。

 

したがって、離婚するまでに共同名義を解消しておくことが望ましいです。お互いが後悔の少ない選択をし、前に進むために離婚するタイミングできちんと話し合っておきましょう。

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空家等対策特別措置法とは?わかりやすく解説!改正内容など紹介

空家等対策特別措置法
熊本市不動産売却クイック査定です。

 

現在わが国では高齢化を背景に空家が増えており、社会問題となっています。このような状況を考慮して制定されたのが、空家等対策特別措置法です。令和5年には一部を改正する法律が施行され、空家対策がよりいっそう強化されました。

 

この記事では空家等対策特別措置法とはどんな法律か、令和5年の改正内容も踏まえてわかりやすく解説します。空家を所有している方や実家が空家になっている方は、ぜひ参考にしてください。

 

そもそも空家等対策特別措置法とは?をわかりやすく解説

空家等対策特別措置法
空家等対策特別措置法とは、空家の活用促進を目的とした法律です。正式名称を「空家等対策の推進に関する特別措置法」といい、平成26年に制定されました。

 

この法律で定義されている空家とは、長期間人が居住していない建物とその敷地を指します。空家のなかでも特に問題があるものは、特定空家に指定されます。

 

特定空家に指定されることは、所有者にとって大きなデメリットです。自治体から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなります。さらに命令を受けると50万円以下の過料が科せられ、最終的には行政代執行で取り壊されてしまいます。

 

令和5年に空家等対策特別措置法が改正!改正された内容とは?

空家等対策特別措置法の改正
令和5年に、空家等対策特別措置法の一部を改正する法律が施行されました。おもな改正内容は、以下のとおりです。

 

  • 空家の活用拡大
  • 管理不全空家の指導や勧告
  • 特定空家への勧告や命令

 

それぞれの改正内容について、詳しく見ていきましょう。

 

空家の活用拡大

中心市街地などのエリアで空家が発生すると、地域の持つ本来の機能が低下してしまう恐れがあります。令和5年の改正では、市区町村が空家等活用促進区域を指定し、空家の活用指針を定めることができるようになりました。

 

区域内では建築基準法の規制を緩和することが可能です。たとえば建築基準法では接道義務というものがあり、敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していないと建て替えができません。しかし区域内では接道義務による規制が緩和される可能性があります。

 

区域内では建物の種類を制限する用途規制が合理化される点も特筆すべきポイントです。このように空家等活用促進区域を指定することで、空家の建て替えや用途変更が進むことが期待されます。

 

管理不全空家の指導や勧告

改正法では特定空家という区分に加えて、管理不全空家という新たな区分が設けられました。管理不全空家とは、適切な管理がされておらず放置すれば特定空家になってしまいそうな空家のことです。

 

市区町村は管理不全空家の所有者に対しても、指導・勧告をおこなえます。勧告を受けた管理不全空家は、特定空家と同様に固定資産税の住宅用地特例が適用されません。

 

また所有者把握も円滑におこなえるように改正されています。具体的にいうと、市区町村が電力会社やガス会社に対して、空家の所有者に関する情報を求めることが可能になりました。

 

特定空家への勧告や命令

緊急時には特定空家に対して勧告や命令の手続きをとらなくても、強制撤去(行政代執行)をすることが可能になりました。たとえば台風が近づいているときなどに、倒壊しそうな特定空家を迅速に撤去することで、周辺地域の安全を確保できるようになります。

 

さらに所有者不明の空家に対して、市区町村が財産管理人の選任を請求できるようになりました。以前は財産管理人の選任請求は利害関係人しかできませんでしたが、市区町村が介入することで財産管理の円滑化を図れます。

 

特定空家に指定されないための方法

特定空家に指定されない方法
特定空家に指定され勧告を受けると、固定資産税の負担が重くなります。さらに代執行までおこなわれると、解体費用なども支払わなくてはなりません。特定空家に指定されないための方法は、以下の2つが挙げられます。

 

  • 空家を売却する
  • 空家を活用する

 

空家を売却する

空家を活用できていないのであれば、早めに売却するのがおすすめです。方法としては、中古住宅付き土地として売却する方法と、更地で売却する方法があります。

 

中古住宅付き土地として売却する方法は、空家を解体する手間がかかりません。一方で買主が空家の解体費用を負担することになるため、売却価格は安くなることが多いです。時間やお金をかけずに売りたい方に向いています。

 

空家を解体して更地で売却する方法は、中古住宅付き土地よりも早く高く売却しやすいです。ただし空家を解体すると、固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなります。解体してから売却するまでの期間、土地の固定資産税が増える点に注意しましょう。

 

空家を活用する

リフォームを施して、空家を活用するのも手です。活用方法は、自宅として利用する方法や、賃貸物件として貸し出す方法があります。

 

自宅として利用する方法は、空家を手放したくない方におすすめです。特に実家が空家になっている場合「たくさんの思い出があるから売りづらい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。この方法であれば、大切な実家を家族で住み継いでいくことも可能です。

 

賃貸物件として貸し出す方法は、家賃収入を得られるのがメリットです。駅から近いなど好立地に立つ空家であれば、高い家賃収入が見込めるでしょう。また入居者が建物を管理してくれるため、所有者の負担軽減も期待できます。

 

住宅とは異なる用途に変更して、貸し出すケースも増えています。変更する用途の例を挙げると、グループホームやレンタルスペース、シェアハウスなどさまざまです。立地に合った用途に変更することが、成功の鍵になります。

 

特定空家の対象になる場合!どんな状態のとき?

どんな状態?
特定空家と判定される状態は、以下の4つです。

 

  • 空家が倒壊してしまう可能性がある場合
  • 空家が不衛生な状態の場合
  • 外観が損なっている場合
  • 周辺住民等に悪影響がある場合

 

次の項目からはそれぞれの条件を具体的な例を挙げながら解説します。

 

空家が倒壊してしまう可能性がある場合

建物が倒壊しそうな場合、特定空家に指定される可能性があります。

 

たとえば建物が傾いている場合です。基礎の破損や地盤の一部沈下によって、建物の傾きが見られることがあります。

 

主要構造部に腐朽や破損が見られる場合も要注意です。シロアリ被害を受けて構造材がもろくなると、倒壊の危険性が高まります。

 

屋根・外壁が剥がれて飛散しそうな場合も特定空家とみなされる可能性があります。このほか、門や看板など建物に附属する構造物にも気を配らなければなりません。

 

空家が不衛生な状態の場合

建物・設備の破損またはゴミの放置・不法投棄が原因で、不衛生になっている状態を指します。

 

具体例を挙げると、浄化槽が破損して汚物が流出しているケースなどです。このほかアスベストが飛散して、健康被害が発生しそうなケースなども該当します。

 

ゴミの放置・不法投棄によって臭気が発生している状態も、地域住民の日常生活に支障が出ます。不衛生な環境下では害獣(ネズミなど)や害虫(ハエ、蚊など)が一気に繁殖するリスクが高まるため、スピーディーに対処することが肝心です。

 

外観が損なっている場合

空家が適切に管理されていないことが原因で、景観を損なっている状態が該当します。

 

景観法や地域条例で定められたルールに適合していないと、景観を損なっている状態と判断される可能性が高いです。

 

このほか周辺の景観と著しく調和していないケースも含まれます。たとえば外壁が落書きされている、敷地内にゴミが山積しているなどです。外観が損なわれていると、不法投棄を誘発するなど、さらなる環境の悪化が懸念されます。

 

周辺住民等に悪影響がある場合

保安・衛生・景観以外にも周辺住民の生活環境に悪影響を及ぼしているケースがあります。

 

たとえば立木が原因で周辺住民に迷惑をかけているケースです。敷地内の立木が腐朽して道路に大量の枝が散乱していると、交通の妨げになります。立木の枝が道路に大きくはみ出している状態もトラブルの元です。

 

空家に動物が住みついてしまった場合も、地域住民の生活に支障をきたします。野良猫の鳴き声がうるさかったり、ネズミが繁殖して近隣の家に侵入したりすると、地域住民が快適に暮らすことはできません。

 

ほかには空家の施錠を怠ったために、不審者が侵入してしまうケースです。そのまま寝泊りを続けて住みつき、犯罪の温床になったという事例も報告されています。放火による火災にも十分注意しなければなりません。

 

特定空家に認定(空家等対策特別措置法)された場合の罰則

特定空家の罰則
特定空家に認定された場合、市区町村から以下の順番で改善が促されます。

 

  1. 助言・指導
  2. 勧告
  3. 命令
  4. 行政代執行

 

改善が見られない場合は罰則が科されるため、早めに対応することが大切です。

 

助言・指導

市民相談などによって適切に管理されていない空家があるとわかれば、敷地内に立ち入って現地調査をおこないます。あわせて実施されるのが、所有者に関する調査です。所有者を特定し、なぜ空家になっているのか事情を把握し、状況に応じた解決策が検討されます。

 

これらの調査結果を踏まえて特定空家と判定された場合、市区町村から最初に受けるのが助言または指導です。口頭や電話で通知されるケースもあれば、書面が届くケースもあります。助言・指導の段階では、所有者に対して罰則はありません。

 

勧告

助言・指導から改善が見られない場合は、勧告がおこなわれます。具体的には一定の猶予期間を設けて、必要な措置をとるよう勧告します。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例から除外されるため注意が必要です。

 

勧告は書面によって所有者全員に通知されます。書面に記載されているのは以下の項目です。

 

  • 勧告に関する措置内容とその理由
  • 勧告の責任者
  • 措置の期限

 

勧告に従い所有者が適切な措置を講じれば、勧告は撤回されます。一方で勧告に従わなかった場合は再度勧告もしくは命令を受ける流れです。

 

命令

正当な理由がないのに必要な措置がとられない場合、市区町村は所有者に対して命令を下すことができます。「金銭的な理由で空家を管理できない」のは、正当な理由とはなりません。

 

命令は書面で通知され、以下の項目が明示されています。

 

  • 命令に関する措置内容とその理由
  • 命令の責任者
  • 措置の期限

 

命令に従わない場合の罰則は、50万円以下の過料です。さらに現地に標識が設置され、特定空家であることが公示されます。

 

行政代執行

命令を無視する悪質な所有者に対しては、最終手段として行政代執行がおこなわれます。行政代執行とは、所有者に変わり行政が建物の解体をおこない、解体費用を所有者に請求するものです。

 

行政代執行による解体費用は、通常よりも高額になる可能性があります。所有者が解体工事を手配する場合と違い、行政代執行では複数の解体事業者に相見積もりをとるようなことはしません。

 

費用が支払われないと、所有する不動産を差し押さえられ、競売によって強制的に費用が徴収されることになります。大切な財産を奪われないためにも、行政代執行になるような事態は避けなければなりません。

 

特定空家!解体する場合に補助金が出る場合もある

特定空家の補助金
空家対策に使える補助金制度を設けている自治体もあります。制度の詳細を知るためには、空家の所在する自治体のホームページを見たり、インターネット検索で「空家 補助金 〇〇市」と調べたりしてみましょう。

 

一例を挙げると、東京都墨田区では「老朽危険家屋除却費等制度」という制度があります。区が物件の不良度を判定し不良住宅に該当すれば、解体費用の2分の1、上限50万円まで助成する制度です。

 

解体だけではなく、改修に対する補助金を設けている自治体もあります。たとえば東京都文京区の「空家等利活用事業」は、空家所有者と空家の利活用希望者をマッチングして、成約すれば最大200万円の改修費用を補助する仕組みです。

 

まとめ

空家等対策特別措置法は空家の利用促進を目的として制定されました。令和5年の改正によって、行政は空家の所有者に対して以前よりも強く改善を求められるようになっています。

 

地域住民の生活環境に深刻な問題をおよぼす空家は、特定空家に指定される可能性があります。特定空家の所有者にはさまざまな罰則が科されるため、指定される前に手を打つことが大切です。

 

空家の活用方法を見いだせれば、特定空家に指定される事態は避けられます。売却・賃貸・リノベーションなど、自分たちに合った活用方法を考えてみてはいかがでしょうか。

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旗竿地って建て替え可能?解体費用や建て替えできない場合の対処法など紹介

旗竿地の建て替えは可能?

熊本市不動産売却クイック査定です。

旗竿地(はたざおち)は特徴的な形状をしていることから、法律や条例のルールに抵触してしまい、建て替えが困難になるケースがあります。「実家の土地が旗竿地で活用方法に困っている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今回は旗竿地(はたざおち)は建て替えできるものなのか解説します。建て替えできない場合の対処方法もまとめているので、旗竿地を所有している方や相続される予定の方はぜひ参考にしてください。

 

そもそも旗竿地(はたざおち)とは

旗竿地とは
旗竿地(はたざおち)とは、竿が付いた旗のような形をしている土地を指します。細長い路地状の土地と、まとまった四角い土地が一体になっているのが特徴です。ほとんどの場合、道路から路地状の土地が伸びていて、その奥に建物が建っています。

 

旗竿地は土地を分割する過程で生まれます。大きな土地のままでは価格が高く買い手がつきにくいため、売却しやすくする目的で土地を分割することで生まれるのです。

 

土地には整形地と不整形地がありますが、旗竿地は不整形地に分類されます。不整形地は土地活用が難しいことから、土地の価格が安くなることが多いです。

 

旗竿地(はたざおち)!建て替えできない場合について

建て替えできない場合
以下のようなケースでは、基本的には新しい建物を建設できません。

 

  • 土地に道路が接道していない場合
  • 建築条件を満たしていない場合

 

土地に道路が接道していない場合

土地が道路に接していない場合、再建築は不可となります。

 

建物の敷地には接道義務があります。具体的には建築基準法上の道路に2m以上接しなければなりません。建築基準法上の道路とは原則幅員4m以上で、特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域は6m以上になります。

 

災害時の避難経路や緊急車両の作業スペースを確保することが主な目的です。したがって所有している土地が道路に面していない、もしくは接している間口が2m未満の場合、基本的には新しく建物を建てられません。

 

建築条件を満たしていない場合

自治体によって建築を制限する条例が定められています。たとえ接道のルールを守っていても、条例に違反していると新しい建物は建てられません。

 

たとえば、東京都には東京都建築安全条例という規制があります。東京都建築安全条例第3条によると、旗竿地の路地状部分の長さに応じて路地状部分の幅員が変わります。具体的には路地状部分の長さが20mを超える場合、路地状部分の幅員を3m以上確保しなければなりません。

 

このように条例の内容は地域ごとに異なるため、詳しくは自治体のホームページや窓口で確認しましょう。

 

接道義務を満たしていない旗竿地が例外的に建て替え可能となるケース

例外的なケース
接道義務を満たしていない場合でも、例外的に建て替えが認められる場合があります。それは以下のとおりです。

 

  • みなし道路に接している場合
  • 43条ただし書許可を得ている場合
  • 都市計画区域外・準都市計画区域外の場合

 

みなし道路に接している場合

土地が面している道路がみなし道路の場合は、幅員4m未満でも良いとされています。みなし道路とは建築基準法42条2項で規定されている道路で、2項道路と呼ばれることも多いです。

 

現状幅4m未満の道路は多数存在しているため、救済措置として設けられている規定です。みなし道路として認定されるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 幅が4m未満の道であること
  • 建築基準法が適用された際にその道に現に建物が立ち並んでいたこと
  • 特定行政庁(知事や市長)の指定を受けたことでの救済措置による道路のこと

 

ただしみなし道路に面する土地については、みなし道路の中心線から2mの範囲まで道路境界線をセットバックさせることが求められます。セットバックした部分には建物を建築できません。

 

43条ただし書許可を得ている場合

以下の要件を満たす場合、特定行政庁の建築審査会の同意を得て許可が得られれば、建物を新築できます。

  • 敷地の周囲に公園や緑地などの広い空地がある
  • 敷地が農道などの公共の用に供する道(幅員4メートル以上)に接している

 

この規定は建築基準法第43条1項ただし書きに基づくことから、43条ただし書き許可と呼ばれています。

 

都市計画区域外・準都市計画区域外の場合

接道による制限を受けるのは、都市計画区域内と準都市計画区域内の土地です。したがってこれらの区域外にある土地では、接道のルールが適用されません。

 

ただし都市計画区域外・準都市計画区域外であっても、住宅が密集しているエリアは少なくありません。接道していないことによって災害時に緊急車両が入れず、命の危険にさらされる恐れがある点に注意しましょう。

 

建て替え不可の旗竿地を建て替え可能にする方法

旗竿地の建て替え方法
建て替えできない場合でも、あきらめるのはまだ早いです。次の項目からは、建て替え不可の旗竿地を建て替え可能にする方法を見ていきましょう。

 

隣接地を購入

土地の接道が足りずに再建築が認められない場合は、隣接地を購入する方法が有効です。隣接地を購入することで接道している間口を2m以上に広げることができます。

 

ただしこの方法は、隣接地の所有者が土地を売ってくれることが前提です。相手は売るつもりがないのに強引に進めようとすると、関係がこじれてしまう恐れがあります。良好な関係性を維持するためには、建築会社など不動産のプロに頼るのも有効な手段です。

 

隣接地を購入するのが難しければ、隣接地の一部を自分の所有地の一部と等価交換をする方法もあります。お互いにメリットを感じられる等価交換であれば、交渉しやすくなるでしょう。

 

土地を借りる

隣接地の一部を借りる方法もあります。工事期間中だけでも接道しておけば、再建築が認められるケースがあるためです。

 

ただし、すべてのケースで再建築が可能になるわけではありません。一時的な賃貸借契約では認められないこともあるため、自治体への確認が不可欠です。

 

賃貸借契約を結ぶ場合は、賃料や契約期間などの取り決めを契約書にしっかり残しておきましょう。

 

43条ただし書き許可の申請をおこなう

接道義務の例外で解説した、43条ただし書き許可の申請を行うのも手です。申請手続きの流れは、以下のとおりです。

 

  1. 自治体の担当課(建築課や建築住宅課など)と事前協議
  2. 建築審査会の事前審査
  3. 許可申請
  4. 建築審査会の本審査
  5. 自治体から許可が下りる

注意したいのが、43条ただし書きの許可は今回のみ有効ということです。一度許可がおりたからといって、永続的に許可されるわけではありません。将来建物を新しく作り変えるときは、改めて許可を得る手続きが必要です。

 

旗竿地を建て替えするときの注意点

注意点
旗竿地で建物を解体・新築するときは、以下のポイントに注意しましょう。

  • 解体費用が高額になることもある
  • 工事が長くなることもある
  • 近隣住民とトラブルになることもある

 

解体費用が高額になることもある

旗竿地の建て替えでは、解体費用が高額になる可能性があります。

 

旗竿地は間口が狭く工事用の重機が入りづらくなるため、人力で作業しなければなりません。重機で作業するよりも多くの人手を要することから、費用が割高になってしまうのです。

 

旗竿地は整形地よりも解体費用が高額になることを念頭に置いて、解体費用の予算は余裕を持たせておきましょう。

 

費用が高額になるのは、新築工事も同様です。新しく建てる建物の資材搬入など、一つ一つの作業に手間がかかるため、高額になることが予想されます。

 

工事が長くなることもある

工期が長くなりやすい点にも注意が必要です。

 

重機を使った解体工事であれば、木造二階建ての場合10日〜2週間程度で終わることが多いです。しかし人力での作業になると、通常の2倍近く時間がかかることもあります。

 

さらに旗竿地に建つ家で生活している方は、工事期間中に暮らす仮住まい(賃貸住宅やウィークリーマンションなど)が必要です。工期が長期化すると、仮住まいの賃料もかさむことになるでしょう。

 

近隣住民とトラブルになることもある

工事がきっかけで、近隣住民と揉めることもあります。施工中は騒音やトラックの出入りなどで、近隣住民に迷惑をかけてしまうことが出てくるでしょう。揉め事を未然に防ぐためには、事前に挨拶周りをして、工事内容をしっかりと説明しておくことが肝心です。

 

説明が不十分なまま工事を進めてしまうと、クレームを受けたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。最悪の場合、工事を中止せざるを得ない状況まで追い込まれることも。近隣住民に対しては、丁寧な対応が求められます。

 

旗竿地が建て替え不可の場合!対処法とは?

対処法
旗竿地の建て替えが認められない場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。主な対処法は以下の4つです。

 

  • 自宅として活用する
  • 賃貸物件として貸す
  • 駐車場にする
  • 売却する

 

自宅として活用する

一つ目の対処法は、既存の建物を活かす方法です。リフォームやリノベーションを施せば、新築のように綺麗にすることも可能です。間取りなどを変更して、今のライフスタイルに合わせることもできるでしょう。

 

ただし再建築不可の物件は、増築を伴う工事が原則認められていません。あくまで増築とならない範囲でのリフォーム・リノベーションとなります。

 

また築年数が経過している建物は、耐震性やシロアリ被害などの問題が見つかる可能性があります。その場合はリフォーム・リノベーションを施しても、長く住むことは難しいです。リフォーム会社に相談して事前に建物を調査すれば、現状の問題点を知ることができます。

 

賃貸物件として貸す

賃貸需要があるエリアに立地している物件は、第三者に賃貸する方法もあります。この対処法の大きなメリットは、毎月賃料収入が得られる点です。

 

リフォームやリノベーションで綺麗にすると、借り手もつきやすくなるでしょう。ただしその場合は資金計画が重要です。どのくらいの期間で投資回収したいのかによって、リフォーム・リノベーションにかけられるお金は変わってきます。

 

駐車場にする

既存の建物を解体して、駐車場にする対処法もあります。他の方法に比べて、駐車場は初期費用が少なくて済みます。一方で駐車場にすると、住宅用地にかかる固定資産税の軽減措置は受けられなくなるため、固定資産税が高くなるのが注意点です。

 

駐車場には、時間貸駐車場と月極駐車場の2種類があります。たとえば駅前立地であれば、時間貸駐車場にすることで高い収益が期待できるでしょう。一方で住宅街にある場合は、近隣住民が利用する月極駐車場の需要が見込めます。

 

売却する

四つ目の対処法は、建物が残った状態で売却することです。活用方法を見いだせないのであれば、できるだけ早く売却したほうが余計な出費をかけずに済みます。

 

売却方法は隣接地の所有者に売却する方法と、再建築不可物件を専門に取り扱う買取事業者に売却する方法の2つがあります。

 

隣接地の所有者は自分の土地と買い取った土地を合わせて資産価値を高められるため、前向きに検討してくれる可能性があります。

 

買取事業者に依頼する場合は、スピーディーに売却できる点がメリットです。買取実績豊富な事業者であれば、旗竿地でも積極的に買い取ってくれるでしょう。ただ買取価格は相場の7〜8割程度になるのが一般的です。

 

まとめ

旗竿地は法律や条例のルールを満たしていないと、原則として建て替えが認められません。

 

ただ、なかには例外的な措置があるため、建築基準法や自治体の条例などをよく確認する必要があります。隣接地を買い取ったり一時的に借りたりすることで、建て替え可能にする方法もあります。

 

建て替えできない場合は、既存建物にリフォーム・リノベーションを施したり、解体して駐車場経営をしたり、売却したりする対処法が有効です。

 

一番もったいないのは、何もせずに放置することです。旗竿地だからといってすぐにあきらめず、活用方法を探ってみてください。

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田舎の実家はどうする?売却や処分・空き家の活用方法について紹介

田舎の実家はどうする?売却や処分・空き家の活用方法

 

熊本市不動産売却クイック査定です。

 

実家を相続した人の中には、「活用方法がわからない」という理由で放置してしまう人も少なくありません。

 

しかし、高齢化が進む日本では年々空き家が増加しており、深刻な社会問題になっています。

 

では、実家を相続した場合、どのように対応すれば良いのでしょうか?

 

この記事では、実家の活用方法や処分方法について解説します。相続する前に実家の活用方法や処分方法を理解し、適切な対応を行いましょう。

 

田舎の実家(空き家)はどうする?実家を相続するとどうなる?4つのリスク

疑問

田舎の実家を相続すると、相続者にはどのようなことが起こるのでしょうか。後悔の少ない選択をするために、相続の注意点についてあらかじめ確認しておきましょう。

 

①税金がかかる

空き家を相続すると、毎年、固定資産税や都市計画税などの税金の支払いが発生します。

 

固定資産税は、地方税の一種であり、所有する固定資産に対してかかる税金です。これは、人が住んでいない空き家でも課税されるため注意が必要です。

 

また、相続した空き家が市街化区域に該当する場合、都市計画税も課税されます。土地や建物の資産価値が高ければ、固定資産税も高くなります。

 

田舎は敷地面積の広い家が多いため、都会に比べて固定資産税が高くなる可能性があるでしょう。

 

②管理費がかかる

人が住んでいない家は劣化が早くなり、資産価値がどんどん低下してしまいます。そのため、空き家を相続したら、定期的にメンテナンスを行う必要があります。

 

掃除や換気はもちろん、屋根や壁に壊れている箇所がないか細かくチェックしましょう。

 

なお、空き家が遠方の場合、交通費や宿泊費等の費用が負担となる可能性があります。相続する際には、空き家管理の年間支出を把握しておくことが重要です。

 

③盗難や火災の可能性あり

空き家は、盗聴や火災など犯罪に巻き込まれないよう注意が必要です。

 

特に注意すべきなのは火災です。放火や漏電によって火災が発生した場合、誰も住んでいない家では発見が遅れ、手遅れになってしまう可能性があります。また、隣家に燃え移れば多額のお見舞金を支払わなければならないでしょう。

 

ポストに郵便物が溜まっている、人の気配がしない家は犯罪に巻き込まれる可能性が高くなります。そのため、小まめな管理を行い異変に気が付けるよう注意しましょう。

 

④近隣住民に迷惑がかかる

空き家を放置しておくと、害虫や野生動物の住処となってしまう恐れがあります。

 

また、庭の雑草が生い茂り、近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性も考えられます。そのため、定期的に庭の手入れを行い、害虫や野生動物のエサとなるものを置かないなどの工夫が必要です。

 

近隣住民との関係が悪化すれば、さまざまな問題に発展しかねません。近隣住民への配慮は注意すべき点と言えるでしょう。

 

田舎の実家(空き家)はどうする?実家を相続しない場合

田舎の実家は、「必ず相続しなくてはいけない」というわけではありません。

 

結論から言うと、相続しない選択肢もあるのです。ただし、相続しないことで起こる注意点について把握しておくことが重要です。

 

この章では、実家を相続しない(相続放棄)について解説します。

 

相続放棄できる

先述した通り、田舎の実家を相続しないことは可能です。これを相続放棄といいます。

 

相続放棄すると田舎の実家や負債を相続しないで済みます。また、遺産分割協議にも関与する必要がありません。なお、相続放棄は申立できる期間が以下のように定められています。

 

民法915条(相続の承認又は放棄すべき期間)
相続人は、自己のために蔵族の開始があったことを知った日から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
引用:法務省 相続放棄等の熟慮期間の延長について

 

これは、3カ月以内に手続きを完了させなくてはいけないということではありません。あくまでも、3カ月以内に必要書類を家庭裁判所へ提出する必要があるということです。

 

相続放棄をする場合は、スケジュール管理を行い、期日内に申告できるようにしましょう。

 

相続放棄できるが注意点(実家だけ相続放棄できない)

相続放棄は、「実家だけ」を相続放棄することはできません。

 

たとえば、被相続人が実家の空き家の他に、駐車場として貸出している土地を持っていたとします。

 

この状況で相続放棄をすれば、空き家の実家と駐車場の両方を手放すことになります。このように、相続放棄は、「全ての財産を放棄すること」を意味しています。

 

実家の空き家は負債ではないものの、固定資産税の支払いや管理の手間がかかります。そのため、自分たちで活用できない場合は、相続放棄が最も有効な手段です。

 

相続内容や種類、総額、相続税など全てを把握した上で慎重に判断しましょう。

 

田舎の実家(空き家)を相続放棄する場合の手順

では、相続放棄する場合どのような手続きが必要になるでしょうか。

 

相続放棄は、「被相続人が亡くなった日から3カ月以内」という申告期間が定められています。できるだけスムーズに手続きが行えるよう相続放棄をする場合の手順を確認しておきましょう。

 

  • 相続財産の調査を行い相続放棄すべきか判断する
  • 必要書類や費用を準備する
  • 家庭裁判所に必要書類を提出する
  • 裁判所からの照会書へ回答する
  • 相続放棄申述受理通知書が届く

 

この手続きを3カ月以内に行う必要があるため、しっかりスケジュール管理を行い、必要な書類は早めに準備しましょう。

 

田舎の実家(空き家)を売却したい場合!4つの方法

空き家の売却

田舎の実家を相続した場合、活用方法がなければ売却するのも得策です。

 

しかし、場所によっては思うように売却が進まない可能性もあります。その場合は、家を解体して更地にする、空き家バンクに登録するなどの方法を検討してみましょう。

 

①不動産会社に買取依頼

不動産会社に直接買い取りしてもらう売却方法を「買取」といいます。

 

買取は、査定依頼を行い、掲示された金額に納得できれば確実に売却することができます。

 

そのため、売却にあまり時間をかけられない人やすぐに現金化したい人におすすめの方法です。ただし、仲介に比べて、売却価格は安くなる傾向にあります。

 

②不動産会社に仲介依頼

不動産会社に依頼して売却する方法を「仲介」といいます。仲介では、売却が成立したら成功報酬として不動産会社に仲介手数料を支払います。

 

しかし、買取に比べて高額で売却できるケースも多いため、高値売却したい人にはおすすめの方法です。ただし、売却までに時間がかかる可能性があります。スケジュールには余裕を持っておきましょう。

 

③家を解体し売却

空き家は、想像以上に劣化が進んでいることがあります。

 

たとえば、雨漏れやシロアリなど、目に見えない所で被害が起きていることも少なくありません。そのため、古くなった空き家は、解体して土地として売却するのも1つの方法です。

 

土地として販売すれば、使用目的が広がり売却しやすくなる可能性があります。個人で判断しにくい場合は、ホームインスペクション(建物状況調査)を活用するのもおすすめです。

 

ホームインスペクションは、「住宅診断」とも呼ばれ、床下、屋根裏、外壁、屋根、構造などを調査することができます。建物の現状を把握することで何を優先すべきか見えてくるでしょう。

 

④空き家バンクに登録

田舎や地方では、少子高齢化に伴い、地域の過疎化や空き家の増加が問題となっています。

 

こうした背景を受け、少しでも空き家を有効活用するため「空き家バンク」が生まれました。空き家バンクは、空き家の所有者が登録を行い、自治体のホームページや広報誌などで購入希望者や入居者を募るサービスです。

 

移住者や交流希望者向けに提供している自治体も多く、地域活性化にも役立っています。また、その地域に定住したい人からの問い合わせが主となるため、成功率の高さも魅力です。

 

空き家バンクの実施は、自治体によって異なるため、詳しくはそれぞれ自治体でご確認ください。

 

田舎の実家(空き家)!3つの活用方法

ひらめき

ここまで空き家を相続放棄する場合や、売却する場合について解説してきました。

 

しかし、「思い出の詰まった実家を売却するのは避けたい」と思う人が多いのも実情です。

 

では、田舎の実家を相続して有効に活用する方法はないでしょうか。ここでは、田舎の実家を活用する方法をご紹介します。

 

①賃貸

空き家の状態によっては、賃貸で貸し出すことも有効です。

 

入居者がいれば毎月安定した家賃収入が見込めます。家賃収入があれば、空き家の管理や税金の支払いに充てることができるでしょう。

 

また、空き家の状態で放置しておくよりも、家の劣化を抑える効果が期待できます。

 

②更地として運用(駐車場など)

空き家を解体して更地にすれば、管理の手間や維持費が少なくなります。

 

更地なら駐車場として運用したり、貸地として運用したりする活用も可能です。運用がうまくいけば、収入源にもなるでしょう。空き家の管理に困っているものの、土地は手放したくないという人は更地にして運用する方法も検討してみましょう。

 

③自分で住む

コロナ禍以降は、働き方にも大きな変化がありました。

 

自宅で仕事をする人が増え、のどかな環境で暮らせる田舎に注目が集まっています。自由な働き方ができる人は、自分たちで住むという選択肢を視野に入れてみるのもおすすめです。

 

空き家を自分たちで修理しながら生活することで家への愛着が増すことでしょう。

 

まとめ

田舎の空き家は維持費だけでなく、定期的な管理が必要になります。そのため、コストだけでなく、手間と労力も必要になるでしょう。

 

そのままの状態で有効活用できることが望ましいですが、なかなか上手くはいかないものです。自分たちの生活に負担となる場合には、相続放棄や売却も視野に入れて検討しましょう。

 

また、相続後に万が一自分の身に何か起きれば、残された家族が相続することになります。後悔残らない選択をするためには、家族でしっかり話し合っておくことが大切です。

 

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