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事故物件という言葉を聞いたことはありますか?安くていい物件を見つけたと思ったのに「事故物件だった・・・」という経験がある方もいるかもしれません。事故物件と聞くと多くの方は、不安や恐怖心、抵抗感を感じるでしょう。しかし、事故物件はデメリットばかりではありません。人によっては事故物件のデメリットよりも、メリットが勝るケースもあるのです。
したがって、「事故物件=住まないほうがいい」という概念は一度捨てて、この記事を最後まで読んでみてください。この記事を読めば、事故物件とは何なのか、事故物件のメリット・デメリット、さらに事故物件のリスクなどがわかります。事故物件に関する正しい情報を身に着けることで、自分の状況や価値観に基づいた正確な判断ができるようになるでしょう。
「事故物件」とは、一般的に事件や事故が起こった物件のことを指します。具体的には、自殺や他殺、自然死、火災などの死亡事故が挙げられます。命が失われた場所というのは、多くの人にとって心理的・精神的なダメージが大きく、「怖い」「不気味」「おばけが出そう」など、不安や恐怖を感じる方も多い傾向です。しかし、事故物件はマイナスイメージだけではありません。
下図は、国土交通省「消費者からみた心理的瑕疵問題とこれからの課題」の調査結果です。
出典:国土交通省「消費者からみた心理的瑕疵問題とこれからの課題」
これを見ると、事故物件に対するイメージは「家賃が安い」という回答が75.3%で最多となりました。次いで、「怖い・不気味」が71%、「心霊現象がありそう」が43.3%という結果になりました。
また、この他の項目で、「賃貸物件を探している消費者は、見つけた物件が「事故物件」だった場合、該当の部屋の病死・自然死については、他の死因に比べて条件次第では契約を検討する傾向にある」という調査結果が出ています。したがって、事故物件と言っても、消費者それぞれが持つ価値観や事故内容などによって、影響力には幅があるということがわかります。
先にお伝えしたように、事故物件はデメリットばかりではありません。そこでここからは、事故物件を購入するメリットを3つ紹介します。
ご自身の状況や目的と照らし合わせながら、チェックしてみましょう。
一般的に、事故物件は市場価値が低下する傾向にあるため、類似物件よりも価格を安くする必要があります。これは予算に制約がある購入希望者にとって大きなメリットとなるでしょう。どのくらい安くなるかは死因によっても異なりますが、一般的には以下が目安となります。
事故物件の内容 | 値引き相場 |
---|---|
自然死 | 10~20% |
自殺 | 20~30% |
他殺 | 40~50% |
自然死であれば、値引き相場はそれほど高くはありません。一方で、他殺となると値引き幅は非常に大きくなるでしょう。また、事件の大きさや社会的影響力によって、これより値引き幅が大きくなる可能性もあります。加えて、将来的に売却する際の困難さを見越して、初めから大幅に安く設定されるケースもあります。
ただし、事故物件に対する価値観や受け取り方は人によって異なりますので、上記はあくまでも参考程度に留めておきましょう。
類似物件と比較して割安な事故物件は、投資用として魅力があります。特に、都内の利便性が良い物件は需要が高いため、賃貸として貸し出すことも可能でしょう。人気エリアが割安で借りられるため、事故物件でも入居率が高くなり、高い利回りが期待できます。
ただし、人口が少なく、需要の少ない地域では借主を探すのが難しくなる可能性が高いです。したがって、投資用として購入する際は慎重に検討することをおすすめします。
事故物件の多くはリフォームされ、事故や事件の痕跡は消されています。そのため、内装は新しく、快適な住環境が整っているケースが多いです。また、最新設備を導入したり、おしゃれな内装にしたり、リフォームを充実させて物件全体の質を向上させていることも少なくありません。
さらに、リフォーム時に耐震補強や断熱性向上といった、建物性能を高める工事を行う場合もあります。このような大規模リフォームは、居住者の快適性や安全性を高めるだけでなく、将来的な資産価値にも良い影響をもたらすでしょう。
ここまで事故物件のメリットについて解説しましたが、一方でデメリットも少なくありません。では、具体的に事故物件にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。ここでは、事故物件で考えられる以下7つのデメリットについて解説します。
それでは、順番に見ていきましょう。
事故物件は、過去に自殺や他殺、火災などの事故が起こった場所であるため、そこで生活することに精神的なストレスや不安を感じる方も少なくありません。どんなに「自分は大丈夫」と思っていても、これは単なる迷信や非合理的な恐怖ではなく、人間が感じる自然な感情であり反応です。また、霊感や心霊現象を信じる方にとっては、事故物件での生活はより精神的なストレスを感じるでしょう。
もちろん、売却時や賃貸時にはきれいな状態へと復元されているため、見た目で違和感を覚えることはほとんどありません。しかし、どんなに特殊清掃をしても、「この部屋で人が亡くなった」という事実は消えません。入居前から「事故物件」ということが引っかかっていたり、少なからず不安に感じていたりする場合は、入居後に恐怖心が増してしまう可能性があるため注意が必要です。
多くの物件は事故後にリフォームを実施しますが、中には特殊清掃を施しても痕跡が完全に除去されないこともあります。特に、木材は液体を吸収しやすい性質であるため、染み込んだ液体を完全に除去できないケースもあるのです。また、コンクリート造でも性質上、ニオイの元となる物質が浸透してしまうことがあり、壁紙や床材を張り替えても経過とともに現れる可能性があります。
人間の嗅覚は非常に敏感で、わずかなニオイでも不快感を覚えることがあります。ましてや事故物件となれば、事件・事故の記憶を想起させるため敏感になってしまう方も多いでしょう。したがって、事故の痕跡は見た目だけでなく、ニオイの観点でも注意が必要です。
近年、インターネット上には事故物件に関する情報を集約するサイト(大島てる等)が多数存在しています。これらは無料で閲覧可能で、住所付きで公開されています。
参考:大島てる 大島てる物件公示サイト
事故物件という事実を居住者が口外しないようにしていても、インターネットを調べれば事故物件だとすぐにわかってしまいます。また、社会的影響力の大きい事件・事故では、事件現場としてメディアが撮影しに来たり、口コミなどによって意図せず居住者の個人情報が特定されたりする可能性もあります。
これによって、不必要な注目を集め、偏見の目で見られる可能性も否定できません。実際に、過去に殺人事件が起きた現場では、高校生が「肝試し感覚」で現場に侵入し逮捕された事件も起きています。
また、来訪する友人や知人の中には、不安や戸惑いを感じ、人間関係や社会的交流に影響を与えてしまう可能性もあります。さらに、将来的に売却する際、インターネット上の情報が障害となり適正価格での売却が困難になるケースもあるでしょう。
事故物件は、時間の経過とともに事件・事故の印象が薄れ、市場としての評価は次第に回復していきます。なお、告知義務があるのは、賃貸の場合は「死」の発覚から3年間、売買の場合は「時効なし」です。そのため、賃貸では事故から数年が経過し、さらに、その間に居住者がいた場合は、物件の価値が上昇すると考えることが一般的です。
したがって、初回契約時は通常よりも低い家賃が設定されていますが、初回の低家賃が継続されるとは限りません。居住者が問題なく生活できていると判断され、事件から数年経過すれば、家賃が値上がりする可能性も高いでしょう。
家賃の値上がりは少しずつ行われるケースもありますが、3年を経過した月から20%程度の上昇を求められるケースもあります。例えば、初期家賃が10万円だった場合は、12万円まで値上がりするイメージです。極端な例では、事故物件としての割引がなくなり、周辺相場と変わらない家賃を要求される可能性もあるでしょう。
事故物件は、買主が限定されることが最大の懸念点と言えます。不動産市場に出すと相場より価格が安いため一定数興味を持つ人はいるでしょう。しかし、告知事項の内容を聞いて購入をためらう方が多く、売却がスムーズに進まないのが実情です。
通常の不動産売却は、売却までに3カ月~6カ月程度が目安とされていますが、事故物件の場合は長期化する可能性が高いでしょう。不動産が思うように売却できないことは、売主にとって精神的・経済的なダメージは大きくなります。
なお、不動産には、「仲介」と「買取」という2つの売却方法があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
仲介 | 不動産会社に物件の売却を依頼する 高値売却が目指せる 成功報酬として不動産会社に仲介手数料を支払う |
---|---|
買取 | 不動産会社が直接買い取りする 査定額がつけば即日売却可能 仲介で売却するより売却価格は安くなる |
好立地、築浅、人気エリアなど事故物件であれば、しばらく仲介で売却を進めるのも有効な手段です。しかし、駅から遠い、築年数が古いなど、需要が見込めない物件は、買取を検討するのもおすすめです。事故物件の買取を専門としている業者もあるため、そういった業者に相談するのも有効な選択肢の一つでしょう。
事故物件に住んでいると、近隣住民から根拠のない噂を立てられ居心地が悪くなる可能性があります。また、なるべく事件のことを考えないようにしていても、近隣住民から事件の詳細を聞かされて不眠症になってしまったケースもあります。
社会的影響力のある事件や風評被害が起こる事件では、近隣住民からの心無い言葉や噂に振り回される可能性は否定できません。さらに、事件があった物件以外の部屋も空室が続けば家賃を下げることがあります。
低価格の賃貸物件となれば、無職や生活保護を受けている方など、複雑な背景を持つ方も増えることが予想されます。これに伴い、住民のマナーが悪い、トラブルが起こるなどの可能性も考えられるでしょう。
過去に不吉なことが起きた場所には、当時の悲しみや苦しみといった負の感情が残りやすいと言われています。負のエネルギーが留まっていると、無意識にネガティブな気分になりやすく、運気が下がる可能性があります。
また、事故物件は入居率が悪くなるため、定期的な清掃やメンテナンスが行き届いていない物件も少なくありません。これが、住人の健康や人間関係、運気に悪影響を与えている可能性もあるでしょう。
実際に、事故物件に住んでから原因不明の体調不良になったり、家庭内の問題が起きたりするケースもあります。ただし、これは心理的な影響であり、物理的なものではありません。全ての人が同じ様に影響が出るものではなく、個人差が大きいものであるため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。
ここまで、事故物件を「借りる」「購入する」方向けのメリット・デメリットを解説しました。この章では、事故物件のオーナー目線で、事故物件を「販売」「賃貸」する場合のリスクについて考えていきましょう。考えられるリスクは以下の通りです。
それでは順番に見ていきましょう。
所有している物件で事件・事故が起きた場合、物件の市場価値が下がるため、所有者にとっては大きな問題となります。事故物件の値下げに関しては、法律で明確に定義されているものではありません。しかし、多くの人は事故物件に対して心理的・精神的な嫌悪感を抱きます。また、「事故物件=家賃が安い」というイメージが世の中に知れ渡っているため、所有者は自主的に販売価格を下げているのが実情です。
一般的に、事故物件は類似物件に比べて20~50%程度販売価格が低くなる傾向です。この低下率は、事件・事故の内容、時間経過、物件の立地などが影響します。例えば、自然死のように比較的心理的負担が少なく軽微な事故の場合は家賃相場より10%程度の低下で済むケースが多いです。ただし、殺人事件のような重大な事件の場合は大幅な低下を余儀なくされるでしょう。
事故物件を避ける方は多く、長期的に空き家になったり、売却できない期間が長くなったりするリスクは高いでしょう。特に不動産売買では、購入希望者の多くが「長く居住する」という目的を持って物件を探しています。中には、そこで一生暮らしていく方もいるでしょう。賃貸なら引っ越すことができますが、住宅購入後は引っ越しも難しくなくなるため物件選びはより慎重になります。
さらに、将来の「転売」や「賃貸」を考慮すると、事故物件は資産価値が低く、今後の価格上昇もあまり期待できません。そのため、投資用の観点からもリスクが高く、投資家から避けられやすい傾向にあります。
このように事故物件が避けられる理由は多岐にわたり、単なる心理的要因だけでなく、社会的、経済的な側面でも困難になる可能性があります。これらの要因によって、事故物件の売却取引が長期化したり、運用率が低くなったりするリスクがあるでしょう。
事故物件を売却・賃貸する場合は、リフォームが必要です。場合によっては、大掛かりなリフォームが必要になるケースもあります。例えば、室内全体に血痕が飛び散っている場合は、壁や床のクロスの張り替えが必要になるでしょう。リフォームの内容によって費用は異なりますが、内装リフォームの目安は下表の通りです。
リフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|
クロスの張り替え | 1,000~2,000円程度/㎡ |
フローリングの張り替え | 3,000~4,000円程度/㎡ |
畳の交換 | 8,000~12,000円程度/畳 |
トイレリフォーム | 20~30万円程度 |
浴室リフォーム | 50~100万円程度 |
事故物件をリフォームする目的は、見た目を整えるためだけではありません。買主の心理的瑕疵を軽減し、物件の価値を回復させるために行う重要な作業です。特に、特殊清掃が必要となる事件・事故の場合は、特殊清掃の専門業者へ依頼して徹底的な清掃、修繕が求められます。特殊清掃では、室内の異臭、痕跡、供養、遺品整理まで対応している業者もありますので、状況に応じて検討しましょう。なお、下表は、特殊清掃にかかる費用の大まかな目安です。
間取り | 費用相場 |
---|---|
ワンルーム | 3~10万円程度 |
1K~1LDK | 10~30万円程度 |
2K~2LDK | 15~50万円程度 |
3K~3LDK | 30~80万円程度 |
特殊清掃は、状況によって作業内容が変わるため、依頼する前には複数社から見積もりをとって比較検討するのがおすすめです。また、リフォーム業者によっては、事故物件のリフォームを引き受けない業者もいます。したがって、特殊清掃後にリフォーム依頼をする場合は、必ずリフォーム業者に事故物件であることを告知する必要があります。
事故物件は、お祓いが必要になるケースが多いため、費用や手間がかかるのもリスクと言えるでしょう。お祓いにかかる費用相場は、3~10万円と幅があり、死因や範囲によっても異なります。例えば、自然死であれば3万円程度、自殺は5万円、他殺であれば8万円以上の費用がかかります。当然、この費用は所有者負担となります。
なお、お祓いは必ずやらなくてはいけないというわけではありません。あくまで任意ですが、お祓いを行うことによって売主に対しての信頼感にもつながります。また、買主や借主の心情を考慮すると行っていた方が賢明でしょう。
不動産取引では、「瑕疵(かし)」という概念が民法上重要な位置を占めており、以下の4つの瑕疵には告知義務があります。
種類 | 瑕疵の内容 |
---|---|
心理的瑕疵 |
自殺や殺人事件 孤独死 火災 忌まわしい事件・事故 |
環境的瑕疵 |
騒音・異臭 周辺環境が悪い(反社会勢力の拠点があるなど) 道路の交通量が多い |
物理的瑕疵 |
土壌汚染 地盤沈下 雨漏り シロアリ ひび割れ |
法的瑕疵 |
建築基準法違反 防災設備の不備 接道義務 土地利用制限 |
事故物件は、心理的瑕疵に該当するため、売主は買主に対して告知する責任があります。なお、告知義務は、事件発生から2~3年間は告知しなくてはなりません。この期間を過ぎた場合でも、買主から直接聞かれた場合は、事件・事故の内容について正直に答えなければなりません。
万が一、告知義務を守らずに不動産を売却したり、賃貸に出したりした場合、損害賠償請求や契約取消になる可能性があります。告知することで物件の価値が低下する可能性は否定できませんが、法的トラブルを避け、公正な取引をするためにも告知することは非常に重要です。
また、事故物件は「1回誰かが住めば告知義務がなくなる」と言われることがありますが、これは単純に「はい」と言えるものではありません。一般的に事故から2~3年間経過し、かつその間に入居者がいた場合は、告知義務が軽減される傾向にあります。
ただし、心理的瑕疵がなくなるわけではありません。したがって、告知義務が消えても入居者には事前に告知した方が良いでしょう。なお、告知義務については、国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」に基づいて判断されます。
先にお伝えしたように、事故物件には告知義務があります。そのため、事故物件の売主は必ず購入希望者には説明をしなくてはなりません。万が一、事故物件であることを知りながら告知しなかった場合は、「契約不適合責任」を問われる可能性があります。
契約不適合責任とは、売買契約書に記載されていない瑕疵が発見された場合に、売主が負う責任のことです。事故物件の場合は、心理的瑕疵が該当します。契約の判断を大きく左右する瑕疵については告知義務が発生するため、契約前に口頭で説明し、重要事項説明書に記載する必要があります。
「言わなければバレない」という安易な考えは、後々大きなトラブルになる可能性があるため注意が必要です。事故物件を告知すると売れづらくなるのは事実ですが、告知義務違反に該当すると契約不適合責任を問われるということを覚えておきましょう。
今回は、事故物件の内容やメリット・デメリット、「売却」や「賃貸」に出す際のリスクなどについて解説しました。事故物件はどうしてもデメリットが目立ちますが、相場より安価でリフォーム済みの物件が購入できるなどのメリットもあります。ただし、居住者の精神的・心理的ダメージが大きい、事故物件サイトに公開されてしまう、将来的に売却しにくい、リフォーム費用がかかるなどのデメリットやリスクがあるのも事実です。
また、事故物件には告知義務があり、違反すると損害賠償請求されたり、契約取消になったりする可能性があります。したがって、いくら不利な状況でも告知義務を怠ってはいけません。
事故物件の購入や賃貸を検討する際は、経済的な面だけでなく、様々なリスクを踏まえた上で、ご自身やご家族の価値観、長期的に生活するイメージなどを考慮して慎重に判断することをおすすめします。
なお、事故物件は必ずしも売却できないわけではありません。人気エリアにある物件なら投資用としての価値もあるため、市場価格で売却できるケースもあります。さらに、不動産買取なら時間をかけずに売却することができます。事故物件専用としている買取業者もありますので、売却で困った際は相談してみると良いでしょう。
熊本市不動産売却クイック査定です。
実家を相続したり、両親との同居が決まったりすると、実家の建て替えを検討する方もいるでしょう。しかし、実家を建て替えるためには数百万円から数千万円の費用がかかります。そのため、「実家を建て替えたいけどお金がない」と悩んでいる方が多いのも実情です。
では、実際に実家を建て替えるには、どのくらい費用がかかるのでしょうか。今回は、実家の建て替えにかかる費用の相場や建て替えるお金がない時の対処法、家を建て替えた後に後悔しがちなポイントについて解説します。お金がないと諦めている方でも、本文を読めば何か対処法が見つかるかもしれません。ぜひ最後までお読みいただき、今後の参考にしてください。
下図は、国土交通省が発表した「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」の結果です。
参照:国土交通省:令和5年度 住宅市場動向調査報告書
図を見ると、建て替えにかかる費用平均は5,745万円となっています。また、新築注文住宅を建築した人の費用平均は5,811万円となっています。土地を購入する分、新築世帯が多少上回っているものの、どちらも5,000万円を優に超える金額であることは間違いありません。これらの結果から、建て替えには十分な資金が必要であることがわかります。次の項目では、建て替え費用が不足している場合の対処法を紹介します。
家を建て替えるお金がないときは、以下の方法を検討しましょう。
項目ごとに詳しく解説していきます。
実家の建て替えや親と同居する場合は、親族から資金提供してもらうことも視野に入れて検討しましょう。ただし、これらは「贈与」にあたるため、通常であれば贈与税がかかります。しかし、住宅取得資金の贈与については一定条件を満たす場合、一定の限度額までは非課税とされています。
したがって、両親や祖父母から資金援助を受ける場合は、住宅取得資金贈与の非課税制度が受けられるため、資金調達だけでなく節税対策にもなります。なお、贈与は父母、祖父母からの贈与に限られているため、兄弟姉妹、子どもからの贈与は対象外になるため注意が必要です。
住宅取得資金贈与について、国税庁は以下のように記載しています。
住宅取得資金贈与は、父母、祖父母などの直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たすときは下表の金額について、贈与税が非課税となります。
贈与期間 | 省エネ住宅等 | 左記以外の住宅 |
---|---|---|
令和6年1月1日~令和8年12月31日まで | 1,000万円 | 500万円 |
引用:国税庁 住宅取得資金の贈与を受けた場合
特例を受けるための詳細は、国税庁のウェブサイトからご確認ください。
国土交通省が発表した「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅(建て替え)取得世帯の住宅ローン有無は48.7%となっており、約半数は住宅ローンを利用して建て替えを行っているということがわかります。
参照:国土交通省令和5年度 住宅市場動向調査報告書
近年は、低金利ということもあり借入がしやすくなっており、40歳以上でも比較的住宅ローンが組みやすい傾向です。そのため「まとまった資金がない」と悩んでいる方は、一度住宅ローンの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
また、現居の住宅ローン残債が残っている場合でも、残債と建て替え費用を1本化できる「建て替えローン」という選択肢もあります。ただし、住宅ローンを利用する場合は、年齢、職業、貯蓄などを踏まえた上で、入念な資金計画を立てることが重要です。
国や自治体が実施している補助金・助成金を利用すれば、自己資金を軽減しながらお得に建て替えすることができます。具体的には、以下のような補助金・助成金があります。
それぞれの概要について見ていきましょう。
子育てエコホーム支援事業は、新築やリフォーム時に対象の省エネ工事を行うことで利用できる補助金です。名称に「子育て」とあるため誤解されやすいですが、リフォームは全世帯が対象となっています。ただし、補助対象工事には以下のような条件があります。
必須工事 |
開口部の断熱改修 躯体部分の断熱改修 エコ住宅設備の導入 |
---|---|
任意のリフォーム |
子育てしやすい環境へ変更するためのリフォーム 住宅の防災性を向上させるためのリフォーム バリアフリーリフォーム 空気清浄・換気機能がついたエアコンの導入 リフォーム瑕疵保険の加入 |
必須工事を3つ全て実施で上限60万円/戸、必須リフォームを2つ以上実施で上限40万円/戸の補助金を受け取ることができます。詳しくは、子育てエコホーム支援事業をご確認ください。
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅の性能向上や適切なメンテナンスを支援する事業です。既存の戸建て住宅、賃貸を含む共同住宅が対象で、事務所や店舗などは対象外となります。主に以下のような工事が補助対象です。
上記に該当する工事をする場合、補助限度額は80万円/1戸、認定長期優良型住宅で160万円/1戸です。三世代同居リフォームは、子育て・若者世帯または中古リフォームの場合は、上限がそれぞれ130万円/戸、210万円/戸まで引き上げられます。詳しくは、長期優良住宅化リフォーム推進事業をご確認ください。
解体費用助成金は、自治体から給付される補助金です。条件を満たすことで解体費用の1/5から1/2程度の補助金が受け取れます。ただし、自治体によって補助金の内容が異なります。利用を検討している方は、お住いの地域のウェブサイトから解体費用助成金について調べてみましょう。
ブロック塀の解体撤去の補助金制度では、「倒壊の危険性があるブロック塀を撤去し、地域の安全を守ること」を目的としています。支給額は自治体によって異なりますが、一般的な相場は撤去費用の1/4~1/2かつ上限額は5~15万円です。実家の建て替えで解体工事が必要だとお考えの方は、管轄する自治体の建築指導課窓口に相談しましょう。
老朽危険家屋解体工事補助金とは、老朽化によって倒壊の危険性がある家屋の解体を促進するための補助金制度です。近年日本では、高齢化や人口減少による空き家の増加が社会問題となっています。老朽化した空き家を放置すると、地域の景観が損なわれる、倒壊などによる危険性、火災、通行人への被害など様々な悪影響が考えられます。
そこで、こうした補助金を実施し老朽化した家屋の解体を促すことで、自治体全体のメリットにもつながります。老朽危険家屋解体工事補助金の上限は100万円ですが、自治体によって補助額は異なります。一般的に解体工事費用の何割、または自治体によって上限額が決まっているため管轄の自治体制度を確認しましょう。
木造住宅の耐震建て替え補助金は、木造住宅の耐震性を向上し、地震に強い安全安心な家づくりを推進するための事業です。補助制度は自治体によって大きく異なりますが、主に耐震診断補助、耐震改修設計補助、耐震改修工事補助、木造住宅耐震建て替え事業などがあります。
例えば、木造住宅耐震建て替え事業では、耐震診断を実施後、耐震の建て替えの必要があると判断された方で耐震建て替えを行う場合、既存住宅の解体及び建て替えに要した費用の4/5以内(上限100万円)の補助を受けることができます。補助限度額や対象条件等は自治体によって大きく異なるため、気になる方が管轄の自治体で確認しましょう。
建て替え時は、建物を壊す解体工事をする必要があるため、解体費用がかかります。しかし、住宅の一部をリフォームするのであれば、建て替えより費用を抑えることができます。例えば、汚れや経年劣化が目立ちやすいキッチン、トイレ、浴室などの水まわりは、リフォームするだけで見た目も使い勝手も大きく向上します。
リフォーム費用は、キッチン70~100万円、トイレ20~50万円、浴室50~150万円が相場です。なお、リフォームは1カ所だけ行うよりも、数カ所まとめてリフォームする方が費用は安くなる傾向です。なるべく費用を抑えながら住心地をアップさせたい方は、リフォーム会社に相談してみると良いでしょう。
一般的な住宅より建築コストを抑えた家を「ローコスト住宅」と呼びます。1,000万円台から建築できる商品もあり、坪単価で言うと30~50万円くらいがローコスト住宅の相場です。ローコスト住宅は、建築資材や設備を大量に仕入れることでコストダウンを図っているため、一般的な注文住宅に比べて費用を大きく抑えることができます。
すなわち、経済的な不安を減らしながら建て替えしたいという方に最適な方法です。ただし、どの部分をコストカットしているのか不明瞭な会社も存在するため、建築会社選びは慎重に行いましょう。
家を相続したけれど活用方法に困っている方や実家が空き家になっている方は、建て替えせずに賃貸として貸し出すという選択肢もあります。貸し出しできれば家賃収入を得られるため、住宅ローンの返済に充てたり、貯蓄したりすることができます。ただし、実家が老朽化している場合や立地条件が悪い場合は、借主が見つからない可能性が高いです。
借主が見つからなければ、空き家の維持費を払い続けることになるため、むしろコストがかかる可能性もあります。賃貸経営は想像以上に難しく、他にも入居者トラブルや家賃滞納、住宅設備のメンテナンスなども想定しておかなければなりません。賃貸として貸し出すのは難易度の高い方法とも言えるため、「家賃収入が得られる」というだけで判断するのは避けましょう。
「相続した実家の活用方法に悩んでいる」「建て替え費用が工面できない」という方は、売却することも検討しましょう。実家を売却すればまとまった資金が手に入るため、新居購入費用に充てたり、賃貸物件へ入居したりすることができます。なお、不動産売却には「仲介」と「買取」という2つの売却方法があり、違いは以下の通りです。
仲介は、不動産仲介業者が買主を見つけて売却する方法です。買い取りに比べて高値で売却できるというメリットがありますが、売却できるまでに時間がかかるというデメリットがあります。また、買主が見つかったら成功報酬として不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
一方、買取は、不動産会社に直接買い取りをしてもらう売却方法です。査定額に納得できれば、最短1日で売却することも可能。また、老朽化した空き家でも査定額が付けば、必ず買い取りしてもらうことができます。売却に時間がかからず、即現金化できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、仲介に比べて買取価格は安くなる傾向です。したがって、高値売却を希望する方は仲介、時間をかけずに売却したい方は買取が向いているでしょう。
家を建て替えたあとに後悔しないよう、経験者の意見を参考に、建て替え後に起こる失敗や後悔をあらかじめ把握しておくことが大切です。ここでは、家の建て替えで後悔しがちな以下の3つのケースについて解説します。
それぞれの解決策についてもお伝えしますので、今後の参考にしてください。
家を建て替えるということは、一定期間仮住まいが必要ということです。建て替えにかかる期間は6カ月~約1年が一つの目安ですが、天候や工事の進み具合によっては完成が遅れることも少なくありません。
仮住まい中に部屋を借りる場合、初期費用として敷金・礼金、前家賃、仲介手数料、火災保険、鍵交換費用などがかかります。例として、家賃10万円の部屋を借りた場合の初期費用のシミュレーションを見ていきましょう。
内訳 | 費用相場 |
---|---|
敷金 | 0~20万円 |
礼金 | 0~20万円 |
前家賃 | 10万円 |
仲介手数料 | 0~11万円 |
火災保険料 | 2万円 |
鍵交換費用 | 1万円 |
総額 | 13~64万円 |
上記の場合では、最大64万円の初期費用がかかることがわかりました。これに加えて、引越し費用がかかることも忘れてはいけません。引越し費用は、時期や荷物量、距離などによって変動しますが、3人以上の家族の引っ越しの場合7~15万円程度が目安となります。
このように、建て替え工事期間中の仮住まいは想像している以上に費用がかかります。工期が伸びればその分想定外の出費が増えるため「こんなはずじゃなかった」と後悔する方が多いのも実情です。建て替え期間が伸びてトラブルになったというケースもあるため、工期が遅延した場合の対応について施工会社としっかり話し合っておくことをおすすめします。
建て替えを検討している人の中には、実はリフォームだけでも十分という方もいます。そのため、以下に該当する場合はリフォームを検討してみましょう。
建て替えをする一番のメリットは、住宅性能や快適性がアップすることです。築年数50年を経過する住宅のほとんどは、旧建築基準に基づいて建築されているため、耐震性が現在の基準を満たしていません。リフォームで耐震工事することも可能ですが、耐震性が著しく低い場合は建て替えを検討しましょう。
一方、築年数30年未満であれば、リフォームだけで十分というケースもあります。リフォームが部分的であれば引越する必要もないため諸経費がかかりません。また、リフォームなら工事費用も大幅に抑えることができるため、受け継ぐほど長期的に住む予定がなければ建て替えをするメリットは少ないと考えられます。
また、リフォームであれば愛着のある実家を残すこともできます。暮らしに何を望むのか、今後実家とどのように付き合っていくのか、まずは家族でしっかり話し合ってみましょう。
実際に建て替えを行った人の中には、「工務店に依頼したが下請けに丸投げで、要望が全く反映されていなかった」と思い通りの建て替えが出来ずに後悔しているケースがあります。
建て替えは、言い換えれば「家族の命を守る家づくり」。
高い費用と労力をかけて行うのであれば、満足できる建て替えをしたいものです。しかし、工務店は全国に17万社以上あると言われているため、工務店選びで迷ってしまう方もいるでしょう。そんなときは、以下のポイントを参考にしてください。
自分たちにあった工務店を見つけて満足度の高い建て替えを目指しましょう。順番に解説します。
全国展開するハウスメーカーとは異なり、工務店は地域密着型の場合が多いです。そのため、対応エリアが限られていることがあります。気になる工務店が見つかったら、まずは施工エリアを確認してみましょう。
工務店を選ぶときは、経営状況を確認しておくことが大切です。実際に、建築中に工務店が倒産してしまったという事例もあります。工務店が倒産してしまうと、工事がストップしたり、アフターメンテナンス等が受けられなかったりする可能性があるため注意が必要です。
工務店の経営状況は、ホームページ上を確認してみるのがおすすめです。年間の施工棟数や最新施工実績、口コミなどから工務店の安定性をチェックしましょう。
工務店は、それぞれ得意分野が異なります。例えば、デザイン性を重視している、住宅性能を重視している、コストパフォーマンに優れているなど、工務店ごとに特徴があります。気になる工務店があればホームページをチェックして特徴をよく理解しておきましょう。また、建て替えで「何を重視するのか」家族で話し合っておくと、工務店選びがよりスムーズになります。
工務店を決めるときは自社施工であるか確認しましょう。自社施工とは、自社大工や自社の職人が直接工事をすることです。工務店の中には、契約後の施工業者を全て下請け業者へ依頼するところがあります。下請け業者に任せると、コミュニケーションが円滑に進まず、施主の要望が通らない、不具合の対応に時間がかかる、希望する日程で施工できないなどのデメリットがあります。小さな不満が積み重なると、いずれ不信感に繋がる恐れもあるため、できるだけ自社施工の工務店を選ぶことをおすすめします。
家の建て替えは、設計力の高さや提案力も重要になります。特に、土地が特殊な形だったり、建築基準法で制限が設けられていたりする地域では専門的な知識も必要です。施主の希望に寄り添いながらどこまで叶えてくれるか、実現できない要望に対しての説明や代替案を提案してくれるかなどを確認しておきましょう。
技術力を見極めるのはなかなか難しいですが、工務店を決める前に完成見学会や施工現場見学会などに参加するのがおすすめです。なお、モデルハウスはクオリティの高い素材や設備、住宅性能を導入しているため、あまり現実的ではありません。そのため、実際に工務店で建てた人のリアルな家を見学することで、技術力や雰囲気がよりイメージしやすくなるでしょう。
家づくりの道のりは長く、建てて終わりではありません。中には、「担当者の人柄で工務店を決める」という人もいるくらい担当者との相性は重要です。
請負契約や設計の打ち合わせ、入居後のアフターメンテナンス、リフォーム相談など、担当者とは何度も打ち合わせを行い、今後の人生においても長い付き合いになります。だからこそ、気軽に相談ができるか、レスポンスは良いか、知識はあるか、親身になって対応してくれそうか、などに注目して慎重に工務店を選ぶことが大切なのです。
今回は、実家を建て替えたいけどお金がない場合の対処法などについて解説しました。
建て替えにかかる費用平均は5,745万円であり、十分な資金が必要ということがわかりました。しかし、建て替えをしている人の約半数は住宅ローンを利用していて、近年は40歳以上の方でも住宅ローンの借り入れがしやすくなっています。また、現居の住宅ローンが残っていても建て替えローンを利用すれば、現居の住宅ローンと建て替え費用を1本化することも可能です。ただし、住宅ローンの利用は家計の経済状況を慎重に判断し、返済が家計を圧迫しすぎないよう注意が必要です。
建て替え費用で困っている方は、親族から援助を受ける、補助金・助成金を活用する、賃貸として貸す、売却するなどの方法もあります。また、建て替えが必要と思っていても、実はリフォームで十分な場合もあります。建て替え後に後悔することがないよう、まずは家族で話し合いを行い、生活の中で不便を感じることを書き出してみましょう。そうすると、日々の悩みが可視化され、自分たちに必要な工事が明確になるかもしれません。
工務店とは今後の人生で長い付き合いになります。満足度の高い建て替えを行うためには、気軽に相談できて、信頼できる担当者や工務店を選ぶことが成功の秘訣とも言えるでしょう。
熊本市不動産売却クイック査定です。
日本は超高齢化社会に突入しているため、相続したものの活用できない土地や、空家の増加が日本各地で社会問題となっています。活用していない土地を持ち続けていると、税金の支払いや管理の手間が大きな負担となります。そのため、人によっては土地を所有していることがデメリットとなるでしょう。土地所有者の中には、「誰かに無償で引き取ってほしい」と思っている方が多いのも実情です。こうした不要な土地の活用方法に悩んでいる方にとって「無償譲渡」は一つの解決策と言えます。
そこで今回の記事では、いらない土地を無償譲渡する方法や無償譲渡するメリット・デメリット、税金の種類などについて解説します。この記事を読めば、いらない土地の対処方法や注意点がわかります。ぜひ最後までお読みいただき、今後の参考にしてください。
活用しない土地を持ち続けていても、管理の手間が増える、経済的な負担が増えるなど、あまりメリットは多くありません。したがって、所有者が「いらない」と感じている不要な土地であれば、誰かに譲ってしまうのが得策です。ここでは、無償譲渡した方が良い土地の特徴を3つお伝えします。
上記の土地は無償譲渡が適していますが、貰い手も限られるため注意が必要です。では、それぞれの特徴を見ていきましょう。
所有者が今後も活用しない土地であれば、無償譲渡を検討しましょう。前述したように、活用していない土地は、所有しているだけで管理の手間や経済的な負担がかかります。今は良くても、高齢になると土地や空家を管理するのも一苦労でしょう。経済的な負担も大きいため、生活を圧迫する可能性も考えられます。
一方、所有者にとっては「活用していない土地」でも、住宅地として活用できるような土地であれば需要があるかもしれません。これまでに不動産会社や専門家に相談したことがなければ、一度相談してみることをおすすめします。
立地条件が悪い土地も、無償譲渡の対象になりやすいと言えます。例えば、地方の山林、アクセスが悪く車がないと生活できない土地、限界集落にある土地などが挙げられます。これらの土地は、管理をする手間や現地までの交通費と時間がかかります。居住地としても適さないため、無償譲渡を検討するのも一つの有効な手段です。
しかし、近年のキャンプブームによって山林を開拓してキャンプ場したり、自給自足生活を動画配信したりする人や企業も増えています。そのような趣味や仕事を持つ一部の人からすれば「魅力的な土地」とも言えるため、一概に売却できないとも言い切れません。
空家を放置していると、倒壊、外壁落下、害虫被害、景観の悪化、悪臭、不法投棄など様々なリスクがあります。相続した実家の管理できずに放置している所有者は多く、これが近年の空家増加の一つの要因と考えられます。万が一、放置空き家から火災が起きれば、近隣トラブルの原因になるだけでなく、被害者への謝罪や出費、社会的信用ダメージを負うなどの可能性も考えられます。
このように、空き家を長期間に放置することは大変危険であるため、無償譲渡する、空き家バンクへ登録する、売却するなど何らかの対策が必要でしょう。いらない土地の処分や無償譲渡する方法については、次の項目で詳しく解説します。
ここでは、いらない土地を無償譲渡する具体的な方法を確認していきましょう。無償譲渡するためには、以下の6つの方法があります。
それぞれ詳しく解説していきますので、ご自身の状況と照らし合わせながら最適な方法を見つけてください。
親が亡くなり実家を相続するケースも少なくありません。しかし、財産は必ず引き継がなくていけないわけではなく、相続放棄という選択肢もあります。相続放棄すれば、いらない土地を所有することを避けられます。ただし、相続放棄は全ての財産を放棄しなくてはなりません。「土地だけ放棄」ということはできませんので、慎重な判断が必要です。
また、相続人が複数いる場合は、1人が相続放棄すると残された相続人の相続持分が増えます。プラスの財産であれば揉めるケースは少ないですが、負債が多い場合に相続放棄するとトラブルに発展する可能性が高いです。複数相続人がいる場合は他の相続人への影響が出るため、なるべく相続人同士で事前に話し合っておくことをおすすめします。
いらない土地を国に返還することを「相続土地国庫帰属制度」といいます。この制度を利用すれば、相続や遺贈によって取得した土地を国が引き取ってくれる可能性があります。ただし、国は全ての土地を引き取ってくれるわけではありません。以下に該当する場合は、引き取ってもらえない可能性が高いため注意しましょう。
上記のどれかに1つにでも当てはまると、申請することはできません。詳しくは、法務省「相続土地国庫帰属制度」の概要をご確認ください。
出典:法務省 相続土地国庫帰属制度の概要
上記のどれかに1つにでも当てはまると、承認を受けることはできません。詳しくは、法務省「相続土地国庫帰属制度」の概要をご確認ください。
出典:法務省 相続土地国庫帰属制度の概要
先述した通り、空家が建っている土地は、「相続土地国庫帰属制度」を利用することができません。そのため、空き家バンクへ登録するのがおすすめです。空き家バンクは、自治体が運営するマッチングサイトで、空家を売りたい・貸したい人が登録を行います。空き家バンクを通じて住みたい人が見つかれば、空家を貸すか売却することができます。
ただし、全ての自治体で空き家バンクを運営しているわけではありません。空き家バンクの利用を検討している方は、空家を管轄する市区町村の窓口で事前に確認しておきましょう。また、空家を売買する場合は、民間の不動産会社が介入するため、不動産会社へ支払う手数料が発生します。
空き家の不動産取引は、業務の負担に応じて収益性が低いことが以前から問題視されていました。そのため「空家を売却をしたいけど不動産会社に相手にしてもらえない」「契約がスムーズに進まない」といったトラブルも少なくありません。
また、空き家は不動産市場で流通しづらく、これが空家増加の一つの要因とも考えられています。この背景を受けて、国土交通省は不動産市場で流通しづらい空き家・空き地の流通を促すべく、2024年7月1日「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」を実施。
具体的には、売買の仲介(媒介)取引において、物件価格800万円以下を対象に売主・買主双方から最大33万円(税込)の報酬が受け取れるようになりました。今回の制度拡充によって、これまで空家取引を敬遠していた不動産業者の参入が増え、空き家の不動産市場への流通量増加が期待されています。
空き家バンクの他にも、土地や空家を売買できるサイトがあります。ここでは、低価格で不動産売買ができるサイトを紹介します。
サイト名 | 特徴 |
---|---|
![]() 家いちば |
土地売買実績が豊富 売主と買主が直接コミュニケーションを取れる 信頼関係を築いて安心して取引を行いたい方に最適 |
![]() みんなの0円物件 |
無償で物件取引ができる 売主は譲渡後の責任を負わないという契約が可能 |
![]() 空き家のURI・KAI |
どんな物件でも掲載できる 専用のトークルームで売主と買主が匿名で商談できる マッチング後は宅建士と司法書士がお引渡しまでをサポート |
![]() 空き家ゲートウェイ |
掲載料・仲介手数料が無料 売主が購入希望者を決められる 全国の物件情報が掲載可能 |
![]() 空き家バイバイ |
専門スタッフのサポートで個人間取引が気軽にできる 完全成果報酬型なので安心 |
それぞれの特徴から、あなたに最適なサイトがあるか確認してみましょう。
ここまで様々な方法をお伝えしましたが、「なるべく労力をかけず、すぐに土地や空家を手放したい」という方は、買取業者へ売却するのがおすすめです。買取業者に依頼すれば、無償ではなく売却金が得られる可能性があります。先にお伝えした「売買サイト」も有効な取引ですが、買主が見つかるまでに時間がかかる場合があります。買取業者なら、最短1日で売却できます。
さらに、買取業者は不動産のプロであるため、売却後に何かあった場合でも売主が責任を問われることはありません。これを、「契約不適合責任の免責」といいます。個人間の取引の場合、売却した土地や空家に売買契約書に記載のない不具合が見つかれば、売主は契約不適合責任に問われ、自費で対応しなくてはなりません。場合によっては、大きな出費となることもあるでしょう。したがって、買取業者へ依頼することで契約不適合責任が免責されることは、売主にとって大きなメリットになると言えます。
いらない土地を引き取ってもらうのは、そう簡単ではありません。とくに地方の山間部などは需要が少なく、引き取り手を探すのはなかなか大変でしょう。そんなときは、隣家の方へ相談してみるのもおすすめです。隣家であれば、駐車場として利用したり、家を増築したり、土地を譲り受けるメリットがあります。
まずは隣家の人の意向を伺いつつ、「タダで引き取ってもらえませんか」と伝えてみましょう。意外と喜んで引き取ってくれるかもしれません。ただし、この方法は隣家の方と良好な関係が築けていないと難しいです。これまで隣家と関わりなく過ごしてきたという方は、他の方法を検討してみましょう。
所有者にとっては「いらない土地」ですが、土地をもらう側にはメリットがあります。では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。いらない土地をもらうメリットには、次のようなことが挙げられます
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
一般的に、土地を購入するためには数百万~数千万円の費用が必要です。それが無償で取得できるというのは、非常に大きなメリットといえます。地方へ移住を検討している方は、空き家や土地が無償で手に入れば移住のハードルは大きく下がります。また、土地や空家を購入するための自己資金は、リフォームや建築費用に充てることできるため、予算を抑えながら理想の住まいが実現しやすくなるでしょう。
自治体によっては、空き家のリフォーム補助金や解体費用の補助金を受け取れる可能性があります。例えば、千葉県茂原市では、空き家バンクを利用して空き家を購入した場合、空き家のリフォーム費用最大50万円を上限として助成しています。ただし、補助金を受けるためには要件があります。詳しくは以下の茂原市ウェブサイトをご確認ください
参考:茂原市ウェブサイト「空き家バンクを利用した売買を行われる方にリフォーム補助金を交付します。(令和6年度分)」
また、神奈川県横須賀市では、横須賀市内にある空き家で補助対象要件を満たす場合は、空き家の解体費用上限35万円まで助成しています。詳しくは以下の横須賀市ウェブサイトをご確認ください。
参考:横須賀市ウェブサイト「空き家に対する解体助成金制度」
このように、東京や神奈川などの首都圏でも、解体費用の助成や空き家活用を促進している自治体も少なくありません。補助金制度をうまく活用することで、自己資金を節約することができます。気に入った土地が見つかったら、その地域の自治体が実施している補助金制度について調べてみましょう。
無償で取得した土地や空き家を活用して、民泊やゲストハウスを経営すれば収益化することも可能です。近年はコロナ禍明けのインバウンドで、外国からの観光客が増加しています。利便性が良い、周辺に有名な観光スポットがある、趣のある古民家などは集客が望めるかもしれません。
しかし、民泊の黒字化経営を続けるためには、経験や知識、才能が必要不可欠です。そのため、空き家が無償で手に入ったからといって、未経験者が安易に民泊経営をはじめるのは注意が必要です。
前項では、いらない土地や家をもらうメリットを紹介しました。しかし、「タダでもらえる」という理由だけで安易に土地や家を所有すると、思わぬ落とし穴があるかもしれません。土地や家を無償でもらうには、以下のようなデメリットもあります。
具体的な内容について解説します。土地や空き家の無償譲渡を検討している方は、デメリットについてもしっかり把握しておきましょう。
一般的な不動産取引では、売主と買主を不動産会社が仲介します。そのため、仲介手数料が発生しますが、契約書の作成や登記手続きは不動産業者が行います。契約完了まで、宅建士や司法書士など専門家のサポートを受けることもできるため、安心して不動産取引が行えるでしょう。
しかし、無償譲渡で土地や空き家を譲り受ける場合は、個人間取引が一般的です。契約書の作成や登記手続きを自分たちで行わなければならないため、仕事や家事の合間に時間を取るのはなかなか大変でしょう。手続きが苦手な方にとっては、大きなストレスになることも考えられます。無償譲渡を受ける際は、これらの苦労や手間を考慮しても、無償譲渡を受けるメリットがあるのか慎重に検討することが大切です。
本文中でもお伝えしていますが、土地や空き家を所有していると、固定資産税や都市計画税などの税金が発生します。さらに、無償譲渡の場合は、以下の税金が発生する可能性があるため注意が必要です。
後悔の少ない選択をするためにも、税金についてしっかり理解しておきましょう。では、それぞれどのような税金なのか解説します。
贈与税とは、個人間の贈与に対して課せられる税金です。無償譲渡は法律では「贈与」にあたるため、受け取った側に贈与税が発生する可能性があります。具体的には、1年間に無償譲渡された財産の合計が110万円以上の場合に贈与税が発生します。なお、贈与税の税率と控除額は以下の通りです。
課税額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円 | 10% | – |
300万円 | 15% | 10万円 |
400万円 | 20% | 25万円 |
600万円 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
例えば、本来600万円の価値がある土地を著しく安い価格で譲り受けた場合、「みなし贈与」として贈与税がかかる可能性が高いです。この場合、贈与税は以下のようになります。
600万円×30%-65万円=115万円
「タタで土地がもらえた」と思っていたのに、あとから数十万円の税金の支払いがわかると「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうかもしれません。したがって、無償譲渡を受けると贈与税が発生する可能性があることを覚えておきましょう。
不動産取得税とは、土地や空き家(戸建て)などの不動産を取得した全ての人に課せられる地方税で、土地と建物それぞれに課税されます。なお、毎年課せられる固定資産税とは異なり、取得した際に1度だけ課税される税金です。無償譲渡で土地や空き家を譲り受けた場合でも、不動産取得税は発生するため覚えておきましょう。不動産取得税は、以下の計算式で求められます。
税額=固定資産税評価額×4%
不動産を取得してから約6ヶ月~1年半くらいの間に都税事務所から納税通知書が届きます。納税通知書に記載されている納期限までに必ず納付しましょう。一方で、取得した不動産価格が以下の免税点に該当する場合は、不動産取得税は課税されません。
土地 | 10万円以下 | |
家屋 | 新築、増築、改築 | 23万円以下 |
その他(売買等) | 12万円以下 |
不動産を取得しても、価格が低ければ免税対象となるケースもあります。ただし、免税された土地と隣接する土地を1年以内に取得すると、1つの土地として改めて価格評価をします。価格が免税点を超えると、課税対象となるため注意しましょう。また、取得した建物と一構になる建物を1年以内に取得した場合も同様です。
空き家を譲り受けた場合は、不動産の所有者を移転する「所有権移転登記」という手続きが必要になります。所有権移転登記は管轄の法務局で申請を行いますが、申請時に登録免許税という税金がかかります。なお、登録免許税は以下の計算式で求められます。
税額=固定資産税評価額(課税標準額)×2%
先にお伝えした不動産取得税と同様に、登録免許税も「固定資産評価額」を元に算出されます。固定資産税評価額は、固定資産評価証明書を市区町村の窓口で取得することで確認できます。ただし、所有者または、所有者と同居の親族以外の方が固定資産評価証明書を取得する場合は委任状が必要です。無償譲渡を受ける前に、「どれくらいの税金がかかるのか把握したい」という方は、固定資産税評価額を確認しておくとよいでしょう。
土地は、不動産登記法で決められた23種類の「地目」で分類されています。その中でも住宅が建築できるのは、宅地、山林、原野、農地、雑種地のみです。無償譲渡された土地が、上記に該当しない場合は建物が建築できない可能性があります。
また、「今空き家が建っているから、建て替えできる」という判断は要注意。無償譲渡される土地の中には、再建築不可物件といって建物の建て替えができない土地も多くあるのです。再建築不可物件は、建築基準法で定められた接道義務を満たしていないため、建物を建て替えることができません。せっかく新居を建築する予定で譲り受けた土地でも、建物を建てられなければ「いらない土地」になってしまいます。したがって、土地に建物を建築する予定の方は、「地目」と「再建築不可物件ではないか」必ず確認しましょう。
今回は、いらない土地を譲渡する方法や、無償譲渡のメリット・デメリットなどについてお伝えしました。本文中でもお伝えしましたが、いらない土地を所有していると、管理の手間や経済的な負担は避けられません。したがって、活用していない、立地条件が悪い、管理を放置している空家等は、無償譲渡を前向きに検討しましょう。ただし、全ての土地を無償譲渡できるわけではありません。無償譲渡できる土地には条件があるため、あらかじめ自治体窓口か専門家に相談しましょう。
また、所有者にとっては「いらない土地」でも、その土地を欲しいと思う人がいるかもしれません。土地が無償でもらえることは、土地を必要としている人にとっては大きなメリットです。さらに、自治体によってはリフォーム助成金や空家の解体費用の補助金が受け取れる可能性もあります。ただし、無償譲渡を受ける側は、手続きの手間がかかる、税金などの費用が発生する、建物を建築できない場合があるなどのデメリットがあることも忘れてはいけません。
なるべく手間をかけずに手放したいという方は、買取業者へ依頼するのも有効な選択肢です。「いらない」と思っていた土地や空き家が売却できれば、まとまった現金が手に入る可能性もあります。今回紹介した「いらない土地を譲渡する方法」を参考にしながら、ぜひご自身に最適な方法を見つけてください。
熊本市不動産売却クイック査定です。
実家を相続したものの、「やってはいけないことってあるの?」「何から始めれば良いのかわからない」と悩む人も少なくありません。相続は人生で何度も経験するものではないため、無理もないでしょう。しかし、間違った相続を行うとトラブルに発展するリスク高くなるため注意が必要です。
この記事では、実家の相続でやってはいけないことや実家の活用方法、相続した実家に住むときの注意点など、相続に関することを詳しく解説します。実家の相続を巡る問題は、早めに解決することが重要です。やってはいけないことは何なのか、問題点がどこにあるのか、ひとつずつ確認して今後の対処法を考えておきましょう。
実家の相続でやってはいけないことは、以下の5つです。
では、なぜ「やってはいけない」のか、それぞれ項目ごとに解説していきます。
共有名義とは、1つの不動産を複数人が共同で所有することをいいます。例えば、兄弟で土地を2分割して、共有名義にした場合を例として考えてみましょう。相続するときは、兄が管理することで意見はまとまっていました。
しかし、家の老朽化によって管理に手間がかかるようになります。さらに、固定資産税などの維持費もかかるため、兄は「売却したい」と考えはじめます。しかし、弟が「思い出の詰まった家を売却したくない」と言って、兄弟の意見が分かれれば家を売却することはできません。
このように、共有名義は「共有者全員の同意」がないと売却したり、貸し出ししたりすることはできません。相続した実家の活用方法について、共有者同士の意見が合わず揉め事に発展するのはよくある相続トラブルです。したがって、安易な判断は避け単独名義にするのか、共有名義にするのかよく話し合うことが重要です。
令和6年4月より、相続登記が義務化されました。これは、所有者が亡くなったあとに相続登記されない「所有者不明土地」が全国で増加していることが一つの要因です。相続によって不動産を取得した相続人は、相続を知った日から3年以内に相続登記の申請をする必要があります。
もし、正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の適用対象となります。したがって、不動産を相続したら早めに登記申請を行いましょう。詳しくは、東京法務局の下記Webサイトをご確認ください。
東京法務局 相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)~なくそう所有者不明土地!~
相続は、予期せぬタイミングで問題に直面することもあります。また、相続に備えて実家の活用方法を話し合っている人が少ないというのも実情です。しかし、活用方法を考えておかなければ、「とりあえず相続」してそのまま空き家になってしまうケースも少なくありません。
空き家を所有すると、メンテナンスが必要なだけでなく、固定資産税などの税金がかかります。さらに、空き家を放置すれば、倒壊、外壁落下、害虫被害、悪臭など様々なリスクが考えられます。そのため、実家を相続する場合は、活用方法を具体的に決めておくことが非常に重要です。
前述したように、老朽化した空き家を放置すると様々なリスクがあります。それらのリスクを懸念して、「解体して更地にしよう」と考える方もいるかもしれません。しかし、無計画に空き家を解体するのは要注意。なぜなら、住宅用地には固定資産税の軽減措置が適用されているからです。
固定資産税の軽減措置では、住宅用地であれば課税標準を3分の1に減額する他、200㎡以下の部分に対する課税標準は6分の1に減額することとされています。すなわち、実家を壊して更地にしてしまうと毎年支払う固定資産税が6倍に上がってしまう可能性があるのです。また、解体するには高額な費用がかかります。下表では、30坪の家を解体するには、どれくらいの費用がかかるのか構造別にまとめました。
構造 | 坪単価 | 30坪の家 |
---|---|---|
木造 | 3~5万円/坪 | 90~150万円 |
鉄筋造 | 5~7万円/坪 | 150~210万円 |
鉄筋コンクリート造 | 6~8万円/坪 | 180~240万円 |
空き家を放置するのも危険ですが、無計画に解体するのもリスクが伴います。したがって解体する前に、不動産会社や専門家に相談することをおすすめします。
「相続税」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。被相続人(亡くなった人)から不動産や現金などの財産を相続する場合、相続税という税金を納めなくてはいけません。しかし、相続税が高額だと相続した不動産を売却しなければ相続税が支払えないというケースもあるでしょう。
そのため、一定の要件を満たす宅地はついては、相続する土地の評価額を最大8割減額することができます。これを、「小規模宅地等の特例」といいます。この小規模宅地等の特例を受けるために、「相続税の申告期限(被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から数えて10ヶ月以内)まで、その家に住み保有し続けること」という要件があります。
したがって、10ヶ月未満で実家を売却してしまうと、小規模宅地等の特例が適用できなくなる可能性があります。相続税の減税割合によっては、10ヶ月を経過してから売却した方が良いケースもあるため注意しましょう。
相続した実家には、以下のような活用方法があります。
順番に見ていきましょう。
実家に住むのは、最も手間がかからない活用方法です。これまで賃貸で生活していた人は、実家に住むことで家賃を払う必要がなくなります。また、自分で住めば、固定資産税の軽減措置を引き続き受けられることもメリットと言えるでしょう。
ただし、実家以外に財産がなく相続人が複数いるときは、公平な遺産分割が難しくなります。相続人同士で折り合いがつかなければ、他の相続人に代償金を支払う必要もあるでしょう。
実家を貸家にするのもおすすめです。老朽化や汚れが目立つ場所は、リフォームや修繕しておくと借主が見つかりやすくなります。また、実家を事業用として貸し出すのも良いでしょう。近年は、古民家を利用したカフェや宿泊施設、福祉施設などが増えています。
事業用として貸し出しすれば、建物の修繕や改修工事は事業者が行ってくれるケースが多いです。空き家のまま放置しておくよりも、賃貸収入が得られる、家の劣化が進みにくいなど、メリットも多いでしょう。
ただし、事業者が撤去したあとは、次の借手が見つかりにくくなるというデメリットがあります。遠方に住んでいて自分で住めない、空き家の活用方法がわからないという方は、貸し出すことも検討してみましょう。
広い土地や利便性の良い場所にある実家は、解体して土地として貸す方法もあります。特に、商業施設や学校、会社、アパートやマンションが建ち並ぶ地域では、駐車場としての需要が高いです。そのため、有効活用できそうな地域であれば、更地にして貸し出すことを検討してみましょう。
ただし、需要の低い地域では、無計画に解体すると税金が高くなる、借手が見つからないなどの可能性があります。解体する際は、専門家の意見を参考にして需要がある地域なのか見極めることが重要です。
相続した実家に住むのはメリットが多い一方で、以下の点には注意が必要です。
具体的な内容について解説します。
相続した実家が老朽化していたり、築年数が経過していたりする場合はリフォームや修繕が必要になる場合があります。家の状態によっては、すぐに住むことができないこともあるでしょう。
また、住宅を所有するには維持費がかかります。固定資産税、都市計画税に加えて、設備のメンテナンス費用なども考えておかなければなりません。
共有名義の場合、誰が実家に住むかで揉める可能性があります。特に、利便性の良い家は、住みたいと考える人も多いため、あらかじめ誰が住むのかを決めておくことをおすすめします。
相続者同士で折り合いがつかなければ、思い出の詰まった実家を空き家のまま放置したり、持て余してしまったりする可能性が考えられます。実家を持て余さないためには、以下の対策を意識してみてください。
それぞれの具体的な内容について確認していきましょう。
親の生前に相続について話し合うことは「縁起が悪い」と感じる方もいるかもしれません。しかし、多くの親は、自分たちの残した財産で兄弟や家族の仲が悪くなることを望んでいないでしょう。
親の死後、実家を管理・使用するのは残された家族です。そのため、生前に「親の意向」と「子どもの意向」をしっかり反映させながら、お互いが納得できる答えを検討しておくことが大切です。
親の残した財産は、必ずしも相続しないといけないわけではありません。管理できない、維持費が払えないなど、引き継ぐことにデメリットが多いと感じれば、相続放棄するのも一つの選択肢です。
しかし、相続放棄すれば、実家だけでなく全ての財産を放棄することになります。プラスになる財産が多ければ相続する価値は十分にあるため、相続放棄するかどうかは慎重に判断しましょう。
実家を相続したものの、「手放したい」と思うこともあるでしょう。そんなときは、以下の方法を検討してください。
項目ごとに解説します。
活用しない空き家は、古家付きのまま売却することができます。古家付きのまま売却できれば解体費用もかからないため、立地条件やエリアによっては高値で売却できる可能性もあります。
ただし、すぐに売却できるとは限りません。一般的に不動産の売却期間は、3~6ヶ月が一つの目安です。中には、1年以上売れないというケースもあるため、すぐに現金化したい人やスケジュールに余裕のない人は注意が必要です。
空き家バンクは、空き家を貸したい人と売りたい人が登録し、空き家に住みたい人を探すためのマッチングサービスです。近年日本で問題になっている空き家の増加を少しでも減らすための取り組みであり、各地で多くの空き家が登録されています。
各自治体の空き家担当部署が窓口で、空き家を貸したい・売りたい人、空き家を借りたい・買いたい人をつなぎます。なお、空き家バンクへの登録は無料で行えますが、不動産取引となると不動産会社の仲介が必要になります。不動産会社へ仲介を依頼すれば仲介手数料が発生しますので、この点には注意が必要です。
実家を手放す方法には、国や自治体に寄付するという選択肢もあります。ただし、無条件で寄付を受付しているわけではありません。国や自治体が求める条件と合致すれば、無料で引き取ってもらえる可能性があります。まずは、実家を管轄している自治体窓口で相談してみましょう。
今回は、実家を相続するときにやってはいけないことを中心にお伝えしました。相続は人生で何度も経験することではないため、実家の活用方法に悩む人は多いものです。しかし、相続するか相続放棄をするか考えられる猶予期間は3ヶ月しかありません。この3ヶ月を短いと感じるか、長いと感じるかは、事前に対処方や活用方法を考えているかで大きく異なるでしょう。後悔の少ない選択をするためにも、日頃から実家の活用方法を家族や相続人同士で話し合っておくことが重要です。
また、相続するか悩んだときは、「今後住む予定があるか」「実家の活用方法が決まっているか」を考えてみてください。今、賃貸物件に住んでいて将来的に実家に住みたいと考えていれば、相続する必要があると言えるでしょう。一方、遠方に住んでいて既に自分の家を持っている、今後誰も住む予定がない、などであれば相続放棄するのも一つの手段です。この記事を一つのきっかけとして、相続について考えてみましょう。
熊本市不動産売却クイック査定です。
暗闇でガサガサ、ゴソゴソと動く黒い物体に、背筋がゾクッとした経験がある方も多いのではないでしょうか。今回は苦手な人も多いであろう「ゴキブリ」をテーマに、ゴキブリがいるか確かめる方法や、侵入防止対策、駆除方法などを解説します。
ゴキブリは1度見つけると、「100匹はいる」と言われるほど生命力の強い生き物です。見失ったゴキブリを放置するとどんどん繁殖してしまうため、早めに退治することが大切です。この記事を参考にして、ゴキブリとは無縁な穏やかな日々を手に入れましょう。
できれば部屋の中で遭遇したくないゴキブリ。気持ちが悪いだけでなく、ゴキブリのいる環境は不衛生で、病気を引き起こす原因にもなりかねません。また、見失ったゴキブリを放置しておくと、想像を超える繁殖力で増殖します。したがって、まずは部屋の中にゴキブリがいるのか確かめてみましょう。家の中にゴキブリがいるか確かめるためには、以下の方法が効果的です。
では、それぞれの具体的な方法について確認していきましょう。
ゴキブリがいるか確認する最も基本的な方法は「視認」です。ゴキブリは狭くて暗い場所を好むため、家具・家電の隙間、エアコンの中、クローゼット、観葉植物に潜んでいる可能性が高いです。
また、湿度が高い水まわりや、食べ物が置いてあるキッチンは彼らにとってパラダイス。夜行性であるゴキブリは、夜間や早朝になると活発になるため、キッチンやバスルーム、水まわりを中心にチェックしましょう。
ゴキブリを探すときは、部屋の照明を消して静かに様子を伺うのが重要なポイント。大きな音を立てると、ゴキブリが危険を察知して身を隠し、動かなくなってしまいます。ゴキブリ探索中には、予期せぬタイミングで彼らと遭遇する可能性があります。大きな声でゴキブリに逃げられないよう、心の準備と殺虫剤を忘れずに準備しておきましょう。
ゴキブリを確実におびき出すためには、専用のワナを仕掛けるのが効果的です。ゴキブリ用の粘着シートには、強力な誘引剤でゴキブリをおびき寄せるという特徴があります。ワナを仕掛けるときは、ゴキブリが潜んでいそうな場所に設置することが重要です。
たとえば、洗濯機まわり、家具の隙間、クローゼットの中などがおすすめ。なお、専用のワナで、家の中にいる全てのゴキブリを退治できるわけではありません。しかし、家の中にゴキブリがいるのかを確かめることで、今後の対策を考えるときに役立つでしょう。ゴキブリ専用のワナは、スーパー、ホームセンター、インターネット通販などで気軽に購入できます。ぜひ一度試してみてください。
ゴキブリの視認に加えて、ゴキブリのフンや卵も手掛かりとなります。なかなか姿が見えなくても、フンが見つかればゴキブリがいると結論できます。ゴキブリのフンは、1~4ミリほどの小さな点状のもので、キッチンの引き出しや家具・家電の裏などで見られることが多いです。
また、ゴキブリの卵も見逃してはいけません。ゴキブリは、たくさんの卵が入った「卵鞘(らんしょう)」を産み付けます。卵鞘は、たわら型で黒や茶色っぽい色をしているのが特徴です。こちらも、家具・家電の裏や隙間などに隠されていますので探してみましょう。
ゴキブリの卵鞘を発見した場合、既にゴキブリが繁殖している可能性があります。また、卵鞘をそのままにしておくと、ゴキブリが大量に発生してしまうため、熱湯をかけたり、ビニール袋に入れてから潰したりして駆除しましょう。トイレに流したり、掃除機で吸い込んだりすると、排水管や掃除機内でふ化する可能性があるため大変危険です。
ゴキブリ専用の超音波駆除器を「ゴキブリセンサー」と言います。ゴキブリの動きを検知すると、人やペットには聞こえない超音波を発しゴキブリを駆除します。ゴキブリセンサーには高感度のセンサーが内蔵されているため、見えにくい場所に潜んでいるゴキブリにも有効です。
家電量販店やインターネット通販で購入することができるので、「家の中のゴキブリがなかなか見つけられない」と悩んでいる方は購入を検討してみましょう。
ゴキブリの侵入経路は多岐にわたり、ありとあらゆる場所から家の中へ侵入してきます。主な侵入経路は、排水周り、エアコンのホース、窓、郵便受けなどですが、外から持ち込まれた家具や家電、ダンボール、買い物袋に紛れ込んで侵入してくることもあります。
ゴキブリが家に侵入すると、衛生面や健康面、精神面などさまざまなリスクがあるため、侵入を未然に防ぐことが非常に重要です。
ゴキブリは、不衛生な場所を好むというイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、一見キレイに見える家でもゴキブリは侵入し繁殖します。ゴキブリがいる家には以下のような特徴があります。
ここからは、ゴキブリに狙われやすい家の特徴とその対策について解説します。
食べ物の管理が不十分だと、ゴキブリが繁殖しやすくなります。例えば、食べ残しをそのままにしたり、お菓子のゴミが散らかっていたりすると、これらは全てゴキブリのエサとなります。また、汚れた食器を何日間も置きっぱなしにするのも要注意です。
対策としては、食べ残しは冷蔵庫にしまう、ゴミ箱をなるべく蓋付きのものを使用する、ゴミはこまめに捨てることがポイントです。また、ペットフードもゴキブリのエサとなりやすいため、食事が終わったらすぐに片付けるようにしましょう。
ゴキブリは水気のある場所、湿気の多い場所が大好き。そのため、キッチン、トイレ、浴室などの水まわりの管理が不十分だとゴキブリが発生しやすくなります。特に、キッチンで見落としがちなのが、スポンジや布巾です。
これらに残った「水垢」「石鹸カス」「皮脂」などをエサとしてカビや菌が発生すると、ニオイにつられてゴキブリがやってきます。そのため、使用後はしっかりと水を切って乾燥させ、湿気を防ぐことが大切です。
さらに、浴室やトイレ周りの排水管も要注意。浴槽に水を貯めっぱなしにしていたり、汚れたままの排水管を放置してたいたりすると、強いニオイが発生しゴキブリを呼び寄せる原因になります。入浴後は浴槽の水を抜いて浴室を乾燥させる、排水管は専用の薬剤を使用して、ニオイ、ヌメリ、雑菌などを繁殖させないようにする、など徹底した管理が重要です。
物が多い家は、隠れる場所が増えるためゴキブリが繁殖しやすくなります。また、ゴミが溜まりやすい場所や整理整頓が行き届いていない部屋も隠れ家となりやすいです。特に収納スペースはものが密集し、暗く人気がないため、ゴキブリに非常に好まれます。
そのため、定期的に掃除や換気を行い、ゴミや不用品は溜め込めないように気をつけましょう。また、カーテンやブランドの裏、照明器具の中もゴキブリの隠れ場所となるため、定期的にチェックすることをおすすめします。
なお、ゴキブリは壁のひび割れや壁の隙間に身を潜めていることがあります。外部からの侵入を防ぐためにも、家の中でひび割れや隙間を見つけたらリフォームしたり、DIYで隙間を塞いだりすることも検討しましょう。
築年数の古い物件は、ゴキブリが侵入しやすくなります。それは、経年劣化によって建物にひび割れ、木痩せ、腐敗が起こり、家の中に隙間ができてしまうからです。ゴキブリが発生する要因は、築年数が古いことだけが原因ではありません。
しかし、新築と築年数20年の物件を比較すると、築年数が古い物件の方がゴキブリの発生率は高くなります。中には築年数が古くてもゴキブリが出ないケースもあります。築年数が経過してもゴキブリが出ないようにするためには、定期的に家のメンテナンスやリフォームを行うことが重要です。
暗くてジメジメした場所を好むゴキブリにとって、観葉植物や植木鉢など、常に湿度の高い土の中は絶好の居場所です。さらに、ゴキブリは観葉植物自体をエサとして食べたり、観葉植物の土の中に卵鞘を産み付けたりします。
観葉植物は外から持ち込まれるため、知らないうちに家の中にゴキブリを入れてしまっている可能性が高く注意が必要です。大切な観葉植物をゴキブリから守るためには、駆除剤をまく、卵鞘に熱湯をかける、土を入れ替えるという方法があります。また、ゴキブリはハーブの香りが苦手であるため、ミントやハッカ類の観葉植物を飾るのも効果的です。
ゴキブリに最適な湿度は75~100%、温度は25~30度と言われています。特に、温度が25度を超えた辺りから繁殖活動が盛んになるため、春から夏にかけては要注意。家の中で注意すべき場所は、浴室や洗濯機周り、キッチンなどの水まわりです。これらは、常に湿度が高くゴキブリにとっては最適な環境であるため、適度に換気を行い湿気が溜まらないよう注意しましょう。
また、意外と思われる方もいるかもしれませんが、オール電化の家は暖かい場所が多くなるため、ゴキブリが発生しやすくなります。ゴキブリは電化製品や電気の暖かさを好むため、配電線の中に潜り込んでいることもあるでしょう。実際に、ゴキブリが漏電や故障の原因になっているケースも多いため、熱が溜まりそうな場所には駆除剤を設置し、定期的に掃除することが重要です。
ゴキブリと無縁な生活を送るためには、ゴキブリの侵入経路を徹底的に塞ぐことが重要です。今回紹介するゴキブリの侵入経路は以下の5つです。
侵入経路ごとに対策を解説しますので、できる対策から始めてみましょう。
キッチンや洗面台の床や壁には、排水管を通すための穴が開いています。ゴキブリは、この穴の隙間から侵入してくるケースが多いため、パテで隙間を埋めることが重要です。排水管用のパテは、ホームセンターやインターネット通販で購入することができます。
1キロあたり500円程度で購入することができるので、調べてみてください。パテで隙間を埋めたらしばらくは安心ですが、1年前後でパテが剥がれてくることもあります。定期的なチェックは忘れずに行いましょう。
外部と内部をつなぐエアコンの配管まわりは、ゴキブリの侵入経路となりやすいため注意が必要です。エアコンを設置する際、室外機と室内機をつなぐホースを通すために壁に穴を開けます。この穴をスリーブ穴と言いますが、スリーブ穴の隙間からゴキブリが侵入してくる可能性が高いです。
また、室外機のホースはジメジメしているため、ゴキブリが住み着きやすくこのホースから室内へ侵入してくる可能性も考えられます。
エアコンまわりからの侵入を防ぐためには、室内のスリーブ穴をパテで埋める、エアコン専用のフィルターをつける、定期的にエアコンのクリーニングを依頼するなどの方法が効果的です。なお、エアコンクリーニングやエアコンの新設置時に防虫キャップのオプションが用意されている専門業者もあるので調べてみましょう。
ゴキブリの体は薄くとても柔らかいため、1ミリの隙間があれば通り抜けることができると言われています。そのため、網戸のわずかな隙間やドアの隙間からも侵入してきます。当然、窓やドアを開けっ放しにしていれば簡単に侵入されてしまうでしょう。したがって、窓やドアは必要以上に開閉しないことが大切です。
さらに、換気をする際も網戸がしっかり閉まっているか確認しましょう。意外と知られていませんが、網戸には向きがあります。多くの場合、右側に寄せて使うように設計されているため、左側に寄せるとサッシとの間に隙間ができてしまいます。右側に寄せても隙間がある場合は、ホームセンターで購入できる隙間テープを使用して隙間を塞ぎましょう。
分電盤が取り付けられている壁周辺は、ゴキブリの侵入経路となります。分電盤の裏側の壁には、複数の電気配線を通すために大きな穴が開いています。ゴキブリはこの穴の隙間から室内へ侵入してくるので、隙間をパテで埋めてしまいましょう。
また、経年劣化によって壁に隙間ができたり、穴が開いていたりすると、ゴキブリの侵入経路となるため、放置するのは避けましょう。壁の穴は、ホームセンターで購入できるリペアプレートを使えば簡単に塞ぐことができます。リペアプレートでも補修できない大きな穴や、広範囲に広がる隙間は、自分で補修するのは難しいため業者へ依頼しましょう。
玄関ドアと郵便受けが一体化している物件は、郵便受けからゴキブリが侵入してくるため注意が必要です。郵便受けを使用していないのであれば、郵便受けを塞いでしまうのも一つの手段です。郵便受けと玄関ドアが分離されていれば、直接的な侵入経路となることはありません。
しかし、郵便物を溜め込んでいると、紙類が大好きなゴキブリを引き寄せてしまう可能性があります。溜まった郵便物は、ゴキブリが潜んでいないか確認してから家の中へ持ち込みましょう。
ゴキブリを退治する上でやってはいけないことがあります。それは、「叩いて潰す」ことです。ゴキブリを叩くと、ゴキブリに付着している菌が家の中に散らばるだけでなく、叩いた衝撃で卵鞘が飛び散って、他の場所で孵化する可能性があるからです。
したがって、ゴキブリを見つけても衛生面と心理的な安全面を考慮して、叩いて潰すことは避けましょう。ゴキブリを見つけたときは、以下の方法で退治するのがおすすめです。
項目ごとに詳しく解説します。
プッシュ式ゴキブリ駆除剤とは、ゴキブリが潜んでいそうな隙間にワンプッシュするだけで、ミクロの霧が隙間の奥まで広がりゴキブリ退治ができるという優れものです。事前準備や後片付けが不要で、床や壁が汚れる心配もありません。
また、部屋の広さに応じた回数をプッシュすると、駆除効果が1ヶ月間持続する製品もあります。ゴキブリに直接噴射するタイプのものではないため、虫が苦手な人も使いやすいでしょう。ただし、商品によって使用上の注意が異なるため、よく読んでから使用することが大切です。
「バルサン」や「アースレッド」などが代表的な燻煙式駆除剤は、煙状になった薬剤が部屋の隅々まで行き渡るため、潜んでいるゴキブリやその他害虫に効果抜群です。ただし、燻煙式駆除剤を使用するときは、以下のような注意点があります。
この他にも、製品によって注意事項が異なるため、必ず確認してから使用しましょう。なお、燻煙式駆除剤を使用するときは、数時間室内に入ることは出来ません。したがって、使用するタイミングは慎重に判断しましょう。賃貸の場合、物件によって使用できないこともあります。使用する場合は、必ず管理会社や不動産会社に確認してから使用してください。
「自分で対処できない」「大量に発生している」「ゴキブリを絶対見たくない」などの場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。専門業者に依頼するメリットは、次の通りです。
専門業者に依頼することで高い殺虫力と、その後の予防効果が期待できます。なお、ゴキブリ駆除にかかる時間は1~3時間程度です。費用は家の広さにもよりますが、1~5万円が相場でしょう。長期的な見ると市販グッズを使用して自分で退治するよりも、コストパフォーマンスが良いと言えます。プロに駆除してもらった安心感も加わるため、安心して生活できるのも大きなメリットでしょう。
ゴキブリがいる家の特徴についてはお伝えしましたが、一方で、ゴキブリが出にくい家にはどのような特徴があるのでしょうか。最後の章では、ゴキブリが出にくい家の特徴について紹介します。
上記を参考にして、ゴキブリと無縁の暮らしを手に入れましょう。
ゴキブリは空を飛べますが、自分がいる場所より高く飛び上がることはできません。したがって、マンションやアパートの3階以上の部屋にベランダから侵入してくるケースは少ないと言えます。しかし、先にお伝えしたように、ゴキブリの侵入経路はベランダだけでありません。
排水管やエアコン、壁の穴、場合によっては観葉植物に潜んでいる可能性もあります。また、中にはエレベーターに乗って侵入してくるツワモノもいるため、高層階だからといって油断は禁物です。
木造の建物は、構造上どうしても壁などに隙間ができやすく、狭くて暗い場所を好むゴキブリが寄ってきやすいです。一方で、鉄筋コンクリート造の建物は、気密性が高く隙間が少ないため、ゴキブリが侵入しにくいという特徴があります。
新築・築浅など、比較的新しい物件は、過去の入居者の影響も少なく、経年劣化などによる建物の隙間や湿気も少ないためゴキブリは発生しにくいでしょう。ただし、築浅でも数年経過している場合、エアコンの室外機や備え付けの家具などに潜んでいる可能性があります。心配であれば、入居前に燻煙式ゴキブリ駆除剤などを用いて対策しましょう。
飲食店やコンビニは、ゴキブリが発生しやすい場所です。マンションの1階に飲食店やコンビニがある物件は、排水管を通じて室内に侵入してきやすいため注意が必要です。また、公園にもゴキブリが生息しているため、隣接している物件は避けたほうがよいでしょう。近くにスーパー、コンビニ、公園が隣接していない物件は、これらの被害を受けにくいためゴキブリが出にくいと言えます。
風通しが良く日当たりが良い家は、ゴキブリが出にくいと言えます。さらに、風通しと日当たりが良いとホコリやカビ、ダニが発生しにくくなるため、アレルギー対策にもなります。ただし、換気中に網戸の隙間から侵入されては意味がありませんので、網戸がしっかり閉まっていることを確認してから換気しましょう。
ゴキブリのいる家には、食べ物や水まわりの管理が不十分、物が多く整理整頓が出来ていないなど一定の共通点があります。しかし、これらに当てはまらなくても発生する可能性は十分にあります。まずは、ゴキブリが家にいるのか確認することからはじめてみましょう。確認方法は、夜間の視認、フンや卵鞘を探す、専用のワナを仕掛ける、ゴキブリセンサーを設置するなどの方法があります。
万が一ゴキブリを見失った場合、そのまま放置するのは大変危険です。ゴキブリは、ウイルスや病原菌を撒き散らす可能性があり、喘息やアレルギー症状を引き起こす原因にもなります。さらに、ケーブルをかじって漏電や故障の原因になるなど、被害が大きくなる可能性も考えられます。したがって、ゴキブリを見つけたら、隠れやすい場所をしっかりと探し、徹底的に駆除しましょう。
ゴキブリは主に外部からの隙間や内部の隙間を通じて侵入してくるため、侵入経路をしっかりと塞ぐことで侵入のリスクを減らすことができます。さらに、定期的な清掃や室温・湿度管理、食品やゴミの管理を実践することでより効果的な予防が可能となります。この記事を参考にしてゴキブリの侵入を防ぎ、清潔で快適な暮らしを実現しましょう。
熊本市不動産売却クイック査定です。
就職や進学をきっかけに、一人暮らしを考える方も多いものです。また、自立のために一人暮らしをはじめる方もいるでしょう。一人暮らしをはじめるとき、多くの人は「住む場所」について考えます。会社の近く、学校の近く、中には実家の近くに家を借りる方もいます。
しかし、「実家の近くで一人暮らしするのはもったいない?」「後悔する?」と悩んでいる方もいるでしょう。そこで今回の記事では、実家の近くで一人暮らしをするメリット・デメリットなどを紹介します。一人暮らしを検討している方は、ぜひ参考してください。
実家の近くで一人暮らしをする場合、以下のようなデメリットが考えられます。
では、順番に見ていきましょう。
初めて一人暮らしをする場合、経済的な不安や安全面から「実家の近くに部屋を借りたい」と思う方もいるでしょう。しかし、一人暮らしをする目的が「自立」である場合、実家が近いとうまく自立できない可能性があります。
例えば、ごはんを作るのが面倒で毎晩実家でごはんを食べる、洗濯物が溜まったら実家で洗濯してもらうなど、実家が近いとつい親を頼ってしまいます。そのため、うまく自立できない、または自立まで時間がかかる可能性があります。
実家が近いと、親が頻繁に訪ねてくることがあります。連絡してから訪ねてくる場合は良いですが、何の連絡もなくいきなり訪ねてくる可能性も高いです。友人や恋人と一緒にいるときは、気まずい思いをすることもあるでしょう。
また、親の干渉から離れたくて一人暮らしを始めた方は、頻繁に訪ねてくる親にストレスを感じてしまうことも。そのため、来るときは必ず連絡を入れる、合いかぎは渡さないなどルールを決めておくことをおすすめします。
実家で生活していれば、大半の人は親が家賃や光熱費を支払ってくれます。しかし、一人暮らしは家賃、光熱費、食費、通信費など、全て自分で支払わなくてはなりません。実家に住むより高いコストがかかるため、経済的な自己負担が大きくなることは避けられないでしょう。
特に家賃の高いエリアで生活する場合は、自己負担がより大きくなります。そのため、人によっては実家の近くで一人暮らしするのはもったいないと感じるでしょう。
では次に、実家の近くで一人暮らしをするメリットを見ていきましょう。
項目ごとに詳しく解説します。
すぐに実家に帰れるというのは、経済的にも精神的にも大きなメリットです。例えば、家族に何かあったときでもすぐに駆けつけることができます。また、嫌なことがあったとき、家族の顔を見たり、話を聞いてもらったりするだけで元気になれることがあります。顔を合わせていれば、ちょっとした変化にも気が付くことができるため健康管理や体調管理にも役立つでしょう。
ケガをしたときや病気になったとき、一人で生活していると不便なことが多々あります。しかし、近くに家族が住んでいれば、助けを求めることができます。例えば、風邪で寝込んでいるときに食料を調達してもらったり、病院に連れて行ってもらったりできるでしょう。すぐに駆けつけやすい距離にいることで、家族も自分自身も安心して生活できるのはメリットといえます。
一人暮らしは1人時間を満喫できるため、暮らしの自由度が高まります。また、食事、入浴、就寝時間など、家族に気を使うことなく自分のタイミングで動けるのもメリットです。ただし、一人暮らしを始めれば、生活の中で起こることは全て自己責任になります。食生活や起床時間、金銭管理、体調管理など、自己管理が必要になるため注意しましょう。
実家に恋人や友人を呼ぶのは抵抗があるという方も多いでしょう。また、実家に自分の部屋があっても、遅い時間になれば親から注意されることもあります。その点、一人暮らしならいつでも気軽に恋人や友人を招待することができます。ただし、深夜に大声で騒いでいたり、大きな足音を立てていたりすると、近隣からクレームが入る可能性があるため注意しましょう。
引っ越し費用は、距離、時期、荷物の量などによって変動します。そのため、引っ越し先が実家から近ければ、引っ越し費用を抑えることができます。また、家族や友人に引っ越しを手伝ってもらえば、業者へ依頼する手間が省けます。引っ越しにかかる初期費用を安く抑えたい方は、自分で引っ越すことを検討しましょう。
一人暮らしは、料理、掃除、お金の管理など、生活全般に関わることを自分で行わなければなりません。初めて一人暮らしをする方は、最初はうまくいかずに悩んだり、親を頼ったりすることもあるでしょう。しかし、次第に自分でできるようになり、金銭感覚が養われていきます。
また、生活していく中で自分にあった節約方法が見つかり、貯金ができるようになることもあるでしょう。これは実家暮らしでは味わえない達成感であり、あらためて親のありがたみがわかる瞬間です。
実家の近くで一人暮らしをするには、向いている人と向いていない人がいます。ここでは、「向いている人」の特徴について紹介します。
ご自身の状況と照らし合わせながら確認していきましょう。
将来的に「自立したい」と明確な目標を持っている人は、実家の近くで一人暮らしをしても自立しやすいでしょう。一人暮らしは実際に経験してみると、イメージしていたより大変と感じることがあります。
そのため、一人暮らしをするときに、「なぜ、一人暮らしをするのか」という明確な目標がないと結局実家に戻ってしまうケースが多いです。また、自立するにあたってしっかり計画を立てられる人も一人暮らしに向いているでしょう。
家族に気を使わず生活したい、恋人や友人と自由に遊びたい、1人時間が好きという人は、一人暮らしに向いています。一方で、家族といる時間が好き、1人時間が苦手、人がいる環境の方が安心するという方は、寂しさから実家に戻ってしまう可能性が高いでしょう。
しかし、今はそう感じていても、次第に、自立したい、1人になりたいと思うときが来るかもしれません。そのため、一人暮らしを諦める必要はなく、自分がそう思えるタイミングを待ちましょう。
一人暮らしは家賃、光熱費、食費、交際費など何かとお金がかかります。そのため、毎月ある程度の収入が必要です。そもそも、賃貸物件は入居前に審査があるため、安定した収入がなければ審査に通りません。
なお、一般的に家賃は収入の3割が目安と言われています。総務省が行っている2023年度の家計調査によると、一人暮らしの1カ月の消費支出平均は180,878円でした。これをもとに、一人暮らしの主な生活費の内訳を見ていきましょう。
費用項目 | 金額 |
---|---|
食費 | 40,000円 |
家賃 | 55,000円 |
水道光熱費 | 12,000円 |
生活用品 | 5,000円 |
衣服費 | 6,000円 |
保健医療 | 7,000円 |
通信・交通費 | 20,000円 |
娯楽費 | 20,000円 |
合計 | 165,000円 |
上記の例では、毎月17万円前後の収入が必要ということになります。さらに、毎月貯金することを考えると、日々の節約やこれ以上の収入が必要になるでしょう。しかし、家賃や水道光熱費は地域差があるため、必ずしも上記のような予算が必要というわけではありません。あくまでも一例として参考にしてください。
最後は、実家の近くで一人暮らしが「向いていない人」を紹介します。
それでは、順番に見ていきましょう。
先ほどお伝えしたように、一人暮らしは何かとお金がかかります。収入が不安定な人は、毎月余裕のない生活を送ることになる可能性が高く注意が必要です。また、生活に余裕がないと食事や交際面でも我慢が必要となり、ストレスの原因にもなります。中には家賃が支払えず借金を抱えてしまう人もいるため、収入面で不安のある方は慎重に検討しましょう。
一人暮らしでは、自分の生活を律する自己管理が必要になります。夜ふかしが習慣化すれば朝起きられず遅刻が増えたり、食事がおろそかになれば体調不良の原因になったりします。
また、一人暮らしは急な出費に備えて貯金することも大切です。安定した収入があっても浪費が激しく貯金ができなければ、いざというときの支払いが難しくなります。したがって、貯金が苦手な人は、まずは目標金額を決めて貯金することからはじめてみましょう。
一人暮らしを始めたら、これまで家族がしてくれていた掃除、洗濯、料理といった家事を自ら行わなくてはいけません。実家暮らしが長く、あまり家事をしてこなかった人は、最初のうちは慣れない作業に戸惑うでしょう。苦手意識を持つと、次第に家事が面倒になりストレスとなる可能性あります。いずれ「一人暮らしをしたい」と考えているのであれば、実家にいるうちに積極的に家事を学んでおきましょう。
家族仲が良かったり、実家でペットを飼っていたり、常に賑やかな環境で過ごしてきた人にとって、一人暮らしは寂しさを感じるかもしれません。特に、夜や休日は静寂した空間に慣れるまで時間がかかるでしょう。
ここまで、実家の近くの一人暮らしのメリット・デメリットや、向いている人と向いていない人について解説しました。最後に、実家の近くで一人暮らしをしても「もったいないと感じにくい人」の特徴を紹介します。
将来的に自立を考えている人や、社会性を身に着けたい人は、実家の近くで一人暮らしを始めても後悔しにくいでしょう。なぜなら、一人暮らしをすれば、お金の管理方法や節約方法、家事のスキルが身につくからです。
また、経済的な自立だけでなく、精神的な自立も目指せるでしょう。何か問題が起きたときの対応能力や自分の力で乗り切れる精神力が養われるため、一人暮らしの経験は無駄にはなりません。
実家の近くで一人暮らしをするには、すぐに実家に帰れる、1人時間を満喫できる、自立の練習になるなど多くのメリットがあります。その一方で、うまく自立できない、経済的な負担が大きいなど、デメリットがあるのも事実です。しかし、実際に一人暮らしをしてみないとわからないこともたくさんあります。人それぞれ状況が違えば、感じることも違います。
そのため、今回の記事で紹介したことは、あくまでも参考程度に考え、自分自身でしっかり考えて行動することが大切です。一人暮らしを始めたのにも関わらず、ほとんど実家にいるような状態になっても、それも一つの人生経験と捉えることもできます。自立の一歩を踏み出したい方は、両親に感謝しながら、まずは自分にできることから始めてみてはいかがでしょうか。
熊本市不動産売却クイック査定です。
マンションを購入する際、「鍵交換って必要?」「いくらかかるの?」など鍵交換について気になっている方も多いでしょう。また、マンションの鍵が古くなってきたり、紛失したりした際にも鍵交換は必要です。そこで今回の記事では、鍵交換する前に確認すべきことや鍵交換にかかる費用、さらに鍵交換をする際の注意点などについて解説します。
マンション購入を検討している方は、ぜひ最後までご覧いただき今後の参考にしてください。
マンションは、一戸建て住宅とは異なりすべて自分のものというわけではありません。そのため、たとえ分譲マンションであっても、鍵を交換するときは管理会社の許可が必要です。また、オートロックマンションの場合は鍵交換できない可能性があります。
ここでは、「管理会社の許可が必要な理由」と「オートロックは鍵交換できない可能性がある」について解説します。
マンションには、専用部分と共有部分があります。簡単に言うと、室内は専用部分、それ以外は共用部分です。したがって、エレベーターやエントランス、廊下などは共用部分に該当します。共用部分は、個人の所有物ではなくマンションの居住者が共有して使用するものであるため、個人が勝手に手を加えることはできません。
では、玄関ドアはどうでしょうか。玄関ドアの場合、「専用部分だから勝手に鍵を変えても良い」と考える方もいるかもしれません。参考までに、国土交通省のマンション管理規約標準モデルでは、専用部分の範囲を以下のように明記しています。
つまり、玄関ドア(外側)は共有部分ということになります。上記はあくまでも標準モデルの内容であるため、マンション規約によって異なる場合があります。そのため、マンションの鍵交換を行う場合は、必ずマンション規約を確認したり、管理会社に相談したりする必要があるのです。
防犯性を高めるために、エントランスにオートロックキーを導入するマンションが増えています。また、最新設備の充実したマンションでは、ゴミステーション、宅配ボックス、キッズルームなども共通の鍵で開錠することができます。しかし、部屋の鍵を交換してしまうと、エントランスや共用部分の鍵が開けられなくなってしまいます。
そうなると、鍵を数本持ち歩く必要が出てきます。また中には、部屋の鍵交換自体ができないマンションもあります。そのため、エントランスにオートロックを導入しているマンションでは、必ず管理会社への確認・相談が必要です。
マンションの鍵交換は、どれくらいの費用がかかるものなのでしょうか。ここでは、鍵交換費用の内訳や鍵の種類ごとにかかる交換費用の目安を紹介します。
鍵交換費用に含まれるのは、主に作業代と部品代です。作業代には、鍵の取り外しや新しい鍵の設置にかかる費用が含まれており、作業の複雑さによって費用が異なります。
部品代は、交換用の新しい鍵の価格のことで、鍵の種類や性能によって金額は大きく異なります。また、依頼する場所や業者、時間によっては、出張費や深夜早朝料金が発生することがあるため注意が必要です。
鍵交換は鍵の種類によって費用が異なります。具体的な費用を下表にまとめました。
鍵の種類 | 費用 |
---|---|
ピンシリンダー | 15,000~20,000円 |
ディスクシリンダー | 15,000~20,000円 |
ロータリーディスクシリンダー | 20,000~30,000円 |
ディンプルシリンダー | 30,000~55,000円 |
防犯性が高く、複製しにくい鍵ほど値段は高くります。例えば、ディンプルキーや電子錠タイプは、一般的な鍵よりも部品代が高くなる傾向です。ただし、上記はあくまでも参考であるため、実際に鍵交換を行うときは、複数社に見積もりをとって信頼できる鍵屋へ依頼しましょう。なお、鍵の種類や特徴については、「鍵の種類と特徴」で詳しく解説します。
鍵交換するときに、業者から見積もりが想像以上に高額だったという経験がある方もいるかもしれせん。また、鍵交換費用を抑えるために、自分で鍵交換をする人もいます。この考え自体は間違ってはいませんが、防犯性の高い鍵やオートロックキーは専門的な知識が必要であるため、専門業者へ依頼する方が安心です。
素人が手を出してドアや錠前に傷をつけてしまえば、余計な修理費用がかかってしまうこともあります。また、1日で作業が終わらなければ、その期間中は家の鍵が閉められなくなり大変危険です。そのため、鍵交換をする際は業者へ依頼することをおすすめします。
インターネットで「鍵交換」と検索すると、鍵業者が山ほど見つかります。これだけ業者が多いと、「どこに依頼したらいいのかわからない」と悩んでしまう方もいるでしょう。鍵交換業者の中には、高額な費用を請求してくる悪徳業者も存在するため注意が必要です。ここからは、鍵交換業者を選ぶ際の5つのポイントをお伝えします。
順番に見ていきましょう。
業者の評判を知るためには、口コミを調べるのが有効です。業者のホームペーシでは、実際に利用された方の体験談が寄せられています。しかし、多くの場合良い口コミしか載せていません。また、不自然に高評価が多すぎるときは注意が必要です。
できるだけ多くの情報を集めて比較するには、インターネットで「業者名 口コミ」と入力してみましょう。全国展開している業者であれば、口コミサイトでリアルな評判を見ることができます。
鍵交換や修理は、基本的に資格が必要ありません。そのため、業者によって技術力や知識量にバラツキがあり、修理後しばらくしてから鍵が開けられなくなったなどトラブルが起こる可能性があります。その場でスタッフの技術力を判断するのは難しいため、アフターフォローや保証サービスのある業者へ依頼するのがおすすめです。
鍵交換の作業は早ければ10~15分の短時間で終了します。そのため、「すぐに終わるならどんな業者でもいい」と考える方もいるかもしれません。しかし、悪徳業者は作業終了後に「防犯性の高い鍵に交換した」「取り付けが複雑で追加作業が必要だった」などと言い、見積もりとはまったく違う高額な金額を請求してくる可能性があります。
そのため、見積もりの時点で、態度が悪い、鍵交換の詳しい説明がない、言葉遣いが悪いなどの違和感があれば、他の業者へ依頼することも検討しましょう。
鍵交換をする前には、必ず見積書を確認してください。このとき、具体的な鍵交換費用や作業の詳細を記載にしている業者は信頼度が高いと言えます。また、鍵交換以外の項目で「何に費用がかかるのか」を事前に確認しておくと安心です。中には、コインパーキングを利用したと言って駐車料金を請求されるケースもあります。
マンションに、来客者用の駐車場が無ければ、駐車料金を負担してくれるかどうか確認しておくと後のトラブルを防ぐことができます。
鍵交換の予約をしていても、緊急時でキャンセルを余儀なくされることもあります。当日キャンセルは、料金を100%負担しなければならない業者もあるため、あらかじめキャンセル料の有無を確認しておくことをおすすめします。
鍵交換自体は業者依頼するべきですが、鍵の種類によって防犯性や機能性は大きく異なります。ここでは、以下の鍵について解説します。
後悔の少ない選択をするためにも、鍵の種類やそれぞれの特徴を理解して最適なものを選びましょう。
ピンシリンダーは、片方だけにギザギザがあるのが特徴です。鍵交換にかかる費用は15,000~20,000円程度であり、比較的安価で交換できるのがメリットと言えるでしょう。ただし、構造が単純であるため防犯性が低く注意が必要です。特に古いピンシリンダーは、ピッキング対策が講じられていないため、あまりおすすめできません。
ディスクシリンダーは、両サイドにギザギザがついているタイプの鍵です。価格が安価で大量生産が可能であったため、高度経済成長期時代(1955~1972年頃)に団地などで多く使用されていました。しかし、ピンシリンダー同様、構造が単純でピッキングが容易であることから窃盗被害が多発しました。
現在でも使用されている住宅はありますが、これから鍵交換をする場合は、安全性の高い鍵へ交換することをおすすめします。
ロータリーディスクシリンダーは、先にお伝えしたディスクシリンダーの後続モデルです。両サイドにギザギザがある見た目は変わりませんが、ディスクシリンダーより防犯性が高くなっています。
また、鍵交換費用は15,000~20,000円程度でピンシリンダーと変わりません。ロータリーディスクシリンダーは、防犯性と鍵交換のコストバランスが良く、合鍵の複製も可能であるため人気があります。
ディンプルシリンダーは、中央に溝があり、その左右にデコボコとしたくぼみがあります。ここ20年以内に建てられた住宅の多くで採用され、「ディンプルキー」とも呼ばれています。また、防犯性の高さから住宅だけではなく、自転車や金庫など、幅広く使用されているのも特徴です。
鍵交換をする目的が「玄関の防犯性を高めたい」という方にはうってつけの鍵ですが、防犯性の高さから他の鍵より費用は高くなります。業者へ依頼した場合は25,000~35,000円が相場となるため、予算に合わせて選びましょう。
鍵を交換する際は、以下の点に注意しましょう。
順番に見ていきましょう。
不適切な業者へ依頼すると、ドアが破損したり、鍵が正常に機能しなかったり、トラブルが悪化してしまう可能性があります。また、高額な費用を請求されることもあるため注意が必要です。業者を選ぶときは、複数社から見積もりをとって比較検討しましょう。
このとき、見積もりが高すぎる業者は避けるべきですが、安すぎる業者も要注意。知識や経験が少ない、作業がおざなり、見積書にない項目が請求されるなどの可能性あります。金額だけで判断せず、総合的に見て信頼できる業者へ依頼しましょう。
一般的に、鍵は不燃ごみに捨てることができます。ただし、安易な鍵の処分には注意が必要です。特にオートロックマンションでは、古い鍵を利用してエントランスに不正侵入したり、悪用されたりするリスクがあります。
鍵を安全に処分するには、鍵を削る、折るなどの加工も有効ですが、処分を加えても不安が残る場合もあるでしょう。そんなときは、鍵業者へ処分を依頼するのも一つの手です。無料で処分を引き受けてくれる業者もあるため、鍵交換を依頼する際に確認してみましょう。
先にお伝えしているように、鍵交換をする場合は管理会社への連絡が必要です。管理会社へ連絡することで、鍵交換に関するアドバイスや具体的な手順、必要書類、注意事項などの指示を受けることができます。管理会社の指示に従って作業を進めれば、より円滑に鍵交換が可能となるでしょう。
また、管理会社へ連絡しておくことで他の住民への配慮やマンション全体を視野に入れた対応も可能となります。
今回の記事では、マンションの鍵交換費用や鍵の種類、業者の選び方、鍵交換する際の注意点などについて解説しました。鍵交換は頻繁に行うものではありませんが、引っ越しや紛失してしまったときには鍵交換が必要です。
しかし、分譲マンションでも賃貸マンションでも、基本的に鍵を勝手に変えることはできません。マンションによっては鍵交換のルールや業者が指定されているケースもあります。そのため、鍵交換が必要になったら、まずは管理会社や管理組合に連絡しましょう。
なお、鍵交換の作業時間は1時間前後、費用相場は10,000~40,000円程度です。防犯性の高さや種類、業者によって費用は異なるため、予算に合わせて適切なものを選びましょう。
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せっかくマンションを購入したのに、上の階からの音がうるさいと困ってしまいますよね。そのままの状態が続くとストレスや睡眠不足の原因になるため、早めに対処したいものです。
この記事では上の階の騒音をやめさせる方法について解説しています。騒音に悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。
上階の音がうるさいときは、以下のような原因が考えられます。
音が伝わる方法は固体伝搬音と空気伝搬音の2種類があります。固体伝搬音は壁や床に衝撃が加わったときに振動として伝わる仕組みです。一方で空気伝搬音は、空気が振動して伝わります。
固体伝搬音 | 空気伝搬音 |
---|---|
足音 生活音(ドアを閉める音) 生活音(椅子を引く音) トレーニングの音 |
テレビや音楽の音 楽器の音 動物の鳴き声 |
空気伝搬音は比較的対策しやすいですが、固体伝搬音は壁、床、天井に伝わるため対策が難しいです。
人が歩いたり走ったりする音は、マンションで発生する騒音の代表例です。足が床に着地することで衝撃が伝わり、音がします。床衝撃音といわれ、固体伝播音のひとつです。
上の階の住民も自覚なく音を響かせていることが多く、他人に指摘されてから気づくケースがほとんどです。特に子供はかかとから着地する歩き方をするため、ハンマーで床を叩いたようなドスドスという音が聞こえます。
東京都環境局のホームページによると、子供のかけ足の音の大きさは約50〜66デシベルとされています。50デシベルは家庭用エアコンの室外機と同等、60デシベルは走行中の自動車内や普通の会話と同等です。昼間自分も活動していれば気にならない方もいますが、夜間は騒々しいと感じる方が多いでしょう。
上階の住民が日常生活を送る音が気になる場合もあります。生活音の具体例を挙げると、以下のとおりです。
数十分間一定のリズムでガタンガタンという振動を感じる場合は、洗濯機による可能性が高いです。音の大きさの目安は、洗濯機が約64〜72デシベル、掃除機が約60〜76デシベルです。
人の声に例えると、大きな声に相当します。自分が会話しているときは大丈夫でも、静かに過ごしているとよく聞こえます。夜間や早朝など、こちらが就寝しているときに響くと、不快に感じるでしょう。
大音量でテレビや音楽を流している音が聞こえてくる場合もあります。特に重低音は、壁や床を透過する力が強いです。たとえば爆発音や銃撃音、ベースやバスドラムなどが重低音に該当します。重低音はドンドンと響くような聞こえ方をするのが特徴です。
音の大きさの目安は、テレビが約57〜72デシベル、ステレオが約70〜86デシベルです。80デシベルは救急車のサイレンやパチンコ店内と同等ですので、防音対策をしていない建物内ではうるさく感じます。
ペット飼育可物件では、動物の鳴き声が気になることもあります。特に犬の鳴き声は、約90〜100デシベルとかなり大きな音です。
音の大きさの目安は90デシベルでカラオケ音、100デシベルで地下鉄の構内や電車が通る時のガード下と同等です。日中活動している時間帯でも、うるさく感じる人もいるでしょう。
上階の住民が楽器を演奏する音が騒々しいケースもあります。特にピアノは人気の習い事で、日本はピアノの普及率が比較的高めです。ピアノは、鍵盤を叩いたりペダルを踏んだりした振動が伝わる固体伝搬音と、ピアノの響板全体が振動して空気に伝わる空気伝搬音の両方が聞こえます。
音の大きさの目安は、ピアノで約80〜90デシベル、エレクトーンで約77〜86デシベルです。
トレーニングの音も原因として挙げられます。上階の家庭にランニングマシン、腹筋ローラーなどのトレーニングマシンがある場合は、「ゴロゴロ」という音やモーター音が聞こえる可能性があります。
またトレーニングマシンがなくても、エクササイズなどでジャンプをしたときの衝撃によって「ドンドン」と聞こえてくることがあります。
設備の動作音が部屋に響くケースもあります。音が発生する設備の例を挙げると、エレベーターや排水設備などです。
エレベーターが古いと「キュルキュル」「ブーン」「キーキー」といった音がします。また排水設備からは、排水管内での気圧変化や水の流れが原因となり、「ゴボゴボ」という音が聞こえることがあります。
気になる音をやめさせるためには、以下のような方法を試してみるのがおすすめです。
それぞれの方法について、詳しく解説します。
まずはどんな音が原因なのかを把握しましょう。音の種類については、先ほどご紹介した音の原因を参考にしてみてください。
音がした記録を付けておくことも重要です。その際は時間帯と、音の種類を書いておきましょう。できるだけ具体的な内容を書き残すのがポイントです。
そして音量については言葉だけでは正確に伝わりません。騒音レベルを表す数値dB(以下デシベル)で記録したほうが良いです。デシベルの測定には専用の機械が使われますが、ない場合はスマートフォンの測定アプリもあります。
他の住人も自分と同様に音に悩んでいないかヒアリングしてみるのも手です。上階の住人が大きな音を立てている場合、自分だけではなく他の住人も同じ悩みを抱えている可能性があります。
管理会社に相談するときも、他の人の声があったほうが効果的です。一人の意見だけでは客観性に欠けることがあります。二人以上の意見があったほうが、説得力が増すでしょう。
音の発生源を特定することも重要です。発生源の把握が間違っていると、全く関係のない部屋に苦情を入れてしまうことになりかねません。そうなれば別のトラブルに発展してしまいます。
ただ発生源の特定は容易ではありません。マンションでは構造躯体を通してすべての部屋が
つながっているため、発生源がわかりにくいです。場合によっては、専門業者に依頼して複数地点からの音の測定を行う必要があります。
一人で悩んでいるときは、管理会社や大家さんに相談してみましょう。トラブルの解決に向けて動いてくれる可能性があります。具体的な方法としては、エレベーターやエントランスに注意喚起の張り紙を掲示してもらうなどです。
ただ、住民間のトラブルの対処は業務外となっていることが多いです。管理会社が対応してくれず、音があまりにもひどい場合は警察に相談してみる方法もあります。しかし警察が介入すると、発生源の住民との関係がさらに悪化する恐れもあるため、慎重な判断が必要です。
上の階に対して以下の方法をとると、さらなるトラブルに発展する恐れがあります。
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
上階が騒がしいとイライラして、天井をドンと叩きたくなる人もいるのではないでしょうか?しかし決してやり返さないようにしましょう。この行為は、さまざまなデメリットがあります。
こちらがやり返すと、お互い感情的になってしまい解決につながりません。そもそも天井を叩いても上階には聞こえていない場合もあります。それどころか、関係のない部屋に音を生じさせる恐れもあるため、絶対にやってはいけません。
発生源と思われる部屋に、直接苦情を言いに行くのもNGです。相手が音を出している自覚がない場合、感情的な言い合いになってしまいます。
「真上の部屋が発生源だと思ったら、その隣の部屋からだった」というケースも少なくありません。思い込みだけで動くと余計なトラブルを招くだけなので、慎重な行動が求められます。
上の階の住民がとりあってくれない場合、自分でできる対策もあります。主な対策は、以下のとおりです。
一つ目の対策は、天井に吸音材を貼る方法です。テレビの音など空気伝搬音だけであれば、ある程度対策できるでしょう。吸音材と遮音材を併用すれば、さらに効果は高まります。
ただ固体伝搬音も含まれる場合は、吸音材を貼るだけでは十分な効果を発揮できません。音漏れをしっかり抑えるためには、二重天井にするなど大掛かりな工事が必要です。
家具の配置を変えてみるという方法もあります。壁の近くに背の高い家具を置けば、音の伝わり方が少しだけ和らぎます。
ただ効果があるのは空気伝搬音のみで、固体伝搬音にはあまり効きません。また上階からの音を家具だけで防ぐのは難しいのが現実です。
耳栓をすれば、嫌な音を効果的に軽減できるでしょう。耳の入り口から鼓膜までを結ぶ外耳道を塞ぐことで、音が伝わるのをシャットアウトできます。
他にもノイズキャンセリングの機能が付いたイヤホンなどを活用する方法があります。ただ耳栓も固体伝搬音を完全にシャットアウトすることはできません。
この記事で紹介した方法をとっても問題が解決しない場合、引っ越しを検討する方法が早くて効果的です。
新しい物件を探す際は、以下のポイントをチェックしましょう。
鉄骨鉄筋コンクリート造と鉄筋コンクリート造は躯体にコンクリートを流し込むため、壁や床の密度が高く、防音性能に優れています。一方で鉄骨造は、骨組みの鉄骨と壁・天井の間に隙間があり音漏れしやすい構造なので、避けたほうが良いでしょう。
ファミリー向け物件やペット飼育可物件も、避けたほうが無難です。小さな子供がいる家庭が上階に住んでいると、足音に悩まされる恐れがあります。しつけがされていない犬がいる家庭の下階は、鳴き声が騒がしいケースも想定されるでしょう。
住戸を選ぶときは、他の住戸との位置関係や間取りを確認することも大切です。一番理想的な住戸は最上階の角部屋です。間取りは隣の住戸との間に収納などがあるかどうか確認しておくと良いです。収納が緩衝材になり、音が聞こえにくくなる効果が期待できます。
また周辺環境のチェックも欠かせません。たとえば幹線道路や繁華街がすぐそばにあると騒々しくなるでしょう。大通りから1本裏に入っている場所や、閑静な住宅街に立地する物件がおすすめです。
また内見時に共用部を見ると、騒音に関する注意喚起の張り紙が掲示されていることがあります。その場合はすでに何かしらのトラブルが起こっていると思われるため、要注意です。
上の階が騒がしいときは気持ちが乱されますが、冷静に対処することが肝心です。まずは音の種類や発生源などを確認しましょう。管理会社や大家さんに相談すれば、力になってくれることもあります。やり返したり、直接クレームを入れたりすると、かえってトラブルが深刻化するためおすすめしません。
自分ですぐにできる対策もありますが、全てのケースで効果を得ることは難しいでしょう。現在の家で平穏な生活が手に入らないのであれば、思い切って引っ越しするのが早くて効果的です。できるだけ静かに過ごせる物件を選び、快適な生活を手に入れましょう。
熊本市不動産売却クイック査定です。
部屋探しをするとき、一般的には、「家賃」「間取り」「駅からの距離」「利便性」などを優先する方が多いです。しかし、近隣住民との騒音トラブルを防ぎ快適に生活するためには、建物の「構造」も重要なポイントになります。初めて部屋探しをする方の中には、構造を見ても「鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違いがわからない!」という方もいるでしょう。
そこで今回は、鉄筋コンクリート造と鉄骨造をピックアップして、両者の違いやそれぞれのメリット・デメリットなどについて解説します。
「鉄筋コンクリート造」と「鉄骨造」は、同じようなものと思われがちですが、実は両者の特徴には大きな違いがあります。この機会に、鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違いを押さえて、部屋選びに役立てましょう。
鉄筋コンクリート造とは、文字通り、柱や梁、壁などが鉄筋とコンクリートで造れている建物のことです。マンションをはじめとする多くの共同住宅で採用され、間取り図では、「RC造(Reinforced Concrete Constructionの略)」と記載されることがあります。
コンクリートは圧縮する力に強く、鉄筋は引っ張る力に強いため、この2つが組み合わさることでかなりの強度があります。近年は、コンクリートの性能が向上したため、高層マンションに使用されることも一般的です。
鉄骨造は、「S造(Steelの略)」とも呼ばれ、鉄と炭素の合金である鋼(はがね)を柱や梁などの骨組みに使用した建物のことです。鋼は鉄よりも強度が高い割に軽量であるため、その特徴を活かして、商業施設や工場のような広い空間に多く用いられています。なお、鉄骨造には「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」の2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
特徴 | |
---|---|
軽量鉄骨造 |
|
重量鉄骨造 |
|
軽量鉄骨造は2階までの建物、重量鉄骨造は強度が高くなるため3階建て以上の建物に向いているなど、鉄骨造でもそれぞれにメリット・デメリットがあります。
ここまで、鉄筋コンクリート造と鉄骨造の特徴について解説しました。つぎは、鉄筋コンクリート造のメリット・デメリットを紹介します。また、鉄筋コンクリート造が向いている人も紹介しますので、ぜひ今後の参考にしてください。
鉄筋コンクリート造には、以下のようなメリットがあります。
住宅には、法定耐用年数という減価償却で使われる資産の耐用年数の目安が決められています。法定耐用年数は、「資産は使用すれば物理的な消耗が蓄積されるため、使用期間に応じて減少する」という考え方に基づき国税庁が定めています。例えば住宅では、木造22年、軽量鉄骨造19年、重量鉄骨造34年、鉄筋コンクリート造47年とされています。
これを見るとわかるように、鉄筋コンクリート造は耐久性が木造の2倍以上です。また、法定耐用年数はあくまでも目安であり、適切なメンテナンスを行うことで100年を超える長寿命化も可能と言われています。住宅購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
さらに、コンクリートは地震による圧縮に強く、耐火性が高いため、火災時でも燃え広がりにくいという特徴があります。防音性も優れているため、周囲に音が漏れたり、周囲の音が響いたりすることもありません。断熱性と気密性の高さから部屋の温度を一定に保ちやすく、快適な生活が送れるでしょう。
では、次に鉄筋コンクリート造のデメリットを見ていきましょう。
鉄筋コンクリート造は、重量のある住宅を支えるため基礎工事に時間がかかります。また、専門的な知識を持った人材が必要であったり、施工に手間がかかったりすることから建築コストが高くなります。例として、東京都の2024年度住宅着工統計の構造別工事予定額(共同住宅/計/㎡単価)を比較してみましょう。
鉄骨鉄筋コンクリート造(RC造) | 450,000円/㎡ |
鉄骨造(S造) | 400,000円/㎡ |
木造 | 260,000円/㎡ |
出典:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和5年度分)」
上記を見ると、鉄筋コンクリート造の方が鉄骨造や木造より建築単価が高いことがわかります。そのため、鉄骨造や木造アパートに比べて、鉄筋コンクリート造の物件は家賃が高めに設定されているのです。また、コンクリートは気密性が高く、湿気がこもりやすいという特徴があります。カビや結露が発生しやすいため、日頃からこまめに換気することが重要です。
鉄筋コンクリート造の建物は、高級感や重厚感があります。最新設備を取り入れていたり、マンション内の設備が充実していたりするのも魅力の一つと言えるでしょう。また、セキュリティ対策に力を入れている物件も多いため、安心感を持って生活したい人におすすめです。ただし、家賃は高い傾向にあるため、ある程度の収入や貯金が必要でしょう。
鉄骨造は優れた構造であるため、多くのメリットがあります。しかしその一方で、デメリットもあるため、あらかじめ把握しておくことが大切です。鉄骨造が向いている人の特徴についても解説しますので、ご自身の状況と照らし合わせながら確認してみてください。
鉄骨造には、以下のようなメリットがあります。
鉄骨造は「ラーメン構造」という工法が用いられています。このラーメン構造は、より自由度の高いデザインや間取りの建築が可能であり、広い空間づくりに最適です。また、木造に比べて耐久性、耐火性が高いため、災害に強く安全性が高い建物が建てられるでしょう。
火災に備えて耐火被覆材などを使用していれば、木造よりも火災保険料が安くなることもあります。また、軽量鉄骨造なら、家賃を抑えることもできます。条件にもよりますが、鉄筋コンクリート造と比較して1万円以上家賃が安くなることも。ただし、重量鉄骨造は地盤工事が必要なこともあり、工期が長く建築コストが高い傾向になります。
物件によっては鉄筋コンクリート造と同等の家賃となるケースもあるでしょう。
鉄骨造のデメリットは以下の通りです。
鉄骨造の耐火性は木造よりも優れていますが、鋼は熱に弱いため、万が一火災が起きれば倒壊する可能性があります。特に軽量鉄骨造の場合は、火災に備えるためにも耐火被覆材などを使用する必要があります。また、軽量鉄骨造は隙間や空間が出来やすい構造であるため、音が響きやすいです。
部屋の中で防音対策をしても、壁や鉄骨を通じて音が伝わりやすいため、音に敏感な人や静かな環境で生活したい人には不向きでしょう。
多くの点でバランスのとれた鉄骨造は、物件数も豊富であるため条件に合う物件を見つけやすいでしょう。より安全性や防音性を重視したい方は、重量鉄骨造の物件を選ぶのがおすすめです。ただし、軽量鉄骨造の場合は、木造アパートの防音性とほとんど変わらないため、騒音トラブルには注意しましょう。
今回は、鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨造(S造)の違いやメリット・デメリットについて紹介しました。構造別の特徴は下表の通りです。
防音性 | 耐火性 | 耐震性 | 断熱気密性 | 賃料 | |
---|---|---|---|---|---|
鉄筋コンクリート造 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
鉄骨造(重量) | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ | ◯ |
鉄骨造(軽量) | △ | ◯ | △ | ◯ | ◎ |
この他にも、木造、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などがありますが、構造によってメリット・デメリットや向き不向きは異なります。例えば、家賃を抑えて生活したい学生であれば、「軽量鉄骨造」が最適でしょう。一方、セキュリティ対策とプライバシーを重視したい方は、「鉄筋コンクリート造」がおすすめです。
このように、暮らす人のライフスタイルや条件によっても構造の選び方は変わります。構造の特徴を理解しておくことはもちろん重要ですが、まずはご自身が「何を優先するのか」考えてみることも大切です。
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社会人になったのをきっかけに、一人暮らしを始める人も少なくありません。また、一人暮らしに憧れている方や経済的な自立を目指して一人暮らしを始める方もいるでしょう。実家では、家賃や食費、光熱費などを気にせず生活できていたものの、一人暮らしを始めると、毎月の給料の中からやりくりしなくてはなりません。
そのため、「手取り20万円で一人暮らしは経済的にきつい?」と不安に感じている方もいるでしょう。そこで今回の記事では、手取り20万円で一人暮らしができるのか、具体的なシミュレーションと共に解説します。また、節約方法についても紹介しますので、ぜひ今後の参考にしてください。
結論からお伝えすると、手取り20万円でも一人暮らしは可能です。ただし、なかなかタイトな予算であるため、日々の生活の中で節約は必要です。また、好条件の物件は家賃が高い傾向にあるため、立地や間取りで妥協が必要かもしれません。
ここでは、実際に手取り20万円になるには月収でいくら必要なのか、また手取り20万円の場合の家賃の目安についてお伝えします。
月の総支給額から、厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料、税金等を引いたものを「手取り」といいます。では、実際に手取り20万円になるには、どれくらいの月収が必要なのでしょうか?ここでは、東京都で暮らすAさん(23歳)、月収25万円のシミュレーションを例として見ていきます。
厚生年金保険料 | 23,790円 |
健康保険料 | 12,974円 |
雇用保険料 | 1,500円 |
所得税 | 4,591円 |
住民税 | 9,625円 |
手取り額 | 197,519円 |
このシミュレーションを見ると、手取り20万円になるためには、月収25~26万円程度必要であることがわかります。年収で考えると300万円前後となるでしょう。なお、健康保険料、所得税、住民税等は、都道府県や前年度の所得などによって異なります。したがって、上記はあくまでも一例として参考にしてください。
一般的に、家賃は手取りの3分の1が理想とされています。つまり、手取り20万円の場合、家賃6~7万円がひとつの目安となります。これ以上家賃が高くなると、生活が圧迫される可能性があるため注意しましょう。
なお、全国賃貸管理ビジネス協会の「全国平均家賃による間取り別賃料の推移」の調査によると、1部屋の全国平均家賃は52,988円(令和6年10月)でした。これを見ると、家賃6万円は全国平均を上回っていることがわかります。
手取り20万円、家賃6万円の場合でも、日頃から節約を心掛けていれば貯金も可能です。たとえば、家賃6万円、固定費や食費に6万円かかるとします。そうすると、残りは8万円ほどになりますが、そこから日用品、交際費、娯楽費などの支出を想定すると2~3万円程度は貯金できます。ただし、この試算は生活を切り詰めて上手くいった理想的な数字です。
実際には、予期せぬ出費や思ったように貯金できないのが実情。そのため、なるべく現実的な目標額を設定して、臨時収入やボーナスを考慮しながら無理のない範囲で貯金しましょう。
では、手取り20万円の生活費の具体的な生活費のシミュレーションを紹介します。
項目 | 金額 |
---|---|
家賃 | 6.5万円 |
食費 | 4万円 |
水道光熱費 | 1万円 |
通信費 | 1万円 |
交際費・娯楽費 | 2万円 |
衣服費 | 1万円 |
日用品代 | 1.5万円 |
その他 | 2万円 |
合計 | 19万円 |
家賃は手取りの3分の1程度に設定しました。食費は3万円でも問題ありませんが、外食を楽しんだり、スーパー・コンビニで買ったりすることを想定して高めに設定しています。また、交際費・娯楽費は2万円として設定し、衣服費と日用品代は別で設定しています。
衣服にあまりお金をかけない方は、生活スタイルに合わせて他のところにお金を回すとよいでしょう。また、急な出費を想定して、その他として2万円確保しています。ただし、毎月この試算のようにうまくいくわけではなく、マイナスになる月もあるでしょう。したがって、日頃から節約し、想定外の出費に備えておくことが大切です。
「余裕がある生活」とは言えませんが、手取り20万円でも一人暮らしは可能です。ただし、日々無駄遣いしないよう意識することが大切です。ここからは、具体的に取り組みやすい7つの節約術を紹介します。
先にお伝えした通り、家賃は手取りの3分の1が目安となります。ただし、これ以下でも一人暮らしに適した部屋を探すことはできます。家賃を抑えるコツは以下の通りです。
駅近、新築、バス・トイレ別など、好条件の物件は家賃が高くなるため、上記のコツを参考に条件を見直してみましょう。家賃は毎月かかる大きな支出です。無理して高い家賃の部屋を借りると、後々支払いがきつくなる可能性があります。
また、部屋は一度住み始めたら、すぐに住み替えることはできません。したがって、長期的な目で見て、支払い続けていけるかどうか慎重に判断しましょう。
毎月の家賃とは異なりますが、入居時の初期費用を抑えるのも節約の重要なポイントです。では、初期費用を抑えるコツを確認していきましょう。
敷金・礼金は、家賃の2~3ヶ月分が必要です。例えば8万円のアパートを借りる場合は、16~24万円程度かかります。しかし、「敷金・礼金なし」の物件であれば初期費用を大幅に削減することができます。
また、不動産会社によっては、仲介手数料無料や半額、さらにキャンペーンやキャッシュバックを行っていることがあります。部屋探しの際は、複数社比較検討して判断しましょう。
食費は節約しやすい項目です。ただし、外食を全くしない、コンビニで買わないなど、厳しいルールを設けすぎるとそれがストレスの原因になってしまうことも。そのため、以下の点を意識して節約してみましょう。
スーパーに行くときは、買い忘れを防止するために、メモを持っていくのがおすすめです。また、1週間分の予算とメニューを決めておけば買い過ぎを防止できます。最近は、スマートフォンのアプリで簡単に家計管理ができるものがあります。
残りいくら使えるのか明確化することで、無駄な買い物をなくし、月々の食費を一定化させることができます。余裕が出た月はちょっと贅沢したり、貯金に回したり、節約を楽しむことで日々の生活が豊かになるでしょう。
つぎに紹介するのは、すぐに実践できる光熱費の節約術です。ぜひ参考にしてください。
日々の小さな積み重ねが光熱費の節約につながります。また、電気やガスが自由化したことにより、契約先を自由に選べるようになりました。各社お得なプランを用意しているため、複数社を比較検討してご自身に合ったプランを見つけましょう。
スマートフォンを使用するためには、毎月固定で利用料がかかります。キャリアや契約プランによって料金は変わりますが、毎月5,000~6,000円程度は考慮しておきましょう。
なお、スマートフォンを格安SIMに変更すれば、固定費を抑えることができます。最近は、大手通信会社も次々と格安プランを展開しているため、一度見直してみるのもおすすめです。
移動する際はなるべく交通費のかからない手段で移動することを心掛けましょう。おすすめは自転車です。交通費がかからない上に、通勤時の満員電車を避けることができます。また、運動不足の解消や気分転換にも最適です。
自転車を持っていない方は、シェアサイクルを利用しましょう。30分200円程度で利用できるため、タクシーを利用するより経済的です。
節約するためには、まず、日々の生活で何にお金を使っているのか支出を明確にすることが大切です。そのために家計簿はとても有効な手段で、以下のようなメリットがあります。
ただし、細かすぎる管理や、頑張りすぎは禁物。家計簿は長く続けることに意味があるため、できるだけシンプルにまとめることがポイントです。家計簿を書くのが面倒だと感じる方は、スマートフォンのアプリがおすすめです。
アプリなら銀行と連携して自動で記録されるため、手間がかからず家計管理ができます。アプリによって連携できる金融サービスが異なるため、自分が連携したいサービスがあるか確認してみましょう。
お金のかからない趣味には、以下のようなものがあります。
その他にも、英会話、釣りや御朱印集めなど、探してみると意外と多いものです。お金のかからない趣味は、初期費用がかからないためすぐにスタートできます。また、収入の影響を受けにくいため、長く続けやすいというメリットがあります。
趣味は毎日の生活に刺激を与えるため、充実感を得たり、モチベーションが向上したり、ストレス解消にもつながります。趣味がきっかけで交友関係が広がれば、ビジネスチャンスがあるかもしれません。
ここでは、手取り20万円の一人暮らしでよくある質問をまとめて紹介します。質問内容は以下の通りです。
では、早速回答を見ていきましょう。
オートロック、モニター付きインターホン、防犯カメラなど、防犯設備が充実している物件は一般的に家賃が高い傾向にあります。ただし、女性の一人暮らしでは、防犯対策がしっかりしている物件を選ぶことが重要です。例えば、家賃6万円の防犯設備が備わっていない物件と、家賃7万円で防犯設備が備わっている物件があったとします。
この場合は、7万円の部屋を選ぶことをおすすめします。手取りが20万円だと家賃6万円前後が理想ですが、安全はお金に代えられません。家賃が高い分は、日常生活で節約することを心掛けましょう。
手取り20万円は一人暮らしであれば生活できますが、家族を養うのは厳しいでしょう。家族が増えるということは、食費、光熱費、衣服費、日用品代など、多くの項目で出費が増えます。さらに、子どもが生まれれば、ベビー用品、おむつ、学費など、次々にお金がかかるものです。
共働きなら可能かと言えば、そうでもありません。子どもが小さいうちは、どちらかが時短勤務になったり、転職したりすることもあります。したがって、一時的に収入が減ることも想定しておかなければなりません。共働きで夫婦どちらかが高収入であり、長期的に安定していれば十分に生活することは可能です。
車が安く購入できた、知人から車を譲ってもらったということもあるでしょう。しかし、手取り20万円で車を所有するには注意が必要です。車を所有するためには、駐車場代、自動車保険、車検、ガソリン代などの毎月維持費がかかります。
さらに、首都圏や立地の良い駐車場は、駐車場代だけでも毎月数万円かかるため、手取り20万円で車を所有するのは現実的とは言えません。車がある生活は便利で快適ですが、維持費で生活が圧迫される可能性が高いため慎重に判断しましょう。
手取り20万円の一人暮らしは、「余裕のある生活」とは言えません。しかし、日々の暮らしの中で無駄なお金を使わないよう気を付けていれば、無理なく生活することができます。
例えば、家賃は手取りの3分の1程度に抑える、外食は回数を決める、格安SIMに変えるなど、まずは自分が無理なくできる節約方法を考えてみましょう。
また、予期せぬ出費や将来に備えて、家計簿をつけたり、お金を管理したり、必要な支出をしっかり想定しておくことも大切です。そして、もう一つ大切なのは「日々の生活を楽しむこと」です。自分のライフスタイルに合った物件を見つけて、ぜひ一人暮らしを満喫してください。
熊本市不動産売却クイック査定です。
マンションの購入を検討するときに迷うのが、購入のタイミングです。「今買っていいのか」「買ってはいけない時期があるのか」と不安に感じている方は多いのではないでしょうか。
この記事ではマンションを買ってはいけない時期や買い時はいつなのか解説します。新築マンションか中古マンションの購入を考えている方は必見です。
新築マンション・中古マンションを買ってはいけない時期は、以下のように将来の予定が不確定な時期です。
それぞれの時期について詳しく見ていきましょう。
ライフスタイルが決まっていない時期は、マンション購入を待ったほうが良いです。後々ライフスタイルが決まったときに、購入したマンションがそのライフタイルに合っていないと、住みにくくなるためです。
たとえば会社に就職して間もない新入社員の時期が挙げられます。新入社員のときは何時まで仕事をして、休みは何をしてといったライフスタイルが定まりにくいです。また就職した会社でどのくらいの期間働くかも漠然としています。
新入社員の方は数年勤務して、ある程度ライフスタイルが固まってからマンション購入を考えるのがおすすめです。
家族構成が不確定な時期は、マンションの購入を慎重に判断したほうが良いです。具体的には子供を何人産むか決めていない人が当てはまります。
マンション購入後に家族構成が変わった場合、面積や間取りが合わなくなる恐れがあります。子供の人数によって最適な面積や間取りは異なるため、家族構成が決まってから購入したほうが無難です。
結婚前のマンション購入についても、あまりおすすめしません。独身時代に購入したのがワンルームマンションの場合、パートナーとの二人暮らしになると手狭になります、
ただ結婚前のマンション購入には、メリットもあります。1つは早めに住宅ローンを借りると、若いうちに完済できる点です。たとえば25歳で35年の住宅ローンを組むと、60歳には返済が完了します。完済後は住宅ローンに充てていたお金を老後の資金に回すことが可能です。
子供の進学先が決まっていない時期のマンション購入もデメリットがあります。
マンション購入後に子供の進路が決まったものの、進学先が自宅から遠いと通学が大変です。子供がまだ小さいと、電車通学させるのが心配という方も多いでしょう。
子供の受験を考えている方は、具体的な進学先が決まるまで待ったほうが良いです。
全国転勤が多い会社にお勤めの方は、マンション購入の時期を慎重に見極める必要があります。マンション購入後に転勤があると、せっかく買ったマンションに住むことができません。
「住めない期間は貸せば良い」と考える方もいらっしゃいます。しかし住宅ローンを返済中の家を賃貸に出す場合は、住宅ローンを一括返済しなければなりません。勝手に賃貸に出せない点に注意しましょう。
全国各地に支社がある大手企業や、銀行、商社、大手メーカー、ゼネコンなどの業種は転勤が多い傾向があります。転勤の頻度は会社によって異なりますが、同僚の配属状況などを見て、近いうちに転勤がなさそうか確認したほうが良いです。
好みの物件が見つからない状態で、妥協してマンションを買うのもおすすめしません。
住宅の購入は人生で一番高い買い物といわれます。そのため好みではない物件を購入して住み続けるのは大きなストレスです。せっかく買うなら、できるだけ理想に近い物件を選びましょう。
ただ、すべて理想どおりという物件はなかなか出てきません。おすすめの方法は希望条件に優先順位をつけることです。優先順位を整理することで、譲れないポイントと妥協できるポイントが明確になります。
定年退職後のマンション購入は、老後の資金形成に影響をおよぼす恐れがあります。定年後は安定した収入がなくなり、住宅ローンの返済が厳しくなる人が多いためです。定年退職後は年齢や収入の観点から、住宅ローンの審査に通らない可能性も考えられます。
「まとまった退職金が入るから」といって、マンションの購入費に充てる方法もおすすめしません。老後資金は、夫婦2人の場合2,500万円程度必要といわれています。介護や医療によってそれ以上の金額が必要になることもあるため、慎重な資金計画が求められます。
経済的に安定しない時期も、マンションの購入は控えましょう。収入が安定していないと、住宅ローンの返済が家計に大きなダメージを与えてしまいます。
たとえば転職して間もない時期や、病気で働けない時期は要注意です。特に前職より収入が少ない会社に転職すると、家計の収支状況が変わります。これまでどおり生活するためには支出を減らさなければならない場合もあるでしょう。そのようなときに住宅ローン返済が重なると、家計が回りません。
病気で働けない時期も収入がとだえる可能性があります。復帰して仕事が軌道に乗ってからマンション購入を考えた方が無難です。
住宅ローン金利が上昇する時期も、マンションの買い時とはいえません。金利が上昇すると、住宅ローンの返済総額が高くなるためです。
日本は長く低金利時代にありましたが、ここ最近で日銀の金融政策は引き締めに向かっています。大手銀行5行は2024年9月30日に変動型の住宅ローンの基準金利を引き上げると発表しました。
また固定金利を選択する場合、金利が高い時期に契約すると、ずっと高い金利で返済しなければなりません。マンションを購入するときは、金利の動向を注視する必要があります。
新築マンションや中古マンションは、以下の時期が買い時といわれています。
買い時といわれる理由について、詳しく解説します。
好みのマンションが見つかった場合は、できるだけ早く決断するのがおすすめです。好条件のマンションは需要が高いため、決断を先送りにすると他の人にとられてしまいます。
結婚が決まった時期も、マンションの買い時といわれます。結婚を機にマンションを購入することは、パートナーと将来のことを話し合う良いきっかけになるでしょう。
マンションを購入する際は、希望条件を決めなければなりません。たとえば間取りや面積、立地、周辺環境など多岐にわたります。また住宅ローンを組むことになれば、お互いのキャリアプランや収入についても話し合っておくことが必要です。
希望条件を決めていく過程で「将来子供はどうするか」「老後までにいくら貯蓄するか」など、将来に向けて具体的な計画を立てられます。
マンションを購入できるだけの貯蓄がないという場合は、両親から資金援助を受けられる可能性もあります。両親または祖父母からの一定額の住宅購入資金援助については贈与税が非課税または減税されるため、もし援助を受けられる場合はチェックしてみてください。
子供が生まれると生活が一変するため、マンションを購入する良い機会です。これまで夫婦2人で住んでいた家に住み続けると、子育てしにくいと感じる可能性があります。
たとえば間取りや広さです。子供が小さいうちは、いつでも親の目が届く間取りや、安全に遊べる広いスペースが必要になったりします。
また、立地や周辺環境に対する考え方も変化します。夫婦2人だけなら、駅やスーパーマーケットとの距離が近い場所が便利です。しかし子供がいると、保育園や公園が近くにあるかどうかも重視するようになります。
小学校に入学する前にマンションを購入すれば、子供が転校によるストレスを感じずに済みます。入学後に引っ越す場合、私立学校の場合は編入試験などの手間が増えることもあるため、入学前がマンション購入の狙い目です。
小学校入学前のマンション購入は、学区を選べるというメリットもあります。評判の良い公立小学校があれば、その学区で探すことも可能です。
また小学校入学前には、家族構成が確定していることが多いです。そのため将来を見据えて、長く住み続けられるマンションを選ぶことができます。
子供が大学進学や就職など独り立ちしたタイミングで、マンションを購入する人もいます。子供が家を出ると同居家族が減り、部屋が余ってしまうためです。夫婦で暮らすのに丁度良いサイズのマンションを購入すれば、管理もしやすくなります。
ただこの時期は親も高齢になっていることが多いため、住宅ローンを組む場合は注意が必要です。返済期間が短くなり、返済額が高くなる恐れがあります。しっかりと資金計画を立てて、無理なく返済できる範囲でマンションを選びましょう。
マンションの購入時期について解説しましたが、新築マンションか中古マンションどちらを買うかどうかも悩ましい問題です。
結論からいうと、購入時の出費を抑えたい方や将来売却を考えている方は、中古マンションのほうがメリットを感じやすいです。
以下に新築マンションと中古マンションそれぞれのメリット・デメリットを整理しました。
新築マンション | 中古マンション | |
---|---|---|
メリット | 建物・設備が新しい 劣化による修繕費がかかりにくい 税制面で有利なことがある |
価格が安い 物件の選択肢が多い 実物を見て購入できる リフォーム・リノベーションできる |
デメリット | 価格が高い 修繕積立基金や管理組合準備金の支払いが必要になる 青田売りだと実物を見て購入できない |
建物・設備が古い 劣化による修繕費がかかりやすい 修繕積立金が高め |
新築マンションは価格の上昇が続いており、購入時に高額な出費が必要になります。しかし売却するときは中古マンションになってしまうため、資産価値が下落します。その結果、購入価格と販売価格の差が大きくなりやすいのがネックです。
次の項目からは、中古マンションを買うメリットについて詳しく見ていきましょう。
中古マンションを買うメリットは、以下の4つです。
中古マンションのメリットは、新築よりも安価で購入できることです。近年では中古マンションも価格が上昇していますが、それでも全体的に見れば新築よりも安い傾向があります。
また中古マンションは物件数が多いです。人気エリアの物件や予算内の物件など、新築で見つからなくても中古なら見つかる可能性があります。
実物を見てから購入できる点も中古マンションのメリットです。内見で広さや間取り、眺望などをしっかり確認できます。そのため住み始めてから「イメージと違った」と後悔することはほとんどありません。
引き渡し時の内装やデザインが気に入らなくても、リフォーム・リノベーションで空間を一新できます。自分の好きなテイストに自由に変えられるのが魅力的なポイントです。
家族構成やライフスタイルが定まっていない時期にマンションを買うと、後悔する可能性があります。購入後に家族構成やライフスタイルが変化すると、引っ越す必要が出てくるためです。また好みのマンションが見つからないのに焦って買うこともおすすめしません。
結婚や子供の出産、小学校入学、子供の独り立ちなど、将来の予定がある程度固まったタイミングでマンション購入を検討するのがおすすめです。
また新築と中古マンションで迷う場合は、それぞれのメリット・デメリットを理解することが大切です。価格の安さや立地の良さを重視する方は、中古マンションのほうがメリットを感じやすいでしょう。
熊本市不動産売却クイック査定です。
中古マンションを探していると、築30年の物件を紹介されることも珍しくありません。「古くて劣化していそう」「いざというときに売却が難しそう」など、マイナスイメージを抱かれることも多いですが、実際のところどうなのでしょうか。マンションを所有している期間にかかる固定資産税が築30年だといくらかかるのかも気になりますよね。
この記事では固定資産税の計算方法を解説し、築30年の計算シミュレーションをおこないます。また築30年の物件が売れにくいといわれる理由も解説しているので、購入を迷っている方はぜひ参考にしてください。
土地や建物を所有している人が納付しなければならない税金が固定資産税です。
中古マンションを購入すると、売却するまでは毎年納付し続けなければなりません。厳密にいうと納税義務があるのは、その年の1月1日時点の所有者になります。
たとえば3月1日に取得した人には納税義務はなく、前の所有者に課税されます。ただし、不動産売買では売主と買主それぞれの所有期間に応じて精算をおこなうのが慣例です。
たとえば年間の固定資産税が10万円の物件を3月1日に取得した場合、売主と買主の精算額を計算してみましょう。
1月1日〜2月28日の2カ月は売主が負担
10万円×2カ月/12カ月=1.6万円
3月1日~12月31日の10カ月は買主が負担
10万円×10カ月/12カ月=8.3万円
税額は、市区町村によって決定されます。決定後は納税通知書が納税義務者のもとに毎年4月〜5月頃届く流れです。納税義務者は納税通知書に記載された金額を納めます。
1年分の税金を4期に分割して納付するのが一般的です。第一期に1年分を一括で納めることもできます。各期の納付期限は市町村によって異なるため、納税通知書をよく確認しましょう。納付期限を過ぎてしまった場合、延滞金が発生するので注意が必要です。
税額の計算方法は「課税標準額×税率1.4%」で計算します。土地と建物を別々に計算して、合計した金額が税額です。
マンションの固定資産税の大きな特徴は、戸建てに比べて建物が占める割合が多い点です。マンションは戸建てと違い、土地を他の所有者と共有しています。そのため土地全体の税額を出してから、各所有者の持分で按分した金額になります。
税額を決定するうえで、重要な要素となるのが以下の3つになります。
土地の評価額は土地の固定資産税を決定する要素です。築年数と建物の再建築価格は、建物の固定資産税を決定するうえで重要になります。
それぞれの要素がどのような影響をおよぼすのか、詳しく見ていきましょう。
建物の固定資産税額は築年数によって変動します。建物は経年によって資産価値が減少するのが一般的です。そのため、中古マンションも築年数が古くなるにつれて評価額が下がっていきます。
建物の評価額は「再建築価格×経年減点補正率」で計算します。経年減価補正率とは年数経過による建物の損耗状況を反映する数値で、これを掛けることによって、築年数ごとに評価額が低くなる仕組みです。鉄筋コンクリート造の中古マンションの場合、築45年以降の経年減点補正率は下限値の0.2となります。
土地の固定資産税は、評価額によって決まります。税額の計算で出てくる課税標準額は、基本的には評価額と同一額です。ただ、税金の特例が適用される場合は、評価額に軽減率を掛けた金額が課税標準額となります。したがって課税標準額が評価額より低い金額になることは少なくありません。
土地の評価額は地価公示価格の70%程度として、おおまかに計算することが可能です。地価公示価格を確認したい場合は、国土交通省の不動産情報サイト・不動産情報ライブラリを参考にしてください。
土地は建物のように築年数の経過による影響は受けません。ただし3年に1度評価替えがあることを覚えておきましょう。評価替えする年度のことを基準年度といい、基準年度から3年間は原則据え置きとなります。
建物の再建築価格は、建物の評価額を決定する要素のひとつです。先述のとおり、建物の評価額は「再建築価格×経年減点補正率」で計算されます。
再建築価格とは、評価時点に同一建物を再び新築する場合にかかる建築費です。建築資材などの物価を反映して、決定されています。そのため建築資材が高騰すると、築年数が経った中古マンションでも新築当初より再建築価格が高くなることが少なくありません。
築30年の中古マンションの固定資産税はいくらになるのでしょうか?以下の条件で、実際に税額を計算してみましょう。
建物タイプ | マンション |
---|---|
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
築年数 | 30年(経年減点補正率0.3059) |
土地面積 | 80㎡ |
土地の固定資産税評価額 | 1,200万円 |
建物面積 | 80㎡ |
建物の再建築価格 | 3,000万円 |
まずは土地から計算します。中古マンションの土地は、住宅用地特例が適用されます。この特例は、住宅の敷地として利用されている土地について、税金が軽減される制度です。軽減率は200㎡以下の小規模住宅用地の部分は⅙、200㎡を超える一般住宅用地の部分は1/3となります。以下のとおりになります。
今回の条件では土地面積80㎡のため、土地の評価額に小規模住宅用地の軽減率1/6をかけます。
1,200万円×1/6×1.4%=2.8万円
次に再建築価格に経年減点補正率を掛けて、建物の評価額を計算します。鉄筋コンクリートで築30年の経年減点補正率は0.3059であるため、計算式は以下のとおりです。
3,000万円×0.3059=917.7万円
917.7万円×1.4%=12.8万円
土地と建物をあわせた税額は、以下のとおりです。
2.8万円+12.8万円=15.6万円
鉄筋コンクリート造や鉄骨造のマンションは、木造住宅よりも建物の寿命が長いです。適切に修繕していれば、築30年でも問題なく住み続けられるでしょう。
一方で築30年を過ぎたら、どのくらい住み続けられるのか不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここからは築30年のマンションはあと何年住めるのか解説します。
マンションの寿命には、物理的な寿命と経済的な寿命があります。
物理的な寿命でいうと、メンテナンス状況によって大きな差が付きます。手厚いメンテナンスを続けている中古マンションは、寿命を100年以上にのばすことも可能でしょう。ただし、古くなるほどメンテナンス費用は高額になることが予想されます。
経済的な寿命は、建物はまだ使えるのに建て替えを目的として取り壊される寿命です。日本では堅牢な造りのマンションも、経済的な寿命により築60年〜70年で建て替えられることが少なくありません。
中古マンションの寿命を考えるときは、経済的な寿命の60年〜70年で捉えたほうが現実的です。
築30年の中古マンションは、新築や築浅のマンションに比べて売れにくいといわれています。具体的な理由を挙げると、以下の5つです。
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
築30年の中古マンションは見た目が古いと思われて、買い手が減る可能性があります。古い建物は汚く見えたり使い勝手が悪かったりすることから、マイナスイメージを抱かれやすいです。
国土交通省独自調べ(平成28年10月実施)によると、既存住宅を選ばなかった理由として「見た目がきれいでなかったため(13.3%)」「水廻りが古い・きたなかったため(12.0%)」という意見が挙げられています。
確かに外観がボロボロのマンションに、住みたいという人はあまりいません。共用部のエレベーターやエントランスが古びていて、見栄えが悪いマンションもあります。
マンションの外観や共用部を綺麗にするためには、他の区分所有者の同意が必要で手間がかかります。一方で専有部内の古さに関しては、リフォームやリノベーションによって解消することが可能です。
メンテナンスを怠っているマンションは、築30年経つと経年劣化によりさまざまな場所が不具合を起こします。
建物の各設備には使用に耐えられなくなるまでの耐用年数が決まっています。たとえばキッチンやトイレなどの水回りの耐用年数は10年〜20年程度です。給排水管の耐用年数は素材によって大きく異なりますが、早いものだと20年程度とされています。耐用年数を超えても使えるケースは多いですが、古い設備を使用することに不安を覚える人は多いです。
このように建物設備の劣化は、買い手にとってマイナスポイントになる可能性が高いです。実際はきちんとメンテナンスをしていて劣化がないのに、築30年というだけで候補から外されるケースもあるでしょう。
古い中古マンションは、メンテナンス費用もかさみます。不具合が起きてから急いでメンテナンスを実施しようとすると、費用が割高になることも多いです。
マンションでは大規模修繕のように、あらかじめ計画しているメンテナンス費用もかかります。大規模修繕の頻度は12〜15年に1回程度です。そのため購入のタイミングによっては、住み始めてからすぐに大規模修繕がおこなわれる可能性があります。
大規模修繕費は区分所有者が毎月積み立てている修繕積立金から支払われます。しかし近年の建築費高騰により、大規模修繕費の値上がりに悩まされているマンションは少なくありません。大規模修繕費が足りない場合、不足分は一時金として徴収される可能性もあります。
築30年以上のマンションは、耐震性の観点からも不安を抱かれることが多いです。実際に「築30年のマンションは地震に弱いのではないか」と心配する人がいます。
耐震基準は、建物の耐震性を判断する基準のひとつです。マンションは旧耐震基準と新耐震基準の2種類に分類されます。旧耐震基準は震度5程度の中規模地震に耐えられるよう設計されていますが、それ以上の大地震は考慮されていませんでした。新耐震基準は震度6強の大地震であっても、命を守ることができるよう設計されています。
旧耐震基準から新耐震基準に切り替わったのは、1981年6月1日です。したがって2024年時点で築30年のマンションは、新耐震基準でつくられています。古そうというイメージだけで耐震性に不安を感じている人もいるため、しっかりと説明することが必要です。
築30年の中古マンションが売れない理由として、住宅ローンが借りづらいことも挙げられます。新築と比べて中古は金融機関から低く評価されやすいためです。
そのため住宅ローンを借りられたとしても、借入金額が少ないこともあります。もしくは返済期間を短く設定されてしまい、厳しい返済計画になる可能性も考えられます。
金融機関によっては購入する物件の築年数に制限を設けている場合もあるため、事前相談が不可欠です。このような点が新築や築浅のマンションと比べて、注意しなければならないポイントです。
また、築30年のマンションは住宅ローン控除が受けられないと思っている人もいます。住宅ローン控除とは住宅ローンを借りて家を購入した場合に、税金の控除が受けられる制度です。以前は築年数に関する要件がありましたが、2022年度の税制改正で撤廃されています。築30年でも条件を満たしていれば、住宅ローン控除を受けられることを説明しましょう。
固定資産税は以下の特例措置があります。
特例措置が適用されれば税金の負担が減るため、要件を確認しましょう。
固定資産税には、住宅用地特例が設けられています。住宅用地特例は住宅の敷地として利用されている土地に対して、税金が軽減される制度です。軽減率と固定資産税の計算方法は以下のとおりになります。
軽減率 | 固定資産税の計算方法 | |
---|---|---|
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) | 1/6 | 固定資産税評価額×1/6×1.4% |
一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 1/3 | 固定資産税評価額×1/3×1.4% |
たとえば土地が300㎡の場合、200㎡分の軽減率⅙と、残り100㎡分の軽減率⅓を足し合わせた金額になります。
中古マンションの土地は、この特例の適用が受けられます。適用を受けられる場合と受けられない場合では、固定資産税額の差は大きいです。
省エネ改修工事を実施したマンションは、翌年の固定資産税が3分の1減額される特例措置があります。平成26年4月1日以前に建築された住宅に対して、令和8年3月31日までにおこなった一定の省エネリフォームが対象です。
一定の省エネリフォームとは、以下の8つの工事を指します。
このうち、窓の断熱改修工事(二重サッシ化、複層ガラス化)は必須項目です。また、それぞれの工事箇所について現行の省エネ基準に適合することが条件となります。
マンションの場合は専有部分に対しておこなわれた省エネ工事のみが対象です。また住宅の面積要件は50㎡以上280㎡以下で、マンションは専有部の床面積でカウントします。
バリアフリー改修工事をおこなった場合も、特例措置によって翌年分の固定資産税から3分の1が減額される可能性があります。新築後10年以上経過した家屋に対して実施された一定のバリアフリー改修工事が対象です。
一定のバリアフリー改修工事とは、以下の8つの工事を指します。
また適用を受けるためには、以下のいずれかに該当する人が住んでいることが要件です。
この他にも細かい要件が定められているため、詳しく知りたい方は国土交通省や自治体のホームページをご確認ください。
次に紹介するのは、耐震改修工事についての固定資産税減額措置です。現行の耐震基準に適合するための耐震リフォームを実施した場合、翌年度分の固定資産税が半額になります。
なお、改修工事をおこなう建物が通行障害既存耐震不適格建築物だった場合には、減額期間が2年度分に延長されます。通行障害既存耐震不適格建築物とは昭和56年5月31日以前の旧耐震で建てられた一定以上の高さのある建物です。
昭和57年以前から所在する家屋に対して、令和8年3月31日までに実施したリフォームが対象です。また耐震改修工事費が税込で50万円を超えていなければ適用を受けられません。
長期優良住宅とは長期的に良好な状態で住み続けられる措置が講じられ、自治体に認定を受けた住宅です。長期優良住宅の建築および維持保全の計画を作成・申請することで認定を受けられます。
長期優良住宅化リフォームは、一定の耐震改修工事または一定の省エネ改修工事を指します。増改築によって長期優良住宅の認定を取得した場合、翌年度分の固定資産税から3分の2が減額されます。
一定の耐震改修工事とは、旧耐震基準の建物を新耐震基準に適合するための工事です。一定の省エネ改修工事とは、省エネ改修工事で紹介した8つの工事と同じです。そのほかにもさまざまな要件が設定されているため、適用を受けたい場合はよくご確認ください。
築30年のマンションを購入するときは、以下のポイントに注意して選びましょう。
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
新築から30年経っているマンションは、管理状況によって大きな差が生まれます。管理状況が悪い築30年の中古マンションは、いたるところが劣化していて、見た目もボロボロです。購入後に売りたいと思っても、なかなか売れない可能性が高いです。また突発的にメンテナンスが発生する恐れもあり、経済的な負担増加も懸念されます。
特に共用部を見ると、管理状況の違いは明らかです。エントランスが汚れていたり、雨漏りが放置されていたりする物件は要注意です。内覧に訪れた際は、共用部のチェックも忘れないようにしましょう。
購入前に管理組合の収支状況をチェックしましょう。修繕積立金の残高や滞納の有無を把握することは、将来の修繕に対応できるか見極めるために不可欠です。
管理費や修繕積立金の値上げが予定されていないかどうかも確認しましょう。近年では修繕積立金の大幅な値上げが課題になっています。国土交通省の令和5年度マンション総合調査によれば、修繕積立金の残高が不足していないと回答したマンションは約40%で、半数も満たない状況です。
修繕積立金の残高が不足した状態で大規模修繕を予定している場合、修繕積立金の値上がりや一時金の拠出など経済的な負担が増えます。
マンションを購入する際は、建て替え予定がないかどうか確認することをおすすめします。
マンションの建て替えは築40年〜50年くらいにおこなわれることが多いです。
建て替えを進めるためには、他の区分所有者の合意を得なければなりません。さまざまな意見を持つ人たちの合意を得るのはハードルが高いです。大きな手間と時間がかかることが予想されます。
さらにマンション建て替えの費用は、区分所有者が負担するのが一般的です。自己負担額の目安は1戸あたり1,000万円〜3,000万円程度かかります。もし建て替えをするとなれば、高額な出費が発生します。負担できない場合は、売却を検討する必要があるでしょう。
固定資産税とは建物を所有する人に請求される税金です。築30年の中古マンションも、土地と建物それぞれに固定資産税がかかります。
土地の固定資産税は土地の固定資産評価額によって決定し、マンションの場合は住宅用地特例で軽減を受けることが可能です。建物の固定資産税は築年数や再建築価格によって決まり、特定の改修工事を実施すると税額が減る特例措置があります。
築30年のマンションは、経年劣化や見た目の印象などが影響して売れにくくなる可能性があります。管理状況や管理組合の収支状況によっても、マンションの良し悪しがわかるため購入前に確認しておくと安心です。
熊本市不動産売却クイック査定です。
駅近マンションは交通アクセスに優れているため、高いニーズが見込まれ資産価値が下がりにくい物件です。しかし何かしらの問題を抱えているために、思いのほか売れないというケースも少なくありません。
この記事では売れない駅近マンションが抱える問題とスムーズに売却するための方法を紹介します。需要があると聞いて売り出したものの、なかなか成約に結びつかないと悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
一般的に駅近マンションはニーズがあり、売却しやすいです。駅近という表現に明確な定義はありませんが、駅から徒歩10分圏内の場所にあるマンションを指すことが多いです。一方で徒歩5分圏内を駅近ととらえる人もいて、人によって考え方が分かれます。
駅から近い立地は利便性が高く、通勤時間の短縮や生活の質向上などさまざまなメリットが期待できます。たとえば通勤時間が短縮されると、早く帰宅して家族との時間を増やすこともできるでしょう。また悪天候のときも外出しやすく、雨に濡れずに済みます。駅周辺は商業施設や商店街が集積していることも多いため、日々のお買い物にも便利です。
以上のような理由から、駅近の立地条件は多くの人にとって魅力的に映ります。間取りや設備はリノベーションなどで変えることができますが、立地条件だけは後から変更がききません。そのため、マンションを選ぶときに立地条件を重視する人は多いです。
公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会の「2024年住宅居住白書」では、住宅を購入する際に重視するポイントが公開されています。それによると、購入金額(51.3%)、周辺・生活環境がよい(48.2%)に次いで、交通の利便性がよい(37.1%)は3番目に多いポイントです。データからも、交通利便性に優れた駅近の立地はニーズが高いことが伺えます。
ニーズの期待できる駅近マンションですが、なかなか成約につながらないケースもあります。売却できないのは何か理由があるはずです。考えられる理由については後ほど詳しく解説します。
資産価値が低下しにくいというメリットも挙げられます。
不動産は築年数が経過すると資産価値が下落していくのが一般的です。公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年07月~09月】」によると、首都圏の中古マンションにおける築年帯別成約価格は以下のとおりとなっています。
~築5年 | ~築10年 | ~築15年 | ~築20年 | ~築25年 | ~築30年 | 築30年~ | ||
成約価格(万円) | 8,247 | 7,073 | 6,942 | 5,938 | 5,370 | 4,180 | 2,493 |
これを見れば通常のマンションは築年数が古いほど、売却価格が安くなることが一目瞭然です。しかし駅近マンションは通常のマンションとは異なり、築年数がある程度経過しても売却価格が下落しにくいといわれています。
ただし駅からの距離と資産価値の関連性は、都市部と地方で異なります。都市部においては、駅からの距離と資産価値の関連性が高いです。都市部は自家用車を持たず電車で移動する人が多く、駅から遠いところに住むと不便になるためです。反対に地方では車での移動が中心になります。駅からの距離が遠くても都市部ほど資産価値におよぼす影響は少ないでしょう。
駅近の土地は限られており、売りに出すとすぐに売れてしまうことが多いです。欲しいと思っても手に入れるのが難しいことから、希少性の高さが資産価値に反映されていると考えられます。
ニーズが高いはずの駅近マンションですが、売り出してもなかなか売却できない場合は以下の問題を抱えていないか確認してみてください。
どんなに魅力的な条件を備えていても、相場より高い割高な物件には買い手が集まりにくくなります。
「できるだけ安く買いたい」というのが買い手の心理であり、相場がどのくらいか調べていることが多いです。そのため、相場よりも高い値段を付けると多くの購入希望者は「割高な物件だ」と感じるでしょう。他のマンションが相場に近い金額で同時に売り出されていれば、そちらに流れてしまいます。
機会損失を防ぐために、相場とかけ離れた高い値段を付けることは避けたほうが良いです。不動産情報ライブラリやレインズマーケットインフォメーションを活用すれば、不動産の取引価格や地価公示を調べられます。また不動産ポータルサイトを活用して、現在近隣で売り出し中の競合物件の価格を調べることも大切です。
低層階は高層階に比べると需要が低いです。一般的なマンションであれば、低層階は1~3階のことを指します。
たとえば低層階の場合、眺望の良さはあまり期待できません。広大な景色や夜景は、高層階でしか味わえない特権といえます。また低層階は道路との距離が近いため、プライバシーの確保が難しいです。通行人の視線が気になってしまい、落ち着かないと感じる人もいます。
このような難点があるため、低層階は高層階よりも売れにくく、売れても価格が安くなることが多いです。
しかし低層階ならではのメリットもあります。たとえば階段を使って地上との行き来が自由にできる点がメリットです。エレベーターが混雑する時間帯も、気軽に外出できるでしょう。このように低層階でしか得られないメリットを買い手に説明することも重要です。
日当たりの悪さも、物件の売れやすさに影響するポイントです。周辺に背の高い建物があったり隣の建物との距離が近かったりすると、部屋に影ができてしまいます。
1日中日が差し込まない部屋では、ずっと照明を付けておかなければなりません。日光が不足すると、気分が落ち込んだりストレスが増えたりする可能性もあります。
また湿気がたまりやすくなるため、カビの繁殖にも気を付けなければなりません。壁紙や床など内装にカビが生えると、建物の躯体まで広がる恐れがあります。また、アレルギーなどの健康被害も懸念されます。
また直射日光が当たらない影響で、冬は室内が冷えやすいです。暖房をフル稼働すれば、当然電気代は高くなるでしょう。このように日当たりが悪い部屋は多くのデメリットがあることから、売りに出しても敬遠される傾向があります。
治安が悪いエリアにある物件は、売れにくいです。万が一事件に巻き込まれてしまうと、生命が脅かされる危険性があります。そのため多くの人々は治安面に注意してマンションを選びます。
たとえば繁華街に隣接している場所は、治安が悪いというイメージを抱かれる可能性があります。実際に深夜も騒々しかったり、酔っ払いにからまれたりするリスクが懸念されます。駅近の立地は便利ですが、繁華街の近くにあることが多いため注意が必要です。
街灯が少ないエリアも、治安面でマイナスイメージを抱かれやすいです。暗闇で人目が行きわたらなくなり、犯罪が発生しやすい場所になるからです。そのようなエリアでは、夜帰宅する際に一人で歩くのは不安が残ります。
治安を優先条件として物件選びをする人は少なくありません。特に小さな子どもを育てているファミリーや女性の一人暮らしでは、治安の良さを重視する傾向があります。
セキュリティ対策が不十分な物件も、売却活動に苦戦する可能性が高いです。近年は首都圏で闇バイトを通じた強盗事件の発生が相次いでいます。犯行の手口が巧妙化・凶悪化していることから、警戒感を強めている人が多いです。
代表的なセキュリティ設備として挙げられるのが、オートロックです。エントランスの扉が自動施錠されることで、不審者の侵入を防いでくれます。オートロックの普及率は東京都23区では約8割で、ほとんどのマンションで設置されている状況です。そのためオートロックが付いていないマンションは、駅近であってもなかなか売れない可能性があります。
オートロック以外のセキュリティ設備も充実している新築マンションも増えています。これらのマンションと比べると、築古でセキュリティ対策がとられていないマンションは見劣りしてしまう可能性が高いです。
近くで他のマンションが売り出されている場合は、売却に時間がかかることがあります。競合マンションがあると、買主はさまざまな面で両物件を比較するためです。
両物件が全く同じ価格で、競合物件は高層階、こちらの物件は低層階である場合、競合物件のほうに買い手が集まりやすくなります。このように競合物件のほうが条件が良いと、こちらの物件の売却が不利になることが多いです。
そのためマンションを売却する際は、現在売り出し中の競合物件の情報を調べることが欠かせません。競合物件の売り出し価格は、不動産ポータルサイトで簡単に確認できます。
騒音問題が原因で売れにくくなることもあります。騒音がひどいと睡眠妨害や聴力障害など健康被害が引き起こされます。たとえ騒音レベルが高くない場合でも、音に敏感な人は精神的なストレスを受けることも少なくありません。
駅近のマンションは、繁華街が近く賑やかなエリアに立地していることがあります。さらに幹線道路や高速道路の近くにあると、車やバイクの音が気になるでしょう。線路が近いと踏切の音、警察署や消防車が近いとサイレンの音が大きく聞こえます。
マンションの構造や仕様によっても、騒音の感じやすさは異なります。壁が薄かったり、窓に隙間があったりすると、外の音が伝わりやすいです。
逆にしっかりと防音対策が施されていれば、賑やかな立地でも騒音に悩まされずに済みます。たとえば壁の厚みや吸音材、窓の遮音性能などはぜひ伝えたいアピールポイントです。
駅近マンションでも外観や内装に問題があると、買い手からの印象が悪いです。特に築年数が古いマンションは、適切にメンテナンスされていないと外観や内装が古びて見えることがあります。
設備の故障や不具合も、買い手の購買意欲を低下させる要因です。たとえば配管が詰まっていたり給湯器が故障していたりすると、生活に大きな支障が出ます。メンテナンスには多額の費用が必要になるため、金銭面でも痛手です。
外観や内装の問題をカバーできるくらいのアピールポイントがあれば、売却につながる可能性はあります。駅近で立地が良いことなどを積極的にアピールしましょう。それでも反響がない場合は値下げをする必要が出てきます。
駐車場なしのマンションは、売却が困難になることが多いです。一般社団法人 日本自動車工業会の「2023年度乗用車市場動向調査」によると乗用車世帯保有率は77.6%となっており、多くの世帯が自家用車を保有していることがわかります。
ただし駐車場の有無が売却におよぼす影響は、都市部と地方で差があります。地方では自家用車の所有率が高いため、駐車場がないことが致命的な問題になり得るでしょう。一方で都市部では公共交通機関が発達しており、駐車場がなくてもあまり大きな問題にはなりません。
駐車場なしのマンションでも、工夫をすればスムーズに売却することが可能です。駅近マンションの場合は交通アクセスの良さを伝えることで、駐車場がないデメリットを補える可能性があります。「通勤・通学しやすい」「買い物施設が徒歩圏内にある」など、車を持たなくても快適に暮らせることをアピールしましょう。
上記のどの理由にも当てはまらない場合は、不動産会社の売り方が悪い可能性があります。具体的には、売却活動が不十分であるケースや物件を適切にアピールできていないケースなどが考えられます。どんなに良い物件も、広告などでしっかりと売却情報が周知されなければ買い手が集まりません。
また広告にはさまざまな方法があります。たとえば不動産ポータルサイトは多くの人に見てもらいやすい媒体です。ポスティングはエリアを絞って効果的に周知することができます。売却物件の特徴を理解して、最適な方法を提案してくれる不動産会社を選びましょう。
売却活動中は不動産会社に進捗報告をしてもらい、疑問点があれば確認することも大切です。もし不動産会社のやり方に違和感を覚える場合は、他の不動産会社へ切り替えることをおすすめします。
以下の特徴を持つマンションは需要が高く、売れやすい傾向があります。
人気のエリアに立地する駅近マンションは、多くの人々が購入したいと思っています。そのため売りに出せば、すぐに買い手がつく可能性が高いです。
人気エリアの特徴として、複数の路線に接続しているターミナル駅から近いことが挙げられます。多方面にアクセスしやすいため、通勤やレジャーなど出かけるときのストレスが少ないです。
生活利便性が高いことも人気エリアの条件になります。近くに何でも揃う商業施設や優れた進学実績を誇る学校があるエリアの物件は多くの人が探しているため、売却しやすくなるでしょう。
人気エリアの物件は街のブランド力があり、資産価値が下落しにくい傾向があります。将来売却を考えたときに、マンションの築年数が経過しても高値売却が狙えるのは魅力的なポイントです。
だれでも使いやすい間取りの物件は人気があります。たとえば面積は60㎡前後あると、一人暮らしからファミリーまで幅広いターゲットの需要が見込めます。
また南向きや角部屋、最上階の部屋は不動の人気です。南向きは日照時間が長く、明るい環境で生活できます。角部屋はプライバシーの確保、最上階の部屋は美しい眺望などそれぞれメリットがあります。
近年はルーフバルコニーやアイランドキッチンがある間取りも人気です。ルーフバルコニーは開放感があり、洗濯物干し場や子どもの遊び場など多様な用途で活躍します。アイランドキッチンはすっきりとしたデザインで、家族と会話しながら料理できるのが魅力です。
一方でこだわりのある個性的な間取りは、売却でマイナスポイントになる可能性があります。リビングが広い、デッドスペースが少ないなど、万人受けする間取りのほうが売れやすいでしょう。
設備の充実度によって、物件の売れやすさは変わります。便利な設備が揃っていると、家事の効率化や生活の質向上が期待できるためです。たとえば食器洗い乾燥機や、お風呂の追い焚き機能などの設備が付いている物件は人気があります。
マンションの共用設備についても、多くの人が関心を持っています。たとえばゲストルームやフィットネスジムといった共用設備があるマンションは人気です。EC取引が普及してきた昨今では、不在時に荷物を配達してもらえる宅配ボックスもアピールポイントになるでしょう。
駅近マンションなのに売れないときは、どのような方法で対処すれば良いのでしょうか。具体的な対処法としては、以下が挙げられます。
それぞれの対処法について、詳しく見ていきましょう。
相場より高い値段を付けている場合は、値段を見直すことで売れる可能性が高まります。値段を見直す際は、周辺相場を参考にするのがおすすめです。
周辺相場を自分で確認する方法は主に3つあります。
レインズマーケットインフォメーションは、国土交通省から指定を受けた不動産流通機構(REINS)が運営する不動産情報サイトです。最寄り駅や駅からの距離など詳細条件を絞り込んで、類似物件の成約情報を検索できます。
不動産情報ライブラリは国土交通省が提供している不動産情報サイトです。過去の成約情報を調べられるほか、地価公示など公的な価格も確認できます。なお成約価格についてはレインズマーケットインフォメーションと同じ情報です。
不動産ポータルサイトは、大手不動産会社などが提供している不動産情報サイトです。現在売り出し中の物件を検索できます。競合物件のリサーチをするのに最適なツールです。図面や写真なども掲載されていることがあり、物件の詳しい情報を知ることができます。
ハウスクリーニングをするだけで物件の見栄えが良くなり、売れやすくなることもあります。買い手が購入したいと思えるかどうかは、内見時の第一印象で決まることが多いためです。
ハウスクリーニングを利用すると、専門業者に部屋の清掃をお願いできます。いつもの掃除だけでは取り切れない汚れも、プロの技術で綺麗になります。
部屋全体を掃除してもらえるメニューや水回りなど汚れの目立つ箇所をスポット的に依頼できるメニューなど、さまざまです。費用相場は会社によって異なりますが、10万円以下でお願いできることが多いです。
内見の申し込みはたくさん来るのに、なかなか成約に結びつかない場合は物件の見栄えが悪い可能性があります。その場合は、ハウスクリーニングをすることで良い効果を得られるでしょう。ただし築古物件はハウスクリーニングをしても代わり映えしない場合があります。不動産会社と相談しながら、効果的な方法を選択してください。
需要が増える時期に物件を売り出すという方法も有効です。マンションは季節によって需要が変化します。そのため売れやすい時期を見極めてスケジュールを立てることが大切です。
マンションの場合、多くの需要が見込まれるのは2月〜3月頃です。この時期は新生活が始まり、引っ越しを検討する人が増えます。2〜3月に成約を目指すのであれば、売却活動の期間も加味して12月〜1月頃には売り出したほうが良いでしょう。反対に1月と8月は閑散期といわれているため、あまり需要がありません。
内覧時のアピール方法を見直すことで、成約につながりやすくなります。駅近マンションなのに売れない場合、買主へのアピールが足りていない可能性があるためです。
駅近の立地は確かに魅力的なポイントですが、他のアピールポイントもしっかりと伝えましょう。保育園や公園が近く子育てしやすい、安いスーパーマーケットがあって便利など、居住者ならではの情報を伝えると効果的です。
不動産会社の対応に疑問がある場合は、信頼できる会社に変えるのも一つの手です。駅近マンションであっても、不動産会社の対応に問題があるとなかなか売れません。不動産会社の担当者が物件の特徴を理解し、最適な販売戦略をとることが大切です。
売却の途中で不動産会社を変更することは、基本的には可能です。ただし変更が難しいケースもあります。売却を依頼する際不動産会社と媒介契約を結びますが、その契約期間内に業者を変更する場合は正当な解約理由が必要です。期間内の解約はトラブルが発生することもあるため、あまりおすすめできません。
駅近マンションは人気があり、資産価値が落ちにくい傾向があります。しかし何らかの理由によって駅近マンションなのに売れないというケースは少なくありません。
考えられる理由は値段や間取りなどさまざまです。理由に応じて適切な対策をとれば、成約につながりやすくなります。
もしマンション自体にデメリットがない場合、不動産会社の対応に問題がないかも確認しましょう。もし問題がある場合は、信頼できる不動産会社に乗り換えるのも手です。
住んでいた家を売却して、新居へ引っ越すことを「住み替え」といいます。住み替えは、旧居が売却できてから新居へ引っ越す方法が一般的です。そのため、家が売却できなければ引っ越しもスムーズにいきません。実際に、「引っ越したいのに家が売れない」と困っている人が多いのも実情です。そこで今回は、家が売れない理由や売れない家の特徴について解説します。また、家が売れないときの具体的な対処法についてもお伝えしますので、家が売れなくて悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
公益財団法人東日本不動産流通機構の調査によると、首都圏では家が売却できるまでに以下の日数がかかると報告しています。
成約に至るまでの平均日数 | |
---|---|
中古戸建て | 81.2日 |
中古マンション | 71.4日 |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」
これは、あくまでも首都圏のデータです。売れるまでの日数は、地域や物件の状況によって大きく変動するため、2、3ヶ月経っても売れないからといって焦る必要はありません。また、戸建てに比べてマンションの方が売れやすい傾向にあります。
これは、マンションの耐用年数が長さや、利便性の良さなどが影響しています。家が売れるまでの平均期間は一般的に3~6ヶ月程度と言われています。したがって、6ヶ月を過ぎてもなかなか動きがなければ対策を検討しましょう。
家がなかなか売れないのには、何らかの理由があると考えられます。売れない家の特徴についてまとめたので、ご自身の状況と照らし合わせながら確認していきましょう。
当てはまるものはありましたか?具体的な内容について項目ごとに解説します。
まず、最初に考えられるのは「売出価格が高い」ということです。売出価格は、売主が自由に決めることができます。ただし、「できるだけ高く売りたい」という理由だけで相場よりも売出価格を高くを設定するのは要注意。不動産売買では、販売価格が非常に重要であるため、安易に価格設定をすると売り逃しにつながります。
また、価格が相場より高いと検討候補から外されやすく、購入希望者が興味を持つ機会を減らしてしまいます。一方で安すぎる物件も疑念を抱かせたり、住宅の品質を疑われたりする可能性があります。売出価格を決めるときは、近辺の類似物件と比較しながら適正価格で売出すことを意識しましょう。
立地条件は、通勤・通学や日常生活の移動に大きく影響するため、家を選ぶうえで非常に重要な要素の一つです。駅やバス停まで遠い、交通の便が悪いなど、アクセスが不便な立地は、購入を検討するうえでマイナスポイントになります。したがって、立地条件が悪い家は売れにくいと言えます。
一方、不動産は、地域のイメージや治安の良さなども影響します。立地条件が悪くても、閑静な住宅街や歴史のある地域(鎌倉、浅草、京都など)である場合は好まれる傾向にあります。
家は見た目も重要で、外観の劣化が激しい、雑草が生い茂っている、水回りが汚い、クロスが黄ばんでいるなど、見た目が悪いと思うように売却は進みません。売主にとっては「古家」かもしれませんが、購入希望者にとっては「新居」です。そのため、なるべくキレイで生活感が少ない方が、興味を持ってもらいやすいでしょう。
また、実際はそれほど汚れていなくても、写真で見ると印象があまりよくないこともあります。近年は、インターネットで物件探しをすることが主流であるため、物件写真は反響に大きく関わります。現在家を売出し中であれば、自宅がどのようにインターネット上で公開されているのか確認してみましょう。
購入希望者の需要に合わない間取りは、売れにくい傾向にあります。たとえば、2LDKの間取りは、単身者には部屋が多すぎてしまい、反対に4人以上のファミリー世帯には部屋が少なすぎてしまいます。したがって、ターゲットは2人暮らし、または3人家族に限定されます。間取りの使い勝手に関しては個人差もありますが、特殊な間取りや使い勝手が悪い間取りは売れにくいと言えるでしょう。
築年数が古いことも売れない理由として挙げられます。戸建て住宅は、築10年を経過すると価値が下がると言われています。さらに、築25年を超えると売却の成約率はどんどん低下していきます。家を解体して更地にするという方法もありますが、古屋を解体するには数十万円~数百万円の解体費用が発生します。
買主にとっては経済的な負担が増えるため、マイナスポイントになるでしょう。このような理由から、築年数が古い家は売却がしにくく、空き家問題が深刻化する一つの要因とも考えられています。
首都圏では、3階建ての狭小住宅も珍しくないため、駐車場がない家や駐車場があっても軽自動車1台分ほどのスペースしかない家も頻繁に見られます。しかし、地域や立地によっては車が無いと生活できないエリアも数多くあります。特に、地方では公共交通機関が整備されていない場所も多く、車がないとそのような地域では、駐車場がない、また駐車場が狭い家は売れにくいでしょう。
早期売却を目指すためには、家を販売する時期にも気を付けなければなりません。不動産の繁忙期は、一般的に1月下旬から3月頃と言われています。これは、新年度や新学期に合わせて家探しを始める人が多いためです。一方、4月以降は購入者の動きも落ち着いてきます。次に忙しいのは、9月、10月の秋頃です。この時期は、人事異動を行う会社が多いためそれに伴う転居が増えます。
これらを踏まえると4月頃に売出した物件は、タイミングが悪く売れていない可能性もあります。販売時期が悪かったと心当たりがあれば、焦って価格を下げずに一度繁忙期を待ってから判断すると良いでしょう。
売出価格も適正であり、見た目も問題ない、にも関わらず家が売れないのは、不動産会社に以下のような原因があるかもしれません。
では、それぞれの内容について解説します。
売却を成功させるためには、家をアピールする魅力的な広告文や、熱心な宣伝活動が必要不可欠といえます。広告の例えで言うと、「駅徒歩10分以内」「◯畳の広々リビング」「ペット飼育可」「南向きで陽当り良好」など、物件の特徴がわかりやすいキャッチコピーが効果的です。また、不動産会社の担当者が他社へ営業したり、チラシをポスティングしたり、熱心な宣伝活動も必要です。
不動産会社に売却依頼をするときは、媒介契約を締結します。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、それぞれの特徴は下表の通りです。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
契約可能な不動産会社数 | ○ | ✕ (1社のみ) |
✕ (1社のみ) |
自己発見取引 | ○ | ○ | ✕ |
契約期間 | なし | 3カ月 | 3カ月 |
レインズ登録義務 | なし | 7日以内 | 5日以内 |
業務の報告義務 | なし | 2週間に1回 | 1週間に1回 |
媒介契約の種類によって不動産会社の対応が異なる場合があります。特に、「一般媒介契約」は、売主が複数の不動産会社へ売却を依頼することができるため、熱心な販売活動が行われないこともあります。不動産会社から、具体的な販売戦略が提案されていない、定期的な状況報告がない、半年以上経っても動きがない場合は、不動産会社を変えるか媒介契約の種類を変更するのも有効な方法です。
囲い込みが疑われる場合、売主は大きな不利益を被るため注意が必要です。囲い込みとは、不動産会社が売主と買主から仲介手数料を得るために、物件情報を市場に公開しない行為のこと。つまり、他の不動産会社はその物件が売り出されていることがわからず、購入希望者に紹介することができません。
その結果「家が売れない」という状況に陥ります。囲い込みは売主にとっては損しかありません。怪しいと感じたら、不動産会社に「登録用証明書」を発行してもらい、不動産流通システムに情報掲載しているか確認しましょう。
ここまで売れない家の特徴についてお伝えしましたが、当てはまるものがあったとしても諦める必要はありません。引っ越したいのに家が売れなくて困っている方は、以下の方法を取り入れてみてください。
項目ごとに具体的な内容について解説します。
「問い合わせが少ない」「内覧希望者が来ない」という状況が続く場合、相場より売出価格が高い可能性があります。まずは、以下の方法で物件の相場を確かめてみましょう。
これらの確認を経て、売出価格が相場より高い場合や、物件の条件が需要に見合っていない場合は、売出価格を下げましょう。ただし、一度価格を下げてしまうと、変更前の価格に戻すことは原則できません。したがって、売出価格を下げるときは不動産会社とよく相談したうえで判断しましょう。
先にお伝えしたように、不動産には売れやすい時期があります。売却を急いでいない方は、売却時期を見直してみるのもおすすめです。1年の中で最も不動産が売れやすくなるのは、2月~3月です。4月から新生活に合わせて引っ越しを検討する人も多いため、この時期に間に合うよう売り出すと売れやすくなります。
物件の印象をよくするためには、ハウスクリーニングがおすすめです。特に汚れが目立ちやすい、キッチン、トイレ、浴室などの水回りは、プロに依頼することで新築のような仕上がりになります。生活感が強く出過ぎている物件は売れにくい傾向にあるため、ハウスクリーニングを利用して清潔感をアピールしましょう。
内覧希望者が少ないときは、広告内容に問題があるかもしれません。たとえば、物件の情報が不足している、写真写りが悪い、物件の魅力が伝わらないなどが考えられます。広告を出すときはターゲット層を明確にして、興味を持ってもらえるような内容を記載することが大切です。まずは、物件がどのように掲載されているか見てみましょう。そこで上記に該当するようであれば、広告の見直しを検討しましょう。
ホームインスペクションとは、簡単に言うと中古住宅の住宅検査のことです。建築士やホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から住宅に欠陥がないか診断します。自宅の売り出し前にホームインスペクションを実施することで、建物のコンディションを把握し、安心して取引を行うことができます。
また、「あとどれくらい住めるのか」「いつごろ、どこに不具合が出るのか」など、詳しい状況を把握することができるため、購入希望者に安心感を与える効果も期待できます。
不動産会社に問題があると思ったときは、思い切って不動産会社を変えましょう。実は、不動産会社にも得手不得手があり、売却が得意な不動産会社ばかりではありません。そのため、不動産会社の実績や事例から得意分野を調べて、売却が得意な不動産会社に依頼することで売れやすくなる可能性があります。
不動産の売却方法は、「仲介」と「買取」があります。一般的な売却方法は「仲介」で、不動産会社に購入希望者を探してもらう方法です。一方、「買取」は不動産会社に直接買い取ってもらう売却方法です。仲介に比べて、買取価格が安くなるというデメリットがありますが、査定額が付けば必ず買い取ってもらうことができます。そのため、売却にあまり時間をかけたくない方や、まとまった現金が必要な方には「買取」がおすすめです。
引っ越したいのに家が売れないと「どうなるの?」と焦ってしまう方もいるかもしれません。しかし、むやみに不安にならず、まずは家が売れないときのリスクを考えてみましょう。
これらのリスクを考慮しながら、今後の販売戦略を立てることが大切です。それでは、項目ごとに具体的な内容を見ていきましょう。
住み替えをする人の多くは、旧居を売却して得た資金で新居を購入します。これを「売り先行」といいます。しかし、思うように家が売却できなければ、新居を購入することができません。また、引っ越しの遅れにもつながるため、子どもの入学や急な転勤など、調整できない予定がある場合は注意が必要です。
旧居が売れなくても、ダブルローンを組めるくらい資金に余裕があれば問題ありません。ただし、旧居の住宅ローンが残っていると、新居の住宅ローン審査に影響が出る可能性があります。ダブルローンは、年収に占める年間返済額の割合である返済比率が高いため、審査が厳しく、金利が高いという特徴があります。
そのため、住宅ローンの審査に通らない人も少なくありません。ダブルローンを組む余裕がない場合は、なるべく早く売却できるよう戦略を立て直しましょう。
旧居が売却できないまま新居を購入した場合、固定資産税の支払いが2件分になる可能性があります。固定資産税は、その年の1月1日時点で所有している不動産に対してかかります。したがって、旧居を所有している同年に新居を購入すると、固定資産税を2件分支払う必要があるため注意しましょう。
家の売却がスムーズにいかないことで、賃貸物件へ引っ越さなくてはならないケースもあります。そうすると、住宅ローンと家賃の二重払いが発生するため家計への大きな負担となるでしょう。どうしても賃貸へ引っ越しが必要な時は、無計画での引っ越しは避け、目安を定めておくことが大切です。たとえば、「半年間売れなければ売出価格を下げる」、「3か月経ったら不動産買取を依頼する」などを検討しましょう。
住みながらの売却は、購入希望者の内覧対応をしなくてはなりません。購入希望者に好感を持ってもらうには、小まめに掃除をしたり、いらないものは処分したり、なるべく生活感を出さない工夫が必要です。しかし、小さなお子さんがいるご家庭は、日々家をキレイに保つだけでも大変でしょう。売れない期間が長ければ、その分、家を管理する手間が長引くため負担になりかねません。
また、住宅設備や瑕疵に関しても点検しておく必要があります。たとえば、雨漏れやひび割れの点検、シロアリ駆除、換気などが挙げられます。これらは手間だけでなく、コストがかかる可能性もあるためリスクは大きいと言えます。
家が売れないからといって、必ずしも行動に出る必要はありません。焦って行動したことが逆効果になる可能性もあります。特に、「空き家にする」、「リフォームする」、「解体する」これらの行動は要注意です。なぜ注意すべきなのか、それぞれの内容について解説します。
家が売れないからといって、空き家状態にして放置するのだけは避けましょう。空き家を放置すると老朽化が進行する、損害賠償請求される恐れがある、など様々なリスクがあります。また、管理を怠り「特定空き家」に指定されれば、土地の固定資産税が増額されたり、強制的に解体されたりする可能性もあります。
そうなると、所有者は金銭的にも、体力的にも負担が増してしまいます。したがって、できる限り空き家にはせず、家の管理は怠らないようにしましょう。
「リフォームすれば買い手が見つかる」と考える人も多いですが、リフォームしたからといってすぐに売れるわけではありません。売主はよかれと思ってリフォームしても、近年は、古家を購入して自分好みにDIYしたいという人も増えています。購入者にはそれぞれの好みがあるため、必ずしもリフォームが売却につながるとは言えません。
また、リフォームするためには費用がかかります。リフォームしても売れなければ工事費用が無駄になったり、新居の購入費用が足りなくなったりする可能性もあります。したがって、売主判断でリフォームすることは避け、まずは売却を依頼している不動産会社に相談してみると良いでしょう。
建物が老朽化している場合、「解体して土地として売り出せば売却できるのではないか」と考える方もいるでしょう。しかし、空き家を解体したところで、土地に魅力がなければ売却できる見込みは薄いです。しかも、土地が売れ残れば、数百万円かかる解体費用が赤字になってしまうこともあるのです。
また、家を解体すると「住宅用地特例」という減税制度が利用できなくなるため、固定資産税が増額する可能性があります。したがって、売れないからといって安易に解体するのはおすすめできません。
家がなかなか売れない場合、売出価格が高い、立地条件が悪い、建物が老朽化している、広告宣伝が不十分など、様々な原因が考えられます。記事の中でもお伝えしましたが、家が売れるまでの期間は一般的に3ヶ月~6ヶ月と言われています。ただし、これは物件の状況によって大きく変わるため、あくまでも参考程度に考えておきましょう。
また、売れない家の特徴についても解説しましたが、当てはまるものが多かったからといって焦る必要はありません。売却戦略を立て直したり、記事の中で紹介した対処法を実践してみたり、まずはコストをかけずに変えられることを試してみましょう。
「これ以上売却に時間をかけられない」、「すぐに現金が必要」という方は、不動産会社へ買取依頼するのも有効です。不動産買取であれば、なかなか買い手がつかない老朽化した物件でも買い取ってもらえる可能性があります。家が売れないからといって空き家にしたり、リフォームしたり、解体するのは避け、ご自身やご家族の状況に合った売却方法を検討しましょう。
人生は思いがけないことが起こるものです。会社都合の転勤や予期せぬ離婚など、ライフタイルの変化によって引っ越しを余儀なくされることもあるでしょう。そのため、「住宅ローンが残っているけど、引っ越しできる?」と不安に感じる方も少なくありません。では、実際に住宅ローンが残ったままでも、引っ越すことはできるのでしょうか。結論からお伝えすると、引っ越しは可能です。
ただし、引っ越しする際にはいくつか注意点があります。そこで今回の記事では、住宅ローンがあるけど引っ越す方法や注意点について具体的に解説します。ぜひ今後の参考にお役立てください。
住宅ローンが残っている状態で引っ越しをする場合、次に紹介する「基本的な考え方」を理解しておくことが大切です。
では、具体的な内容について見ていきましょう。
住宅ローンのある物件は、基本的に売却することができません。なぜなら、住宅ローンを組んで家を購入すると、金融機関は不動産に対して「抵当権」を設定するからです。抵当権とは、住宅ローンを滞納したときに担保として不動産を差し押さえることができる権利のこと。
つまり、抵当権が設定されている家は、家を差し押さえられるリスクがあるのです。抵当権が設定されている家を「購入したい」と考える人はほとんどいません。そのため、住宅ローンがある物件を売却する場合は、まず抵当権を抹消する必要があるのです。
住宅ローンのある物件は、原則、第三者へ貸し出しすることはできません。なぜなら、住宅ローンの本来の目的は、マイホームとして居住するための不動産に対して行う融資だからです。さらに住宅ローンを借りるときは、金融機関と金銭消費貸借契約を交わしますが、以下のような条件が含まれています。
つまり、他者への貸し出しは契約違反になるのです。万が一賃貸に出している事実が発覚すれば、金融機関から指導を受ける場合があります。さらに指導に従わない場合は、住宅ローンの一括返済を求められる可能性があるため注意しましょう。
「売却も貸し出しも出来ないなら引っ越しは諦めよう」と思う方もいるかもしれませんが、まだ諦めないでください。住宅ローンがあっても、以下に該当する場合は引っ越しできる可能性があります。
それでは項目ごとに見ていきましょう。
たとえば、単身赴任のため父だけ引っ越す場合や、子どもが進学や就職のために引っ越す場合は問題もなく引っ越しできます。このとき、住宅ローンの契約者が引っ越す場合は、あらかじめ金融機関に説明しておくことが大切です。
住宅ローンのある物件は、原則引っ越しできません。しかし、転勤や介護などやむを得ない理由がある場合は、住宅ローンがあっても引っ越すことができます。その際は、事前に金融機関の承諾が必要です。金融機関から承諾を得られた場合に限り、住宅ローンが残っていても貸し出しや売却が可能となります。また、海外赴任などで一時的に引っ越しする場合も、金融機関へ事前に相談しておきましょう。
住宅ローンがある状態で引っ越しする方法は以下の通りです。
では、具体的な内容について解説します。
前項でお伝えしたように、一部の家族が引っ越すのであれば問題なく引っ越しできます。また、一時的な転勤や、やむを得ない理由がある場合は、金融機関の承諾を得れば、家族全員で引っ越しすることもできます。ただし、家を長期間空けておくと、空き巣や放火など犯罪のリスクが高くなります。したがって金融機関によっては、一括返済を求められる可能性もあります。
海外赴任や介護など、一時的な理由で空き家になる場合は、「リロケーション」と呼ばれる一時貸し出しを利用するのも有効な方法です。ただし、リロケーションを利用するためには2つの注意点があります。
まず1つ目は、金融機関の承諾を得ること。そもそも住宅ローンには、「購入者が居住すること」いう条件があります。第三者に貸し出すことは本来の融資条件と異なるため、通常であれば住宅ローンは利用できません。したがって、リロケーションを利用するためには金融機関の事前承諾が必要です。
2つ目は、住宅ローン減税の適用外になるということ。住宅ローン減税とは、無理のない負担で居住ニーズに応じた住宅を確保することを促進するため、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、年末のローン残高0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。詳しくは、国土交通省「住宅ローン減税制度について」をご確認ください。
購入者が居住していないリロケーション期間中は、住宅ローン減税を受けることはできません。ただし、自宅に戻ったときに控除の残存期間があれば、再度住宅ローン減税を受けることができます。また、単身赴任や家の買い替えでは住宅ローン控除が適用されます。住宅ローン控除については、引っ越しをした場合!住宅ローン控除「を受けられないケース」でより詳しく解説します。
3つ目は、家を売却してから引っ越す方法です。家が売却できれば、好きなタイミングで自由に引っ越しすることができます。ただし、住宅ローンのある家を売る場合は、「アンダーローン」と「オーバーローン」で対応方法が異なります。
家の売却価格よりも住宅ローンが下回っている状態を「アンダーローン」といいます。たとえば、ローン残債2,000万円の物件が、売却価格2,300万円で売却できたと仮定しましょう。この場合、売却時にローンが一括返済でき、さらに手元には300万円が残るため新居費用に充てることもできます。したがって、住宅ローンのある家では、アンダーローンで引っ越しするのが理想的です。
一方、家の売却価格よりも住宅ローンが上回っている状態を「オーバーローン」といいます。オーバーローンの場合、住宅ローンを完済し抵当権を「抹消」しなければ売却することはできません。たとえば、ローン残債2,000万円、売却価格1,700万円の場合、ローンが300万円残ってしまいます。このとき、自己資金で300万円用意できれば問題ありませんが、用意できない場合は他の方法を検討する必要があります。
住宅ローンがある家から引っ越しするためには、住宅ローンを完済できるかどうかが鍵を握ります。ただし、完済できなくても新たな住宅ローンを組むという方法もあります。この章では、住宅ローンを完済するための具体的な4つの方法をご紹介します。
ご自身に合った無理のない返済方法を見つけてください。
先にお伝えしたように、住宅ローンがある家は、家を売却した代金で住宅ローンを一括返済するのが原則です。アンダーローン(家の売却価格よりも住宅ローンが下回っている状態)で住宅ローンを一括返済できれば、抵当権が解除されるためスムーズに売却を進めることができます。しかし、住宅の価値は10年程度で下がっていくため、アンダーローンで一括返済するのはなかなか難しいのが実情です。
オーバーローン(家の売却価格よりも住宅ローンの残債が上回っている状態)の場合、住宅ローン残債の不足分を自己資金で補填することで一括返済として認められます。ただし、自己資金を使う場合は、無理のない資金計画を立てることが重要です。まずは住宅ローンの残債を把握し、売却査定を行うことで自己資金がいくら必要なのか確認しましょう。
「住み替えローン」を利用するのも一つの手段です。住み替えローンとは、新居の購入費用に現居のローン残債を上乗せして借入できるローンのこと。住み替えローンは、自己資金の負担を減らし、希望のタイミングで買い替えできるというメリットがあります。ただし、ローン借入額が増えるため銀行の審査が厳しい、金利が高い、毎月の返済が大きいというデメリットも。そのため、住み替えローンの利用は慎重に検討しましょう。
ダブルローンは、現居と新居の住宅ローンを一時的に並行して組む方法です。2つのローンを同時に組むことからダブルローンと呼ばれ、新居を購入してから現居を売る「買い先行」という住み替えで多く利用されます。ダブルローンは、住み替えがしやすいというメリットがある一方で、ローン審査が厳しい、金融機関が限られるなどのデメリットもあります。
また、住み替えローンと同様に、毎月の返済負担が大きくなります。収入に対して毎月の返済額が大きすぎる、自己資金を持っていないという人は利用を控えた方が安心でしょう。
長い人生、何が起こるかわかりません。「住宅ローンがあるけど、どうしても引っ越しをしなくてはならない」というのは、住宅ローンを組んだ人なら誰にでも起こり得る問題です。ここからは、住宅ローンがあるけど引っ越したい場合の注意点について解説します。
住宅ローンがある家を売却する際は、まず住宅ローンの残債がいくらあるのか把握することが重要です。残債を確認することで、売却した方が良いのか、このまま住み続けた方が良いのか検討することができます。
また、その後の資金計画も立てやすくなります。なお、住宅ローンの残債は、借入融資期間のウェブサイト、郵送される残高証明、返済予定表などで確認することができます。調べ方がわからない人は、融資先の金融機関へ相談しましょう。
売却を決めたら不動産会社に売却査定を依頼し、おおよその売却査定相場を調べておきましょう。査定には「机上査定」と「訪問査定」があり、机上査定は物件のデータ(築年数、立地、面積など)を元に査定額を算出する方法です。
机上査定なら、すぐに査定結果を知ることができます。一方、「訪問査定」は、実際に住宅を見て売却価格を割り出す方法です。正確な査定額を知ることができますが、査定結果がわかるまで数日かかるでしょう。
引っ越す理由が「離婚」である場合、家が財産分与の対象となります。財産分与とは、婚姻期間中に築いた財産を夫婦で分割することをいいます。たとえ住宅の名義が夫婦のどちらかであっても財産分与の対象となるため注意が必要です。
また、家を売却して利益が出た場合も財産分与の対象となります。離婚の場合、通常の売却とは異なり、内容が複雑になるケースも多いものです。したがって、財産分与がうまく進まないときは弁護士や専門家に相談しましょう。
家を住宅ローンで購入すると、「住宅ローン控除」を受けることができます。ただし、住宅ローン控除を受けるためには、「契約者やその家族が住宅ローン控除を受ける年の12月31日まで居住していること」という条件があります。
したがって、住宅ローン控除対象の家から家族全員で引っ越しをすると、基本的に住宅ローン控除は受けられません。なお、2024年1月から住宅ローン控除の仕組みが以下のように変更されました。
概要 | |
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借入限度額 | 子育て世帯・若者世帯(18歳以下の子どもがいる、もしくは夫婦いずれかが39歳以下の世帯)が2024年に入居する場合、以下の水準を維持する。 認定住宅:5,000万円/ZEH水準省エネ住宅:4,500万円/省エネ基準適合住宅:4,000万円 |
床面積要件緩和措置の期限 | 新築住宅の床面積要件を40平米以上に緩和する措置(合計所得金額1,000万円以下の年分)の建築確認の期限を以下の通り延長する 2,023年12月31日→2024年12月31日まで |
新築住宅の条件 | 2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準を満たす住宅であることを条件とする |
参考:国土交通省「住宅ローン減税」
2024年1月以降、住宅ローン控除を受けるためには「省エネ性能基準」に適合する必要があるため注意が必要です。
引っ越しをしても以下に該当する場合は、住宅ローン控除を受け続けることができます。
項目ごとに詳しく解説します。
会社からの急な転勤辞令や、転職することになった場合、家族を残して単身赴任するのであれば住宅ローン控除を継続することができます。なお、単身赴任先が海外である場合、平成28年4月1日以降に住宅を購入した人に限定されるため注意しましょう。詳しくは、国税庁「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等をご確認ください。
家族全員で引っ越しをしても、適用期間の10年間の間に戻ってくれば、残りの年数については住宅ローン控除を受けることができます。たとえば、マイホームを購入して5年後に転勤が決まり、2年後に転勤を終えて戻ってきたとします。この場合、残りの3年間については確定申告を行うことで住宅ローン控除が再適用されます。
現在の家で住宅ローン控除の期間が終了していても、新たに住宅を購入すれば、再度住宅ローン控除を受けることができます。また、マイホームの買い替えを行う場合は、買い替え特例を利用できる場合があります。住宅ローン控除と買い替え特例は、「併用できるもの」と「併用できないもの」があるため、何を選択すべきか慎重に検討しましょう。なお、家を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合に使える以下の特例は、すべて住宅ローン控除とは併用できません。
一方、売却損が出たときに利用できる「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」は、住宅ローン控除と併用可能です。詳しくは、国税庁「No.3370マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)をご確認ください。
二世帯住宅で親家族もしくは子家族のどちらかを残して引っ越しする場合、残る方の家族を「扶養していること」が認められた場合のみ、住宅ローン控除を受けることができます。ただし、生計を一にしない家族が残る場合は、住宅ローン控除は受けられません。
これまで紹介したように、住宅ローンがある家でも引っ越しは可能です。ただし、次に紹介するNG行為はリスクが大きく、トラブルになる可能性が高いため避けましょう。
それぞれNG行為とされる理由について解説します。
「住民票を移さなければ、転居したことがばれない」と考える方もいるかもしれません。しかし、転居届を出さないままにしておくと、脱税を疑われる可能性があります。また、税務署にばれると5万円以下の過料が徴収されるケースがありますので、引っ越しした際は必ず住民票を移しましょう。
先にお伝えしたように、住宅ローンを組んで購入した家には、担保として抵当権が設定されます。そのため、事前に融資元の金融機関へ相談し、引っ越しの具体的な理由や今後の流れなどについて話し合い、引っ越しの承諾を得ることが重要です。なお、金融機関に無断で引っ越しを行うと、住宅ローンの一括返済を求められる可能性があります。トラブルを避けるためにも、必ず金融機関の承諾を得てから引っ越しを行いましょう。
今回は、住宅ローンがあるけど引っ越したいときの具体的な方法についてお伝えしました。住宅ローンがある家は、原則そのまま売却すること、貸し出すことはできません。したがって、まずは住宅ローンを一括返済する方法を考えることが大切です。
住宅ローンを返済するためには、家を売却して一括返済する、オーバーローンであれば自己資金を補填する、住み替えローンやダブルローンを組むなど、さまざまな方法があります。ただし、どの方法にもメリット・デメリットがあるため、ご自身にあった無理のない返済方法を検討しましょう。また、困ったときは自己判断せず、金融機関へ相談するのがおすすめです。今の状況から考えられる選択肢と、「最善の方法は何か」アドバイスがもらえるでしょう
24時間換気口は、住まいの快適性を保つために欠かせない設備です。2003年に改正された建築基準法によって義務化され、それ以降に建てられた家には必ず設置されています。
おかげで空気を常時入れ替えることができ、室内を清潔に保てるようになりました。一方で外気を取り込んで室内の空気を排出する性質上、吸気口近くが寒いと感じることがあります。
この記事では24時間換気口で部屋が寒い原因と、どのような寒さ対策が有効か解説します。部屋の寒さに頭を悩ませている方は、ぜひ参考にしてください。
部屋が寒いと感じるときは、以下の2つの原因が考えられます。
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
1つ目は24時間換気システムが原因で、部屋に冷気が流れ込んでいる場合です。
24時間換気システムは部屋の空気を入れ替えるために、1日中換気し続けます。常に外から空気が入ってくることから、せっかく暖房をつけていても部屋が冷えてしまうことも少なくありません。
また換気口の吸音材が寒さの原因になっていることもあります。換気口のなかに吸音材が取り付けられている場合、空気の通り道が細くなります。そうなると中を通り抜ける空気のスピードは早くなり、寒く感じやすいです。
マンションが古いことが原因で、部屋が寒くなることもあります。築古のマンションは、新築に比べて断熱性が低いことが多いからです。
古いマンションは断熱材が入っていない可能性や、性能の低い断熱材が入っている可能性が考えられます。
窓から熱が逃げているケースも少なくありません。窓の性能が低かったり劣化していたりすると、隙間風が吹いて寒く感じます。
マンションの換気口には以下の3種類があります。
換気口の種類ごとの特徴について解説します。
第一種換気は吸気口と排気口の両方に機械を設置して空気を入れ替える仕組みです。機械により効率的に空気の流れを制御することができます。
熱交換器が搭載されていれば、マンションの中と外の温度差を調整可能なので寒さを感じにくいです。その一方で、イニシャルコストやメンテナンスコストが高くなる点がネックです。
第二種換気は吸気口だけに機械を設置し、排気は自然換気でおこなう仕組みです。機械によって強制的に空気を入れ、自然の流れで排出します。この方式はマンションでは利用されていません。
外から汚れた空気が侵入しにくく、空気を清浄に保てることから、クリーンルームなどで採用されることが多いです。
吸気は自然換気、排気は機械換気でおこなう仕組みが第三種換気です。ほとんどのマンションでは、この方式が採用されています。
機械で排気をおこなうため、室内のにおいや水蒸気が広がりません。導入コストが安いことも利点として挙げられます。一方で外気の影響を受けやすく、寒さを感じやすいのが難点です。
なぜ24時間換気システムが設置されているのかというと、法律により義務化されているからです。建築基準法によると、住宅の居室では1時間に部屋の半分の空気が入れ替わることが必要とされています。
改正の背景はシックハウス症候群の予防が挙げられますが、その他に以下の対策としても効果を発揮します。
そのため寒いからといって、むやみに24時間換気システムを止めるのは禁物です。建物や人体にさまざまな影響を及ぼす恐れがあります。
部屋に嫌な臭いが滞留するのを防いでくれます。
家の臭いの原因はタバコやペット臭など、さまざまです。油汚れや体臭も生活臭の一部になりますが、毎日暮らしているとなかなか気づきにくくなります。
放っておくと、臭いが壁や床に染みついてしまうこともあります。生活臭を軽減するためには、24時間換気システムは欠かせない存在です。
吸気と排気を常時おこなうことで、室内の水蒸気を外に出してくれます。もし止めてしまうと、湿気を含んだ空気が滞留することで湿度が上昇し、カビが発生しやすくなります。
一度カビが発生してしまうと、完全に除去するのは大変です。壁紙の変色や剥がれなどを起こすと、見栄えが良くありません。さらにマンションの躯体までカビが浸食すると、建物が傷んでしまいます。
24時間換気システムだけですべてのカビの発生を食い止めるのは難しいですが、湿度をコントロールする大切な役割を果たしています。
アレルギーの原因物質の発生を防ぎ、居住者の健康を保ちます。アレルギーの原因になるのは、ダニやカビ、ホコリなどのハウスダストです。ハウスダストを除去するための手段として、換気は有効です。
一方で換気では外気を取り込むことから、花粉やPM2.5によるアレルギーが心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。専用のフィルターをつければ、外からの汚染物質の侵入も防いでくれるので安心です。
24時間換気システムは、もともとシックハウス症候群の予防を目的として法律で義務化された経緯があります。
シックハウス症候群とは、建材や家具などから生じる化学物質を吸うことにより引き起こされる体調不良です。冷暖房効率を上げるために住宅が高気密になり、化学物質が排出されにくくなったことが一因と考えられています。
室内の汚染された空気と、新鮮な空気を入れ替える換気によって、シックハウス症候群の発症を抑えます。
大規模な工事をしなくても、自分で換気口を調整して寒さを防ぐ方法が2つあります。2つともあまり費用がかからないため、気軽に試すことが可能です。
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
換気口に専用のカバーを設置することで、冷気が入りにくくなります。カバーによって直線状の風の流れが上下左右に分散されるためです。
カバーは1,500円〜5,000円前後で、手軽な金額で入手できます。断熱材や吸音材が付いているカバーや、ゴムで密閉できるカバーなども選択可能です。換気口の上にかぶせるだけなので、自分で簡単に設置できます。
もしくは自前の布や紙で吸気口の一部を覆うという方法もあります。
カバーよりももっと安価に取り付けられるのが、専用フィルターです。1枚300円~700円程度で購入できます。
本来花粉やホコリを通さない目的の商品なので、寒さ対策専用のグッズではありませんが、寒さは少し和らぎます。
ただしフィルターを設置した場合は、ごみがたまりやすくなります。定期的な清掃や交換を心がけましょう。
換気口以外にも、自分でできる有効な寒さ対策が2つあります。
暖房器具を増やしたり高性能なものに買い替えたりすれば、多少換気口から冷気が入ってきても気になりません。エアコンだけでなく、ホットカーペットやこたつ、ストーブなどがあると温かくなります。
さらにサーキュレーターを追加すると、効率的に温めることが可能です。温かい空気は上、冷たい空気は下にたまる性質があります。サーキュレーターで攪拌すれば上にたまりがちな温かい空気を室内にまんべんなく行きわたらせることができるでしょう。
遮光カーテンを付けて、冷たい空気をシャットアウトするのも効果的です。
一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会によると、冬の暖房時の熱が開口部から流出する割合は58%となっています。窓には断熱性が入っておらず、厚みもないことが原因です。
遮光カーテンは光を通さないよう、高い密度で織られていて、寒さを通しにくいです。生地が厚いカーテンを選べば、断熱効果が期待できます。
より断熱性の高いものを選びたい場合は、遮熱断熱カーテンという種類もあります。生地を複数重ねて、樹脂コーティングしてあり、しっかりと防寒することが可能です。
24時間換気システムの寒さは、さまざまな対策によって緩和することが可能です。しかし部屋の寒さがどうしても気になる場合は、引っ越しや売却を検討するという手もあります。
まずは不動産会社に売却の相談をし、査定をしてもらうのがおすすめです。自宅がどのくらいの価値があるのか、どんなアピールポイントがあるのか、客観的な意見を聞くことができます。
たとえ部屋が寒くても、築年数が浅かったり立地の利便性が高かったりすれば、購入希望者が集まる可能性があります。一人で悩まずにまずは取引のプロに相談してみましょう。
24時間換気システムは、家の中の空気を常時入れ替えるシステムのことです。2003年の改正建築基準法から24時間換気システムが義務化されています。
家の中と外の空気を自動的に循環させるため、寒さを感じる原因になることがあります。換気の仕組みは3種類ありますが、特に第三種換気は寒さを感じやすいです。
換気口からの寒さは、ある程度自分で対策をすることができます。換気口カバーやフィルターを設置する方法は、安い価格で手軽にできる対策です。
しかし自分だけでおこなう対策には限界があります。寒さに耐えられない場合は、引っ越しや売却をおこない、新しい家に住むのも有効な手段です。対策をしても効果を実感できなければ、不動産会社に売却を相談してみてはいかがでしょうか。
借地権付き建物は権利関係が複雑であるため、土地と建物両方を所有している場合よりも売却のハードルが上がります。借地権付き建物を所有していて、いざというとき売れるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では借地権付き建物は本当に売れないのか解説し、売却を成功させるためのポイントをご紹介します。借地権付き建物を所有している方は、ぜひ参考にしてください。
借地権付き建物とは、地主から借りた土地の上に建っている建物を指します。土地は地主の持ち物、建物は自分の持ち物というように、土地と建物の所有者が異なります。
借地権とは、簡単にいうと建物を所有する目的で土地を借りられる権利です。
価格が安いことや土地の固定資産税・都市計画税がかからないことがメリットです。通常の不動産に比べて、購入や所有にかかる費用を節約できるのは魅力的なポイントといえるでしょう。
地上権と賃借権という2つを合わせて、借地権と呼びます。地上権も賃借権も、借地料を支払うことで土地を利用できる点は共通です。
しかし建物の売却や建て替えにおける自由度が違います。地上権は自由に建物の売却や建て替えができる一方、賃借権は地主への許可が必要です。
地上権か賃借権どちらにするかは、土地を借りるときに地主と借地人の間で決めます。ほとんどのケースでは、賃借権が設定されることが多いです。
借地権は3種類に分類でき、存続期間や更新の可否が異なります。それぞれの特徴をまとめました。
存続期間が50年以上と長めに設定されている代わりに、契約の更新ができません。期間満了後は契約が終了し、借地人は建物を解体して更地で返還する必要があります。
借りている土地が定期借地権の場合、存続期間が残りわずかだと売れにくいです。期間満了に伴い自動的に契約が終了するため、利用期間が短くなってしまうからです。
存続期間は30年以上で、契約を更新できます。地主は、正当な事由なしに更新を拒否できません。更新後の存続期間は20年以上、2回目以降は10年以上です。
大正10年に施行された借地法に基づく権利になります。1992年7月31日以前から土地を借りている場合は、旧法借地権である可能性が高いです。
存続期間は木造20年以上、鉄骨造・鉄筋コンクリート造は30年以上と定められています。契約は更新可能で、建物が建っている間は自動更新されます。地主は正当な理由がなければ、更新を拒否できません。借地人の権利が強く、半永久的に土地を使えます。
借地権付き建物は、地主から許可を得られれば売れます。ただし難易度が高く、安い価格でしか売れない可能性があります。その理由は以下のとおりです。
借地人は地主に対して、借地料を支払わなければなりません。土地は地主の所有物であるためです。
家賃の支払いが嫌でマイホームを買いたい人は、借地料がかかることに抵抗を感じるでしょう。特に老後は勤労収入が減ってしまうため、毎月の出費に負担を感じる人も少なくありません。
建て替えや大規模なリフォームに対して制限を受けます。土地賃貸借契約に増改築禁止特約がある場合は、地主の承諾を得なければなりません。承諾をもらう際は、地主から増改築承諾料を求められるのが一般的です。
小規模なリフォームであれば、承諾不要なケースが多いです。しかしリフォームが小規模か大規模かの判断は人によって分かれます。本当は小規模な工事なのに大規模と勘違いされてはトラブルの元です。大なり小なり工事を実施するときは、その内容を共有しておいたほうが良いでしょう。
地主に無断で工事をおこなうと契約違反とみなされ、契約解除となってしまう恐れがあります。自分の家なのに好きなように建て替えやリフォームすることが許されず、不便さを感じる買主は少なくありません。
建物を売るときも地主の許可を得ることが不可欠です。無断で売ってしまうと、契約解除となり土地を返還しなければなりません。
また地主に承諾をもらう際に、譲渡承諾料の支払いを求められることが多いです。譲渡承諾料の相場は、借地権価格の10%程度といわれています。
住宅ローンの審査に通りにくく、銀行からの借り入れができないこともあります。
土地は地主名義であるため、銀行は建物にしか抵当権を設定できません。建物のみでは担保価値が低下することから、多くの銀行は住宅ローン融資を敬遠してしまうのです。
住宅ローンを利用できないことは買主にとって大きな障害となるため、売却が困難になることが予想されます。
売却方法は、以下のとおりです。
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
一つ目は、第三者に売却する方法です。この場合は先述のとおり、地主の許可を得て譲渡承諾料を支払う必要があります。
二つ目は、地主に売却する方法です。借地権を買い取れば、土地の権利が戻ってきて完全な所有権になります。土地を自由に使えて資産価値も高まるため、買い取りに応じてくれる可能性があります。
ただ安定した借地料を得ることを望んでいる地主も少なくありません。その場合は買い取りを打診しても、断られる可能性があります。
地主の持つ底地権を買い取り、土地と建物両方の所有権を持った状態で売却します。底地権を買い取らずに、地主と協力して第三者に買い取ってもらうのも一つの手です。
地主が税金の負担を重く感じている場合や、借地料の利益が出ていない場合には、協力してくれる可能性があります。
完全な所有権であれば建て替えやリフォームで制限を受けることもありません。土地と建物を好きなように使えるため、購入検討者が集まりやすくなるでしょう。
借地権付き建物を売るときは、以下の手順で進めます。
それぞれの手順でやるべきことを解説します。
まずは仲介を依頼する不動産会社を複数社ピックアップします。借地権付き建物の売却は専門性が高いため、類似物件の売却経験や交渉力の強さを軸に選ぶのがポイントです。
会社をピックアップしたら、売却について相談し、物件を査定してもらいます。査定結果や担当者の対応などを総合的に判断し、媒介契約を結ぶ会社を決めます。
地主に事情を相談し、売却の許可をもらいます。関係性にもよりますが、不動産会社の担当者をとおして交渉したほうがスムーズに進むことが多いです。
先ほど紹介したように3つの売却方法がありますが、いずれも地主なしには前に進められません。さまざまな事情を鑑み、どの方法で進めるのが最適なのか決めましょう。
物件の強みを効果的にアピールできると、多くの購入検討者を惹きつけられます。たとえば価格の安さは、ぜひ伝えたいアピールポイントです。
売却活動の方法は、インターネット広告やチラシ、住宅情報誌などさまざまです。売主の事情や物件の特性にあった方法で売却活動をおこないましょう。
買主が現れたら、価格や引き渡し時期の交渉をおこない、合意できれば売買契約を結びます。第三者に売却する場合は売買契約時に地主から承諾書もらう必要があるため、事前に準備が必要です。
また買主と地主の間で、借地権に関する重要事項を確認することも欠かせません。たとえば借地料や借地期間などは、事前に確認しておきたいポイントです。
売買契約締結後、住宅ローン審査が下りるまでに1〜2カ月待つことが多いです。無事にローン審査が下りれば、代金の決済と引き渡しをおこないます。
決済・引き渡しと同日に、建物の所有権移転登記も申請します。登記申請は自分でもできますが、ミスを防ぐためには司法書士に依頼したほうが安心です。
借地権付き建物の場合、地主との交渉が売却成功の鍵を握っています。当事者間同士の直接交渉は難航することも少なくありません。不動産会社を通したほうが円滑に進められるでしょう。
通常の取引と比べて特殊であるため、取引実績や担当者の交渉力をよく見極めることが重要です。
借地人は借地非訟裁判を利用して、地主の代わりに裁判所から代諾許可をもらうことが可能です。
しかし借地非訟裁判には時間を要します。通常の訴訟より審理期間は短いものの、結論が出るまでに6ヶ月程度はかかるでしょう。
また弁護士の協力も必要になるため、費用がかかる点に注意が必要です。地主との関係悪化も懸念されることから、慎重な判断が求められます。
借地権付き建物は建物と土地の所有者がバラバラです。売却や建て替えのハードルが高いことから、購入検討者から敬遠されてしまう傾向があります。
借地権付き建物の売却手段は複数ありますが、いずれにせよ地主との交渉が成否を分けます。まずは信頼できる不動産会社に相談し、スムーズに売却を進めるための戦略を練りましょう。
「2LDKのマンションは売れない」という話を聞いたことはありませんか?また、実際に2LDKのマンションが売れずに悩んでいる人もいるでしょう。結論からいうと、2LDKのマンションでも売却できます。ただし、スムーズに売却するためにはいくつかコツがあります。
この記事では、2LDKのマンションが売れにくい理由やマンションを売却するためのコツについてご紹介しますので、ぜひ今後の参考にお役出てください。
冒頭でお伝えしたように、「2LDKのマンションは売れない」と言われることがあります。これには次の2つの理由が考えられます。
一人暮らしの単身者にとって、2LDKのマンションは広すぎるという難点があります。そのため、「そこまでの広さは必要ない」と考え、候補から外されてしまうことがあります。また、2LDKになると1LDKに比べて物件価格が高くなります。
近年は、光熱費や物価が高騰しているため、節約意識が高まりなるべく支出を抑えたいと考える人も増えています。このような理由から2LDKは売れにくいと言われるのでしょう。
4人以上の家族で住む場合、2LDKの間取りは手狭になると考えられます。たとえば、夫婦+子供二人の場合、子どもそれぞれに部屋を持たせると2LDKでは部屋が足りません。夫婦の寝室、子供部屋2部屋と考えると、3LDKもしくは4LDKの間取りが理想的です。
また、さらに人数が多いご家族であれば、物件探しの時点で2LDKは検討対象から外されてしまうでしょう。このように、2LDKマンションは買い手が一定数に限定されてしまうため、他の間取りよりも売れにくい傾向にあるのです。
2LDKマンションのターゲット層は多いとは言えませんが、特定の人にとっては魅力的に感じる部分もたくさんあります。また、これから紹介するマンションの特徴は、売却時のアピールポイントになります。所有しているマンションと照らし合わせながらチェックしてみてください。それでは、2LDKでも売れるマンションの特徴について確認していきましょう。
交通の利便性が良いマンションは、通勤・通学など多くの人にとってメリットがあります。また、住宅購入時に交通の利便性を重視する人は多く、最寄り駅までアクセスが良いマンションは売れやすい傾向です。理想は駅徒歩5分以内ですが、徒歩10分以内の物件も売れる可能性は高いといえます。
全国宅地建物取引業協会連合会の「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」によると、住宅を購入するときのポイントで最も多かったのが「購入金額」で53.5%、次いで「周辺・生活環境がよい」が43.3%という結果でした。
この結果を見ると、生活環境が良いことは大きなメリットであることがわかります。マンション周辺に教育機関、商業施設、医療機関があり、住環境が整っていれば2LDKのマンションでも十分需要は見込めるでしょう。
日本は災害大国とも呼ばれ、毎年各地で洪水、河川の氾濫など自然災害が報告されています。異常気象の危険性を身近で感じるようになり、住宅に安全性を求める人も増加しています。そのため、「自然災害の影響を受けにくい場所」というのは物件のアピールポイントになります。
特に高齢者は避難に時間がかかるため、自然災害の影響を受けにくい物件を選びます。したがって、2LDKでも安全性の高いマンションは一定数の需要が見込めるでしょう。
なお、ハザードマップでは、自然災害による被災想定地域や避難場所・避難経路を確認することができます。所有しているマンションが、どのエリアに該当するか調べてみると良いでしょう。
2LDKの平均的な広さは約55~60平米ですが、同じ2LDKのマンションでも物件によって広さは様々です。また、中にはサービスルームがある物件もあり、この場合は2LDK+Sという間取りになります。サービスルームは、書斎やプレイルーム、クローゼットなど、多目的に使用することができます。
60平米以上のマンションなら使い勝手もよく、ファミリー層を中心に需要が見込めるでしょう。
住人が求めるものは、価格や広さだけではありません。生活する上で快適性を高めるためには、日当たりや風通しの良さも重要です。また、付加価値のあるマンションも人気があります。たとえば、海沿いに面しているマンションでは、他のマンションにはない眺望が望めます。
このような特徴は、マンションの購入を検討する上で大きなプラスポイントになります。一言で「快適な空間」といっても、求めるものは人によって異なります。物件の特徴をよく理解した上で、ニーズに合わせてアピールすれば高値売却も期待できるでしょう。
多くの人は、家に「安全性」や「安心感」を求めます。そのため、管理人が常駐している、オートロック設備がある、防犯カメラがあるなど、セキリティ体制が整っているマンションは売却につながりやすいのです。
また、共働き夫婦が増えたことや、高齢者が多いことから、セキュリティの充実具合はより重視されるようになりました。ほかにも、清掃が行き届いているマンションは管理体制が整備されているため、売却時のアピールポイントになります。
ペットが飼えるというも物件の付加価値であるため、購入を検討する際のプラスポイントになります。これは、今ペットを飼育している方だけでなく、将来的にペットと暮らしたいという方にとってもメリットです。
なお、ペットの飼育に関しては、「飼育可能」と誤って認識しているケースも多く注意が必要です。後から「実は飼育不可だった」なれば、トラブルに発展する恐れがあります。したがって、マンションを売却するときは必ずマンション規約か重要事項説明書で確認しましょう。
キッチンやトイレ、バスルームの設備が新しく機能的であるなど、設備が充実しているマンションは売れやすい傾向にあります。また、最新設備の整った家を「スマートハウス」といい、自動でカーテンの開閉ができたり、自動でお湯はりができたりします。
多くの人から高く評価されますが、特に若い世帯から人気があるため高値売却も期待できるでしょう。
ここまで、売れるマンションの特徴について解説してきましたが、「当てはまらなかった」という人もまだ諦めてはいけません。また、「マンションが売れなくて悩んでいる」という方も工夫次第ではまだ売却できる可能性があります。そこでこの章では、2LDKの売れないマンションを売却するための方法やコツを詳しく解説します。
先にお伝えしたように、2LDKマンションのターゲット層はあまり多くありません。したがって、スムーズに売却するためにはターゲット層を明確することが重要です。
たとえば、高齢のご夫婦をターゲットにすることが明確であれば、高齢のご夫婦のニーズに合わせた内容で広告を行うことができます。「駅徒歩5分」、「充実した生活環境」、「徒歩圏内に医療機関あり」など、高齢者が興味を引きやすい内容を記載することで売却の成功率が高まります。
内覧は物件を実際に見学してもらうチャンスであり、売却を成功させるための重要なステップです。そのため、内覧前には必ず部屋の清掃を行い、不要品は早めに処分しておきましょう。また、なるべく生活感がでないような工夫も必要です。意外と気になるのが家のニオイです。
特にペットを飼っているご家庭は、換気を忘れずに行いましょう。こうした内覧準備を徹底することで、売却の成功率を高めることができます。
不動産会社にも得手不得手があり、売却が得意な不動産会社ばかりではありません。しばらく売れない状況が続くようであれば、思い切って不動産会社を変えるのも有効な手段です。また、不動産は適正価格で売却することが非常に重要です。
適正な査定額を掲示してくれる会社や、効果的な広告活動を行っている会社なら売却をスムーズに行うことができます。信頼できる不動産を見極め、マンション売却を成功させましょう。
マンションの売却方法には、「仲介」と「買取」があります。仲介は不動産会社に依頼して、購入希望者を探してもらう売却方法です。
一方、買取は不動産会社に直接買い取りしてもらう売却方法です。買取は、売却に時間をかけたくない人や、すぐに現金化したい人にはおすすめですが、仲介に比べて売却価格が低くなる可能性があります。
したがって、なるべく高値で売却したい人と考えている人は慎重に検討しましょう。
2LDKはターゲット層が限られることから、「売れにくい」と言われているのは事実。しかし、物件のメリットを活かして売却戦略を立てることで、スムーズに売却することは十分可能です。2LDKのマンションでも諦めずに、売り方や売り出し方のコツを掴んでスムーズな売却を目指しましょう。時間や手間をかけずに売却したい方は、不動産会社に買取依頼をするのも選択肢のひとつです。
新築住宅を購入したものの、さまざまな理由で後悔してしまうことがあります。後悔を断ち切る対処法は、早めに売却することです。新築住宅の購入を検討している人は多く、すぐに売れば高値売却も不可能ではありません。
そもそも新築を購入して後悔してしまうのは、どのような理由があるのでしょうか?この記事では新築を購入して後悔する理由と、高く売却する査定方法を紹介します。
家計状況や生活環境の変化によって、新築の購入を後悔してしまうことがあります。新築住宅に対する期待が大きいほど、後悔は大きいです。後悔の理由としては以下の項目が挙げられます。
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
住宅ローンの返済が困難になってしまい、新築の購入を後悔している人は少なくありません。住宅金融支援機構によれば、2022年のリスク管理債権は3.17%です。つまり住宅ローンを借りている100人のうち、3〜4人は返済に困っていることを意味します。
返済が厳しくなる要因としては、収入減少や急な出費、金利上昇などが考えられます。自分の収入に見合わない無理な借り入れをしていた場合、返済の負担はさらに重くなるでしょう。
住宅ローンの返済が滞ると、金融機関から督促状や催告書が届きます。それでも返済できなければ、次は一括返済を求められる流れです。
さらに滞納が続けば、最終的に自宅を差し押さえられてしまいます。そうなると自分たちが住むことはできません。返済が滞る前に金融機関に相談するなど、早めに手を打つことが大切です。
新築住宅に住んでみると間取りや生活動線が使いづらく、住み心地が悪いと感じる人もいます。毎日生活をする場所なので、住み心地が悪いことは大きなストレスです。
新築住宅の場合、建設工事が完了する前に売る青田売りという販売方法があります。青田売りは完成前に聞いていた仕様や品質と異なるなど、トラブルが起きやすいです。買主は実物を見ないで購入することになるため、住み心地に不満を持つことが少なくありません。
新築住宅を購入すると、モデルルームとのギャップに不満を感じることもあります。たとえばモデルルームよりも安っぽい、狭いといった不満です。モデルルームはハウスメーカーの宣伝用の住宅なので、さまざまなオプションを付け、内装や家具もおしゃれにコーディネートされています。そのため実際に販売している住宅とは差があることがほとんどです。
将来のことをあまり考えずに購入して、後悔してしまうこともあります。新築を購入してすぐに子どもが生まれたり、子どもが一人暮らしを始めたりした場合、間取りと実際の生活がミスマッチを起こしてしまうことが多いです。
新築住宅の立地条件が悪いことが理由で、すぐに売りたいと思っている人もいます。立地条件は生活の利便性や快適性に直結する重要な要素です。
たとえば最寄り駅まで徒歩20分以上かかる場合や、近くにスーパーマーケットがない場合は、日々の生活が不便に感じられるでしょう。子どもがいる家庭は通学時間や通学路の安全性も確認しておかないと、後悔する可能性が高いです。
周辺の治安が悪い場合も、後悔することが多いです。犯罪が頻発しているエリアで、安心して生活することはできません。気軽に出歩けなくなり、生活が制限されてしまいます。
近隣の建物によって快適性が損なわれることも少なくありません。たとえば高層の建物に囲まれていると、日当たりが悪くなることがあります。
災害リスクが高いエリアの新築住宅を購入してしまい、後悔するケースもあります。災害リスクにはさまざまな種類があり、主な項目を挙げると以下のとおりです。
災害リスク | リスクが高いエリア |
河川の氾濫 | 河川の周辺地域 |
津波 | 沿岸部や海抜の低い地域 |
土砂災害 | 山沿いの地域 |
液状化現象 | 埋立地や沼・池があった地域 |
実際に災害が起こると、居住者の生命が危険にさらされます。さらに建物が傷んだり倒壊したりして、不動産の資産価値が大きく損なわれてしまう可能性が高いです。
国内では近年大雨や土砂災害の発生回数が増加傾向にあり、各地に甚大な被害をもたらしています。自宅が災害が起こりやすいエリアに位置していることに対して、危機感を抱いている人も多いでしょう。
近隣とのトラブルがきっかけで、新築住宅の住み心地が悪くなるケースもあります。近隣住民とは頻繁に顔を合わせることになるため、ちょっとしたトラブルでも生活に与える影響は大きいです。
最も多い近隣トラブルは、騒音を巡るトラブルです。ペットの飼育や共用部の使い方なども、近隣トラブルの原因として挙げられます。
たとえば子どもの飛び跳ねる音や洗濯機の音などが気になると、生活の質が下がるでしょう。反対にこちらの生活音に関して近隣住民から苦情が来ることもあります。
一度近隣トラブルが起こると、解決するのは容易ではありません。もし和解しても、わだかまりが残ってしまい、居心地が悪くなるケースもあります。
新築を購入して後悔している場合は、以下の対処法を検討してみましょう。
それぞれの対処法について詳しく解説します。
一つ目の対処法は、新築住宅を売った資金で他の家に住み替える方法です。
ただし住宅を売却するときは住宅ローンを完済して、抵当権を抹消しなければなりません。そのため住宅の売却資金と住宅ローンの残債の金額によって、売却の難易度が大きく変わります。
住宅ローンの残債が住宅の売却資金を下回る状態をアンダーローンといいます。売却資金だけで住宅ローンを完済できることから、住み替えがスムーズです。
住宅ローンの残債が住宅の売却資金を上回る状態をオーバーローンといい、売却の難易度が高いです。売却資金だけでは住宅ローンを完済できないため、自己資金や別のローンで補う必要があります。特に新築住宅は住宅ローンの残債が減っていないことが多く、オーバーローンになりやすいです。
二つ目の対処法は、新築住宅を賃貸物件として貸し出し、自分は他の家に住む方法です。
賃貸すれば定期的に家賃収入を得ることができます。また所有権は移さないため、将来自分が住みたくなれば戻ってくることが可能です。
しかし住宅ローンで購入した家を賃貸に出すことは原則できません。住宅ローンは契約者本人が住むことを前提としているからです。本人が住んでいないことがばれると、金融会社の信頼を失い、法的な問題に発展する可能性があります。
そのため家を賃貸するときも、住宅ローンの完済が必要になります。もしくは投資を目的とする不動産投資ローンへの変更するのも一つの手です。いずれにせよ自宅を勝手に賃貸するのはトラブルの元なので、まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談しましょう。
新築住宅の購入に後悔しても、高く売れればその資金を使って他の家に住み替えられます。家を高く売却する方法は、以下のとおりです。
新築住宅として売り出せれば、高く売りやすいです。中古住宅と比べて綺麗な状態で住める新築住宅は、根強い人気があります。
住宅の品質確保の促進等に関する法律によれば、新築住宅の定義は以下のとおりです。
新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう。
住宅の品質確保の促進等に関する法律第2条2項
つまりまだ誰も住んでいない状態かつ築1年以内であれば、新築として売り出すことができます。まだ引き渡しを受けていない場合や引越ししていない場合は、1日も住まずに売却するのがおすすめです。
もし既に自分が新築住宅に住んでいる場合でも、早めに動いた方が高く売れます。不動産は築年数が経過するほど、資産価値が下がっていくためです。
国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によれば、木造戸建て住宅の資産価値は築10年で新築時の半分以下に下がると試算されています。マンションも購入後1〜2年で資産価値が10%程度下落する試算です。高値での売却を希望する場合は、できるだけ早めに売却しましょう。
不動産の繁忙期と閑散期を意識することも、高く売るために重要なポイントです。不動産の繁忙期は年度末の1〜3月で、この時期は引越しを検討する人が多く、売りやすい傾向があります。
すでに新築住宅に入居している場合は、掃除や整理整頓をしてから売り出したほうが良いです。購入希望者が内見に訪れる際、第一印象がとても大切になるからです。ゴチャゴチャして汚れている家よりも、清潔ですっきりした家のほうが、購入希望者の購買意欲が高まります。
たとえば汚れが目立つ箇所の掃除をしておくと、見栄えが良くなります。不要な物の断捨離をすれば、部屋を広く見せることも可能です。
自分で掃除をするのが苦手という方は、ハウスクリーニングを依頼するのも手です。プロの技術によって、頑固な汚れや染みついた臭いもキレイになります。
高く売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。適正な売却価格を設定することが、早期売却への近道になります。
1社だけに査定を依頼しても、適正価格なのか判断できません。複数社に依頼すれば、各社の査定価格を比較することで、適正価格をつかみやすくなります。
一括査定サイトを利用すれば、必要な情報をフォームに入力するだけで査定依頼が完了します。1社ずつ調べて連絡する手間が省けるので、忙しい方におすすめです。
新築住宅を売却するときは、以下の注意点があります。
次の項目から、それぞれの注意点について詳しく解説します。
先述のとおり、住宅を売却する際は住宅ローンを完済する必要があります。ローンが残り抵当権が抹消できていない物件は、いつ差し押さえられてもおかしくありません。購入希望者にとって大きなリスクになるため、たとえ売りに出しても敬遠されます。
新築住宅を売却する前に、まずは住宅ローンの残債を確認しましょう。次に不動産会社に査定を依頼し、おおよその売却価格をつかみます。2つの価格を見比べて、売却資金だけで住宅ローンの残債を返せるのか確認することが不可欠です。
家の売却にあたっては、税金も含めて予算を立てる必要があります。売却には印紙税と登録免許税がかかります。さらに売却によって利益が出た場合は、譲渡所得税がかかることを覚えておきましょう。
印紙税は課税文書を作成する際にかかる税金です。売主と買主の間で交わす不動産売買契約書は課税文書に該当します。印紙税額は契約金額によって異なり、現在は軽減措置が適用されています。たとえば契約金額が5,000万円を超え1億円以下の場合、軽減措置適用後の印紙税額は3万円です。
登録免許税は登記手続きの際に納める税金です。新築住宅の売却では所有権移転登記や抵当権抹消登記が必要ですが、所有権移転登記の登録免許税は多くの場合買主側で負担します。売主側が負担しなければならないのは、抵当権抹消登記です。抵当権抹消登記の登録免許税は不動産1件につき1,000円かかります。
譲渡所得税は不動産を売却した利益に対してかかる税金です。ここでいう利益とは、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて算出する譲渡所得を指します。
売却価格-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得>0円
譲渡所得税には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」があります。新築住宅の譲渡所得が3,000円以下で一定の条件を満たしていれば、譲渡所得税はかかりません。
新築住宅を売却するときは、以下の手順を踏む必要があります。
それぞれの手順で何をしたら良いのか、詳しく見ていきましょう。
最初に新築住宅がいくらで売却できそうなのか、おおよその相場を把握します。不動産会社から査定価格を提示されたときに、適正価格か判断できるようにするためです。
相場を把握する際は、国土交通省提供のWEBサイト「不動産情報ライブラリ」が役立ちます。エリアや時期などを絞って、不動産の取引価格や成約価格に関する情報を検索できます。類似事例の取引価格を知ることで、売却物件の価格相場をつかめるでしょう。
不動産流通機構が運営している「レインズマーケットインフォメーション」も過去の取引情報を検索するのに有用です。全国の不動産会社から情報を集めて構築されているため、データ量が多く、売却物件に近い物件の相場を把握できます。
相場を把握した後は、いよいよ不動産会社に査定を依頼します。1社だけではなく、複数社にお願いするようにしましょう。複数社から提案を受けることで比較検討ができ、適正価格を見極めやすくなります。会社ごとの強み・弱みを知ることもできるでしょう。
まずは依頼する会社をピックアップするところから始めます。売却実績が豊富で、物件周辺のエリアに詳しい会社を選びましょう。依頼先が多すぎると効率が悪いため、3〜6社程度に絞るのがおすすめです。
各社から査定価格の提示を受けるときは、査定の根拠を詳しく説明してもらいましょう。納得できる説明をしてくれるかどうかで、その会社の査定能力がわかります。
各社から提案を受けたら、不動産会社を1社に決定します。査定能力が高く、信頼できる担当者がいる会社に依頼しましょう。
査定価格の高さだけで不動産会社を選ぶのはおすすめできません。契約を結ぶためにわざと相場よりも高い査定価格を提示する会社も存在します。適正価格で売り出さなければ、売却活動が長引いたり、損をしたりするリスクがあります。
類似物件の売却実績や、担当者の対応などを総合的に判断し、安心して任せられる会社を選ぶことが肝心です。
不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約に基づいて、不動産会社は物件の募集や価格交渉、契約書面の作成などをおこなってくれる仕組みです。
媒介契約には専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類があります。それぞれ特徴が異なるため、自分に合った契約を選びましょう。
専属専任媒介契約・専任媒介契約で依頼できるのは1社のみであるため、不動産会社の対応力によって売却に大きな影響が出ます。一方できめ細やかなサポートを受けられるのがメリットです。
一般媒介契約は複数社に売却を依頼できるのが特徴です。それぞれの会社の販売力を活用して広く買主を募ることができますが、一つひとつのやりとりに手間がかかる点に注意しましょう。
媒介契約締結後は、不動産会社による売却活動がスタートします。売却活動にはさまざまな手段があり、主要なものを挙げると以下のとおりです。
専属専任媒介契約・専任媒介契約を結んでいる場合は、定期的に売却活動の報告をするのが不動産会社の義務です。一方で一般媒介契約は報告が義務付けられていないため、こちらから報告を求める必要があります。
購入検討者が現れたら、内見を実施します。先述のとおり、内見時の印象によって購入希望者の購買意欲が大きく左右されるため、内見前に家の掃除や整理整頓をおこないましょう。
買主が見つかったら、価格交渉をおこないます。そして売買価格や引き渡し時期などの諸条件が固まり次第、売買契約を結ぶ流れです。
仲介を依頼している場合は、不動産会社が売買契約書と重要事項説明書を作成します。売却する物件に関する説明は漏れがないように記載することが重要です。書面の内容にしっかり目を通し、疑問点は納得できるまで確認しましょう。
物件の決済と引き渡しをおこないます。住宅ローンの残債がある人は、ローンを完済したあとに抵当権抹消の手続きが必要です。ローン残債が売却資金を上回るオーバーローンの場合は、不足分を補うための自己資金を用意しておきましょう。
引き渡し後はすみやかに所有権移転登記の手続きもおこないます。手続きは自分たちでもできますが、ミスがあると大変なので司法書士に依頼することが多いです。
新築住宅の売却で利益(譲渡所得)が出たら、確定申告をしなければなりません。その利益に対して譲渡所得税が課税されるためです。
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」の適用を受けられれば、譲渡所得税を大幅に減らせますが、そのためには確定申告が必要になります。
新築住宅の売却で赤字が発生した場合は、譲渡所得税は課税されません。したがって基本的には確定申告は不要です。
しかし一定の条件を満たす場合は、他の所得と相殺したり、損失を翌年以降に繰り越したりできる「譲渡損失の損益通算及び繰越控除特例」の適用対象になります。
譲渡損失の損益通算及び繰越控除には、以下の2種類があります。
「居住用財産買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」は、マイホームを買い換えた場合に適用されます。「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」はローン残債を下回る価格で売却し、損失が出た場合に適用できる特例です。
どちらも給与所得など他の所得と相殺でき、相殺しきれなかった分は翌年以降3年にわたって繰越可能です。これらの特例についても、適用を受けるためには確定申告が必要になります。
家計状況や生活環境が想定と違い、新築住宅の購入を悔やむ人は少なくありません。しかし売却したり賃貸したりすれば、新たな家で再スタートを切ることが可能です。
新築住宅を売却するときは、早ければ早いほど高値で売却できます。また内見前に清掃や整理整頓をするだけでも、購入希望者の物件に対する印象は良くなります。
売却にあたっては住宅ローンを完済しなければなりません。売却資金だけで住宅ローンを完済できるのか、不足する場合は自己資金を用意できるのか、資金計画については事前に確認が必要です。
売却するかどうか迷っているのであれば、まずは不動産会社に査定を依頼してみましょう。
熊本市不動産売却クイック査定です。
土地を相続したものの、活用方法や売却のタイミングに悩んでいる人も多いでしょう。土地は所有しているだけで、メンテナンスコストや税金がかかります。したがって、適切なタイミングで売却することが重要です。この記事では、相続した土地を売るタイミングや税金について、土地を売る手順などについて詳しく解説します。
相続した土地を売る理由は、「活用方法がわからない」、「税金を払うのが大変」など、状況によって様々でしょう。売却するメリットとしては、税金控除を受けたり、固定資産税の負担が軽減されたりすることが挙げられます。一方で、経済的に余裕があれば、すぐに売却せず高値売却できるタイミングを待つのも選択肢の一つです。また、今後土地を活用する予定があれば、すぐに売却する必要はありません。
このように、土地を売るタイミングは人それぞれ異なります。そのため、自分に合った売却のタイミングを見極めることが大切です。
ここでは、「相続した土地をすぐ売却した方がよい場合」の例についてお伝えします。ご自身の状況と照らし合わせながら考えてみてください。
亡くなった人(被相続人)から、お金や土地などを相続すると相続税が課せられます。相続税は、相続開始を知った日から10カ月以内に納税しなければなりません。しかし中には、「相続税を納める資金がない」という方もいるでしょう。そんな時は、土地を売却するのも有効な手段です。土地を売却すれば、まとまった資金が手に入るため納税資金に充てることができます。
なお、相続税は財産額に応じて税率が定められており、10%~最大55%まで課税されます。相続税の計算は複雑で難しいため、まずは以下のような早見表で大まかな納税額を把握するのがおすすめです。
総資産 | 法定相続人 | ||
---|---|---|---|
配偶者+子1人 | 配偶者+子2人 | 配偶者+子3人 | |
5,000万円 | 40万円 | 10万円 | なし |
6,000万円 | 90万円 | 60万円 | 30万円 |
7,000万円 | 1600万円 | 113万円 | 80万円 |
8,000万円 | 235万円 | 175万円 | 138万円 |
9,000万円 | 310万円 | 240万円 | 200万円 |
1億円 | 3850万円 | 315万円 | 263万円 |
相続税は税制改正によって変わる可能性があるため、詳しくは国税庁「相続税」をご確認ください。また相続税は、取得した財産(土地、株、現金など)の合計額が基礎控除額を超えた場合に課税されます。基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人)」で算出され、財産の合計が基礎控除額以下であった場合、相続税はかかりません。
土地などの不動産は、相続人が複数人いると公平に分割するのは難しいのが実情です。さらに、遺産分割は親族間でもトラブルに発展しやすいため注意が必要です。公平な遺産分割が難しいと判断したら、土地の売却を検討しましょう。土地を売却して現金化すれば、分割しやすくなります。またトラブルを防ぎ、相続をスムーズに行うためにも有効な方法と言えるでしょう。
「土地の活用予定がない」、「活用方法がわからない」という場合は、早めに売却を検討しましょう。土地は所有しているだけで税金と維持費がかかります。さらに、草刈りなど定期的なメンテナンスも必要です。空き地のまま放置しておけば、ゴミの不法投棄や野生動物の住処となり、近隣住民とトラブルになる可能性もあります。
一方、土地が売却できれば老後の資金や住み替え費用に充てることができます。相続した土地が不要であると判断したら、できるだけ早めに不動産会社へ相談するのが得策でしょう。
つぎに、「相続した土地をすぐに売却しなくてもよい場合」を確認していきましょう。相続した土地の売却で悩んでいる方は、ぜひ今後の参考にしてください。
先述した通り、土地は所有しているだけで固定資産税や都市計画税などの税金が課せられます。また、相続する際は、相続税や譲渡所得税も考慮しておかなくてはなりません。
しかし、これらの税金を納める資金が十分にある場合は、急いで売却を行わなくてもよいでしょう。ただし、いつでも売却へ踏み切れるよう土地の査定を受けておくことをおすすめします。
相続した土地を複数人で共有している場合は、相続割合に応じて土地を公平に分割します。ただし、不動産は土地の場所や状況によっても価格が左右されるため、公平に分割するのは難しいのです。これらを踏まえた上で、問題なく分割できる場合はすぐに売却する必要はないでしょう。
なお、共有している土地を売却する場合は、全員の合意を得てから行う必要があります。勝手に自分の持分を売却してしまうと、トラブルになる恐れがあります。そのため、土地の活用方法については必ず相続者同士で話し合って決めましょう。
将来的に土地を活用する予定があれば、売却を急ぐ必要はありません。土地は自宅を建てるだけでなく、駐車場として貸し出す、アパート経営をするなどの活用方法もあります。ビジネスとして土地を活用すれば、不労所得を得ることも可能です。
ただし、土地は用途地域によって建てられる建物の大きさや種類が制限されています。そのため、相続した土地がどのような土地で、どの地域に該当するのかあらかじめ調べておきましょう。また、都市開発によって今後土地の価値が上がる可能性もあります。なるべく後悔の少ない選択をするためには、土地の周辺環境や不動産市場をよく調べてから判断することが大切です。
相続した土地をすぐに売ると以下のようなメリットがあります。
ただし、上記には利用条件が設けられているものもあります。項目ごとに詳しく解説しますので、所有する土地と照らし合わせながら確認していきましょう。
まず、一つ目のメリットとして挙げられるのは、固定資産税の負担が軽減されることです。土地は毎年固定資産税が課税されますが、これは所有しているだけで納税義務があります。また、固定資産税は3年に一度見直しされます。そのため、資産価値が上がれば固定資産税も高くなるのです。最初は大きな負担に感じなくても、毎年納税して積み重ねていくと大きな金額になります。したがって、必要のない土地はすぐに売却して金銭的な負担を減らすことをおすすめします。
二つ目のメリットは、「取得費加算の特例が利用できる」ということです。取得費用加算の特例は、土地を売却したときの利益(譲渡所得)を計算する際、取得費に相続税を加算できる特例です。この特例を利用すれば譲渡所得が抑えられるため、結果的に譲渡所得税を軽減できます。ただし、この特例を利用するためには以下の要件を満たす必要があります。
出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
ポイントは、「相続税の申告期限の翌日から3年以内に土地を売却する」という点です。さらに、「相続税を納税していなければいけない」という点にも注意しましょう。土地の売却は必ずしもスムーズにいくとは限りません。したがって、早めの行動がポイントとなります。
三つ目のメリットは、相続した土地に空き家があった場合、「3,000万円特別控除を利用できる可能性がある」という点です。3,000万円の特別控除とは、家を売却して譲渡所得(利益)が出た場合、最高3,000万円を上限として税金が控除される制度です。すなわち、譲渡所得が3,000万円以下であれば、納税する必要はありません。ただし、利用するためには以下の条件を満たす必要があります。
出典:国税庁:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(一部抜粋)
上記に関しても、「相続開始があった日から3年を経過する年の12月31日まで」という期限が設けられています。つまり、早く売却することで優遇を受けられるということです。このように、相続した土地をすぐ売ることで金銭的な負担を軽減できる可能性があります。少しでも出費を抑えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
相続した土地を売却するとき、大きく分けて以下の3つの税金がかかります。
では、それぞれがどのような税金なのか確認していきましょう。
土地を売却して譲渡所得(利益)が出ると税金が発生します。これを譲渡所得税といいます。なお、譲渡所得税は、所得税・住民税・復興特別所得税の総称です。譲渡所得は所有期間によって税率が異なり、売却する年の1月1日時点において所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」、1月1日時点において所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」に分類されます。
一方、住民税は居住している市町村や都道府県に納める地方税です。譲渡所得税と同様に土地を売却して利益が生じると住民税も課税されます。所得税と住民税の税率は下表の通りです。
区分 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
長期譲渡所得(所有期間5年超) | 15% | 5% |
短期譲渡所得(所有期間5年以下) | 30% | 95% |
また、復興特別所得税は、2011年に発生した東日本大震災の被災者支援を目的とした税金です。所有期間に関係なく、基準所得税額の2.1%が課税されます。
不動産売買契約書などの課税文書に貼付する「印紙」に課せられる税金を印紙税といいます。印紙税は取引する契約金額によって変動しますので、下表を参考にしてください。
文書の種類 | 契約金額 | 印紙税額 |
---|---|---|
不動産、鉱業権、無体財産権、船舶もしくは航空機または営業の譲渡に関する契約書 | 100万円を超え500万円以下 | 2,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 1万円 | |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 2万円 | |
5,000万円を超え1億円以下 | 6万円 | |
1億円を超え5億円以下 | 10万円 |
※令和6年10月時点
出典:国税庁「No.7140印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
土地を相続したら、被相続人から相続人へ名義変更を行います。登録免許税は、この手続きの際に課せられる税金のことで、土地の所有者を明確にするために重要な手続きです。なお、登録免許税の課税額は以下の計算式で算出されます。
相続登記の手続きは、相続人本人が行うことも可能です。ただし、専門的な知識が必要になるため、不安な方は司法書士に依頼したほうがスムーズでしょう。その場合、司法書士報酬が必要になります。報酬は司法書士によって異なりますが、5万円~10万円前後が相場です。
土地の売却を決めたら、次のような流れで進めていきましょう。
具体的な内容について項目ごとに解説します。
まずは、被相続人から相続者へ土地所有者の登記変更を行います。登記変更されていない土地は売却することができません。したがって、売却をスムーズに行うためにも、登記変更は必ず行いましょう。登記変更手続きは、内容が難しいため専門的な知識を持つ司法書士に依頼するのがおすすめです。
登記変更をしたら、土地の相場や価値を知るために不動産会社の査定を受けましょう。ただし、不動産会社によって査定基準が異なります。そのため、複数の不動産会社へ査定依頼をして比較検討するのがおすすめです。
また多くの場合、査定依頼をした会社に土地の売却も依頼することになります。売却をスムーズに進めるためには、担当者の対応や会社の実績を見て信頼できる不動産会社に依頼することが重要です。
不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。媒介契約には、「一般媒介契約」・「専任媒介契約」・「専属専任媒介契約」の3種類があり、各契約の特徴は下表の通りです。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
他社契約 | ◯ | ✕ | ✕ |
自己発見取引 | ◯ | ◯ | ✕ |
状況報告 | なし | 2週間に1回 | 1週間に1回 |
レインズへの登録義務 | なし(任意) | あり | あり |
それぞれの特徴を把握して、自分にあった媒介契約を選びましょう。なお、土地を売却して利益が出た場合は、譲渡所得税を納めなくてはなりません。また、1月1日時点で土地を所有していた場合は、固定資産税が発生するため注意が必要です。
不動産会社によっては、相続登記や司法書士の紹介など、相続に関してトータル的なサポートを行ってくれる会社もあります。不動産取引に慣れていない人や不安な方は、媒介契約を締結する際に確認しておくと安心です。
土地の買主が見つかったら売買契約を行います。不動産会社に対しては、買主を見つけてくれた報酬として仲介手数料を支払います。仲介手数料は法律で上限が決められており、計算方法は下表の通りです。
不動産の成約価格(税抜) | 仲介手数料の上限 | |
---|---|---|
200万円以下 | 5% | +消費税 |
200万超え、400万円以下 | 4%+2万円 | |
400万円超え | 3%+6万円 |
2024年7月1日、国土交通省は放置空き家の市場を促進するため、不動産業者が受け取る仲介手数料の特例制度を拡充することを決定しました。これによって、800万円以下の空き家取引における手数料上限が30万円に引き上げられました。なお、800万円を超える物件については、従来通り「物件価格の3%+6万円+消費税」が上限となります。
売買契約が成立したら、買主に土地の引き渡しを行い売却は完了です。なお、土地を売却して譲渡所得があった場合、翌年確定申告が必要です。確定申告をする際は、売却にかかった費用(登記費用や仲介手数料など)を経費として計上できるため、領収書は大切に保管しておきましょう。
譲渡所得が出なかった場合には、原則確定申告の必要はありません。ただし、確定申告することによって損益通算され、所得税や住民税が抑えられる場合があります。
相続した土地をタイミングよく売るためには、事前準備と早めの行動がポイントです。スムーズに売却を進めるために、これから紹介する3つのポイントと注意点を抑えておきましょう。
土地を売りたいと思っても、名義が被相続人のままでは売却できません。したがって、相続登記の申請は早めに済ませておくのがポイントです。また、令和6年4月1日以降、相続登記は義務化されています。
相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料が課せられるため注意が必要です。
先にお伝えしたように、不動産売買では税金、仲介手数料、司法書士報酬など様々な費用がかかります。予想外の出費に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、あらかじめどれくらいの費用がかかるのか把握しておくことが大切です。自分で調べるのが難しければ、不動産会社へ相談しておおよその費用を確認しておきましょう。
不動産査定は、会社ごとに査定額が異なるため複数社に依頼をして比較検討しましょう。なお、査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類あります。机上査定は、物件情報や相場などを元に行われる簡易的な査定です。
一方、訪問査定は実際に物件を訪れて、物件や周囲の状況を見て行う査定です。そのため、訪問査定の方が精度の高い査定結果が得られます。また、訪問査定なら不動産会社の担当者と直接やりとりできるため不動産会社選びにも役立つでしょう。
今回は、「相続した土地を売るタイミング」についてお伝えしました。相続した土地を早く売却すると、多くのメリットがあるのは事実。しかし、一番大切なのは、ご自身の状況や今後の意向を踏まえて慎重に判断することです。相続者が複数人いる場合は、全員で話し合いを行い、意見をまとめておくことが望ましいでしょう。
また、売却はスムーズにいくとは限りません。土地の売却に数年かかったというケースも珍しくないため、いつでも売却できるよう準備を整えておきましょう。なお、相続や土地売却に関する手続きは、専門的な知識が必要になることがあります。土地を相続したら、まずは不動産会社や司法書士など、知識を持った専門家に相談してみるとよいでしょう。
熊本市不動産売却クイック査定です。
不動産の売却で仲介を依頼する場合は、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約は3種類あって、それぞれ異なる特徴を持ちます。自分に合った媒介契約を選択することが売却成功の秘訣です。
今回は専属専任媒介契約を中心に、メリット・デメリットをご紹介します。他の契約との違いや向いている人の特徴も解説するため、迷っている方は必見です。
媒介契約を結ぶ目的は、不動産会社に不動産の売買や賃貸を成立させるためのサポートをしてもらうことです。不動産会社は媒介契約に基づいて、価格交渉や契約書作成などの仲介業務をおこないます。
不動産会社が売主と買主の間に入ることで、取引を円滑に進められます。不動産取引では多くの法律が絡み、手続きも複雑です。素人だけではトラブルが起こりやすいため、プロに仲介業務を依頼するほうがリスクを減らせます。
宅地建物取引業法第34条の2第1号によると、宅地建物取引業者は、媒介契約を締結したときは遅滞なく書面を作成し、依頼主に交付しなければならないとされています。
媒介契約を結ぶ際は以下の3種類のうち、いずれかを選択することになります。それぞれの違いを表にまとめると以下のとおりです。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
依頼できる会社数 | 1社のみ | 1社のみ | 複数社 |
自己発見取引の制限 買主が売主を直接を探して良いか |
制限あり 不動産会社を仲介人とする |
直接探しても良い | 直接探しても良い |
レインズへの物件登録の義務 | 義務あり 登録期限は5日以内 |
義務あり 登録期限は7日以内 |
義務なし 不動産会社の任意 |
活動報告の頻度 | 7日に1回以上 | 14日に1回以上 | 定めなし |
契約の有効期間 | 3カ月以内 | 3カ月以内 | 法的な制限なし |
専属専任媒介契約は、3種類のなかで最も厳しい制限が設けられています。次に制約が多いのが専任媒介契約で、一般媒介契約は自由度の高い契約です。
依頼主が不動産会社1社のみと契約を結ぶのがルールです。それ以外の会社と契約することはできません。選び抜いた1社と、二人三脚で売却を進めていくのが特徴です。
さらに依頼主自身が取引相手を見つける自己発見取引についても、制限を受けます。必ず不動産会社を仲介人にして、売買契約を結ばなければなりません。
物件情報は、不動産情報交換のためのネットワークシステム「レインズ」に登録されます。不動産会社側に登録する義務があり、期限は媒介契約締結日の翌日から5日以内です。
依頼主へ販売活動を報告することも義務付けられています。報告の頻度は1週間に1回以上で、売主はこまめに進捗を知ることが可能です。
専属専任媒介契約を結ぶ場合は、以下のメリットとデメリットを理解する必要があります。
メリット | デメリット |
---|---|
・不動産会社のモチベーションアップにつながる ・販売活動の進捗を把握しやすい ・手厚いサポート・サービスが期待できる ・窓口を一本化できる |
・複数社に依頼できない ・自己発見取引でも仲介手数料がかかる ・囲い込みされる可能性がある ・売主都合で途中解約しづらい ・他の人に知られる可能性がある |
制約が厳しい専属専任媒介契約ですが、1社に絞るからこそ得られるメリットがあります。
1社のみに任せる仕組みは、不動産会社のモチベーションアップにつながることが多いです。
他社と競合する心配がなく、高く売れた分だけ仲介手数料も上がるためです。また自社で買主を見つけた場合、売主と買主双方から仲介手数料を受け取れる「両手仲介」も、不動産会社にとっては魅力的に映ります。
少なくとも7日に1回は販売活動の進捗を報告してもらえます。どのような戦略で販売しているのかがわかるため、透明性が高いです。
電話やメールの問い合わせ件数や内見した件数など、具体的な数を見ることで市場での反応を知ることができます。苦戦しているときは、その原因を探り、すぐに戦略を立て直すことも可能です。
専属専任媒介契約を結んだ依頼主に対して、手厚いサポートやサービスを提供してくれる会社もあります。
具体例を挙げると、ハウスクリーニングや買取保証などです。ハウスクリーニングを済ませておくと、物件の印象が良くなります。綺麗な状態で住めることは、買い手にとっても魅力的に映るでしょう。買取保証とは契約期間中に買主を発見できなかった場合、不動産会社が物件を買い取る保証になります。
サポートやサービスを利用すると、売却費用を節約できたり買い手が集まりやすくなったりします。
1社のみと契約するため、窓口を一本化できます。
何かあれば担当者1人に連絡すれば良いため、余計な手間は発生しません。多忙でなかなか時間をとれない人でも、効率的に進められるでしょう。
1社のみに売却を委ねる専属専任媒介契約には、デメリットもあります。
他の会社に重ねて依頼することは禁止されています。そのため契約した1社の対応によって、取引の成否が決まるといっても過言ではありません。対応が悪いと、思うように取引を進められない点に要注意です。
依頼主自身が取引相手を直接探す行為が制限されます。もし依頼主自身が見つけた買主に売る場合は、不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。
専属専任媒介契約を結ぶ際は、囲い込みに注意しなければなりません。
囲い込みとは、不動産会社が他社から紹介された買主に物件を買わせない行動です。自社の利益を優先するあまり、売主と買主双方から仲介手数料をもらおうとして、囲い込みがおこります。
売主は他社経由で買主を紹介してもらうことができず、せっかくの機会を逃してしまいます。買い手にとっても、気になる物件を買いたいのに交渉できません。
契約期間中に依頼主側の都合で解約するのは難しいです。
3カ月を上限に契約期間を定める関係上、期間中は原則解約できません。解約できるのは、不動産会社の対応に問題があった場合や依頼主が違約金を支払った場合に限定されます。
依頼主の都合で途中解約すると違約金がかかるため、大きな負担を強いられる点に注意が必要です。
依頼主が複数社に重ねてお願いすることが可能です。
明示型と非明示型があり、どちらかを選ぶ必要があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。
明示型 | どこに依頼しているか通知する義務がある |
非明示型 | 他社に重ねて依頼していることやどこに依頼しているか通知する義務がない |
特に理由がなければ明示型を選ぶことをおすすめします。明示型のほうが、不動産会社が戦略を立てやすくなるためです。
依頼主自身で見つけた相手との直接契約もできます。レインズの登録も任意で、活動報告の定めもありません。契約の有効期間についても法的な決まりはなく、3種類のなかで1番自由度が高いです。
一般媒介契約を結ぶ場合は、以下のメリットとデメリットを理解する必要があります。
メリット | デメリット |
---|---|
・物件情報を広く周知できる ・依頼主自身で買主を見つけられる ・不動産会社の競争心が高まり、好条件で売れることもある ・他の人に知られずに売却できる |
・販売活動の進捗を把握しづらい ・手間がかかる ・販売活動の熱量が下がる可能性がある |
複数社の営業力を総動員できることと、制約が少ないことによって、以下のメリットが期待できます。
複数社に重ねて仲介を依頼することが認められています。そのため、各社の取引先を通じて広く買主を募集することが可能です。
もし1社の営業力がいまいちでも、他社の営業力でカバーできればダメージは少ないです。このように不動産会社選びで失敗するリスクが少ないという面もあります。
依頼主自身で買主を見つけて直接取引することも問題ありません。さまざまな選択肢を残したうえで販売活動を進められます。
人気物件であれば、他社の存在によって競争心を刺激することも可能です。
買主候補が複数人現れた場合は、比較してより良い条件の相手を選べます。上手く競争原理が働けば、高値売却を実現できるでしょう。
依頼主によっては売却することを近所や親戚に知られたくない事情もあるでしょう。
一般媒介契約では、レインズに物件を登録する義務がありません。全国の不動産会社にオープンにしないまま、買主を募集できます。
制約が少ない分、依頼主側のタスクが増えてしまい、苦労することもあります。以下のデメリットに気を付けましょう。
販売活動の報告については定めがなく、知りたい場合は依頼主から報告を求める必要があります。上手く進められていない場合も実態をタイムリーにつかむのは難しく、販売戦略を立てにくいのがデメリットです。
複数社に仲介業務をお願いするのは、いろいろと手間がかかります。たとえば販売活動の進捗を知るために、逐一各社の担当者に問い合わせるのは骨が折れます。
忙しい人が一般媒介契約を選択すると、ストレスを感じてしまう可能性が高いです。
複数社が一斉に販売活動をおこなうため、自社が仲介手数料を受け取れる保証はありません。そのため他の契約と比べると、販売活動の熱量が下がってしまう傾向があります。
売却する物件の需要が低い場合は、販売活動に注力してくれないこともあります。郊外にある物件や築古物件を売り出す人は特に注意が必要です。
契約する会社は1社のみですが、依頼主自らが買主を見つける自己発見取引が認められています。
レインズの登録期限は契約締結の翌日から数えて7日以内です。販売活動の報告頻度は、14日に1回以上と定められています。登録や報告の義務はあるものの、少し時間に余裕を持たせている点が特徴です。
専任媒介契約は、専属専任媒介契約と一般媒介契約の中間のような内容といえます。依頼主の自由度と不動産会社の対応のバランスがとれていることから、3種類のなかで最も選ばれている契約です。
専任媒介契約を結ぶ場合は、以下のメリットとデメリットを理解する必要があります。
メリット | デメリット |
---|---|
・不動産会社のモチベーションアップにつながる ・依頼主自身で買主を見つけられる ・手厚いサポート・サービスが期待できる ・窓口を一本化できる |
・複数社に依頼できない ・囲い込みされる可能性がある ・売主都合で途中解約しづらい ・他の人に知られる可能性がある |
多くの人々は、専任媒介契約の以下の点にメリットを感じています。
依頼主は1社のみに任せているため、契約期間中は他社と競い合うことがありません。その分、販売活動に注力してもらいやすいです。
依頼主自身で相手を見つける自己発見取引が認められています。自己発見取引が成立した場合でも、仲介手数料の支払いは不要です。
複数社の営業力で幅広く買主を探したいものの、直接買主を探す選択肢も残したい場合におすすめです。親族や知人への売却や、他社への買取を視野に入れながら売却を進められます。
不動産会社からハウスクリーニングサービスなどの特典を受けられる可能性があります。サポート・サービスの有無や内容は会社によって異なるため、契約前に確認しておきましょう。
連絡や手続きの窓口を一本化できることから、依頼主の手間がかかりません。依頼した1社とのやりとりで完結するため、連絡漏れなども減らせるでしょう。
以下のデメリットを知ったうえで、専任媒介契約を結びましょう。
複数社と重ねて契約することはできません。売買を成功させるためには、実績やノウハウを持った、信頼できる会社を選ぶことがとても重要になります。
囲い込みされるリスクがある点にも気を付けましょう。囲い込みによって買い手が絞り込まれると、せっかくのチャンスを逃してしまいます。
原則として期間内は途中解約できません。売主都合で途中解約するのは違約金が必要になるため、ハードルが高いです。
他の人に知られず売りたいという方もいますが、専任媒介契約だとその要望を叶えるのが困難です。必ずレインズに登録されるため、売却の事実がオープンになってしまいます。
3種類の違いを解説しましたが、結局どれが自分に向いているのか気になりますよね。ここでは専属専任媒介契約に向いている人と向かない人の特徴をまとめました。
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
・手間をかけたくない人 ・需要の低い物件を売却したい人 |
・知り合いが購入する可能性がある人 ・需要の高い物件を売却したい人 |
専属専任媒介契約に向いている人の特徴は、専任媒介契約と共通しています。重要なポイントは、向いていない人の特徴として記載した「知り合いが購入する可能性がある人」です。この特徴に当てはまるかどうかで、専属専任媒介契約か専任媒介契約のどちらに向いているかがわかります。
専属専任媒介契約に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
手間をかけたくない人は、専属専任媒介契約か専任媒介契約がおすすめです。1社とのやりとりで完結するため、時間が限られていても効率的に進められます。
こちらから確認しなくても、毎週進捗報告が届くのも手間を省けるポイントです。
売りにくい物件を売却予定の人も、専属専任媒介契約か専任媒介契約が適しています。
1社だけと契約を結ぶことで、販売活動にも熱が入るためです。またレインズに登録されることによって、全国の不動産会社に情報がオープンになります。
駅から離れた立地の物件や、築年数が古い物件は需要が少ない傾向があります。だらだらと売れ残ってしまう恐れがあるため、短期集中で売ることが肝心です。
専属専任媒介契約に向かない人の特徴は、以下のとおりです。
知り合いが物件を購入してくれる可能性がある場合、専属専任媒介契約は向いていません。
自己発見取引に制限がかけられている関係上、知り合いが購入すると損をしてしまうためです。
自己発見取引の可能性を残したい場合は、専任媒介契約をおすすめします。自己発見取引と複数の不動産会社に重ねて依頼することを両立したい場合は、一般媒介契約が最適です。
人気物件を売却したい人は、一般媒介契約のほうがおすすめです。
複数社に依頼することで競争原理が働き、一社に依頼するより高値で成約する可能性が高まります。駅近や築浅など人気の物件は、一般媒介契約を検討してみましょう。
専属専任媒介契約を結ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。
専属専任媒介契約の場合、どこにお願いするかが売却の成否を分けます。1社に絞り込むため、選び方を間違えると売却が上手くいきません。売却の仲介が得意で、類似物件の売却実績が豊富な会社を選びましょう。
担当者の信頼度や対応力をじっくりと見極めることも重要です。依頼するときは担当者と顔を合わせ、わからないことは何でも相談してみましょう。直接話して真摯に向き合ってくれる人であるとわかれば、安心して任せられます。
専属専任媒介契約を結びたいと打診しても、不動産会社から断られる可能性があることを念頭に置いておきましょう。
専属専任媒介契約は、レインズの登録や販売活動報告など、不動産会社にさまざまな義務が課されています。これらの義務を負担に感じ、専属専任媒介契約を結ぶことに消極的な不動産会社も少なくありません。
デメリットでも説明しましたが、専属専任媒介契約は囲い込みされるリスクがあります。
囲い込みを防止するためには、両手仲介にこだわらない不動産会社に依頼することがポイントです。
事前に囲い込みをしないよう直接担当者に伝えることも、防止策として効果があります。伝え方としては「両手仲介にこだわらずに販売活動をしてもらえますか?」と確認するのがおすすめです。
専属専任媒介契約を結ぶ場合は、違約金がかかる条件と違約金の金額を確認しましょう。
違約金の上限額は、仲介手数料相当額と定められています。よくあるのは、販売活動にかかった実費を請求されるケースです。会社ごとに違約金の考え方が異なるため、契約を結ぶ前に必ず確認することがポイントです。
専属専任媒介契約を結んでも、無事に売却できるとは限りません。契約期間内に買い手が見つからなければ、次の戦略に切り替える必要があります。
たとえば一般媒介契約に切り替えて、複数の不動産会社に買い手を探してもらうのも一つの手段です。最悪の事態に備えて次の戦略を考えておけば、上手くいかなくても焦らずに行動できます。
専属専任媒介契約は、不動産会社1社だけに売却を任せる契約です。手間なく短期間で売りたい人や、需要の低い物件を売却する人に向いています。
販売活動の進捗を把握しやすかったり、特典を受けられたりするのがメリットです。一方で自分で買主を探せない点や囲い込みのリスクがある点には注意しなければなりません。
仲介を依頼するときは、信頼できる不動産会社を選びましょう。契約前に途中解約の条件確認や売却できなかったときの対策までしておくと、スムーズに売却を進められます。
熊本市不動産売却クイック査定です。
マンションの2階を買ったものの、売れにくいと聞いて後悔していませんか。確かにマンションの2階には売れにくい特徴がありますが、買い手を惹きつける魅力的な特徴もあります。
今回はマンションの2階に住んで後悔している方に向けて、売却するためのコツを紹介します。2階を売却するときのアピールポイントもまとめているため、できるだけ高値で売却したいという方は必見です。
あなたが2階の住戸を買って後悔しているのはなぜですか?一番大きな理由は「売れにくいから」ではないでしょうか。
一般的にマンションは高層階のほうが人気があり、資産価値も高いといわれています。反対に低層階に属する2階の住戸は、不人気なイメージを抱かれることが少なくありません。
しかし2階という条件だけで売れないと決めつけるのは、時期尚早です。2階のデメリットとメリットを両方理解すれば、売却の糸口が見えてきます。さらに2階でも多くの買主を惹きつける条件があるため、もし該当する場合はアピールポイントとして活用しましょう。
すべてのマンションに該当するわけではありませんが、マンションの2階には以下のデメリットがあります。
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
2階住戸でよく懸念されるのが、日当たりの悪さです。低い位置にある2階は、周りの建物によって室内に日影ができることが多いです。近くに高層の建物が立っている場所では、1日中日が当たらないケースもあります。
室内に日光が差し込まないと、住環境にさまざまな悪影響をおよぼします。たとえば室内にカビが生えやすくなったり、冬場は冷え込んだりします。
家探しにおいて、日当たりの良さを重視している人は少なくありません。そのためマンションの2階を売却するときは、日当たりの悪さがネックになる可能性が考えられます。
高層階に比べると眺めが悪い点も、デメリットとして挙げられます。2階の住戸はフロアの高さが低く、遠くの景色まで見渡すことはできません。特に建物が密集している都市部では、視界を遮られることが多いです。
高層階の眺望を目当てにマンションを購入する人にとって、2階のお部屋は魅力を感じにくい可能性があります。
ただし一部例外もあります。窓の正面に緑豊かな木々が植えられている場合は、2階でも美しい眺望を手に入れることが可能です。
2階の住戸は道路との距離が近いため、騒音に悩まされる恐れがあります。
たとえば大きな通りに面しているマンションは、車やバイクの音が頻繁に聞こえます。人の往来が激しい場所では、話し声が気になる場合が多いです。線路が近い場所では、電車や遮断機の音が大きく感じます。
今住んでいて騒音を感じていない場合でも、音の感じ方は人それぞれ異なります。売却前の内見で、買主が耐えられないレベルの騒音を感じれば、購入を躊躇してしまうでしょう。
防犯上の問題が発生しやすい点にも、注意が必要です。2階は低い場所にあるため、不審者が侵入しやすくなります。
侵入ルートは玄関だけでなく、窓やベランダから入ってくるケースもあります。ベランダに洗濯物を干す場合は、洗濯物の盗難にも注意しなければなりません。
2階住戸のデメリットとして、虫が入りやすい点も挙げられます。こちらも、地面からの距離が近いことが原因です。
蚊、ハエなど飛行する虫は10m程度の高さまで飛べるといわれています。2階の高さは平均3m程度なので、容易に到達できてしまいます。ゴキブリも、2階であれば外壁や階段をのぼって侵入しやすいです。
特に虫嫌いな人は、2階の住戸を敬遠する可能性があります。
マンションの2階は悪いことばかりではなく、以下のメリットが期待できます。
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
2階に住んでいれば、地震や火災など災害が起きた際に避難するのが速いです。エレベーターが動かなくても、階段で速やかに外へ逃げることができます。
災害によって停電が続いた場合は、エレベーターが長期間停止することが少なくありません。そのような場合でも、2階であれば階段を使って水や食料を簡単に運べます。
一方で高層階のお部屋は、災害発生時に階段を何段も上り下りしなければならず、避難に時間がかかります。エレベーターが停止したときに荷物を運ぶ負担も大きいです。
2階に住んでいると、日頃から外との行き来がしやすいです。2階のお部屋は、階段ですぐにエントランスに降りることができます。
たとえば通勤・通学の時間帯は、エレベーターを利用する人が多くなります。エレベーターが混んでいるとき、2階であればすぐに階段に切り替えることが可能です。
高層階でも階段を使うこと自体は可能ですが、体力をかなり消耗します。エレベーターか階段か、移動手段を気軽に選べるのは低層階特有のメリットです。コンビニや子どもとの公園遊びなど、ちょっとした用事でもすぐ外に出られます。
2階の住戸は高層階に比べて値段が安い傾向があります。1フロアごとの価格差はケースバイケースですが、10万円以上差が出るケースも少なくありません。
マンションのなかには、ラウンジやキッズルームなど共用部が充実している物件もあります。これらの共用部を高層階の居住者と同様に利用できると考えると、安い価格で購入できる低層階はコストパフォーマンスが高いといえます。
近年マンション価格は高騰しています。コスパ良好な2階を売りに出せば、リーズナブルな物件を探している人たちの目にとまる可能性が高いです。
一般的に低層階よりも高層階のほうが地震の揺れ幅が大きいといわれています。高層階は長周期地震動という大きく長い揺れが続くためです。
マンションには耐震構造、制震構造、免震構造の3つの構造タイプがあり、それぞれ揺れの種類が異なります。耐震構造は建物が頑丈である一方、地震の揺れが直接伝わりやすいのが特徴です。そのため他の構造タイプと比べて、高層階の揺れが大きく感じます。
揺れが大きいと家具の転倒が起こる可能性があり、非常に危険です。揺れによって気分が悪くなることもあるでしょう。
買主が地震の影響を最小限に抑えたいと考えている場合、2階のお部屋と相性が良いといえます。
マンションの2階は、以下の条件を満たしていると売れやすいです。
もし該当する条件があれば、売却するとき積極的にアピールするのがおすすめです。
マンションのセキュリティ対策がしっかりしていれば、2階でも売却しやすくなります。セキュリティ対策によって、2階のデメリットである防犯上の問題を解消できるためです。
昨今の防犯意識の高まりによって、マンションセキュリティは進化しています。たとえばエントランスのオートロックは、居住者と関係者以外の侵入を防ぐ対策としておなじみです。建物の外周に防犯カメラを設置しているマンションも多いです。そのほかにも、窓を防犯ガラスにしていたり、ピッキングされにくい鍵を採用していたり、さまざまなセキュリティ対策があります。
マンションを売却するときは、どのようなセキュリティ対策が取られているか確認しましょう。万全のセキュリティ対策が取られていれば、積極的にアピールすることで売りやすくなります。
浸水リスクが低いことも、売れやすい物件の条件になります。地面から近い2階の住戸を買う場合、浸水リスクを気にする人が多いためです。
近年は台風や線状降水帯などによる大雨で、水害が多く発生しています。近くに川や海がある土地や、周辺よりも低い土地に立っているマンションは注意が必要です。
マンションの浸水リスクが高いかどうかは、ハザードマップで確認できます。ハザードマップで浸水リスクが低いことがアピールできれば、買主の安心感につながり、成約率が高まります。
周辺の治安が良いことも、有力なアピールポイントになります。2階の住戸は、周辺の治安によって住み心地が大きく左右されるためです。
たとえば繁華街が近い場所は夜も人通りが多く、騒音を感じる可能性が高いです。犯罪発生件数が多い場所や人目につきにくい場所では、不審者に侵入されるリスクも高まるでしょう。
一方で駅から離れた立地でも、治安が良い住宅街であれば需要があります。特に小さい子どもを育てている子育て世帯は、治安を重視して家探しをしている人も多いです。
学校から近い立地のマンションであれば、子育て世帯へのアピールポイントになります。
子どもが通う小学校・中学校・高校との距離や学区は、多くの親が気にするポイントです。特に良質な教育を受けられる学校が近くにあると、親は安心して子育てできます。
さらに登下校で使う通学路の安全性も、外せないチェックポイントになるでしょう。また図書館や学習塾など学校以外の教育施設も充実していると、マンションの売却にプラスに働く可能性があります。
一般的に駅近のマンションは資産価値が高く、値下がりしにくい傾向があります。最寄り駅から近い立地は希少であり、多くの人が探しているためです。
駅近の明確な定義はありませんが、徒歩10分圏内であれば駅近とみなされることが多いです。さらに最寄り駅に急行列車が停車したり駅周辺に商業施設が充実していたりすると、マンションの評価はますます高まります。
駅が近いマンションであれば、2階でも売却しやすくなる可能性があります。
マンションを売る際は、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。できるだけ高く売るためには、不動産会社選びが重要なポイントになります。ここからはマンションの2階を高く売る方法を解説します。
不動産会社に査定してもらうときは、最低でも3社以上にお願いしましょう。その理由としては、不動産会社によって査定額に差が出ることがあるからです。
3社以上に依頼した場合、査定額を比較することで、適正価格かどうか判断しやすくなります。マンションのアピールポイントについても、さまざまな意見をもらえます。担当者との相性や対応力の良し悪しを見比べることも可能です。
一方で1社に絞って査定を受けた場合、比較のしようがありません。依頼した1社の意見しか聞くことができず、高値で売るチャンスを逃してしまう恐れがあります。
3社以上に査定をもらうときは、一括査定サービスを活用する方法が効率的です。1度に複数社へ査定依頼ができるため、1社ずつ連絡する手間が省けます。
マンションの2階は周辺環境の影響を受けやすいため、売れにくいといわれることがあります。しかし本当に売れないかというと、そうではありません。
2階は外との行き来がしやすいため、災害時や日頃の移動ではメリットを発揮します。さらにお得な値段にメリットを感じる人も多いです。
まずは自分の所有している2階の住戸がどのような強みを持っているのか、把握することが大切になります。そして売却を進める場合は、まず複数社の不動産会社に相談してみましょう。査定額やアピールポイントなど、高く売るための客観的なアドバイスをもらえます。
熊本市不動産売却クイック査定です。
土地の売買を行う際は、不動産会社が仲介に入るケースが多いです。仲介を依頼すると、買主探しや契約書面の作成といったさまざまなサポートを受けられます。
一方で既に買主が決まっている場合、「仲介を挟まず個人間で直接売買できないか」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では土地の売買は個人同士でも可能なのか、個人間売買のメリット・デメリットを紹介します。
個人間で土地を売買することは可能です。法律的にも特に問題なく取引できます。
通常不動産取引を実施する際は、宅地建物取引主任者の資格が必要です。しかし個人間売買であれば、宅地建物取引主任者の資格を持っていなくても基本的に問題ありません。一度限りの取引や特定の人だけに対する取引は、宅地建物取引業法の制約から除外されるためです。
個人同士の土地売買は仲介手数料がかからないため費用の節約になります。一方で自分たちで契約書を作成する必要があるなど、手続きが煩雑化しやすいのが注意点です。不動産取引に関する正しい知識がないと、思わぬトラブルが発生する恐れがあります。
取引をスムーズに進めるには、当事者間がしっかりとコミュニケーションをとれることが大前提です。したがって取引の相手は、親子や知り合いなど親しい人を選ぶほうが望ましいです。
土地の売買において、売却を個人で行う場合は以下の手順で進めます。
それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。
まずは所有している土地がいくらで売れるのか、相場を調べます。
相場を調べる際は、「不動産情報ライブラリ」を活用する方法がおすすめです。不動産情報ライブラリは国土交通省が提供しているサイトで、不動産の取引価格情報を調べられます。
不動産情報ライブラリ
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
不動産情報ライブラリでは住所や時期を指定して、過去の取引価格を検索することが可能です。類似物件の取引価格を見れば、おおよその相場がわかります。
不動産情報ライブラリでは、公示価格を調べることも可能です。公示価格は、不動産鑑定士が全国2万6,000か所にある標準地を鑑定・評価をした結果に基づき決定されます。売り急ぎや買い進みなど特殊な事情を加味しない価格であるため、適正な相場を把握するのに役立ちます。
売却価格を決めるにあたっては、過去の取引価格と公示価格を両方チェックしておくのがおすすめです。
個人同士の土地売買では必要書類をすべて自分で用意しなければなりません。入手するのに時間がかかる書類もあるため、前もって準備をする必要があります。
土地の売却で必要な書類は、以下のとおりです。
必要書類 | |
---|---|
登記簿謄本 | 土地の権利や面積などが記載された書類。抵当権設定の有無などを確認するのに必要 |
登記識別情報通知書または登記済証(権利証) | 登記名義人だけに通知される書類 |
売主の本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカードなど |
住民票 | 登記上の住所と名義人の現住所が異なる場合に必要な書類(発行から3カ月以内のもの) |
印鑑証明書 | 実印であることを第三者に証明できる書類(発行から3カ月以内のもの) |
確定測量図 | 境界が確定している場合に発行される実測図 |
筆界確認書 | 境界確定している場合に隣地所有者と交わす書類 |
越境の覚書 | 越境の有無や是正方法を確認するために隣地所有者と交わす書類 |
固定資産税納税通知書または固定資産税評価証明書 | 登録免許税の算定や固定資産税の精算のために必要な書類 |
土地を取得したときの書類 | 売買契約書・重要事項説明書など |
その他 | 抵当権抹消書類や地盤調査報告書など |
確定測量図や筆界確認書、越境の覚書は、売却後の境界トラブルを防止するために必要な書類です。もしこれらの書類を作成していない場合は、測量会社に依頼して作成することが望ましいです。
先に調べた周辺相場を参考にしながら、土地の売却価格を決めます。仲介を依頼していれば不動産会社から売却価格の提案を受けられますが、個人間取引では自分で判断材料を集めて売却価格を決めなければなりません。
周辺相場よりも大幅に安い価格で売却すると、みなし贈与となってしまい贈与税が課される可能性が高いです。その場合は売却価格と時価の差額が贈与としてカウントされます。
贈与税には非課税枠があるため少額の贈与であれば問題ありませんが、土地は高額になるため税金の負担が大きいです。特に親子間で売買する場合は、みなし贈与にならないよう気を付けましょう。
また、買主が値下げ交渉をしてくる可能性を想定し、売却価格は周辺相場より若干高めに設定することをおすすめします。いくらまでなら値下げ交渉に応じられるかという最低価格も決めておきます。
売却価格を決めたら、買主を探します。個人間取引を成功させるためには綿密なコミュニケーションが必要になるため、信頼できる買主を探すことが重要です。まずは親族や知り合いなど親しい間柄の人に売却できないか、検討することをおすすめします。
それでも見つからない場合は、不動産マッチングサービスを利用してみるのも手です。不動産マッチングサービスとは、不動産を売りたい人と買いたい人を結び付けるサービスです。売主は自分で物件の登録や取引ができ、交渉もスムーズにおこなえます。
一口に不動産マッチングサービスといっても、空家付き土地を中心に取り扱っていたり、都心などエリアを限定していたり、サイトごとに特色が異なります。自分に合ったサービスを見つけましょう。
買主が見つかれば、価格交渉に移ります。売却価格と合わせて契約条件のすり合わせもおこないましょう。
価格交渉では、周辺相場など客観的な数字を参考にしながら話を進めていくのが肝心です。根拠のない金額で交渉してもお互いに納得することは難しく、着地点がわからなくなってしまいます。
価格と契約条件に合意できたら、不動産売買契約を結びます。契約締結時に交わす売買契約書と重要事項説明書は、前もって作成しておくのがおすすめです。個人間取引では自分たちで契約書類を作成するため、抜け漏れや記載ミスがないかといったチェックに時間がかかります。
契約書を作成する際、売主は契約不適合責任に注意しましょう。契約不適合責任とは、契約書に明記されていない不具合が見つかった場合、売主に修繕や代金減額などの負担が発生するという民法上のルールです。たとえば売却する土地で地中埋設物が見つかっている場合、そのことを明記しないと契約不適合責任が生じる場合があります。契約書には土地に関する情報を漏れなく記載することが大切です。
売買契約書を締結後、代金の決済と土地の引き渡しをおこないます。売主は買主からの入金を確認してから、契約書類などを引き渡す流れです。
決済・引き渡し後はすみやかに所有権移転登記申請もおこないます。登記手続きは自分で申請するか、司法書士に委任します。
所有権移転登記が完了したら法務局から買主に登記識別情報通知書が届き、取引完了です。
土地の売買において買取を個人で行う場合は、以下の手順で進めます。
それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。
欲しい土地のエリアや面積など条件を絞り込んでから、インターネットなどで土地の売り出し情報を調べます。
気になる土地が見つかるとすぐに買いたくなると思いますが、良い土地を買うためには一歩踏み込んだリサーチが必要です。なぜその土地が売れ残っているのか理由をチェックしましょう。
売れ残っている理由がわかったら、自分にとって妥協できるポイントなのかを考えます。「家を建てたいのに新しい建物を建てられない」など致命的なポイントがあれば、購入は見送ったほうが良いでしょう。
気になる土地が見つかったら、価格が適正であるか調べます。「不動産情報ライブラリ」を活用して、過去の類似取引事例や公示価格などと比較するのがおすすめです。
周辺相場をつかんでおくと、いくらまでなら値引き交渉できそうかというポイントもわかります。
気に入った物件が見つかったとしても、すぐに購入を決めるのは禁物です。まず現地に足を運び自分の目で確認をおこないましょう。書類だけではわからない土地の状況が見えてくるはずです。もし境界トラブルを抱えていたり、地盤沈下を起こしていたりすると、後々トラブルに発展する恐れがあります。
現地で確認しておきたいポイントは、主に以下の5つです。
わからない点があれば、売主にしっかりと確認するようにしましょう。現地確認をおこなったうえで納得できれば、売主に購入意思を伝えます。
次に価格交渉をおこないます。個人間取引では売主と買主双方が不動産取引には慣れていないことがほとんどであるため、より慎重な価格交渉が求められます。
無理な値引き交渉をすると、売主は気分を害してしまう可能性が高いです。売主から取引を断られた場合、価格交渉どころか取引自体が白紙になってしまいます。
売主の意思を尊重しながら、双方が納得できる決着点を探っていきましょう。そのうえで価格や契約条件などを定めた売買契約書を締結します。
最後に土地の代金を支払い、引き渡しを受けます。代金をどのように支払うかは、売主とよく確認しておきましょう。
決済・引き渡しが完了したら、すみやかに所有権移転登記の申請をおこないます。所有権移転登記の費用は、買主が負担するのが一般的です。登録免許税や司法書士報酬など登記申請に必要な費用を、予算に組み込んでおく必要があります。
個人で土地売買を行うと、以下のメリットがあります。
個人同士の土地売買では不動産会社を介さず直接取引するため、仲介手数料がかかりません。
不動産会社に仲介を依頼する際にかかる仲介手数料は、以下のとおり上限額が定められています。
売買価格 | 仲介手数料の上限額 |
---|---|
200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 |
200万円超400万円以下 | 売買価格×4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
例えば土地を1,000万円で売った場合、「1,000万円×3%+6万円+消費税=39.6万円」を上限額として仲介手数料がかかります。これが個人間の土地売買の場合、仲介手数料が0円になるため大きな節約です。
個人間の土地売買は、日程調整がしやすいというメリットもあります。
土地の売買では、現地確認・契約・引き渡しなどの日程調整が必要です。不動産会社に仲介してもらう場合は、不動産会社・売主・買主の三者で日程調整しなければなりません。
個人同士の土地売買は売主と買主の都合を合わせるだけで良いため、日程調整の負担が少なくて済みます。特に親族や知り合いが取引相手であれば、日程を合わせやすいでしょう。
不動産会社が仲介に入る取引と比べて、個人同士の取引は制約を受けにくい点もメリットです。
不動産会社に仲介を依頼する場合は、どのような制約があるのでしょうか。たとえば媒介契約による制約です。専属専任媒介契約を結ぶと、不動産会社1社にしか仲介を依頼できなかったり、自分で買主を探せなかったり制限を受ける可能性があります。
自由に土地を売買したいという方は、個人間の売買が向いているでしょう。
土地売買を個人で行う場合は、以下のデメリットに注意しなければなりません。
個人間の土地売買では、自分だけの力で買主を探さなければならず大変です。
親族や知り合いなどが買ってくれる場合は、問題ありません。
しかし一から買主を探す場合は、不動産会社に依頼するよりも時間と労力がかかります。必要に応じて不動産マッチングサービスなども活用し、効率的に探す方法を検討しましょう。
個人同士の取引においてトラブルが発生した場合、すべて自己責任で対処しなければなりません。
特に書類の内容に不備があると、後々トラブルが発生しやすいです。重大な不備があると裁判に発展するケースもあるため、ミスがないように書類を作成することが肝心です。
しかし売買契約書や重要事項説明書を作成するのは、専門的な知識が不可欠であり簡単な作業ではありません。不動産に関する知識を習得したり、弁護士・司法書士など専門家に相談できる体制をつくったり、入念な準備が必要になります。
トラブルを回避したい場合は、土地の売買に慣れている不動産会社に依頼するのが確実です。
個人間の土地売買は時間がかかる点もデメリットです。通常土地の売買は4〜6カ月かかりますが、個人取引ではさらに長い時間を要する場合もあります。
売却の場合はなかなか買い手が現れず、1年以上売れ残ってしまうケースも少なくありません。もし買い手が現れても、内見・契約・引き渡しなど一つひとつの工程に時間がかかります。
個人間取引の場合、金融機関が融資を嫌がる可能性もあります。その理由としては、個人間の土地売買は不動産会社のような第三者がおらず、取引の実態が見えにくいためです。
さらに個人同士の取引では重要事項説明書がない場合も多く、担保の対象となる物件の情報が不足していることも理由として挙げられます。
買い手がローンで土地を購入しようとしている場合、金融機関の審査がおりない限り売買は成立しません。このような事態を想定し、買い手側がしっかりと資金計画を練っておく必要があります。
個人同士の土地売買を成功させる方法は、以下の2つです。
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
不動産会社など専門家に相談することで、土地売買のリスクを大幅に軽減できます。
個人間取引でトラブルの元となるのが、売買契約書や重要事項説明書などの書面の抜け漏れや記載ミスです。不動産会社に書類作成を頼めば、専門的な知識や実務経験を活かしてミスなく手続きを進めてくれます。
また個人間取引は、相当な手間と時間がかかる点がデメリットです。仲介手数料を取引成功のための必要経費と捉えて、不動産会社の協力を得たほうがメリットが大きいという考え方もあります。
自分たちで書類を作成したいという場合は、専門家によるリーガルチェックを受けることをおすすめします。リーガルチェックは宅建士や行政書士、弁護士などに依頼することが可能で、法的な問題点がないか確認してもらい、的確なアドバイスを受けられるでしょう。
個人の土地売買を成功させるためには、適正価格の把握が欠かせません。先述のとおり不動産情報ライブラリを確認することも重要ですが、合わせて不動産一括査定サイトも活用すると良いです。
不動産一括査定サイトは、手軽に利用できる点がメリットです。インターネット上で土地の情報を入力するだけで、一度に複数の業者から査定結果を受け取れます。サイトによっては、メールで結果を知らせてもらうことも可能です。
一方で簡易的な査定だけでは正確性に欠けるという注意点もあります。一括査定サイトで得られた結果は、おおまかな目安として利用するのがおすすめです。より正確な査定を出してもらいたい場合は、査定してもらった不動産会社に相談するのも一つの手段です。
個人間で土地売買をすることは可能です。仲介手数料を節約できる点や、日程調整しやすい点がメリットとして挙げられます。媒介契約などの制約を受けないことから、親族など親しい相手と自由に取引したいという場合に向いています。
一方で個人同士の取引では不動産会社のサポートがないため、トラブルが起こりやすい点に注意しなければなりません。手続きの負担が大きく、長い時間を費やすことが予想されます。手間なくスピーディーに土地を売買したい場合は、専門家に相談したほうが円滑に進められるでしょう。
熊本市不動産売却クイック査定です。
マイホームを購入する際、夫婦の共同名義で住宅ローンを組む人もいるでしょう。しかし、人生何が起こるかわかりません。万が一離婚することになった場合、住宅ローンはどうなるのでしょうか。
実は、住宅ローンの共同名義はトラブルに発展するケースが少なくありません。そこで今回の記事では、「住宅ローンが共同名義の場合、離婚したらどうなるのか」について詳しく解説します。
離婚すると、これまで住んでいた家から「引っ越したい」と考える人も多いでしょう。離婚後の選択肢として多いのは、家を「売却する」もしくは「住み続ける」かのどちらかです。
ただし、どちらにしても注意すべき問題点があります。一体どのような点に注意すべきなのかさっそく確認していきましょう。
家を売却する場合は、2つのパターンが考えられます。
「アンダーローン」の場合は、売却して出た利益を夫婦で分割することができます。そのため、トラブルになりにくく、比較的スムーズに解決できます。一方、「オーバーローン」の場合には注意が必要です。オーバーローンは、住宅ローン残高が物件価格を上回る状態のことをいいます。
家を売却しても住宅ローンが残ってしまうため、家の売却自体も難しくなるでしょう。さらに、離婚したからといって、住宅ローンの名義をどちらか一方に変更することは原則できません。したがって、オーバーローンの場合には、住み続けるという選択しかできないケースもあります。
離婚した後、夫婦のどちらかが住み続けることもあるでしょう。その場合、住宅ローン残債がなければ、特に問題はありません。しかし、住宅ローン残債がある場合は、注意が必要です。共同名義のまま住宅ローンを払い続けるか、名義を一本化するか選ばなくてはなりません。
なお、共同名義の場合は、お互いがお互いの連帯保証人になります。したがって、どちらかが住宅ローンを滞納したら連帯保証人が支払いを求められます。最悪の場合は、家を差し押さえられる恐れもあるため注意が必要です。
離婚後も、住宅ローンを共同名義にしておくことはあまりおすすめできません。なぜなら、トラブルになるリスクが高いからです。ここでは、住宅ローンを共同名義にしておくことで起こる3つのデメリットについて解説します。共同名義のまま離婚した方は、できるだけ早めに対策を考えましょう。
先述した通り、住宅ローンを共同名義にするということは、お互いがお互いの連帯保証人になるということです。したがって、一方の返済が滞れば、もう一方の名義人が返済を求められる可能性があります。また、滞納が続けば、金融機関の判断で共有者の持分を競売にかけられる可能性もあります。
そうなれば、全く面識のない人と不動産を共有することになるのです。万が一、共有者と利用方針が一致しなければ、結果的に住み続けることすら難しくなるかもしれません。
共有者が亡くなれば、その遺族に遺産相続されます。相続人(共有者)が増えれば、権利関係が複雑になる恐れがあるため揉める原因になりかねません。
また、物件を売却する際は、双方の同意がなければ売却できません。離婚後は「話し合いが難しい」、「連絡先がわからない」といったケースも多く、売却自体が難しくなる可能性も考えられます。このように、共同名義のままでは、金銭面や手続き面で揉めるリスクが高くなるのです。
共同名義である以上、たとえその家に住んでいなくても管理責任があります。家のメンテナンスや故障が起これば、その都度話し合いや相談が必要になるでしょう。このように共同名義の場合は、離婚後も関係が続く可能性が高いです。
離婚原因によっては、心身的に大きなストレスになることもあるでしょう。離婚後に関係を続けたくない方は、離婚するタイミングで共同名義を解消できるよう動くことが大切です。
離婚時には不動産の名義変更をしておくのがおすすめです。ただし、名義変更には注意点もあるため、しっかり内容を理解しておきましょう。
共同名義の不動産を夫婦間で売買し、どちらか一方の名義に変更する方法があります。これを「親族間売買」といいます。ただし、住宅ローン残債が多い場合は変更できない可能性があります。そのときは、住宅ローンを完済するか、繰り上げ返済をして残高を減らすことが必要です。
なお、住宅ローンを組んだ当初より収入が大幅にアップしている場合は、単独名義に変更できる可能性があります。持分の売買を行う前に、金融機関に確認してみましょう。
親族を連帯保証人に立てることで名義変更をする方法もあります。たとえば、妻側が連帯債務から外れる場合、夫側の親族で連帯債務者になってくれる人がいれば名義変更することができます。ただし、このケースは稀です。
よっぽどの理由がない限り、親族が連帯債務者になってくれることはないでしょう。また、離婚後に自分の持分を第三者に売却する方法もあります。
自分の持分を売却するだけなら、共有者の同意なしで売却することが可能です。ただし、共有部分の購入希望者は非常に少ないため、あまり現実的な方法ではありません。
不動産の名義変更をする場合、「譲渡所得税」と「登録免許税」という税金が課税されます。ここでは、名義変更でかかる税金について詳しく見ていきましょう。
不動産を売却すると、売却した利益に対して「譲渡所得税」が課税されます。これは離婚するときの名義変更でも課税対象です。
ただし、譲渡した側が対象となるため、譲り受けた側には納税義務はありません。なお、一定条件を満たせば3,000万円の特別控除(3,000万円以下であれば譲渡所得がかからない特例措置)を受けることができます。
土地や建物を売買、譲渡、または相続したときは、法務局で所有権移転登記が必要です。この所有権移転登記の際に納める税金を「登録免許税」といいます。所有権移転登記は、不動産の所有者が誰なのか明確にするために行います。したがって、必ず納めなくてはなりません。なお、登録免許税は以下の計算式で求められます。
登録免許税=不動産評価格×0.2%
所有権移転登記の申請は、自分で行うこともできます。ただし、一般の方が登記申請を行うのは時間と手間がかかるため、司法書士に依頼するのが得策でしょう。
昨今は、光熱費の高騰、物価高などの影響を受けて夫婦共働き世帯が増えています。これによって、共同名義で住宅ローンを検討している人も少なくありません。共同名義で住宅ローンを組むことは決して悪いことでなく、借入額を増やし選択肢を広げるための有効な手段です。また、住宅ローン控除を効果的に活用するためにも役立ちます。
ただし、マイホームは財産分与の対象になるため、揉める原因になりやすいのが実情。共同名義のままでは、売却するにも手間がかかります。さらに、離婚後はそれぞれの生活が始まるため、話し合いも思い通りに進まない可能性が高いでしょう。
したがって、離婚するまでに共同名義を解消しておくことが望ましいです。お互いが後悔の少ない選択をし、前に進むために離婚するタイミングできちんと話し合っておきましょう。
熊本市不動産売却クイック査定です。
現在わが国では高齢化を背景に空家が増えており、社会問題となっています。このような状況を考慮して制定されたのが、空家等対策特別措置法です。令和5年には一部を改正する法律が施行され、空家対策がよりいっそう強化されました。
この記事では空家等対策特別措置法とはどんな法律か、令和5年の改正内容も踏まえてわかりやすく解説します。空家を所有している方や実家が空家になっている方は、ぜひ参考にしてください。
空家等対策特別措置法とは、空家の活用促進を目的とした法律です。正式名称を「空家等対策の推進に関する特別措置法」といい、平成26年に制定されました。
この法律で定義されている空家とは、長期間人が居住していない建物とその敷地を指します。空家のなかでも特に問題があるものは、特定空家に指定されます。
特定空家に指定されることは、所有者にとって大きなデメリットです。自治体から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなります。さらに命令を受けると50万円以下の過料が科せられ、最終的には行政代執行で取り壊されてしまいます。
令和5年に、空家等対策特別措置法の一部を改正する法律が施行されました。おもな改正内容は、以下のとおりです。
それぞれの改正内容について、詳しく見ていきましょう。
中心市街地などのエリアで空家が発生すると、地域の持つ本来の機能が低下してしまう恐れがあります。令和5年の改正では、市区町村が空家等活用促進区域を指定し、空家の活用指針を定めることができるようになりました。
区域内では建築基準法の規制を緩和することが可能です。たとえば建築基準法では接道義務というものがあり、敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していないと建て替えができません。しかし区域内では接道義務による規制が緩和される可能性があります。
区域内では建物の種類を制限する用途規制が合理化される点も特筆すべきポイントです。このように空家等活用促進区域を指定することで、空家の建て替えや用途変更が進むことが期待されます。
改正法では特定空家という区分に加えて、管理不全空家という新たな区分が設けられました。管理不全空家とは、適切な管理がされておらず放置すれば特定空家になってしまいそうな空家のことです。
市区町村は管理不全空家の所有者に対しても、指導・勧告をおこなえます。勧告を受けた管理不全空家は、特定空家と同様に固定資産税の住宅用地特例が適用されません。
また所有者把握も円滑におこなえるように改正されています。具体的にいうと、市区町村が電力会社やガス会社に対して、空家の所有者に関する情報を求めることが可能になりました。
緊急時には特定空家に対して勧告や命令の手続きをとらなくても、強制撤去(行政代執行)をすることが可能になりました。たとえば台風が近づいているときなどに、倒壊しそうな特定空家を迅速に撤去することで、周辺地域の安全を確保できるようになります。
さらに所有者不明の空家に対して、市区町村が財産管理人の選任を請求できるようになりました。以前は財産管理人の選任請求は利害関係人しかできませんでしたが、市区町村が介入することで財産管理の円滑化を図れます。
特定空家に指定され勧告を受けると、固定資産税の負担が重くなります。さらに代執行までおこなわれると、解体費用なども支払わなくてはなりません。特定空家に指定されないための方法は、以下の2つが挙げられます。
空家を活用できていないのであれば、早めに売却するのがおすすめです。方法としては、中古住宅付き土地として売却する方法と、更地で売却する方法があります。
中古住宅付き土地として売却する方法は、空家を解体する手間がかかりません。一方で買主が空家の解体費用を負担することになるため、売却価格は安くなることが多いです。時間やお金をかけずに売りたい方に向いています。
空家を解体して更地で売却する方法は、中古住宅付き土地よりも早く高く売却しやすいです。ただし空家を解体すると、固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなります。解体してから売却するまでの期間、土地の固定資産税が増える点に注意しましょう。
リフォームを施して、空家を活用するのも手です。活用方法は、自宅として利用する方法や、賃貸物件として貸し出す方法があります。
自宅として利用する方法は、空家を手放したくない方におすすめです。特に実家が空家になっている場合「たくさんの思い出があるから売りづらい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。この方法であれば、大切な実家を家族で住み継いでいくことも可能です。
賃貸物件として貸し出す方法は、家賃収入を得られるのがメリットです。駅から近いなど好立地に立つ空家であれば、高い家賃収入が見込めるでしょう。また入居者が建物を管理してくれるため、所有者の負担軽減も期待できます。
住宅とは異なる用途に変更して、貸し出すケースも増えています。変更する用途の例を挙げると、グループホームやレンタルスペース、シェアハウスなどさまざまです。立地に合った用途に変更することが、成功の鍵になります。
特定空家と判定される状態は、以下の4つです。
次の項目からはそれぞれの条件を具体的な例を挙げながら解説します。
建物が倒壊しそうな場合、特定空家に指定される可能性があります。
たとえば建物が傾いている場合です。基礎の破損や地盤の一部沈下によって、建物の傾きが見られることがあります。
主要構造部に腐朽や破損が見られる場合も要注意です。シロアリ被害を受けて構造材がもろくなると、倒壊の危険性が高まります。
屋根・外壁が剥がれて飛散しそうな場合も特定空家とみなされる可能性があります。このほか、門や看板など建物に附属する構造物にも気を配らなければなりません。
建物・設備の破損またはゴミの放置・不法投棄が原因で、不衛生になっている状態を指します。
具体例を挙げると、浄化槽が破損して汚物が流出しているケースなどです。このほかアスベストが飛散して、健康被害が発生しそうなケースなども該当します。
ゴミの放置・不法投棄によって臭気が発生している状態も、地域住民の日常生活に支障が出ます。不衛生な環境下では害獣(ネズミなど)や害虫(ハエ、蚊など)が一気に繁殖するリスクが高まるため、スピーディーに対処することが肝心です。
空家が適切に管理されていないことが原因で、景観を損なっている状態が該当します。
景観法や地域条例で定められたルールに適合していないと、景観を損なっている状態と判断される可能性が高いです。
このほか周辺の景観と著しく調和していないケースも含まれます。たとえば外壁が落書きされている、敷地内にゴミが山積しているなどです。外観が損なわれていると、不法投棄を誘発するなど、さらなる環境の悪化が懸念されます。
保安・衛生・景観以外にも周辺住民の生活環境に悪影響を及ぼしているケースがあります。
たとえば立木が原因で周辺住民に迷惑をかけているケースです。敷地内の立木が腐朽して道路に大量の枝が散乱していると、交通の妨げになります。立木の枝が道路に大きくはみ出している状態もトラブルの元です。
空家に動物が住みついてしまった場合も、地域住民の生活に支障をきたします。野良猫の鳴き声がうるさかったり、ネズミが繁殖して近隣の家に侵入したりすると、地域住民が快適に暮らすことはできません。
ほかには空家の施錠を怠ったために、不審者が侵入してしまうケースです。そのまま寝泊りを続けて住みつき、犯罪の温床になったという事例も報告されています。放火による火災にも十分注意しなければなりません。
特定空家に認定された場合、市区町村から以下の順番で改善が促されます。
改善が見られない場合は罰則が科されるため、早めに対応することが大切です。
市民相談などによって適切に管理されていない空家があるとわかれば、敷地内に立ち入って現地調査をおこないます。あわせて実施されるのが、所有者に関する調査です。所有者を特定し、なぜ空家になっているのか事情を把握し、状況に応じた解決策が検討されます。
これらの調査結果を踏まえて特定空家と判定された場合、市区町村から最初に受けるのが助言または指導です。口頭や電話で通知されるケースもあれば、書面が届くケースもあります。助言・指導の段階では、所有者に対して罰則はありません。
助言・指導から改善が見られない場合は、勧告がおこなわれます。具体的には一定の猶予期間を設けて、必要な措置をとるよう勧告します。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例から除外されるため注意が必要です。
勧告は書面によって所有者全員に通知されます。書面に記載されているのは以下の項目です。
勧告に従い所有者が適切な措置を講じれば、勧告は撤回されます。一方で勧告に従わなかった場合は再度勧告もしくは命令を受ける流れです。
正当な理由がないのに必要な措置がとられない場合、市区町村は所有者に対して命令を下すことができます。「金銭的な理由で空家を管理できない」のは、正当な理由とはなりません。
命令は書面で通知され、以下の項目が明示されています。
命令に従わない場合の罰則は、50万円以下の過料です。さらに現地に標識が設置され、特定空家であることが公示されます。
命令を無視する悪質な所有者に対しては、最終手段として行政代執行がおこなわれます。行政代執行とは、所有者に変わり行政が建物の解体をおこない、解体費用を所有者に請求するものです。
行政代執行による解体費用は、通常よりも高額になる可能性があります。所有者が解体工事を手配する場合と違い、行政代執行では複数の解体事業者に相見積もりをとるようなことはしません。
費用が支払われないと、所有する不動産を差し押さえられ、競売によって強制的に費用が徴収されることになります。大切な財産を奪われないためにも、行政代執行になるような事態は避けなければなりません。
空家対策に使える補助金制度を設けている自治体もあります。制度の詳細を知るためには、空家の所在する自治体のホームページを見たり、インターネット検索で「空家 補助金 〇〇市」と調べたりしてみましょう。
一例を挙げると、東京都墨田区では「老朽危険家屋除却費等制度」という制度があります。区が物件の不良度を判定し不良住宅に該当すれば、解体費用の2分の1、上限50万円まで助成する制度です。
解体だけではなく、改修に対する補助金を設けている自治体もあります。たとえば東京都文京区の「空家等利活用事業」は、空家所有者と空家の利活用希望者をマッチングして、成約すれば最大200万円の改修費用を補助する仕組みです。
空家等対策特別措置法は空家の利用促進を目的として制定されました。令和5年の改正によって、行政は空家の所有者に対して以前よりも強く改善を求められるようになっています。
地域住民の生活環境に深刻な問題をおよぼす空家は、特定空家に指定される可能性があります。特定空家の所有者にはさまざまな罰則が科されるため、指定される前に手を打つことが大切です。
空家の活用方法を見いだせれば、特定空家に指定される事態は避けられます。売却・賃貸・リノベーションなど、自分たちに合った活用方法を考えてみてはいかがでしょうか。
熊本市不動産売却クイック査定です。
旗竿地(はたざおち)は特徴的な形状をしていることから、法律や条例のルールに抵触してしまい、建て替えが困難になるケースがあります。「実家の土地が旗竿地で活用方法に困っている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は旗竿地(はたざおち)は建て替えできるものなのか解説します。建て替えできない場合の対処方法もまとめているので、旗竿地を所有している方や相続される予定の方はぜひ参考にしてください。
旗竿地(はたざおち)とは、竿が付いた旗のような形をしている土地を指します。細長い路地状の土地と、まとまった四角い土地が一体になっているのが特徴です。ほとんどの場合、道路から路地状の土地が伸びていて、その奥に建物が建っています。
旗竿地は土地を分割する過程で生まれます。大きな土地のままでは価格が高く買い手がつきにくいため、売却しやすくする目的で土地を分割することで生まれるのです。
土地には整形地と不整形地がありますが、旗竿地は不整形地に分類されます。不整形地は土地活用が難しいことから、土地の価格が安くなることが多いです。
以下のようなケースでは、基本的には新しい建物を建設できません。
土地が道路に接していない場合、再建築は不可となります。
建物の敷地には接道義務があります。具体的には建築基準法上の道路に2m以上接しなければなりません。建築基準法上の道路とは原則幅員4m以上で、特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域は6m以上になります。
災害時の避難経路や緊急車両の作業スペースを確保することが主な目的です。したがって所有している土地が道路に面していない、もしくは接している間口が2m未満の場合、基本的には新しく建物を建てられません。
自治体によって建築を制限する条例が定められています。たとえ接道のルールを守っていても、条例に違反していると新しい建物は建てられません。
たとえば、東京都には東京都建築安全条例という規制があります。東京都建築安全条例第3条によると、旗竿地の路地状部分の長さに応じて路地状部分の幅員が変わります。具体的には路地状部分の長さが20mを超える場合、路地状部分の幅員を3m以上確保しなければなりません。
このように条例の内容は地域ごとに異なるため、詳しくは自治体のホームページや窓口で確認しましょう。
接道義務を満たしていない場合でも、例外的に建て替えが認められる場合があります。それは以下のとおりです。
土地が面している道路がみなし道路の場合は、幅員4m未満でも良いとされています。みなし道路とは建築基準法42条2項で規定されている道路で、2項道路と呼ばれることも多いです。
現状幅4m未満の道路は多数存在しているため、救済措置として設けられている規定です。みなし道路として認定されるためには、以下の条件を満たす必要があります。
ただしみなし道路に面する土地については、みなし道路の中心線から2mの範囲まで道路境界線をセットバックさせることが求められます。セットバックした部分には建物を建築できません。
以下の要件を満たす場合、特定行政庁の建築審査会の同意を得て許可が得られれば、建物を新築できます。
この規定は建築基準法第43条1項ただし書きに基づくことから、43条ただし書き許可と呼ばれています。
接道による制限を受けるのは、都市計画区域内と準都市計画区域内の土地です。したがってこれらの区域外にある土地では、接道のルールが適用されません。
ただし都市計画区域外・準都市計画区域外であっても、住宅が密集しているエリアは少なくありません。接道していないことによって災害時に緊急車両が入れず、命の危険にさらされる恐れがある点に注意しましょう。
建て替えできない場合でも、あきらめるのはまだ早いです。次の項目からは、建て替え不可の旗竿地を建て替え可能にする方法を見ていきましょう。
土地の接道が足りずに再建築が認められない場合は、隣接地を購入する方法が有効です。隣接地を購入することで接道している間口を2m以上に広げることができます。
ただしこの方法は、隣接地の所有者が土地を売ってくれることが前提です。相手は売るつもりがないのに強引に進めようとすると、関係がこじれてしまう恐れがあります。良好な関係性を維持するためには、建築会社など不動産のプロに頼るのも有効な手段です。
隣接地を購入するのが難しければ、隣接地の一部を自分の所有地の一部と等価交換をする方法もあります。お互いにメリットを感じられる等価交換であれば、交渉しやすくなるでしょう。
隣接地の一部を借りる方法もあります。工事期間中だけでも接道しておけば、再建築が認められるケースがあるためです。
ただし、すべてのケースで再建築が可能になるわけではありません。一時的な賃貸借契約では認められないこともあるため、自治体への確認が不可欠です。
賃貸借契約を結ぶ場合は、賃料や契約期間などの取り決めを契約書にしっかり残しておきましょう。
接道義務の例外で解説した、43条ただし書き許可の申請を行うのも手です。申請手続きの流れは、以下のとおりです。
注意したいのが、43条ただし書きの許可は今回のみ有効ということです。一度許可がおりたからといって、永続的に許可されるわけではありません。将来建物を新しく作り変えるときは、改めて許可を得る手続きが必要です。
旗竿地で建物を解体・新築するときは、以下のポイントに注意しましょう。
旗竿地の建て替えでは、解体費用が高額になる可能性があります。
旗竿地は間口が狭く工事用の重機が入りづらくなるため、人力で作業しなければなりません。重機で作業するよりも多くの人手を要することから、費用が割高になってしまうのです。
旗竿地は整形地よりも解体費用が高額になることを念頭に置いて、解体費用の予算は余裕を持たせておきましょう。
費用が高額になるのは、新築工事も同様です。新しく建てる建物の資材搬入など、一つ一つの作業に手間がかかるため、高額になることが予想されます。
工期が長くなりやすい点にも注意が必要です。
重機を使った解体工事であれば、木造二階建ての場合10日〜2週間程度で終わることが多いです。しかし人力での作業になると、通常の2倍近く時間がかかることもあります。
さらに旗竿地に建つ家で生活している方は、工事期間中に暮らす仮住まい(賃貸住宅やウィークリーマンションなど)が必要です。工期が長期化すると、仮住まいの賃料もかさむことになるでしょう。
工事がきっかけで、近隣住民と揉めることもあります。施工中は騒音やトラックの出入りなどで、近隣住民に迷惑をかけてしまうことが出てくるでしょう。揉め事を未然に防ぐためには、事前に挨拶周りをして、工事内容をしっかりと説明しておくことが肝心です。
説明が不十分なまま工事を進めてしまうと、クレームを受けたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。最悪の場合、工事を中止せざるを得ない状況まで追い込まれることも。近隣住民に対しては、丁寧な対応が求められます。
旗竿地の建て替えが認められない場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。主な対処法は以下の4つです。
一つ目の対処法は、既存の建物を活かす方法です。リフォームやリノベーションを施せば、新築のように綺麗にすることも可能です。間取りなどを変更して、今のライフスタイルに合わせることもできるでしょう。
ただし再建築不可の物件は、増築を伴う工事が原則認められていません。あくまで増築とならない範囲でのリフォーム・リノベーションとなります。
また築年数が経過している建物は、耐震性やシロアリ被害などの問題が見つかる可能性があります。その場合はリフォーム・リノベーションを施しても、長く住むことは難しいです。リフォーム会社に相談して事前に建物を調査すれば、現状の問題点を知ることができます。
賃貸需要があるエリアに立地している物件は、第三者に賃貸する方法もあります。この対処法の大きなメリットは、毎月賃料収入が得られる点です。
リフォームやリノベーションで綺麗にすると、借り手もつきやすくなるでしょう。ただしその場合は資金計画が重要です。どのくらいの期間で投資回収したいのかによって、リフォーム・リノベーションにかけられるお金は変わってきます。
既存の建物を解体して、駐車場にする対処法もあります。他の方法に比べて、駐車場は初期費用が少なくて済みます。一方で駐車場にすると、住宅用地にかかる固定資産税の軽減措置は受けられなくなるため、固定資産税が高くなるのが注意点です。
駐車場には、時間貸駐車場と月極駐車場の2種類があります。たとえば駅前立地であれば、時間貸駐車場にすることで高い収益が期待できるでしょう。一方で住宅街にある場合は、近隣住民が利用する月極駐車場の需要が見込めます。
四つ目の対処法は、建物が残った状態で売却することです。活用方法を見いだせないのであれば、できるだけ早く売却したほうが余計な出費をかけずに済みます。
売却方法は隣接地の所有者に売却する方法と、再建築不可物件を専門に取り扱う買取事業者に売却する方法の2つがあります。
隣接地の所有者は自分の土地と買い取った土地を合わせて資産価値を高められるため、前向きに検討してくれる可能性があります。
買取事業者に依頼する場合は、スピーディーに売却できる点がメリットです。買取実績豊富な事業者であれば、旗竿地でも積極的に買い取ってくれるでしょう。ただ買取価格は相場の7〜8割程度になるのが一般的です。
旗竿地は法律や条例のルールを満たしていないと、原則として建て替えが認められません。
ただ、なかには例外的な措置があるため、建築基準法や自治体の条例などをよく確認する必要があります。隣接地を買い取ったり一時的に借りたりすることで、建て替え可能にする方法もあります。
建て替えできない場合は、既存建物にリフォーム・リノベーションを施したり、解体して駐車場経営をしたり、売却したりする対処法が有効です。
一番もったいないのは、何もせずに放置することです。旗竿地だからといってすぐにあきらめず、活用方法を探ってみてください。
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実家を相続した人の中には、「活用方法がわからない」という理由で放置してしまう人も少なくありません。
しかし、高齢化が進む日本では年々空き家が増加しており、深刻な社会問題になっています。
では、実家を相続した場合、どのように対応すれば良いのでしょうか?
この記事では、実家の活用方法や処分方法について解説します。相続する前に実家の活用方法や処分方法を理解し、適切な対応を行いましょう。
田舎の実家を相続すると、相続者にはどのようなことが起こるのでしょうか。後悔の少ない選択をするために、相続の注意点についてあらかじめ確認しておきましょう。
空き家を相続すると、毎年、固定資産税や都市計画税などの税金の支払いが発生します。
固定資産税は、地方税の一種であり、所有する固定資産に対してかかる税金です。これは、人が住んでいない空き家でも課税されるため注意が必要です。
また、相続した空き家が市街化区域に該当する場合、都市計画税も課税されます。土地や建物の資産価値が高ければ、固定資産税も高くなります。
田舎は敷地面積の広い家が多いため、都会に比べて固定資産税が高くなる可能性があるでしょう。
人が住んでいない家は劣化が早くなり、資産価値がどんどん低下してしまいます。そのため、空き家を相続したら、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
掃除や換気はもちろん、屋根や壁に壊れている箇所がないか細かくチェックしましょう。
なお、空き家が遠方の場合、交通費や宿泊費等の費用が負担となる可能性があります。相続する際には、空き家管理の年間支出を把握しておくことが重要です。
空き家は、盗聴や火災など犯罪に巻き込まれないよう注意が必要です。
特に注意すべきなのは火災です。放火や漏電によって火災が発生した場合、誰も住んでいない家では発見が遅れ、手遅れになってしまう可能性があります。また、隣家に燃え移れば多額のお見舞金を支払わなければならないでしょう。
ポストに郵便物が溜まっている、人の気配がしない家は犯罪に巻き込まれる可能性が高くなります。そのため、小まめな管理を行い異変に気が付けるよう注意しましょう。
空き家を放置しておくと、害虫や野生動物の住処となってしまう恐れがあります。
また、庭の雑草が生い茂り、近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性も考えられます。そのため、定期的に庭の手入れを行い、害虫や野生動物のエサとなるものを置かないなどの工夫が必要です。
近隣住民との関係が悪化すれば、さまざまな問題に発展しかねません。近隣住民への配慮は注意すべき点と言えるでしょう。
田舎の実家は、「必ず相続しなくてはいけない」というわけではありません。
結論から言うと、相続しない選択肢もあるのです。ただし、相続しないことで起こる注意点について把握しておくことが重要です。
この章では、実家を相続しない(相続放棄)について解説します。
先述した通り、田舎の実家を相続しないことは可能です。これを相続放棄といいます。
相続放棄すると田舎の実家や負債を相続しないで済みます。また、遺産分割協議にも関与する必要がありません。なお、相続放棄は申立できる期間が以下のように定められています。
民法915条(相続の承認又は放棄すべき期間)
相続人は、自己のために蔵族の開始があったことを知った日から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
引用:法務省 相続放棄等の熟慮期間の延長について
これは、3カ月以内に手続きを完了させなくてはいけないということではありません。あくまでも、3カ月以内に必要書類を家庭裁判所へ提出する必要があるということです。
相続放棄をする場合は、スケジュール管理を行い、期日内に申告できるようにしましょう。
相続放棄は、「実家だけ」を相続放棄することはできません。
たとえば、被相続人が実家の空き家の他に、駐車場として貸出している土地を持っていたとします。
この状況で相続放棄をすれば、空き家の実家と駐車場の両方を手放すことになります。このように、相続放棄は、「全ての財産を放棄すること」を意味しています。
実家の空き家は負債ではないものの、固定資産税の支払いや管理の手間がかかります。そのため、自分たちで活用できない場合は、相続放棄が最も有効な手段です。
相続内容や種類、総額、相続税など全てを把握した上で慎重に判断しましょう。
では、相続放棄する場合どのような手続きが必要になるでしょうか。
相続放棄は、「被相続人が亡くなった日から3カ月以内」という申告期間が定められています。できるだけスムーズに手続きが行えるよう相続放棄をする場合の手順を確認しておきましょう。
この手続きを3カ月以内に行う必要があるため、しっかりスケジュール管理を行い、必要な書類は早めに準備しましょう。
田舎の実家を相続した場合、活用方法がなければ売却するのも得策です。
しかし、場所によっては思うように売却が進まない可能性もあります。その場合は、家を解体して更地にする、空き家バンクに登録するなどの方法を検討してみましょう。
不動産会社に直接買い取りしてもらう売却方法を「買取」といいます。
買取は、査定依頼を行い、掲示された金額に納得できれば確実に売却することができます。
そのため、売却にあまり時間をかけられない人やすぐに現金化したい人におすすめの方法です。ただし、仲介に比べて、売却価格は安くなる傾向にあります。
不動産会社に依頼して売却する方法を「仲介」といいます。仲介では、売却が成立したら成功報酬として不動産会社に仲介手数料を支払います。
しかし、買取に比べて高額で売却できるケースも多いため、高値売却したい人にはおすすめの方法です。ただし、売却までに時間がかかる可能性があります。スケジュールには余裕を持っておきましょう。
空き家は、想像以上に劣化が進んでいることがあります。
たとえば、雨漏れやシロアリなど、目に見えない所で被害が起きていることも少なくありません。そのため、古くなった空き家は、解体して土地として売却するのも1つの方法です。
土地として販売すれば、使用目的が広がり売却しやすくなる可能性があります。個人で判断しにくい場合は、ホームインスペクション(建物状況調査)を活用するのもおすすめです。
ホームインスペクションは、「住宅診断」とも呼ばれ、床下、屋根裏、外壁、屋根、構造などを調査することができます。建物の現状を把握することで何を優先すべきか見えてくるでしょう。
田舎や地方では、少子高齢化に伴い、地域の過疎化や空き家の増加が問題となっています。
こうした背景を受け、少しでも空き家を有効活用するため「空き家バンク」が生まれました。空き家バンクは、空き家の所有者が登録を行い、自治体のホームページや広報誌などで購入希望者や入居者を募るサービスです。
移住者や交流希望者向けに提供している自治体も多く、地域活性化にも役立っています。また、その地域に定住したい人からの問い合わせが主となるため、成功率の高さも魅力です。
空き家バンクの実施は、自治体によって異なるため、詳しくはそれぞれ自治体でご確認ください。
ここまで空き家を相続放棄する場合や、売却する場合について解説してきました。
しかし、「思い出の詰まった実家を売却するのは避けたい」と思う人が多いのも実情です。
では、田舎の実家を相続して有効に活用する方法はないでしょうか。ここでは、田舎の実家を活用する方法をご紹介します。
空き家の状態によっては、賃貸で貸し出すことも有効です。
入居者がいれば毎月安定した家賃収入が見込めます。家賃収入があれば、空き家の管理や税金の支払いに充てることができるでしょう。
また、空き家の状態で放置しておくよりも、家の劣化を抑える効果が期待できます。
空き家を解体して更地にすれば、管理の手間や維持費が少なくなります。
更地なら駐車場として運用したり、貸地として運用したりする活用も可能です。運用がうまくいけば、収入源にもなるでしょう。空き家の管理に困っているものの、土地は手放したくないという人は更地にして運用する方法も検討してみましょう。
コロナ禍以降は、働き方にも大きな変化がありました。
自宅で仕事をする人が増え、のどかな環境で暮らせる田舎に注目が集まっています。自由な働き方ができる人は、自分たちで住むという選択肢を視野に入れてみるのもおすすめです。
空き家を自分たちで修理しながら生活することで家への愛着が増すことでしょう。
田舎の空き家は維持費だけでなく、定期的な管理が必要になります。そのため、コストだけでなく、手間と労力も必要になるでしょう。
そのままの状態で有効活用できることが望ましいですが、なかなか上手くはいかないものです。自分たちの生活に負担となる場合には、相続放棄や売却も視野に入れて検討しましょう。
また、相続後に万が一自分の身に何か起きれば、残された家族が相続することになります。後悔残らない選択をするためには、家族でしっかり話し合っておくことが大切です。