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高圧送電線の電磁波!人体への影響・健康被害は大丈夫?詳しく紹介

高圧送電線の電磁波!人体への影響・健康被害は大丈夫?詳しく紹介

 

高圧送電線は「高圧線」とも呼ばれ、各家庭に電気を届ける重要な役割を担っています。一方で、住む場所の近くに高圧送電線があると、人体への影響や健康被害を不安視する方もいるでしょう。「一生に一度」とも言われる住宅購入では、あらかじめ気になることやリスクをしっかりと把握しておくことが大切です。そこで今回は、高圧送電線とは何か、高圧送電線の電磁波による人体への影響、高圧送電線が近くにあることのメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。住宅購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

そもそも高圧線とは?

高圧線
まずは、高圧送電線(以下、高圧線)は、どのようなものか理解しておきましょう。電圧には、「低圧」「高圧」「特別高圧」の3種類があります。

 

低圧 600V以下
高圧 600V以上7000V以下
特別高圧 7000V以上

 

高圧線は、文字通り強い電圧の電気(6600V)を運ぶための電線です。家庭で使用される低圧線は100V~200Vであるため、高圧線には強力な電力が通っていることがわかります。高圧線は威力が強く、感電の危険性が高いため、人や植物などが触れないよう電柱や鉄塔の最上部に設置されています。

 

高圧送電線の電磁波!人体への影響・住宅被害は大丈夫?

人体への影響・住宅被害は大丈夫?
物件の近くに高圧線がある場合、「人体への影響や住宅被害は大丈夫?」と不安に感じる方も少なくありません。ここでは、人体への影響があるのか、住宅被害は大丈夫なのかについて解説します。

 

人体への影響は?

結論から言うと、人体へのリスクがないとは言い切れないため、個人の考えに応じて選択する必要があるというのが現状です。国際がん研究機関(IARC)では、送電線や家電製品に関係する電磁波の発がん性について「可能性があるかもしれない」と分類しています。しかし現時点では、高圧線の人体への影響や健康被害について明確な因果関係は証明されていません。

 

また、東京電力の調査によると、送電線や変電機器などの近くは電磁波が大きいものの、普段生活している場所では身近な家電製品と同じかそれ以下の電磁波レベルだと言われています。(ただし、距離による。)これを見ると、家庭内にある家電製品やスマートフォンからも電磁波は発生しているため、過度に心配しすぎる必要はないとも考えられます。

 

一方で、日本が設けている規制上限(電磁界の上限値)は、韓国・ドイツ・スイスなどが設けている値より高く設定されています。また、「長期的な影響の存在を示す科学的な証拠」が現時点では見つかっていないことから、安全だと断言するのは難しいと言えるでしょう。

 

住宅被害はある?

高圧線や送電線は日頃から保守点検され、必要に応じて工事も行われています。そのため、基本的には電線が切れて住宅や住民に被害を与える可能性は低いでしょう。しかし、メンテナンスが行き届いていなかったり、電線の劣化が進んでいたりすると電線が切れてしまうことがあります。

 

また、大地震や豪雨、洪水などが発生した場合も同様に電線が切れてしまう可能性があるでしょう。このとき、切れた電線に近づいたり触れたりしてしまうと、感電する可能性があり大変危険です。実際に断線が発生すれば、住宅や住民に被害が出る可能性はゼロとは言い切れないでしょう。

 

高圧線や送電線が近くにある!メリットについて

メリット
高圧線や送電線が近くにあることで、大きなメリットが得られるケースもあります。ここでは以下5つのメリットを紹介します。

 

  • 土地や住宅の価格が安い
  • 補償料がもらえる
  • 電柱敷地料がもらえる
  • 落雷しにくい
  • 日当たりが確保しやすい

 

ご自身の希望条件と照らし合わせながら見ていきましょう。

 

土地や住宅の価格が安い

高圧線の鉄塔が近くにあると「電磁波の影響がある」「危険」と考える方が一定数存在するため、土地や住宅は価格が安くなる傾向にあります。場合によっては、周辺相場より大幅に値下げして売り出しされることもあるため、価格重視の方にとっては大きなメリットとなるでしょう。

 

補償料がもらえる

高圧線が敷地内の上空を通っている場合、線下補償料が支払われるケースがあります。線下補償料とは、電力会社から受け取れるお金のことで、送電線による建物の高さ制限、地価の下落など「土地の利用価値が制限されることに対する対価」として支払われます。線下補償料は地域や契約内容によって異なりますが、一般的には以下の計算式で算出されます。

 

補償額=単価×使用面積×使用年数

 

たとえば、単価2,000円、敷地が100㎡の住宅では、年間20万円支払われることになります。これはあくまでも一例ですが、意外と大きな金額になることもあるため、気になる物件があれば線下補償料がもらえるのか確認してみることをおすすめします。

 

電柱敷地料がもらえる

敷地内に電柱が立っている場合も、電柱敷地料という使用料がもらえます。ただし、先ほど紹介した線下補償料に比べてもらえる額は少ないです。物件の状況によっても異なりますが、年間2,000円未満と考えておきましょう。少ない金額かもしれませんが、日々の電気代が少しだけ安く使えると考えるとお得に感じられます。

 

落雷しにくい

雷は高い場所に落ちるという性質を持っているため、近くの高い建物に落雷した場合、少なからず人や建物にも影響があります。しかし、鉄塔はしっかりとした落雷対策がされているため、落雷による周辺地域への被害は少ないでしょう。また、鉄塔は避雷針の役割も担っているため、雷が落ちたとき電気を地面に流してくれるはたらきがあります。

 

日当たりが確保しやすい

高圧線近くは、建物の高さ制限があったり、建物が少なかったりするため、日当たりが確保しやすいというメリットがあります。また、広い空間が確保しやすいことから風通しの良い物件が多いです。日当たりや風通しは、カビや結露の発生を防ぐ、快適な室内空間を維持するなど住宅の寿命を延ばすだけでなく、住人の心身の健康維持にも大きなメリットとなるでしょう。

高圧線や送電線が近くにある!デメリットについて

デメリット
次に、高圧線や送電線が近くにあることで考えられる5つのデメリットを紹介します。

 

  • 電磁波の問題
  • 景観の問題
  • 売却しにくい問題
  • 増築や建て替え制限の問題
  • 送電線の騒音問題

 

高圧線や送電線による意見は賛否両論です。ご自身の意見や考えをしっかり整理して、デメリットに影響されすぎないよう気を付けましょう。

 

電磁波の問題

多くの方が不安になるのは、やはり「電磁波の問題」でしょう。先述した通り、現時点では人体への影響や健康被害について明確な因果関係は証明されていません。しかし、どうしても「電磁波」を不安視する声は多いものです。また、電磁波の影響については、インターネット上にも様々な意見があります。中には根拠のない情報もあるため注意が必要です。住宅購入時は「あれも、これも」と希望条件が膨らみがちですが、あまり多くを求めると物件購入のチャンスを逃がしてしまいます。ご自身やご家族で何を優先すべきか、住宅に求める条件に優先順位をつけて考えてみましょう。

 

景観の問題

高圧線や送電線が近いと、「景観が悪くなる」というのもデメリットの一つです。特に、眺望の良さを求める人にとっては、大きなデメリットになる可能性があります。たとえば、毎朝起きて窓を開けたとき、目の前に大きな鉄塔や電柱、電線が広がっているとどうでしょうか。景観については個人差も大きいですが、人によっては、圧迫感や閉塞感を感じてしまうこともあるようです。一方で、景観をあまり気にしない人にとっては大きなデメリットとはならないでしょう。

 

売却しにくい問題

高圧線などの鉄塔は、嫌悪施設に該当します。嫌悪施設とは、周囲の人から嫌煙されやすい建物のことで、具体的には以下のような建物や施設のことです。

 

  • 騒音を発生させる建物や交通機関
  • 悪臭を発生させる建物(養豚場や養鶏場など)
  • 墓地や刑務所など、心理的な抵抗感を抱かせる場所

 

上記に該当する建物が物件周辺にあると、物件が売れないという問題が起こりえます。なかなか売却できなければ、売却価格を大きく下げたり、更地として売り出したり、売却方法を工夫する必要が出てくるでしょう。将来的に売却を検討している方は、これらのデメリットを踏まえた上で慎重な判断が必要です。

 

増築や建て替え制限の問題

電線近くの物件は、建築制限が設けられているケースがあります。たとえば、高圧線の下に位置している土地(高圧線下地)では、離隔距離の制限によって「建物の高さを送電線から3m以上低くしなければならない」というルールがあります。これらは、新築を建築するときだけでなく、建て替えや増築する際にも制限がかかってしまうため注意が必要です。特に中古住宅を購入して増築を検討している場合、希望通りの増築ができない可能性もあるため、あらかじめ不動産会社に確認しておきましょう。

 

送電線の騒音問題

天気の悪い日や、湿度の高い日は送電線から音が鳴ることがあります。これは、「コロナ放電」と呼ばれる現象です。コロナ放電は、送電線の周囲にある空気が高電圧によって部分的に分離し、電流が空気中を通る際に音が発生します。「ジジジ」「ビリビリ」「バチバチ」などの音がするため、静かな住宅街では気になる方もいるでしょう。また、夜中にこの音が鳴りだすと気になって眠れないという方もいるかもしれません。そのため、購入前に現地で音がしないか確認してみるのがおすすめです。天気の悪い日に行くことで、状況がより把握しやすくなるでしょう。

 

まとめ

今回は、高圧線や送電線の人体への影響や健康被害について、また高圧線が近くにあることで考えられるメリット・デメリットについて解説しました。高圧線が近いと、どうしてもデメリットに目が行きがちですが、多くのメリットも存在します。

 

本文中でもお伝えしたように、現時点では高圧線や送電線の人体への影響について明確な因果関係は証明されていません。しかし、物件近くに鉄塔や電柱があることを不安視する方が多いのも実情です。不安を感じたまま生活するとストレスを感じて、また引っ越しをすることにもなりかねません。人体へのリスクがないとも言い切れないため、ご自身や家族の考え方に応じて慎重に判断しましょう。

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