熊本市不動産売却クイック査定です。
賃貸物件へ入居する際には、敷金・礼金を払うのが一般的です。しかし、借りる立場からすると「なぜ毎月家賃を払うのに、礼金を払う必要があるの?」「礼金制度が理解出来ない」と思う方もいるかもしれません。では、そもそも礼金とは何のために支払うものなのでしょうか。この記事では、礼金を支払う意味や目的、払いたくない場合の対処法、礼金なし物件の注意点などについて解説します。
目次
「礼金」とは?礼金の意味など詳しく解説
礼金は「謝礼金」の一種で、大家さんに対して「貸してくれてありがとう」「お世話になります」といった意味を込めて支払う金銭です。なお、礼金は日本だけの文化と言われており、退去時に返還されることは基本的にありません。礼金の文化には諸説ありますが、昔は部屋を貸してくれる人が少なかったため、このような礼金文化が根付いたのではないかと言われています。そこでここでは、礼金の無い物件はあるのか、礼金の相場、礼金は違法なのか?などについて解説します。
礼金の無い物件ってあるの?
結論からお伝えすると、礼金の無い物件もあります。礼金があると初期費用が高くなるため、空室を防ぐ対策として「礼金なし」にしている物件もあります。しかし、約7割近くの物件は「礼金あり」です。近年は、礼金なし物件も増えつつありますが、まだまだ礼金文化が強く残っているのが実情でしょう。
礼金の相場について
礼金は、家賃の1カ月~2カ月分が相場です。多くの場合は家賃1ヶ月分ですが、東京や大阪などの都心部や、人気エリアにある物件は礼金が高い傾向にあります。たとえば、家賃15万円の物件で礼金2カ月分であれば、礼金だけで30万円支払わなくてはなりません。初期費用を抑えて引っ越ししたい方は、物件に少し妥協して「礼金なし」物件を選んだ方が安く引っ越しできるでしょう。
礼金は違法?法律的に上限はあるの?
仲介手数料は、法律で上限額が1.1カ月分と定められていますが、礼金には法律規制がありません。また、礼金の上限額も定められていないため、2カ月分でも3カ月分でも大家さんが自由に決めることができます。
礼金は頭おかしい制度と口コミがあるが払う理由とは?
インターネット上には、「礼金は頭おかしい」などの口コミも見受けられますが、礼金は支払わなくてはいけないのでしょうか。ここでは、礼金を支払う4つの理由について解説します。
- 風習として昔から続いているから
- 家賃を下げて空室を防ぐため
- クリーニング費用に使われるから
- 広告料金に使われるから
項目ごとに見ていきましょう。
風習として昔から続いているから
礼金が風習化したきっかけは以下の2点です。
- 関東大震災
- 高度経済成長期の時代背景
1923年の関東大震災では、多くの人が住む場所を失いました。そんな中、家を貸してくれる大家さんに対して「感謝の気持ち」を込めて礼金を渡したのが礼金の始まりではないかと言われています。また、高度経済成長期には、親元を離れて暮らす子どもが多く、大家さんが親代わりになっていました。そのため、親たちが「子どもをよろしくお願いします。」という意味を込めて礼金を渡していたとも言われています。このような風習が現代まで続き、礼金文化として残っているのでしょう。
家賃を下げて空室を防ぐため
礼金を多めに取ることで、月々の家賃を下げて安く見せる戦略があります。たとえば、本当は家賃10万円の物件でも、礼金を2カ月分にして家賃を9万円にします。類似物件に比べて家賃が1万円安ければ借りたい人が出てくるでしょう。このように、空室を防ぐために礼金を高めに設定し、家賃を安く見せる方法があります。こういった物件は、長期的に住むなら良いですが、1年未満に退去すると損する可能性があるため注意が必要です。
クリーニング費用に使われるから
敷金はクリーニングや退去費用に充てられますが、物件によっては礼金をクリーニング費用に充てることがあります。ただし、礼金の内訳は借主にはわからないため、何に使用されるかは不透明でもあります。
広告料金に使われるから
広告料とは、不動産会社に対して支払う報酬のこと。他にも、AD、業務委託料、仲介手数料といった呼び方をすることもあります。広告料の相場は、家賃の50%~100%です。たとえば、家賃10万円の物件を契約したら、不動産会社は広告料として5万円~10万円を受け取るイメージです。条件の悪い物件は、なかなか入居者が決まらないため、入居者からもらう礼金を広告料に充てる大家さんもいます。
礼金は頭おかしい!意味がわからない!実際の口コミを紹介
SNSでは、「礼金は頭おかしい!」など一部過激な意見もあります。しかし、別観点からの意見もあるため、SNS上の投稿に惑わされすぎないよう注意が必要です。では、実際にどのような口コミがあるのか見ていきましょう。
礼金に対する口コミ
SNS上では、礼金に対する口コミが多数見受けられます。以下は礼金対する口コミの一例です。
- 敷金はともかく礼金ってなんなん?意味わからん!
- 礼金絶対払いたくない!
- なんで借りる方がお金払わなきゃいけないの?
- 敷金0で礼金2カ月って頭おかしい
- 都市部の礼金高すぎ!家賃10万で礼金50万って頭おかしい。
礼金は決して安くないため、「理解できない」という声が多い印象です。特に金銭的に余裕のない若者や年金暮らしの高齢者からは不満の声が上がりやすいでしょう。
礼金は払いたくない場合の対処法
高額な礼金を支払いたくない方や、中には金銭的な余裕がなく支払えない方もいるでしょう。ここでは、礼金を支払いたくない場合の対処法を3つ紹介します。
- 礼金なしの物件を見つける
- 交渉してみる
- 繁忙期ではない時期に物件を見つける
項目ごとに解説します。
礼金なしの物件を見つける
近年は、「礼金なし」の物件も増えているため、礼金を支払いたくない、礼金を支払うお金がないという方は、礼金なしの物件に絞って部屋探しを行うのがおすすめです。ただし、礼金なしの物件にはデメリットがあり可能性があります。また、人気エリアや人気物件は、「礼金あり」でも競争率が高く、礼金なしで借りることはなかなか難しいでしょう。
交渉してみる
大家さんに直接交渉してみるのも有効な方法です。たとえば、空室期間が長い物件の場合、大家さんはすぐにでも入居してほしいと考えます。そのため、「即入居するから礼金をなしにしてほしい」と交渉してみると良いでしょう。なお、交渉時に上から目線でいくのは要注意。礼金なしの交渉どころか、契約自体を拒否される可能性もあるため注意しましょう。
繁忙期ではない時期に物件を見つける
不動産にも繁忙期と閑散期があります。一般的に1月~3月が繁忙期、6月~8月が閑散期とされています。繁忙期は、進学、就職、転勤などで物件の競争率が高くなるため、希望の物件を見つけたり、礼金なしの交渉をしたりするのが難しくなります。
一方、閑散期であれば、物件の競争率も下がるため、物件も選びやすく、礼金交渉もしやすくなるでしょう。
礼金なしの物件を見つけるときの注意点
礼金なし物件には、何らかのデメリットが隠れている場合があります。そのため、これから紹介する注意点に気をつけながら物件探しを行いましょう。
- 特約付きの可能性がある
- 欠点ありの物件の可能性がある
- 何かしらのトラブルがある物件の可能性がある
それでは順番に見ていきましょう。
特約付きの可能性がある
1つ目は、特約付き物件の可能性です。特約付き物件とは、短期解約違約金や契約の縛りがある物件のこと。たとえば、「3カ月以内に退去した場合は、違約金として家賃1カ月分支払う」といった定めや、「2年間は解約できない」などの特約が設けられています。長期的に住む場合はあまり問題ありませんが、短期で部屋を探している方は損をする可能性が高く注意が必要です。
欠点ありの物件の可能性がある
2つ目は、物件自体に欠点がある可能性です。先にお伝えしたように、人気の物件は競争率が高く、礼金1カ月でも借りたい人は多いです。一方、駅から遠く利便性が悪い、築年数が古い、お風呂がないなど、物件自体に欠点があると礼金をゼロにして入居者を募るケースがあります。住んでから後悔しないためにも、あらかじめ物件の詳細を細かくチェックしておくことが大切です。
何かしらのトラブルがある物件の可能性がある
3つ目は、物件自体に何かしらのトラブルがある、または過去にトラブルがあった可能性です。「事故物件」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思いますが、礼金なしの物件は事故物件の可能性もあります。ただし、直近で事故が起こった物件は、物件情報欄に記載されるため事前に確認することができます。
一方、近隣住民でトラブルになりやすい人がいたり、前入居者が何らかの理由ですぐに退去してしまったりした場合は、物件情報に記載されることはありません。したがって、入居前に「なぜ、この物件は礼金なしなのか」不動産会社に理由を聞いてみると良いでしょう。
まとめ
今回は、「礼金を払うのはおかしい?!」をテーマにお伝えしました。借主側からすると、礼金を支払うメリットは「ほとんどない」と言っても過言ではありません。したがって、礼金は頭おかしいという過激な発言もあながち間違ってはいないでしょう。しかし、礼金の上限額についての法律はなく、礼金1カ月、2ヶ月、もしくはそれ以上でも違法ではありません。また、礼金は敷金のように退去時に返却されるものではないため、礼金が相場より高いときは、しっかり納得した上で支払うようにしましょう。
一方、どうしても礼金を支払いたくない場合は、礼金なし物件に絞って部屋探しをするのも有効な手段です。ただし、礼金なし物件にはデメリットがある可能性が高いため、物件の詳細はしっかり確認しましょう。ネガティブなイメージの強い礼金ですが、礼金文化の背景には「大家さんへの感謝の気持ち」があります。現代は住む場所も多く選択肢は様々ですが、賃貸物件は「借りている」という感謝の気持ちを忘れないことが大切なのではないでしょうか。